赤い世界を変えるなら   作:創大

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アスカがシンジの事を好きなのは分かるのですが、シンジって一体誰が好きなんでしょうね……?


4 通いあわない心

「ねえ、どうして?」

「え?」

僕が突然アスカにそう話しかけたがために、アスカは少しビクッとした。

僕は、アスカに聞きたいことが一つあった。それは、『何故アスカはLCLに還元されなかったのか』ということだ。確かに僕は、綾波と一緒にいるときに他人の存在を望んだ。だけれど、ここには僕とアスカの二人しかいない。他の人がいつかこの赤い海から還元される様子もない。

別にアスカと一緒にいるのが嫌なわけではない。僕がアスカを殺そうとした時には感じなかった何かを、今僕は感じているくらいだ。

でも、理由は知りたい。

ハハッ、僕って本当に自分勝手な奴だ。この前、アスカと一緒にいるのが怖くて殺そうとしたくせに。

「アスカは、何でLCLに還元されなかったんだろうね」

アスカはそんな僕の言葉を聞いて、顔をしかめてこう言った。

「ハァ……。アンタ、覚えてないのね。ホント呆れる」

アスカは僕に、その理由を言ったのか。でも僕にそんな記憶は無かった。

「ごめん……。でも、分からないよ。だって僕達以外の人はいないんだよ」

「あたしから言わせないでよ。ハァ、あんなことアンタに言ったのが悪かったわ……。アンタ鈍感だし、バカだから」

アスカは口ではそうやって強気で言っていたけれど、表情は少し悲しげだった。

「……ごめん、アスカ」

「別に。あたしの口からあんなこと、もう言いたくないから言わないけど。……アンタはさぁ」

そう言ってアスカは口ごもり、

「やっぱり何でもないわ」

と口にした。

「そっか……」

僕とアスカには、距離がある。どう頑張っても、どう仲良くしても、埋まらない距離が。

僕がアスカの事を好きなのかは分からない。でも、あの頃アスカと一緒にいて、正直本気で嫌だと思ったことはなかった。アスカは確かに嫌な奴で、自分勝手だったけれど、僕はそれが気に触ったことはなかったと思う。アスカと一緒にいると、自分の本音が出せた気がする。

でも、僕は、自分がいるだけで人を傷つけることを知った。自分の友達を壊して、アスカの思いも汲み取れず、アスカもおかしくなっていった。

今ここにいるアスカは、今何を思っているのだろう。僕のことを恨んでいるのかな。それとも、心地いいと思ってくれているのかな。

……そんなこと、あるわけないか。僕は何を考えているんだろう。

「ねえ、バカシンジ」

アスカはスッと立ち、僕のことを見下ろしながらこう言った。

「あたし達、これからどうなるのかしらね」

アスカは包帯で巻かれた腕で、目の前の赤い海を指す。 

「こんな何もない世界でアンタと二人ぼっちなんて、いや。これなら死んだ方がましよ」

僕はアスカにそう言われて、少し悲しくなった。何でだろう。僕だってこんな世界、嫌なのに。なんなら死んでも良いってのに。

「うん……。僕も、こんな世界で生きていたくないよ」

僕がアスカの方を向いてそう言った瞬間、目の前が眩しい光に包まれた。

「な、何よ!?」

アスカは手で目を覆い、うずくまった。

「うっ……」

僕もあまりの明るさに目が眩む。この世界は、太陽が出なかったからなのか、目が光に慣れない。

僕が目をギュッと瞑ると、段々と光の強さが弱くなっていった。

「なんなんだよ……」

僕がそう呟き、ふと赤い海の方を見ると、遠くに人の影があった。目を凝らさないと見えないが、確かに誰かいる。

「ねえ!アスカ、あそこに人が見えるよ!」

僕はアスカの体を揺さぶり、赤い海の方を指しながらそう言う。アスカは驚いたように顔をあげ、僕が指し示した場所を目を凝らして見た。

しばらくすると、アスカはゆっくりと

「……ホントだ……」

と呟いた。

ここからでは、遠くてよく見えないけれど、確かにいるのだ。人が。

「誰かしらね……」

 




なかなか話が進まなくてすみません……。これからも頑張って投稿していきたいです!
ちなみにアスカがLCLに還元されなかったのは『アスカはシンジと一つになるのが嫌だった』からです。アスカの「アンタがあたしのものにならないなら、あたし何もいらない」という言葉から読み取れるように、アスカはシンジの事が好きだった。だけれど、一つになればシンジとアスカの境界線はなくなってしまいます。だからアスカはシンジと一つになりたくなかったのでしょう……。(他サイトの記事も参考にしつつ、私自身で勝手に想像しました……間違っていたらすみません)
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