今回僕達が乗った電車は目的地まで直通のものだ。
しかし、それでも4時間半ほどかかる。遠いな。避暑地なんだから遠くて当たり前だが。
「暇だな。トランプでもやるか」
「テーブルから落ちて皆で探し回るハメになりそうだな」
「安心しろ。5デッキほど持ってきている」
「どんだけ持ってきてるんだよ!?」
「フッ、
「トランプだよな? トランプの話だよな!?」
打てば響くようなツッコミだ。流石は雄二。
とは言え、確かに電車ってトランプには不向きなんだよな。遊戯王もヴァンガードもできないし。そもそも持ってきてないけど。
う~む……どうしたものか。
「……明久、ゲーム機とか持ってきてる? ゲーム○ーイとか」
「残念ながら持ってきてないよ。没収されちゃうし、隠し通すのも厄介……って、何でゲーム○ーイ!? 古すぎて持ってないよ!!」
まぁ、だろうな。二重の意味で納得の答えだ。
「康太は……眠そうだな」
「昨日何かの調査してたらしいな。そっとしておいてやれ」
「ああ。そうしよう」
康太の調査内容とは間違いなく脅迫状の件だろう。
良い情報が掴めていると良いんだが……雄二の言う通り今はそっとしておこう。
「……ん? 島田。それは何だ?」
「コレ? 100均で買った心理テストの本。意外と面白いわよ」
島田に文字がちゃんと読めるんだろうか? 特に漢字とか。
ルビが振ってるのか、あるいはフィーリングで読んでいるのかもしれない。
「へぇ、面白そうだね」
「アキ、良かったらやってみる?」
「うん、バッチ来い!」
「それじゃあ、えっと……」
島田がパラパラとページをめくる。
そして1つのページを開いて手を止めた。
「それじゃ、行くわよ。『次の色でイメージする異性を挙げて下さい』
①緑、②オレンジ、③青。
あ、勿論同じ人を複数使うのは禁止よ」
「色でイメージ……その色が似合う人って事で良いのかな?」
「そんな感じよ。さぁ答えて!」
ふむ……問題の分析は後にしてとりあえず当てはめてみるか。
緑は……工藤、オレンジは光、青が御空。こんな感じだな。
答えを出した所で問題について分析しよう。この問題は主な目的は『異性に対する感情のカテゴリ分け』といった所だろう。
親しみのある緑、あからさまな暖色のオレンジ、尊いイメージの青って所か?
となると、緑は『友人』、オレンジは『明るい人』、青は『仰ぎ見る存在』。そんな所だろうか。
……あながち外れてもいないな。そもそも合っているのかは知らんが。
「さぁアキ! 答えて!!」
「そんな迫られるとちょっと怖いんだけど……
う~ん……これって同じ色に2人以上入れても良いの?」
「え? えっと……特に書いてないみたい。良いんじゃない?」
「それじゃあ……
緑は美波と工藤さん。
オレンジは秀吉と光さん。
青は姫路さんと木下さん……優子さんかな。あと霧島さんも青だと思う」
おっと、意外な名前が挙がったな。この問題は異性の名を挙げろという問いだったはずなんだが……
「……アキ、随分と青が多いわね……どうしてその人達を選んだのかしら?」
「何でって言われても……知り合いの女子の皆に似合う色を勘で選んだだけなんだけど……」
真理テストに理由を問うものではないと思うのは僕だけだろうか?
「……島田、それの答えは何なんだ?」
「……言いたくない」
「お前は一体何のために心理テストをやったんだ……?」
僕の予想が合っているのか凄く気になってるんだが……
え? 心理テストの正しい楽しみ方じゃない? そんなの知るか。
とにかく気になるのは確かだ。ここは強行手段を……
「よっと」
「あっ、坂本! 取らないでよ!!」
……考えていたら雄二が先に動いた。
「何々? この問いは異性との関係性を表します。
緑は『友達』、オレンジは『元気の源』、そして青は……なるほどねぇ。
所詮は100均のテストか」
雄二が少し渋い顔をしながら島田に本を返した。
緑とオレンジの予想は概ね合っていたな。青は良く分からんが。
「あの、美波ちゃん。青って一体……」
「……さぁ次の問題よ!!」
姫路の質問はスルーして島田が次の問題を読み上げた。
青の意味……想像は付くな。
「えっと……『1から10の数字であなたが真っ先に思い浮かべた数値を順番に2つ挙げてください』だってさ。どう?」
ふむ……とりあえずは回答してみるか。
1から10の数字か。πと√5だったんだが……整数以外でも大丈夫なんだろうか?
……遠慮しておこう。じゃあ9・9で。
何? 同じ数字だと? 別に良いだろ。別の数字にしろとは言われてないし。
「う~ん……1・4かな」
「1・4ね。
え~、まず、『最初の数字は普段周りに見せているあなたの顔を表します』だって。顔と言うより性格かな?
1番は……考えなしの人だって。ピッタリじゃない」
すげぇ。ピッタリ当たってる。100均の心理テストの分際でここまで的確に当てるとは。
「なぁんだ。全然外れてるね」
「明久、現実から目を逸らすのは止めろ」
「何言ってるの雄二。僕ほど現実を見てる人はそうそう居ないよ!!
例えるなら、そう。顕微鏡くらいはしっかりと現実を見てるね!!」
視野が凄く狭そうだな。
まぁ、明久の自己認識はどうでもいい。それよりもだ。
「島田、2つ目の数字は?」
「『あなたがあまり見せない本当の顔』だって。
4番は……真面目で正義感の強い人ってなってるわ」
「ほぅ……」
こちらもあながち外れてはいないな。
100均のテスト。やるじゃないか。
「……ちなみにだが、9番って?」
「空凪もやってみてたの? 9番は意志の強い人よ。
もう1つは?」
「いや、両方9番だ」
「…………まさかホントに居るなんて……
『もし両方同じ数字を選んだのなら、あなたはかなりの捻くれ者です』だってさ」
「…………」
何か、見透かされて負けたような気がした。
くそっ、100均の分際で!!
「以上、道中の風景その1だ」
「空凪くんは青が私なのね」
「ああ。いちいち描写されていないが、貴様の髪は薄い水色のイメージだからな。真っ先に青が連想された」
「いやまぁ確かにそうなんだけどさ……」
「島田からの心理テストは原作でも青の詳細は不明だが……島田や雄二の反応から察するに『好きな人』が該当するんだろう。
所詮は100均のテストだからな。そんなもんだ」
「随分と精度の低いテストね。ホント。
吉井くんの回答はやたら長かったけど……」
「筆者は青の回答をどうするか凄く迷ったようでな。せっかくだからAクラス全員を巻き込んでみたらしい。
全員と言うか、主要メンバーだけだが。
霧島はあの3色だったら間違いなく青だろうと思われるので上手いこと誤魔化せた」
※ あくまで個人の意見です。
「数字を並べる心理テストも原作と一応同じではあるけど……」
「原作では周りの奴全員が参加しており、明久の選んだ1と4だけが偶然にも謎の罵倒になっていたな」
「アレは数字の意味を言ったわけではないと思うけど……」
「今回は適当に書いてたら明久しか心理テストやってなかった。
そんな状況で突然罵倒を入れても面白くも何とも無いんでせっかくだから1と4に適当な判定を入れてみた。
他の連中混ぜてやっても良かったんだが……原作通りの展開書くのも面倒なだけだし」
「まぁ、確かにね」
「一番最初の『1』を選ぶのはかなり単純な性格なんじゃないだろうか? というのは筆者の弁だ。
4については全く分からなかったからそれっぽく書いてみたらしい」
「なるほどね~。
では、次回もお楽しみに!」