「イテテ・・・・・・は?」
頬を殴打されたような感覚、口元から垂れる血液。
一瞬何が起こったのかわからなかったが、どうやらアルベドに殴られたようだ。
しかしゲームにしては感覚がリアルすぎるし、チラリと見たアルベドの怒りに満ちている表情はとてもAIで再現できるとは思えない。
モモンガさんもヘロヘロさんも唖然としているようだ。
「な、なんだこフグオッ!?」
今度は横から蹴り飛ばされて壁に叩きつけられる。
激しい痛みが体を走る。
どうやら蹴ったのはプレアデスのリーダー、セバスのようだ。
体力多いキャラビルドにしたおかげか、吹っ飛ぶほどの衝撃を食らったのに骨が折れたとかいうことは無い。
「プレアデスの面々は下がっていなさい。
あなた達では荷が重い、ここは私とアルベド様に任せて増援を呼んできてください。」
「しかしセバス様!我々も」
「ダメよ、あなた達が一番わかっているでしょう?
この男のしぶとさを。この場でこいつに対抗できるのは私とセバス、至高の御方のお二人のみですわ。」
「ッ!・・・・・・・承知、しました・・・・・・・」
え、ちょ、何でこんなに敵対されとるん?
それにやられた所が痛い・・・・・・・・スキル使って回復しきゃいけないな。
被虐の誉れというスキルを発動する。
このスキルは自分が受ける回復量を増やし、自動回復を一定時間自身に付与する。
正直自動回復が本命である。
他の回復量増加の常時発動するスキルのおかげでモリモリ体力が回復するのだ。
痛みが徐々に引いていき、打撃による青あざもなくなっていく。
こんなことになるならば本気装備の兜とマントも装備しておくべきだった。
アイテムボックスから棍棒を取り出す。
「敵対するならば叩き伏せるのみよぉ!!」
恐らく何かしらの行為が敵対判定となってしまったのだろう。
ならば戦うしかない。
アルベドとは戦ったことが無いので色々未知数ではあるが、仕方がない。
セバスとアルベドも臨戦態勢へと入る。
だが、そこでモモンガさんから一括が飛んだ。
「セバスもアルベドもスパルタクスもやめろ!
ここは玉座の間、場を考えろ!」
「し、しかしモモンガ様!
この者はモモンガ様へ不敬を働きました!
これは万死に値することかと!」
「今はそれどころではないのだ!
アルベドはナザリックの警戒レベルを最大まで引き上げ、守護者各員を第六層の闘技場まで集めよ!
セバスはプレアデスを率いナザリックの周辺を探索、知的生命体と接触しても交戦はするな!」
( ゚д゚)ポカーン←ヘロヘロさんとオレ
セバスとアルベドが渋々ながら退場し、玉座の間にはモモンガさん、ヘロヘロさん、オレの三人だけとなった。
「え・・・・・・何ですか今の。
すごい魔王っぽかったですよモモンガさん。」
「何ですか今の、ですか。
それを言うならこちらもですよ。
スパルタクスさん、今、どうやって被虐の誉れを発動してどこから棍棒を取り出しました?」
「あっ!確かに!」
「え・・・・・・普通にスキルは発動させましたし、棍棒だってアイテムボックスから出しましたよ?」
一体この二人は何を思ってこんなことを言ったんだ?
・・・・・・・・・そういえば、メニュー画面開いたっけオレ?
そういえばスキルも頭に思い浮かべただけで使えたような・・・・・・・・
「・・・・・・・・・もしかして」
オレが何もない空間に向かい手を伸ばす。
そしてアイテムボックスに入れていた下級ポーションを取り出そうと念じてみる。
すると黒いモヤのようなものが現れ、その中にポーションがあった。
掴むことも可能、取り出すこともできた。
ヘロヘロさんも同じようにしてみると、どうやらアイテムを取り出せたようだ。
「一体何なんでしょう、これ・・・・・・・」
「新しいアップデートですかね。」
「に、しては突然すし、さっき二人に攻撃食らった時に普通に痛みがありました。
まるで現実世界みたいに。」
モモンガさんが額に手を当てる。
ヘロヘロさんはどうすればよいのかわからないといった風にあたふたしている。
オレは、試しに棍棒をふるってみる。
振り回すたびに感じる風を切る感じ、そして手から感じる金属の感じ。
明らかにおかしい、感覚がリアルすぎる。
「皆さん、先ほどセバスに伝言がつながったんですが、どうやら辺り一面が草原になってるみたいです。」
「え、オレが来たときは普通に沼地でしたが・・・・・・・・」
「あ、あのー・・・・・・・ふと思ったことがあるんですが・・・・・・・・」
「何ですヘロヘロさん」
「私ってプログラマーなんで、いろんなゲームの設定とかも覚えてるんですよ。
それで、そのうちの一つにこんな設定のがあったんです。
主人公が現実世界から異世界へ転移するっていうやつが・・・・・・・・・」
「つまり、この状況は我々がナザリック事異世界に転移したと、そういいたいんですね?」
「た、多分・・・・・・・・・・」
なるほど、確かに的を射た推察だ。
そういやそんな内容の小説が過去に大流行したという話を聞いたことが。
「いや、しかし・・・・・・・・これどうするんすか?」
「どうするって?」
「お二人も見たでしょう、オレがセバスとアルベドに殴りかかられたとこ。
しかも動機が不敬を働いたから・・・・・・・・忠誠心バカみたいに高くないですか?」
「ええ、しかしそれがどうしました?」
「私には向けられてるかまだわかんないですけどね。」
「・・・・・・・・・ワンチャン、こんなのオレが忠誠を誓った主じゃねえ!ってことで反乱起こすのでは?」
しばしの沈黙が訪れる。
それは酷く重苦しく、息苦しかった。
「・・・・・・・・作戦会議しましょう!」
「そうですねモモンガさん!」
スパルタクス、それは☆1においてアーラシュに並ぶほどの優秀なサーヴァント。
その高い回復量とバーサーカーゆえの大体の敵にある程度ダメージを通せるため低レア縛りの人にとっては周回で重宝していると聞く。
・・・・・・・・作者はfgoやったことないんだ。
やりてぇ・・・・・・・育てた鯖同士の会話とか妄想してぇ・・・・・・・・でも携帯端末がねぇ・・・・・・・ダレイオス三世×2の間にネロ挟んだりしてぇ・・・・・・・