病弱な僕が勇者になって捨てられたら過保護な魔族に保護されて色んなことをするお話   作:sige・s

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今回は望君が頑張ります!どうか優しい目で見ていてください


第七話 ひとかけらの勇気

この無能なガキを連れて何になるんだぁ?」

嫌な声が聞こえる.....「このクソガキがぁ」

それをかき消そうともする声が響いている

「望.....望.........」

誰かが呼んでいる、そう望は微睡の片隅で聞えた。

「望.........望!」

「はっ!」

「大丈夫ですか?望、うなされていたようですが.........」

「すみませんソフィアさん、何か夢を見ていた気がします.....でも大丈夫この通り、あっ」

そうやって望が体を起こそうとすると転びかけてしまいそうになる、だがそれが分かっていたのようにソフィアは望を支える

「少しも大丈夫ではないではありませんか、朝食の準備が終わるまで休んでいなさい。」

「はい、いつもすみません.....おはようございますソフィアさん.....」

「良いのですよ.....おはようございます、望」

朝食を食べ終え、少し休憩している時にソフィアは前から抱いていた疑問を望に投げかける

「望、あなたは前の世界ではどんな生活をしていたのですか?無理に答えなくとも良いですが...............」

しばらくの沈黙が部屋の中に流れる。

「以前の世界では大体6歳くらいまでは外に出るくらいはできたんです....ですがそれからは病気が悪化してそれからはずっと寝たきりでした.....」

「ご両親は.....」

「母はずっと女手一つで嫌な顔せず育ててくれました、恩返しする事が出来ずに僕が死んでしまったものですから本当に残念でした.....。父は実の事を言うと

あまりよく知らないんです。僕が産まれてすぐに死んでしまったので」

「すみません悲しい事を聞いてしまって、無神経でしたよね.....」

「いいんです、それに今はソフィアさんがいてくれるから、死んでしまう運命からソフィアさんが救い出してくれたんですから。」

「望.....だめですね私は自分で聞いておいてこれでは。」

「ところでソフィアさん,今日はどんな所に行くんですか?」

「今日は、望の服を買いに行く予定です、少しあれですが、今あなたが着ている服は私が男装する時に着ている服ですが、その言いにくいのですが

少し大き過ぎる気がして.....」

そう、望は屋敷にを出てからはソフィアの男装用の服を着ていたのだがソフィアが175cmほど背があるのに対して望の背というと150cm程なのである

その為常に服を着ているときはブカブカだった。望は少し赤くなってうつむく

「もう!ソフィアさんバカーーー!」

「すみませんまた無神経なことを」

そういってしばらくアタフタしていると「あはははははは」と二人は互いに笑いあい「すいません」と言い身支度を済ませ、宿を後にした

「さて望そういうわけで服を買いに来ましたが何か希望はありますか?」

「恥ずかしいんですが、僕服の種類とか全然分からなくて.....ソフィア良ければ選んで貰えま..」

「分かりました!、絶対に似合う服をあなたに選んできます!」

それからのソフィアは半暴走気味だった、

「これはどうですか?こっちはどうですか?これもいいですね!」

まるで物をワープさせているかのようにあっという間に望の前に服の山が積み上げられていく、女の子が着るワンピースなどがその中にあるが夢だと思いたい望であった。

このような感じで朝一で服屋に入ったのに服屋を出たのは正午位の時間になるのであった

 

「良い買い物をしましたね!望」

「はい.....そうですね。ケホ!ケホッ!」

「大丈夫ですか!望すみません、疲れてしまいましたよね...休憩とお昼も兼ねてあそこの店に入りましょう」

そういって二人は昼食を食べに店に入って行った

「なんだか賑やかですねソフィアさん」

「まあここは酒場ですからね、冒険者達も少なからずいるのでしょうさて食事にしましょう、すみません干し肉を二つ頂けますか?」

ソフィアがそう言うと酒場の店主が「かしこまりましたぁ」と元気よく言いテーブルを後にする

「お待たせいたしましたぁ、干し肉とこちら当店のサービスのソテーでぇす、それではごゆっくりどうぞ」

「いただきます」と二人が食事を楽しんでいる...その時に複数人の男達が二人を囲んでいた一人ニタリと笑った男が声を上げる

「おい、そこの姉ちゃん、そんなガキと飯食ってねえで俺らの席に来ないか?、そこのガキよりもイイ思いもさせてやるぜぇ?あぁ?」

「はぁ...全くこれだから冒険者」とそんな事をソフィアは考えながら席を立とうとする前に望が動いた

「やめてください!!」

望はそう言って大声をあげてソフィアの前に立つ

「嫌がっているじゃありませんか!」

この時ソフィアは、驚きで少しフリーズしていた、普段大人しい望が大声を上げていたこともそうだが、何より自分が守ると言った人間の子が

自分を精一杯、必死に守っていたことに喜びと自分に対しての情け無さに震えていた。

「あぁ!!?なんだとこのクソガキが、てめら痛い目に合わしてやれ」

男の合図と共に数人の男たちが望を取り囲み望の事を殴ろうとした、だがその拳が望に届くことはなく寸でのところでソフィアによって止められる

「貴方たち、手を出したですからもちろん出される覚悟も持ち合わせているのですよね?それなら......」

ソフィアがそう言った瞬間望の事殴ろうとしていた男たちが吹き飛び、悲鳴を上げることもせずに気絶する

「この程度ですか...」

「このくそアマアアアアアア」そう言って最初に話しかけて来た男が飛びかかかってくるがソフィアは望抱えて、難なく避けて男は壁に激突し気絶した

「お騒がせして、すみませんでしたこれ食事の代金とお詫びです、それと干し肉大変美味でしたそれでは」

「いえいえ、こちらこそありがとうございましたぁ、またのご来店をぉ」

そうやって店主と会話していると去り際に店主が望に話しかける「キミ、かっこよかったよ」

そう言われて望が赤くなっているとソフィアが「望行きますよ」と声が聞こえ望は店主に一礼し酒場を去った

「望、なぜ守ってくれたんですか?」

「なぜって聞かれると難しんですけどなんだか自然に体が動いてしまって」

「だめですよ、自分の体の事をちゃんと考えてくれないと、ですがあの時の貴方の姿は.....その...かっこよかったですよ。」

「あははは..ありがとうございます、ケホッケホッ!!」

「少し疲れてしまったようですね宿に戻って魔力を渡すので帰りましょうか。」

「はい、わかりました帰りましょう.....ガハッ!ガハッ!」

「あああああ望むううううう!!!!!」

この後に望の体調が戻るまで「自分のせいだ」と望の看病を完璧にしながら自己嫌悪していたソフィアであった




ここまでがpixivさんでも投稿させて貰っている話です。投稿ペースはとても遅いですが書かなくなることはないと思うのでどうか暖かい目でこの物語を見て下されば嬉しいです。

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