頭文字T Toraha Stage   作:タカノ

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凄く久しぶりの投稿になってしまいまいました……。

今回はちょっと短めです。
バトルのみ、難しい。


第八話 激闘! ダウンヒル!

ヒルクライムのバトルが終わり夜の闇の中に不釣り合いなほどの盛り上がりを見せるギャラリー。

 異様な熱気に包まれる中、その空間だけは空気が違っていた。

 あれ以降、拓海も恭也も無言で愛車に乗り込みスタートを待つ。

 近くにいたギャラリーも異様な空気を察してか、言葉なくその状況を見守っていた。

 「藤原のヤツ……気合入りまくりだな……凄まじいオーラを感じるぜ……」

 「いや、タケシ。あれはただの嫉妬だと思うぜ?」

 その中で空気を読まずに独り言のように呟く男に、呆れながらツッコムロン毛。

 中々にいいコンビであるが、等の本人たちが聞いたら全力で否定する事間違いなしであろう。

 そんな二人の漫才さながらの会話の中、カウントが始まり……2台の車が同時にスタートした。

 

 ギャァァッ!

 

 ストレートを走り最初の中速コーナーにオーバースピード気味に突っ込むAE86。

 横滑りし始めた車体に的確にカウンターを当て、綺麗にインベタを埋めるようにドリフトで駆け抜けて行く。対するDC2はアクセルを一度抜き、車体を前方に向け素早くアクセルを戻す。くるんと擬音がしそうな旋回で曲がり、AE86の後を付ける。

 (「速い! だが、つけいる隙が無いわけじゃない……!」)

 ややスピードの乗ったドリフト。それはスピードは乗っているが姿勢を立て直すのに若干のラグがある。それを逃す恭也では無く、その僅かに空いたインにDC2の頭を入れ、そのまま加速を始める。

 立ち上がりを重視していた恭也のDC2はあっという間にAE86を抜き前に踊り出る。

 ここから先はしばらくは高速コーナーとストレートの区間。パワーのあるDC2の独壇場だ。

 アクセルを踏み、タコメーターの回転数を上げる。エンジンの音が切り替わり心地よいVTECサウンドが車内に響き渡る。AE86も追いすがるが徐々に差は開いて行くばかりだ。

 

 「藤原が抜かれた!? アイツにしてはあっさり抜けれたな」

 「……いや、今日の藤原は熱くなり過ぎている……マズイな」

 頂上で報告を聞いていた高橋兄弟の顔が曇る。その兄の言葉が気になったのか、啓介は涼介の方を見やる。

 「聞いた話だが、藤原のヤツ最初のコーナーからインベタを埋めるドリフトだったそうだが……このコースの流れ的にそれは必要の無い動きだ」

 涼介の分析は的を得ていた。

 それはプラクティスの段階ですでに解っていた事。普段の拓海ならばそのようなミスはしなかっただろう。

 (「藤原……負けんじゃねぇぞ……」)

 知らず知らず握った拳に力を込めても、啓介には信じる事しか出来なかった。

 

 ズシャァァァァッ!

 

 三つ目のコーナーを抜け、依然先頭を走り続けるDC2。

 高速コーナーでのグリップ、旋回能力ではDC2の方が分がある。

 ウェイトの軽さではAE86に分があるが、車体構造上の古さはいかんともし難い差になり、徐々に差が生まれて行く。

 だが、それもストレートと高速コーナーが続く前半の区間までの話。拓海も仕掛けるのは後半からと頭の中で組み立てていた。

 (「このストレートを抜ければヘアピンが二つ続く……そこで決める!」)

 長く伸びるストレートに二つの異なるエンジン音がデュエットを奏でる。

 コーナー突入前に赤く光る2台のランプ。

 先に動いたのはAE86の方だった。

 (「ここだ!」)

 大きく車体を外に振り、僅かに空いたインに頭を入れるAE86。

 DC2も車体を立て直すが、僅かにAE86の方が速い。

 スパッとインからAE86が先に頭を出し、二つ目のヘアピンに矛先を向ける。

 その時、ふと視界が若干暗くなった事に気がつく。

 そして、対戦相手のDC2の姿が無い事にも。

 (「まさか!」)

 一瞬の逡巡。その隙に暗闇の中から現れるDC2。そのライトには先程までの明るさは消えていた。

 そう、ライトと消して仕掛けるブラインドアタック……。以前、拓海が藤堂塾の相手に仕掛けた方法。それをそのままやられたのである。ましてはDC2のカラーはブラック。その効果の程は語るまでも無いだろう。

 「……思ったより上手くいったな」

 再び抜き直し、先頭を走るDC2。

 恭也が此処で仕掛けた理由は二つあった。一つは対戦相手の車両データ上、此処で仕掛けて来る可能性が高かった為、其処で抜き直し、相手の戦意を下げる為に。

 さらに、此処は恭也のホームでもあり、また幼少の頃からの鍛錬の結果、暗視の訓練も受けている。なので、実は明かりが無かったとしてもある程度は走らせることができるのもあった。

 とは言え、コンマ数秒で結果が変わってしまう限界バトル中に僅かなブレでも発生させるわけには行かない。

 それもあって、恭也は此処でライトを消して抜くと言った作戦に出たのだった。

 ただ一つ恭也の誤算があったとすれば……。

 

 「……面白いじゃないか……絶対に負けない」

 

 相手の戦意をさらに上げる結果になった事だろうか。

 

 夜の闇に大きなスキール音が響き渡る。

 

 本当の勝負は……「「これからだ!」」




DC2欲しいんですが、まだ高いですよね……。
フォルム的に、やっぱりDC5よりDC2なんですが。

此処まで読んで頂きありがとうございました。
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