デュエル・メモリーズ Parallel ーSeven Soulsー   作:置き物

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お久しぶりです。置き物です。
再びデュエル・マスターズの小説を書くことにしました。
今回の作品は恐らく、他のデュエマ小説とは違い『異質』な作品となると思います。正直私も書ききれるか不安ではありますが、それでもお付き合い頂けるなら幸いです。
また、この作品のタイトルにもありますように私が以前連載していた『デュエル・メモリーズ デュエル・マスターズ戦記』の番外的な作品になります。もし宜しければそちらの方も読んで頂けると嬉しいです。
前書きが少し長くなりましたが、それでは本編をお楽しみください。


Prologー鼓動ー

「おや、お初にお目にかかりますね。…ん?私が誰かですって?そうですね。分かりやすく『■■』とでも名乗っておきましょうか」

 

ーゴォォォン。

 

「フフ…。こんな所までいらっしゃったんですから見ていきますか?とある超獣世界(クリーチャーワールド)を」

 

『この俺が…!負けるなどと…!』

 

『俺の拳を見くびるなぁ!』

 

「これはあるほら話から生まれた世界とでも言っておきましょう」

 

『私は弱くなどない…!時代が…!』

 

「それ故、彼らに()()()()()()()()()()。この者達の結末…見たくないですか?」

 

『こんなゴミ共にあの方達の下僕である私がァァァ!』

 

「ええ。興味を持たれましたか?それならお連れしましょう。この世界へ」

 

 

「我々は地上侵攻を決定した。火文明どもの土地を頂く」

 

赤子の見た目とは裏腹な深い声が一室に響く。

その声は怒りと苦悩を感じさせるものであった。

 

「何故あの爆発で我らサイバーロードの住む都市が奪われ、火文明などという低脳な種族は地上でのうのうと生きているのだ…!」

 

彼らは『サイバー・ロード』。

この超獣世界の水文明を支配する種族である。

力は非力ではあるものの、圧倒的頭脳から生み出されるテクノロジーを駆使し、水文明に君臨している。

彼らは海底深くにて水中都市を建設し、安住の地を形成していた。

それは水文明の英知の結晶とでも言うべき場所である。

だが、突如として起こった謎の爆発。

これによりサイバー・ロード達は自らが作り上げた安住の地を失うこととなる。

もっとも、その爆発は彼らの平和だけではなく、世界の平和をも奪うこととなろうとは誰も知る由もなかった。

理想郷を失った彼らが取った道は失った土地を他の文明から略奪するという野蛮な行為であった。

だが、自分の文明が生き残るためならば手段を選ばない。

あの爆発後、被害を受けた文明の認識はこのように変わりつつあった。

 

「コーライル。部隊の手筈は進んでいるのだろうな?」

 

「もちろんです。既に地上侵攻用プログラム《ステンドグラス》や強化生命体であるゲル・フィッシュの《シザー・アイ》らの部隊を形成しております」

 

コーライルと呼ばれたサイバー・ロードが答える。

彼らは高い知能を駆使し、地上攻撃作戦に備えあらゆる兵器を用意していた。

初めに《ステンドグラス》と呼ばれた地上攻撃用プログラム。

水文明のバイオテクノロジーによって生み出された水生ウイルス体の種族『サイバー・ウィルス』である。

続いて告げられたクリーチャー。《シザー・アイ》。

サイバー・ロードによって強化された水生生物の種族『ゲル・フィッシュ』のクリーチャーである。

 

「他にも我々の科学の力を使用出来るクリーチャーを開発する『RS計画(リキッド・ソルジャープロジェクト)』も同時進行中です。この軍勢ならば低能な火文明共など一週間も持ちますまい」

 

「ほう…。ご苦労であった。そのまま部隊の編成を強化しろ」

 

「はっ!」

 

笑みを隠しきれないのか、赤子の口元が釣り上がる。

 

「オペレーション『火の愚か者達(フール・ファイア)』発令までが楽しみだ…」

 

不敵な笑いが部屋を巡った。

 

 

場所は変わり、水文明の研究施設。

ここでは地上侵攻に備え、攻撃用プログラムや兵器の開発が行われている最中であった。

 

「コーライル様。RS計画の1号が誕生しました」

 

「分かった。早速見せてもらおう」

 

部下に連れられ、コーライルはクリーチャーの開発を行う場所へ向かう。

そこで彼が見たのは培養液へと浸かる1匹のクリーチャーであった。

 

「これがRS計画第一号《ハルカス》…」

 

ハルカスと呼ばれたクリーチャー。

これこそ水文明が推し進めるRS計画で誕生した種族『リキッド・ピープル』である。

彼らサイバー・ロードの期待を集める存在なのだ。

ハルカスは培養液の中で刃のように変化した両手を組み、佇む。

その姿は人工的に作られながらも神秘性を感じさせるものだった。

 

「素晴らしい…必ずやあの方も気に入るだろう…!」

 

コーライルがRS計画のクリーチャーに酔いしれていた、その時ー。

 

「おい!逃げるな!」

 

「何事だ…?」

 

「コーライル様…!そ、それが作り出したばかりのシザー・アイの1匹が逃げ出しまして…」

 

「何をしている。早く捕まえろ…!」

 

「は、はっ!」

 

叱責され、研究員は慌てて捕獲用の麻酔銃を取り出しながら逃げ出したクリーチャーを追う。

 

「このっ…!」

 

研究員は狙いを定め、発砲するが当たらない。

元々シザー・アイは地上侵略用に開発されているクリーチャー。

火文明との戦闘を見据え、身体能力が強化されている。

その為俊敏性も当然高くなっている。

逃げ出したクリーチャーは強化された足で研究所の通路を駆けていく。

 

「くそっ!」

 

「…貸せ」

 

「はっ…?」

 

「聞こえなかったのか。銃を貸せと言っている」

 

そう言い、コーライルは研究員から銃を奪い取る。

 

「計算して行動しろ。水文明とはそういう頭脳を持つ文明だということを忘れるな」

 

その一言を告げると同時に弾丸が放たれる。

一見何も居ない場所へ暴発したかと思われた弾丸。

だが、それに吸い寄せられるかのようにシザー・アイはその位置に移動する。

そして、弾が命中した。

 

「す、凄い…」

 

「奴が逃げ込む先を計算したまでだ。こいつを早く部隊に編成しておけ。さっきみたいに逃げられると面倒だ。俺はこの後あの方との面会があるのでな。失礼する」

 

「りょ、了解しました…!」

 

コーライルは研究所を後にする。

そしてコーライルの指示通り、逃げられないように先程の研究員は対開発クリーチャー用のケージを用意する。

 

「ん?」

 

そこで研究員は気づく。

このクリーチャー(シザー・アイ)が麻酔弾を撃たれたのにも関わらず、動いていた事を。

 

「な、なんでコイツは動いてるんだよ…

不気味だ…早くしまっちまおう…」

 

ー新たなる鼓動が、動く。

 

 

 




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