バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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06 選択

「一体どうしたの? こっちは入り口だけど……何かあったの?」

 

 お化け屋敷から出てきた俺たちを出迎えたのは空凪妹と秀吉だった。

 剣の企みはこいつらには……知らされてなかったんだろうな。もし知っていたらこんな素で心配しているような顔はしていないだろう。

 

「まぁ、な。ちょっと近くのベンチで休みたい。何か飲み物でも買ってきてくれないか?」

「私たち、一応デート中っていう名目なんだけどなぁ……」

「先に開き直ったのはお前の方だろ。頼んだぞ」

「はいはい。秀吉くん、行きましょ」

「うむ、何かリクエストはあるかのぅ?」

「無い、適当に頼む」

「そうか、では行ってくるのじゃ」

 

 2人を見送って完全に視界から消えてから俺たちは近くのベンチに腰かけた。

 

「……雄二、さっきは……その……ごめんなさい」

「……お前が謝る事じゃない……わけじゃないと思うが、あまり気に病まないでくれ。

 さっきのはあのバカの自爆みたいなもんだからな」

「……確かにそうかもしれない。けど、違うの」

「ん?」

「私が謝らなきゃいけないのは、剣の言う通り、雄二を全然信用できていなかった事。

 ……雄二があんな事、言うはずが無かったのに」

「確かにな」

「……雄二、私は、どうすれば良いんだろう? さっきももし剣が間に合ってなかったら、私は雄二を……

 ……今後同じような事が起こったら、どうなるか分からない。私は、どうすればいいの?」

 

 剣の自爆特攻は翔子の精神に甚大なダメージを与えたようだな。こんなしおらしい翔子を見るのは初めてだ。

 今なら別れ話を切り出しても粛々と受け入れてくれそうだ。

 

 元々、翔子が俺に抱いている感情は恋愛感情じゃない。

 過去に起きたつまらない事件、その時に翔子が感じた責任感のようなもの。それが俺に対する好意の正体であり、平たく言うと翔子の感情はただの勘違いでしかない。

 そんな勘違いをこじらせて、翔子は数年もの時間を無駄にしてしまっている。

 だからこそ、他ならぬ俺が、その勘違いを正してやらないといけない。

 

「……なぁ、翔子……」

 

 だが、しかし……

 

「……話をしよう」

「……え?」

「まずは、話をしよう。

 確かに、今後何かの弾みでお前を怒らせるような事があるかもしれない。

 だけどその時は、手を出す前にまずはしっかりと話してくれ。できるな?」

「……分からない」

「なら教えてやろう。お前ならきっとできる」

「……本当に? そう思うの?」

「ああ。お前なら楽勝だろ」

「……分かった。頑張る」

 

 ……どうやら俺は、自分が思っているよりもずっと甘い人間だったようだ。

 弱っていた翔子に追い討ちをかけてでも別れ話を切り出すべきだったんだろう。

 だが、間違っていると分かっていても、それでも翔子に追い討ちをかける事はできなかった。

 

「……雄二? どうしたの?」

「いや、何でもない。少し休んでから、適当にブラつくか」

「……うん。そうしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、秀吉たちのお勧めでいくつかのアトラクションを回った。

 カップル用ジェットコースターとか、

 カップル用メリーゴーランドとか、

 カップル用観覧車とか……

 ……どうやらこの遊園地は本当にそういう方向に特化しているらしい。カップル用と銘打たれていない代物がほぼ存在していない。

 ここの設計者……特にジェットコースターとかは頭がイカれてるとしか思えないな。少し大きめの座席1つに2人で座り、2人1組の安全バーを使ってほぼ密着した状態で座席に拘束してガックガック揺さぶってくるとかいうイカれた設計だ。安全面は大丈夫なんだろうか?

 

「ふっ、フフフッ、た、大した事は無かったわね!!」

「その割には乗っている最中は表情が固まっておったようじゃが……本当に大丈夫かのぅ?」

「だ、だだだ大丈夫よ! 全く! これっぽっちも問題ないわ!!」

 

 こんな会話をしているのは俺たちに続いて遊んでいたガイド役の2人だ。

 ああ見えて絶叫系が苦手なんだろうか? いや、大人しめのアトラクションでも同じような反応をしている気がする。

 つまり……どういう事だろうか?

 

「……雄二、光を見てどうしたの?」

「あ~、いや、何でもない」

「……何かあるならちゃんと話してほしい。今後の為にも」

「……そうだな。俺から言い出した事だもんな。

 とは言っても、本当に大した事じゃないぞ。空凪妹は絶叫系が苦手……というわけでは無さそうだなって考えてただけだ」

「……うん。むしろ得意なはず。前に高い所のジェットコースターに乗ってる最中に空き巣を目撃して、降りた後に即座に通報したおかげで事件解決が早まったって聞いたことがある」

「何を目撃してんだよ!?」

 

 それはつまりジェットコースターに乗っていても周りの景色を気にして、その上で的確な情報を覚えておける程の余裕があるって事だな。苦手という事は絶対無い。

 と言う事は……どういう事だろうな。まぁいいか。

 

「……雄二、そろそろお昼」

「ああ、もうそんな時間か。何か欲しい物はあるか?」

「……うん。あの……」

 

「2人とも! パーティー会場にご馳走が用意してあるわ。行きましょう!」

 

 昼食の事を話していたら復調したらしい空凪妹がそんな事を言ってきた。

 随分と手厚いな。これも剣が手を回したんだろうか?

 まぁ、用意してくれるってんならありがたく頂くとしようか。

 

「案内してくれ。会場とやらはどこだ?」

「こっちよ。ちょっと時間が押してるから急ぎましょう」

「おう。翔子行くぞ……どうした?」

「……ううん、行こう」

 

 何だか寂しげな顔をしていた気がする。

 ……ふむ。

 

「2人ともどうしたのじゃ? 光が行ってしまうぞ?」

「……ああ。行こう」






「こんな感じで今回は終わりっと……」

「くそっ、雄二の野郎面倒臭ぇな!! どうしてそこで別れ話を切り出すなんて発想に行きやがる!!」

「……君に文句を言われる筋合いは……一応あるのかしらね」

「原作を読んでると分かる事だが、この2人って両片思いなんだよな。
 クソ鬱陶しい。雄二の方にも何か自爆特攻を仕掛けてやろうか」

「止めなさい! もう一本の腕も折る気!?
 と言うか何の解決にもなってない!!!」

「まぁ、そうだな。さて、どうしてくれようか……」


「……さてと、今回の後書きの話題はもう一件あるわ。
 この後の展開をネタバレすると、原作と同じように『クイズ大会』が開かれるの」

「……原作のアレ、大会だったか? ただの茶番ではなく?」

「細かい所は突っ込まないで! 確かにそうだったけど!!
 ……ゴホン。それで、本作の場合は割と真面目にクイズします。クイズと言うか問題ね」

「なお、僕が考えた問題という設定だ」

「で、次の話では『出題→回答→解説→次の出題……』って感じで進んでいくわけだけど……それだと読者の皆さんが答えを考える時間が明らかに足りないわ」

「そもそもそんな時間に需要があるかという疑問もあるが」

「それは読者の皆さんそれぞれに判断を委ねるとして……問題文だけでもこの後書いておくわ。
 無視してもいいし、自分なりの答えを考えてくれてもいいわ」

「注意点として、答えだけを感想欄に書くのは止めてくれ。あそこはあくまでも感想の為の欄だ。
 明らかに感想じゃないのが書き込まれたらとりあえず無視するし、度を越えた感想もどきが送られてきたら通報しなきゃならなくなる。面倒だから勘弁してくれ」

「どうしても書きたかったら直接メッセージボックスに送るか、あるいは普通の感想に紛れ込ませるかね。
 『答え1:○○』とかはアウトだけど、『霧島さんだったらこう答えるのかな?』みたいな予想は全く問題ないし、それに続いて『僕/私だったらこう答えるかも』みたいにするのはきっと大丈夫だから」

「先の展開の予想はネタ潰しになりかねないから実はアウトだったりするんだが……もう書き終わってる部分の予想だし、『意外な展開を予想する』とかではないからきっと大丈夫だろう。多分」

「それじゃ、次話掲載分だけ下に書いておくわ。
 次回もお楽しみに!」




Q1.ヨーロッパの首都は?

Q2.今からコインを5回ほど投げる。
   この時、4投目までに表・裏・裏・表という順番で出てくる確率は1/2の4乗で1/16となる。
   では、5投目に表が出る確率はいくらか?

Q3.ここに、両面が表のコインがある。
   このコインを投げた時、表・裏・裏・表・表となる確率は何分の一か?



「……コインの問題多いな」

「筆者さんの趣味ね」
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