バカ達と双子と学園生活 Take2   作:天星

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そして2人の関係は続いていく

 ウェディング体験は無事(?)終了した。

 この後はまた自由時間なんで適当に園内を巡るなり、他のウェディング体験を見るなり色々とできる事はあるが……とりあえず医務室に運び込まれた剣にお見舞いしてやる事にする。

 

「よう、お見舞いに来てやったぞ」

「……剣、大丈夫?」

「ああ。この通りピンピンしてる。

 医者のヤローがギプスをしろだのなんだのうるさかったが、つい先ほど穏便に納得してもらった所だ」

「いや、ギプスはしろよ!!」

「ハッ、こんなもんハードテーピングで十分だ!!」

 

 ただのテーピングよりも硬くなってる事を考えるとある程度のダメージは受けたらしい。

 いや、そもそもテーピングだけで済ませる方がおかしいんだが。

 

「さてと、今日の僕の目的は概ね達成できた。

 ついでに貴様らの感想を聞いておきたい。今日はどうだった?」

「どうだったって言われてもだな……」

「……今日は、色んな事を知る事ができた。今日得られたものはこれからの人生で大切な財産になる。

 ……剣、腕を折ってしまってごめんなさい。そして、ありがとう」

「ほぅ、霧島に関しては文字通りの骨折り損にならずに済んだようだな。

 雄二は……まぁ、及第点か」

「何の点数だ。何の」

「……さてな。

 それより、この後はどうするんだ? 案内が必要なら適当なガイドを用意するが」

「そうだな……翔子、どうする?」

「……今日はもう帰る。十分満足できたから」

 

 確かに、もう十分過ぎるくらい濃密な時間を過ごした。

 帰るだけでも片道2時間かかるし、もう切り上げるのも悪くは無い。

 だが……

 

「そうか……なら、また学校でな」

「ちょっと待て剣。まだ1つ用事が残ってる」

「お、おかしいな。何故か嫌な予感がするぞ」

「俺は言ったはずだ。お見舞いに来てやった……と」

「感謝は十分受け取った! じゃあな!」

「確かに、感謝もしている。だがな……一発殴らせろ!!」

「そ、そんな! こんな重傷患者に向かってげふあっ!!」

 

 自称ハードテーピングで十分な重傷患者が何か言っていたが構わずお見舞いする。

 確かに感謝はしているがそれ以上に恨みも大きい。

 いや~、スッキリした。これで心置きなく帰れる。

 

「よし、帰ろう」

「……うん!」

 

 

 

 

 

 

 行きの時は俺は逃げ出そうと、翔子はそれを警戒してロクな会話が無かったが、帰りでは今更逃げても無駄なのでのんびりと会話ができた。

 

「……雄二」

「ん~?」

「……誰に何て言われようと諦めない。

 私、雄二のお嫁さんになる。

 ……それが私の夢だから」

「諦めろ」

「何て言われようと、諦めないから」

 

 翔子の過剰な暴力行為が収まるという意味では剣には感謝しているが……厄介な事してくれやがったな。

 もう2~3発殴ってやれば良かったか。

 

「ところで、ちょっと気になっていた事があるんだが」

「……挙式するのは如月ハイランドで大丈夫だけど?」

「誰も結婚式場の心配なんざしてねぇよ!

 そうじゃなくて……お前、もしかして弁当持ってきてたんじゃないか?」

「…………ううん」

「本当か? ちょっとその鞄の中身を見せてくれ」

「……ダメ。下着とかが入ってるから」

「何で遊園地に行くのにそんなもん持ち歩いてるんだよ!?

 だったら……鞄のファスナーを締めたまま逆さにして思いっきり上下に振るくらいは別に構わないな?」

「ダメ!」

「……弁当、あるんだな?」

「……うん」

「ったく、何で黙ってたんだ。勿体ないだろうが」

「……だって、お昼は豪華な料理が用意されてたし……」

「だったら俺が晩飯に食う。味の感想くらいは言ってやれる」

「……でも、冷めちゃってるし……」

「いや、お前の事だから保温できる弁当箱を用意するか、あるいは冷めても美味しい弁当になるように考えて作ってあるだろ?

 もしそうじゃなかったとしても普通に電子レンジで温めれば良い」

「……でもダメ」

 

 俺としても意地でも弁当が欲しいわけじゃないんだが……食べ物を粗末にするのは気が引けるのでできれば欲しい。

 ……他意は無いぞ? ただ勿体ないだけだ。

 

「どうしてダメなんだ?」

「だって……初めてのお弁当はデートの時に食べてもらいたいから。

 だから……また今度デートしよう」

「……俺に拒否権は無い。いつでも呼んでくれ」

「……ありがとう。それじゃあお弁当は私が食べる。

 ……今度は、これ以上に美味しいお弁当を作ってくるから」

「そうか。まぁ頑張れ」

「……うん」

 

 流れるように次のデートの約束を取り付けられたな。試召戦争に負けた俺にはそもそも拒否権が無いから全く問題ないが。

 早いとこ翔子に相応しい相手が現れてほしいものだな。






「これで、如月ハイランド・雄二編終了っと」

「うぐぁ~……何なのこの微妙な距離感は! 坂本くんもサッサと腹を括りなさいよ!」

「焦る事は無いさ。あと必要なのは雄二が納得する事だけだ。
 条件さえ満たせばすぐにでもくっつくハズだ」

「リメイク前ではこの時点で既にカップリング確定してたわね。今回はどうしてこうなったの」

「いくつか理由はあるが……貴様の案内をやったせいで僕の自由時間が削れた事が一因ではあるな」

「……えっ、私のせい?」

「まぁ、1割くらいは。
 残りの要因は……主に筆者がのんびりしてるからだな。先が見えていれば無理に進める必要は無い」


「さて、次の話は……」

「優子編になるな。雄二編でもちょびっとだけ出てきたが、僕が呼んでいないはずの彼女が何故ここに居るのかという所から始まる。
 結末は……どうなるんだろうな?」

「私に訊かないでよ」

「それもそうだな」


「では、次回もお楽しみに!」
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