もう一人の勇者   作:大和

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恩返し

俺はハウリア達は、お互いに肩を叩き合い、鳩尾を殴り合い、クロスカウンターを決め合って、罵り合いながら無事を喜び合っているのを片手に少し今後のことについて考えていた

というのも帝国側のハウリア族の心象を俺は偶然小型ゴーレムで聞いてしまったことが原因だった

そうすると急に風きり音が聞こえ俺は鞘でそれを受け止める

「シズどうした?」

鞘を収めた状態で殴りかかった襲撃者の正体はシズだった。力を加えられていることがわかるのだがそれでも俺のステータスの関係上効かないことはしっているだろう

「……ストレス発散のために球児に甘えてみただけよ。大丈夫、私は、球児を信じているわ。そのマリアナ海溝より深い度量で受け止めてくれるって……だから大人しく! 私に! タコ殴りに! されなさい!」

「あ〜でも結局お前受け取ったじゃねーか。自業自得だろ?」

「そうだけど。そうだけども一発、殴らずにはいられない、この気持ち! 男なら受け止めなさい!」

「理不尽だなぁ。でも。あめぇよ」

俺は軽く足を引っ掛けるとすると体制をシズは崩し俺は剣を弾きそして倒れそうになったところを抱き寄せる。

「えっ?」

「怒りに任せすぎ。お前の持ち味が死んでいるぞ。」

「……」

すると顔を真っ赤にしているシズ。

俺は少し苦笑し人が集まり始めたのでシズを離すとするとあっと小さく呟くのを聞こえた

すると残念そうにしていたのだが俺の手を握ってくる

まぁしばらくは繋いでいても多分大丈夫だろう。追手もいないことを考えると俺はハジメに伝える

「……思っていたよりも結構ハウリア族は追い詰められている。」

俺がハジメにいうと驚いていたが話を聞くらしく俺の方を見る

「亜人奴隷補充の為に、疲弊した樹海にやって来た帝国兵を、カム達ハウリア族は相当な数、撃破していることはしっているよな。それが、帝国兵をかなり警戒させたらしい。というのも、単なる戦闘の果ての撃破ではなく味方の姿が次々と消えていき、見つけた時には首を落とされているという暗殺に近い形だったからだ。帝国にもいい軍師がいたのか皇帝が考えたのか知らないがハウリア族を帝都におびき寄せ罠にかけたらしい。」

「…それがカムたちってことか?」

「あぁ、予想外ってこともあったのか愛玩奴隷である兎人族に皇帝が興味が湧いたらしい。連日、取り調べを受けていたわけだ。あちらさんの興味は主に、ハウリア族が豹変した原因と所持していた装備の出所、そして、フェアベルゲンの意図ってところです。どうやら、あいつらをフェアベルゲンの隠し玉か何かと勘違いしているようだな。」

「……お前がそれを報告するってことはかなり酷い状況ってことか?」

「あぁ。……多分そこのリーダーは分かっているだろうから自分の口から報告した方がいいだろ?もう意志は固めているらしいからな。」

「……お察しのとうりです。ボス。この方は。」

「勇者の大久保球児だ。」

「「「えっ?」」」

「大久保球児。天職は勇者だ。」

俺はステータスを投げる。

「「「……」」」

俺はステータスを見せると全員が固まる

大久保球児 17歳 男 レベル:200

天職 勇者

筋力 2100

体力 21000

耐性 10500

敏捷 7550

魔力 2100

魔耐 10500

 

技能 全属性適性[+全属性効果上昇][+威力上昇][+消費魔力低下]・全属性耐性[+全属性効果上昇]・状態効果無効・物理耐性〔身体強化〕・魔法耐性・痛覚耐性・魔力操作[+身体強化Ⅲ][+部分強化Ⅲ][+変換効率上昇Ⅳ][+集中強化Ⅲ][+時間拡大Ⅶ]・複合魔法・剣術[+斬撃速度上昇][+抜刀速度上昇][+無拍子][+最期の行動]・剛力・縮地・先読[+投影]・高速魔力回復・気配感知[+特定感知][+範囲拡大特大]・魔力感知[+特定感知]・限界突破[+覇潰][起死回生]・言語理解 体術〔+反撃〕 投擲〔+必中〕 回避 統率 庇う〔+全員守護] 増強 不眠 隠蔽 同時思考 暗躍 指導

固有技能 上限突破[覚醒] 真の支配者[+契約] 天才肌〔+熟練度増加][+討伐経験値] 

「……勇者様でしたのですか?」

「あぁ、まぁクラスのやつもシズ以外に知っている奴らはいないけどな。」

「あんたスキルかなり増えているわね。」

「まぁ使う機会最近多いしなぁ。」

すると

「……お前今まで何で。」

「勇者は1人いればいいんだよ。2人いたら混乱を招くだけ。生憎俺は勇者って柄よりも後ろから人を操るのが好きなんだよ。」

「……でも。」

「生憎俺は勇者だけど、王国に協力する気はさらさらなかったしな。今は実質姫さんが実権を持っているだけ協力しているだけだ。俺も正直ハジメと同じ考えだしな。」

俺は少しだけため息吐く

「とりあえず俺のことよりそっちだろ。」

「そうだな。さっさと本題を言え。」

「失礼しました、ボス。では、本題ですが、我々ハウリア族と新たに家族として向かえ入れた者を合わせた新生ハウリア族は……帝国に戦争を仕掛けます」

俺とハジメ、カムを含めたハウリア族以外は、一切の動きを止めて硬直していた。理解が追いついていないのか、あるいは驚愕の余り思考停止に陥ったのか。周囲に静寂が満ちて、僅かに虫の奏でる鳴き声が夜の岩石地帯に響く。

その静寂を破ったのはシアだった。

「何を、何を言っているんですか、父様? 私の聞き間違いでしょうか? 今、私の家族が帝国と戦争をすると言ったように聞こえたんですが……」

「シア、聞き間違いではない。我等ハウリア族は、帝国に戦争を仕掛ける。確かにそう言った」

「ばっ、ばっ、馬鹿な事を言わないで下さいっ! 何を考えているのですかっ! 確かに、父様達は強くなりましたけど、たった百人とちょっとなんですよ? それで帝国と戦争? 血迷いましたか! 同族を奪われた恨みで、まともな判断も出来なくなったんですね!?」

「シア、そうではない。我等は正気だ。話を……」

「聞くウサミミを持ちません! 復讐でないなら、調子に乗ってるんですね? だったら、今すぐ武器を手に取って下さい! 帝国の前に私が相手になります。その伸びきった鼻っ柱を叩き折ってくれます!」

怒りのあまり武器を引き抜き豪風と共に一回転させてビシッ! とカムの眼前に突きつけるシア。その表情は、無謀を通り越して、唯の自殺としか思えない決断を下したカム達への純粋な怒りで満ちていた。

「ちょっと待ってシア。球児も同じ判断ってことでいいの?」

「あぁ。最悪ハウリア族だけではなく亜人まで被害が及ぶ可能性がある。一応こいつらは口であぁこう言ってながら仲間を見捨てないのがハウリア族の特徴だ。そう考えるとなるとやっぱり戦争が最善手になるんだよ。」

「……どういうことですか?」

俺を睨むシアに俺はそれをどう説明しようか考えたところ

「ひゃぁん!? だめぇ、しょこはだめですぅ~! ハジメしゃん、やめれぇ~」

 シアは、早々に崩れ落ちると四つん這い状態になってハァハァと熱い吐息を漏らしつつ、恨めしげにハジメを睨んだ。しかし、その瞳も熱っぽく潤んでいて、艶姿を強調する以外の役割は果たしていない

俺は少しきょとんとしてしまうが

ハジメは、シアのウサミミを撫でた。優しげで労わるような手つきで気持ちよさそうに目を細めた。

多分あいつらなりの落ち着かせるものなんだろう

「どうだ、少しは落ち着いたか? カムの話はまだ終わっていないんだ。ぶっ飛ばすのは全部聞いてからでも遅くはないだろ?」

「うっ……そうですね……すいません。ちょっと頭に血が上りました。もう大丈夫です。父様もごめんなさい」

「家族を心配することの何が悪い? 謝る必要などない。こっちこそ、もう少し言葉に配慮すべきだったな。……最近どうも、そういう気遣いを忘れがちでなぁ。……それにしても、くっくっくっ」

「な、なんですか、父様、その笑いは……」

「いや、お前が幸せそうで何よりだと思っただけだ。……ボスには随分と可愛がられているようだな? うん? 孫の顔はいつ見られるんだ?」

「なっ、みゃ、みゃごって……何を言ってるんですか、父様! そ、そんなまだ、私は……」

「……はぁ。話進みやしない。」

俺はため息を吐きながらポケットから頭痛薬を飲む

「カム、まさかと思うがその話をしたのは、俺に参戦を促す為じゃないだろうな?」

「ははっ、それこそまさかですよ。ただ、こんな決断が出来たのも、全てはボスに鍛えられたおかげです。なので、せめて決意表明だけでもと、そう思っただけですよ」

「理由については俺も情報を集めていたときに集められたから帝国サイドのことを考えて俺が話す。そうしないと話が進みやしないからな。」

「……お前結構根に持つタイプだろ。」

「シアもいいな。」

「はい。すいません。大久保さん。」

そして俺は一息つき

「先程も言った通り、兎人族は皇帝の興味を引いてしまった。それも極めて強い興味をな。帝国は実力至上主義を掲げる強欲な者達が集う国で、皇帝なんかが典型的な例だ。そして、弱い者は強い者に従うのが当然であるという価値観がある。」

「つまり、皇帝が兎人族狩りでも始めるって言いたいのか? 殺すんじゃなくて、自分のものにするために?」

「肯定です。尋問を受けているとき、皇帝自らやって来て、〝飼ってやる〟と言われました。もちろん、その場でツバを吐きかけてやりましたが……」

皇帝の顔にツバを吐いたというカムの言葉に、ハウリア達は「流石、族長だぜ!」と盛り上がり、光輝達は「あの皇帝に!?」と驚愕をあらわにした。

すると最高潮に盛り上がる兎達だが

「「黙れ(って)」」

俺とメイが殺意を出し場を黙らせる。

真剣にまずい話だ。途中で話がそれると大変なことになる

「しかし、皇帝に逆に気に入られた。全ての兎人族を捕らえて調教してみるのも面白そうだなどと、それは強欲そうな顔で笑っていたらしい。まぁあいつの性格なら本当のことだろうな。俺もあったことがあるけど強いものと戦うことに楽しみを覚えている皇帝だ。再び樹海に進撃して、今度はより多くの兎人族を襲うでしょう。また、未だ立て直しきれていないフェアベルゲンでは、次の襲撃には耐え切れない。そこで、もし帝国から見逃す代わりに兎人族の引渡しでも要求されれば……」

「なるほどな。受身に回れば手が回らず、文字通り同族の全てを奪われる……か」

「正解。ハウリア族が生き残るだけなら、それほど難しくはない。他の兎人族の未来が奪われるのはハウリア族は見捨てることができない。だから戦争でしかない。自分の不手際は自分で拭う。それがお前が鍛えたハウリア族の信念だろう。先生を助けた時のお前と状況が似ているしな。これが俺が戦争でしかないって答えた理由だ。」

「肯定です。しかし勇者どのそんなことがあったんですか?」

「あぁ。まぁ俺もこいつに借りがあるからなぁ。それと球児でいい。勇者は一応天之河ってことになっているからな。」

俺はそういうと黙りこむ。これは

「だが、まさか本気で百人ちょいなんて数で帝国軍と殺り合えるとは思っていないだろう?」

「もちろんです。平原で相対して雄叫び上げながら正面衝突など有り得ません。我等は兎人族、気配の扱いだけはどんな種族にも負けやしません」

そう言って、ニヤリと笑うカム。それでハジメもカムの意図を察する。

「つまり、暗殺か?」

「肯定です。我等に牙を剥けば、気を抜いた瞬間、闇から刃が翻り首が飛ぶ……それを実践し奴らに恐怖と危機感を植え付けます。いつ、どこから襲われるかわからない、兎人族はそれが出来る種族なのだと力を示します。弱者でも格下でもなく、敵に回すには死を覚悟する必要がある脅威だと認識させさます」

「皇帝の一族が、暗殺者に対する対策をしていないと思うか?」

「もちろんしているでしょうな。しかし、我等が狙うのは皇帝一族ではなく、彼等の周囲の人間です。流石に、周囲の人間全てにまで厳重な守りなどないでしょう。昨日、今日、親しくしていた人間が、一人、また一人と消えていく。我等に出来るのは、今のところこれくらいですが、十分効果的かと思います。最終的に、我等に対する不干渉の方針を取らせることが出来れば十全ですな」

えげつないが悪くはない手だ

「だけどそれじゃあ限界がくる。」

俺がそういうとハウリア族は俺の方をみる

「悪いけど戦争で一番怖いのは数の暴力だ。暗殺っていうのは街中や森の中では確かに有効だ。皇帝が側近や子供を何とも思っていない場合それは意味がない。」

「……」

「……それじゃあどうしろと。」

「……悪いハジメ3日俺にくれないか?」

俺がそういうと全員が俺を見る

「……策があるのか?」

「あぁ、ちょうど姫さんがいるんだ。姫さんに貸しを作ることになるがハウリア族を勝たせる方法が一つだけ思い浮かんでいる。俺はシアにもクラスメイトを助けてもらった恩があるし。生憎暗躍についてはハジメよりも俺の方が向いている。その代わりここの全員の協力が必要になるが、勝算はかなり高い。それもハウリア族以外は戦わなくていい方法だ。」

「……ほう。」

「暗殺は一度牙を剥いたならその場で仕留める。1日だ。1日でケリをつける。それに」

俺は一息つき

「元々助けるつもりなんだろ?」

俺はそういうとハジメははぁとため息を吐く

「お前なんで分かるんだよ。」

「親友だからだろ?お前こそ俺が策があったことに気づいていたくせに。」

「……たく。」

するとハジメがハウリア族の前に立つ

「今回の件は、ハウリア族が強さを示さなきゃならない。容易ならざる相手はハウリア族なのだと思わせなきゃならない。この世界において亜人差別が常識である以上、俺が戦って守ったんじゃあ、俺がいなくなった後に同じことが起きるだけだからな。何より、カム達の意志がある。だから、俺は一切、戦うつもりはない。それでも勝てるのか?」

「当然。ハウリア族がヘマをしないんであればな。」

すると俺の挑発にハウリア族が反応する

「カム、そしてハウリア族。お前等は直接、皇帝の首にその刃を突きつけろ。髪を掴んで引きずり倒し、親族、友人、部下の全てを奴の前で組み伏せろ。帝城を制圧し、助けなど来ないと、一夜で帝国は終わったのだと知らしめてやれ! ハウリア族にはそれが出来るのだと骨の髄に刻み込んでやれ! この世のどこにも、安全な場所などないのだと、ハウリア族を敵に回せば、首刈りの蹂躙劇が始まるのだと、帝国の歴史にその証を立ててやれ!」

辺りに静寂が満ちる。誰もが、ハジメの気勢に呑まれて硬直している。ゴクリッと生唾を飲み込む音がやけに明瞭に響いた。

ハジメは、周囲を睥睨しながら、スッーと息を吸うと雷でも落ちたのかと錯覚するような怒声を上げた。

「返事はどうしたぁ! この〝ピー〟共がぁ!」

「「「「「「「「「ッ!? サッ、Sir,Yes,Sir!!」」」」」」」」」

「聞こえねぇぞ! 貴様等それでよく戦争なんぞとほざけたなぁ! 所詮は〝ピー〟の集まりかぁ!?」

「「「「「「「「「「Sir,No,Sir!!!」」」」」」」」」」

「違うと言うなら、証明しろ! 雑魚ではなく、キングをやれ!!」

「「「「「「「「「「ガンホー! ガンホー! ガンホー!」」」」」」」」」」

「貴様等の研ぎ澄ました復讐と意地の刃で、邪魔する者の尽くを斬り伏せろ!」

「「「「「「「「「「ビヘッド! ビヘッド! ビヘッド!」」」」」」」」」」

「膳立てはするが、主役は貴様等だ! 半端は許さん! わかってるな!」

「「「「「「「「「「Aye,aye,Sir!!!」」」」」」」」」」

「宜しい! 気合を入れろ! 新生ハウリア族、百二十二名で……」

「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」

「帝城を落とすぞ!」

「「「「「「「「「「YAHAAAAAAAAAAAAAA!!!!」」」」」」」」」」

すると熱狂するハウリア族に俺はニヤリと笑う

「……あんたね。」

呆れたように俺を見るシズ。

「恩を作りぱなしじゃダメだろ?俺たちだって恩を返していかないと。」

「そういえば、大久保くんって恩をシズと同じで大切にしているよね?」

「当たり前だろ?俺は1人の人間であると同時に剣士だ。恩は大切にしないとな。」

「意外だな。そんなこと微塵もないと思っていたんだが。」

失礼すぎる坂上だけどまぁ普段の俺からじゃ微塵もないしな

苦笑をしながら俺はニヤリと笑う

俺の本当の目的を達成するために

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