もう一人の勇者 作:大和
そして転生してから二週間が経った後
「あめぇよ。」
「えっきゃっ。」
といいシズの右足足を引っ掛けに木刀を首筋に当てる
剣道部に所属していたシズと基本は朝と夜中に特訓をしているのだが
やはり剣道の癖が抜ききっていないのか型をしっかりと守っているシズに対し俺は昼間に王国の兵士と打ち合っているために実践の剣筋を覚えてるためにやはり俺の方が強くなっていた。
「はい。これで8勝2敗っと。」
「球児強すぎ。これでまだ身体強化も使えるんでしょ?」
「いや、ステータス抑えているとはいえお前もだいぶ取れるようになってきているよな。」
「でもまだ勝ち越せてないでしょ?もう一度お願いできるかしら。」
「了解。」
そしてまた木刀を構える。
俺は未だにクラスの一部しかステータスを公開しておらず、知っているのはハジメ、シズ、メイの3人だけである
ステータスの成長も本当に勇者補正なのかめちゃくちゃ上がるし
というのも現在のステータスは
大久保球児 17歳 男 レベル:10
天職 勇者
筋力 200
体力 2000
耐性 1000
敏捷 600
魔力 200
魔耐 1000
技能 全属性適性・全属性耐性・状態効果無効・物理耐性・魔法耐性・痛覚耐性・魔力操作・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解 体術
固有技能 上限突破 影の支配者 天才肌
明らかに成長速度、および耐久性のあるせいでガチで人間をやめているだろうこれ
しかも生えにくいと言われている後天的なスキルも一つ手に入れたし
「んじゃ、もう10本な。」
「えぇ。」
そして俺とシズは剣をぶつけ合う。それは朝食が始まるギリギリまで続いたのだった。
「……はぁ、勝てる気がしないわ。」
「また、朝練してたのかい。」
俺とシズ、んでなぜかいる天之河の3人で飯を食っていた。
「仕方ないだろ。剣筋は1日振らないだけで全然変わる。それになんでもありの試合をやるのには俺は最適だろ?光の魔法適正もあり尚且つ敏捷もそこそこある俺が一番相手になるってし……八重樫が判断したんだし。なによりお前じゃ限界突破使わないとこいつに勝てないじゃん。」
「うっ。」
八重樫流を持った3人グループなので剣だけならば多分俺、シズ、天之河の順で強く、今の剣の腕前は俺が圧倒的に優れている
というのも俺が八重樫流を始めたのが3歳の時であり、両親のせいで裏の八重樫流に入れられたのでこう言った戦闘はかなり慣れているとしか言いようがない。
そしてそれは全員が自覚していることであり、今でもその序列は変わっていない。
「そういえば、メイは?」
「今日は甘える日なんだって。初日も随分甘えていたし、……今日、白崎が怖かったし。」
「あぁ、だから機嫌が悪かったのね。」
メイはハジメのことが好きらしくて理由は聞いてないが俺がいない時は基本的にハジメの側から動かない。
元々ライトノベルとかも読まなかったがハジメがハマったということによって読み始めるほどだ
ついでに二人が気があるのは俺とシズは知っており、天之川は……まぁメイが優しいとでも思っているんだろう
「そういえば、あんたはいいの?メイのこと?」
「いや、俺がどうこういうつもりはないし、ハジメなら大丈夫だろ。」
「あんたにしろ香織にしろなんであんなに南雲くんのことを信頼しているのか分からないけど。」
「ステータス上に浮かばない隠しコマンドみたいなものがあるんだよ。話していると結構面白い奴だぞ。空気読めるからあんま気を使わないでいいし。」
「あんたは少しは気を使いなさいよ。」
「気を使う時と使わないくらいの判別はつくと思うんだけど。」
「……そうね。」
意外にも頷くシズに俺は少し驚いてシズのほうを見る
すると視線を逸らし少し赤ずんでいる頰を見て俺は少しだけ息を吐く
照れるんならいうんじゃねーよ。
「はぁ、そういえば明日迷宮入るらしいぞ。」
俺は急いで話を変える為に明日の話をする
「迷宮?」
「【オルクス大迷宮】未だに65層しか到達したことのない迷宮らしい。とりあえずレベルが上がってきたから20層くらいまでいくらしいんだけど。なんというか早すぎるような気がするなぁ。親父と母さんがトレジャーハンターだから結構ダンジョン系は危ないのはしっているし。」
「トレジャーハンター?」
「財宝とかを集めるこっちの世界での冒険者みたいなものだよ。実際考古学者もかじって大学で教授をしながら夏休みとか使って財宝を探しにいっているんだよ。」
「あぁだからあなたの家って鉱石とか古びたものとかおいてあるのね。」
実際宝物を掘り当ててきたこともあるし、化石とか珍しいものが置いてあるんだけど
……まさかなぁ。
俺は少しだけ思うことがあって首を傾げてしまう。そして親父から昔聞いたことについて話し始めた
「……親父曰くダンジョン系はトラップで死ぬ可能性が高い。……特にモンスター寄せ付けたり地形を変化させるトラップは攻略難易度を数倍に押し上げると。」
「……モンスター?」
「……日本にモンスターなんかいるわけないだろ。馬鹿馬鹿しい。」
天之河がそういうけど、俺は少し気になっていることがあった
……こりゃ最悪国を出ていかないといけないかもなぁ
「……ねぇ。もしかして。あなたの家にある、見たことない機械や鉱石って。」
「だろうな。俺のステータスから言うならばそっちの方が妥当だろうな。」
元々勇者は一人だけのものであるだろう
馬鹿げている。馬鹿げているけどでも、実際俺たちだって今体験しているのに両親がそうでない理由にはならない
俺の両親は多分異世界転生者だ
俺は今休憩中にも関わらず、シズと剣を打ち合っていた
ぱ〜んという木刀に軽く乾いた音が聞こえる
いつも自主練を行なっている庭園は模擬戦を行うにはうってつけなんだけども
「……はぁ、はぁ。」
「……やめるぞ。さすがにこれ以上は後に響く。」
俺はある程度の打ち合うと俺はそこらで一旦終わる
「……なんでそんなに体力あるのよ。」
「いや、野球部で冬場はかなり走りこまないといけないしな。クリエイトウオーター。」
俺は簡単に何も詠唱なく水をコップに二杯入れるとシズに一杯渡す
「ありがと。」
「……でも野球はもうやめだな。」
「えっ?」
「……俺のスピードだと今のままじゃ160kmの球を見ても遅いって感じるだろうし、なによりもステータスがな。魔法で身体強化もできるだろうし、それに世間じゃ多分俺たちは行方不明の一人だ。世間の人間が囃し立てるだろうよ。」
俺が少しだけ苦笑する
元々野球とは身体能力と頭脳、反射神経のスポーツだ。
……さすがにこの体で甲子園を目指そうとは思わないしブランクだって取り戻せないだろう。
17歳の俺にとってまさかこんなところで夢が絶たれるとは思わなかったけど
「そっか。もし帰れてもまだ問題はあるのね。」
「学校だってそうだし、授業だって一年間は遅れる。それに異世界に飛ばされたって言っても誰も信用されないだろうし、愛子先生は最悪クビになっている可能性だってあるんだぞ。」
「……なんで普段の成績悪いのにこういうところだけ頭がまわるのよ。」
「考えればすぐに気がつくと思うけど。……逆をいうのであれば誰も帰ることは考える暇もないってことだけどな。」
「あっ。」
するとシズは気づいたようだ。ここからは結構踏み込むので教会側に伝わらないように気配感知を全力で広範囲に動かす
「多分みんなそんな余裕がないし、今の現状を受け止められていない。新しいことを入れてばっかりで考える暇さえ与えられていないしな。……だからダンジョンでも多分気楽に皆は入っていくだろうけど、……多分次のダンジョンけが人。いや最悪死亡者が出る可能性があるぞ。」
「……」
俺の言葉にシズは黙りこむ。
「……今のところ他のやつに言っても無駄だろうし、お前には忠告しておく。……ダンジョンは多分そんなに甘くないぞ。」
「えぇ。覚えておくわ。」
すると一気に気を引き締める
明日のダンジョン何事もなく終わればいいんだけど
そう思わざるを得なかった