ソードアート・オンライン 〜ユイの願いごと〜   作:ロックン

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「こころ」

 

「あっお兄ちゃ…じゃくてキリト君、アスナさんこっちこっち〜」

転移門を通るとすぐにリーファさんの透きとおった声がわたしの耳に届きました。

リーファさんは現実世界でパパの妹さんにあたるそうですからわたしから見ればおばさんです!でもおばさんというとなぜかパパが怒るので「リーファおばさん」と呼んだの一度きりです。

あ〜、ユイも妹がほしいです〜。

「もうなにやってんのよ遅いわよキリト〜」

リズベットさんが走ってくる私たちを見て呆れたように呟いていたのが聞こえました。(わたしは走るのではなく飛んでいますが…)

 

「ごめんごめん、ちょっといろいろあって…」

パパが頑張って弁解しているようですが次から次へといろいろ言われてパパとママが大変そうです。

それはもっともなことで現在10時10分なので約10分の遅刻ですから仕方がないことです。

ですが、この遅刻は半分以上がわたしのせいなのでパパとママが悪者扱いされるのはいい気分ではありません。

 

「みなさんごめんなさい、この遅刻はわたしのせいなんです」

うつむきながらわたしはまわりのみなさんに謝罪しました。

 

「へえ〜ユイちゃんが遅刻なんてめずらしいね」

リーファさんが目をまるくしているとシリカさんが

「なにかあったの?」と心配してくれたのかわたしの顔を覗き込んできました。

 

「この子、家を出て転移しようとしたらいきなり切断されちゃったのか消えちゃったのよ…」

 

そう…わたしは気づかない間に5分もの間、暗闇の中で一人でした。その中でわたしはSAOでのプレイヤーの声を再び聞くことになりました。

わたしをエラーするほどまでに追い込んだ「なぜ?どうして?やめて!死ぬの?お前のせいだ」といったプレイヤーの負の感情を…。

 

「…イ?お〜いユイ?」

 

「わっ、えっ、え〜となんでしょうか?パパ?」

気がつくと目の前にはパパの真っ黒な綺麗な目が至近距離でまっすぐわたしを見つめていました。

「だっ、大丈夫です!こんなことへっちゃらです!なぜ急にシステムダウンにまで陥ったのかわたしにもさっぱりわかりませんが、なんとかなりますよ!」

ついまた腰のあたりに手をついて喋ってしまいました。

 

わたしが元気にいうとまわりのみなさんは「これだから…」「ほんと誰に似たんだか」とかいろいろいっていますがわたしは自分でもパパに最近似てきたかなと思うとちょっとうれしいです。

 

「ねえ。いつまでここで喋ってるつもりなのかしら時間…もう20分になっちゃうわよ?」

 

「そうですよみなさん!善は急げっていうじゃないですか!」

 

シノンさんとシリカさんの声でわたしたちは氷雪地帯に向けて歩きだしました。

この会話の中でクラインおじさんはなにか言いたそうにずっとパパの真後ろに立っていましたが、リズベットさんの容赦のない追求に喋る機会を失ったみたいですね。

なんだか…かわいそうです。クラインおじさん。

しかし今朝のシステムダウンはいったいなんだったんでしょうか?単なるシステムエラーではなく、もっと大きな強大な力…そう、いうなればSAOでのカーディナルからの命令のようなものがわたしを引きずりこみました。

しかしこのALOではカーディナルシステムのバージョンがSAOに比べてすこし古いことから可能性は極めて低いと思うのですが…。

「ここにくるとはじめてリズと金属探して来たのをおもいだすな〜」

感慨深そうにパパが言うと

「まったくもってそうね!あんたがいきなりわたしの自慢の最高傑作を折ってくれたのも昨日のことのように覚えてるわよ!」

とまったく反対の怒りのような感想をリズベットさんが話しています。

なんかリズベットさん………こわいです。

 

「えっ、えっとそれに関しては御愁傷様というかなんてもうしたらいいんでしょうか……ごめんなさい」

 

その姿をみて思わずわたしもまわりのみなさんも笑ってしまいました。

パパはいつもこういう時ペコペコするんですよ。

 

「も〜う、浮気はだめですからねパパ!」

と冗談半分でいうと驚いたことにまわりの大半の方(なぜでしょうか?みんな女性の方々)がいっせいに反応しました。

「ちょっ、ちょっとユイ!?」

パパは大焦りです!

「キリト…あんた…まさか…」「お、お兄ちゃん!?」

「キーリトー君?そんなわけないよね?」ママはニコニコしながら喋ってますけど、ふふっ、こういう時のママはすごくこわいんですよ?

もうパパはいえではペコペコしっぱなしです!

 

そんなことをごたごたいっている内にわたしの情報網(索敵システム)に一人のNPCが浮かびあがりました。

 

「みなさんもうすこし進んだところでNPCが待機しているようです。すぐに戦闘の可能性もあるので準備をお願いします」

 

まだなにかもめているようなパパはこれを機に「ほらNPCだってさ〜、楽しみだな〜。よしみんな頑張ろう!」などとといってごましかしているようです。

 

はぁ〜パパ、ママからにげられるわけないのにと思いながらやりとりを聞いていると目の前に一人の女性NP…あれ?

女性NPCじゃない。この寒い中武士のような着物をきていて髪は綺麗な白髪でどうみても女性NPCじゃないです。しかもお爺さんです!

わたしは困惑しました。みなさんも動揺していますが…

とりあえずはなしを聞いてみることになりました。

 

「おぉ〜!そこの道を行く旅人よ。すこしこのじいさんのはなしを聞いてくださらんか?」

 

「どうぞご老人、このクラインがどんな悩みも解決しますよ!」

クラインおじいさんかっこいいです!あれ?なぜでしょうそう思ってるのはわたしだけのようです。

 

「それはそれは頼もしいですな。ん?そこのお二方もしや夫婦ではございませんか?」

パパとママがうなずくとまわりのみなさんもこのクエストが限定クエストだと確信した様子で続きをうながしました。

「それはもう昔のことですが。この氷雪地帯の[水晶の剣山]には地下へと続く隠し扉がありましてなそこをぬけると肌が焼けるような暑さの灼熱の世界が広がっているそうじゃ。そこの世界の主のドラゴンはこの氷雪地帯のドラゴンと戦い傷つきその世界へと逃げ込んだようなのじゃ。そこでそのドラゴンは死に絶えそのこころは一振りの剣にやどったそうじゃ。一振りすれば自分の周囲をよけ焦がすほどの力があるといわれておる。まあ、いまはその隠し扉があるかは甚だ疑問ではあるがの。いやはや手間を取らせて悪かったのもしも扉をみつけたらこの老人におしえておくれ」

ここでクエスト受理のyesをパパがタップするとクエストが始まったのかわたしの情報に隠し扉の位置が更新されていました。

 

「パパ!隠し扉の位置はわたしが案内します!」

といいつつもわたしはすこし不安でした。こんなことははじめてだったのです。わたしが情報をとり間違えるなどということは…。

「よし!みんな行こう!」

先ほどのおじいさんのはなしの中の[こころ]という言葉でSAOでのプレイヤーのことを思い出しました。

 

「パパ…。こころってなんでしょうか?」

この質問にはまわりのみなさんもう〜んと困った様子でしたが、わたしはどうしても知りたかったのです。

こころとはなにか?なぜ存在し、それを制御するためになぜわたしはつくられたのかを…。

 

「それはわたしも少し気になるわ」とシノンさんも加わりみなさん真剣に考えはじめましたがやはり難しいみたいでした。

「ごめんね…ユイちゃん。その質問はいまの私たちにはわかりそうにないわ。でもいつかママがちゃんと答えてあげるからいまはゆるして。」

ママにやさしく言われて渋々わたしは引き下がりました。

ユイはママの子供ですからママを困らせたくはありませんからね!

 

そんなことをいっている間にどうやら[水晶の剣山]についたようですが、なぜかパパとリズベットさんはここを知っているようでした。

 

「キリト!ここって!?」

「ああ!そうだ!ここはリズと俺が金属を取りに来たときにドラゴンと戦った場所だ」

それがどうかしたのかとみなさん聞こうとしたところで

「まさか……!?」とパパとリズベットさんは天を仰ぎました。

すると高い雄叫びが[水晶の剣山]にこだましました。

 

 

 




どうもロックンです。
お読みいただいた方ありがとうございます。更新はやすぎじゃね?と思う方申し訳ないです。
わたくし学生ですので冬休み中で暇すぎるのでございます。
今回もユイ視点です。もうすこししたらアスナ、キリトと視点を変えていく予定です。

今回はクエストがしっかりと進められてよかったです笑
自分で書いているとどうしても会話をいれたくなってしまいクエストが進まないのです。申し訳ありません。
さて次回ではドラゴンとの対決を主に書こうとおもいます。
感想のほうどんなことでも書いて頂けたら幸いです。

それでは…。
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