ハイスクールD×D ―人・神・魔を従えし黒の剣士な陰陽師― 作:西城ヒイロ
ちなみに作者はメカニック原案担当。
「此処は…何処だ?」
目をさますと俺は光一つない一面真っ黒でありながら何故か視界がきく世にも不思議な空間にいた。
大概の人間は此処で夢と割り切るだろうけど俺は違う。
理由はつい最近テレビで有名な心理学者が生と死の間の世界の情景を話していたのを聞いたから。
俺の現状はその情景に酷似し過ぎている。
ただそれだけ。
「お目覚めになられましたか?」
思考の海に浸かっていると突然頭上から女の人の声が聞こえた。
「…あなたは?」
俺の知るセオリーならここは死んだ婆ちゃんとかが出てくるが生憎俺の家族は身内遠縁含め皆存命。
曾々婆ちゃんなんかはとっくに百歳越えてるけど畑仕事してるし。
つまり俺の知り合いじゃない!以上!!
「で、誰だっけ?」
俺がそう言った瞬間何かがずっこける音がした。
「先ほど自己紹介しましたが?」
またしても頭上から声が。
そして頭を上げるとそこにはアイテールがいた。
判らない?なら説明しよう。俺の言うアイテールは携帯ゲーム"進撃のバハムート"に出てくる課金でもしないと絶対に手に入らないカードで市場価格でも三万円オーバーの超激レアな逸材だ。ちなみにボイス実装。
「私の名は…と言っても特にこれと言うものはありませんが強いて言うなら貴方の住む世界では神と呼ばれる存在です。」
成る程神ね…
「ふ~ん」
「自惚れではないですが神と聞いても取り乱さないのですね。」
勿論。アイテールは神属性、ならアイテール似のこの方は神!そんだけの話。
「で、本題は?」
「はい。此処は貴方の察した通り生と死の間です。
現在貴方の肉体はこのままでは朽ちてしまいます。しかし言いづらいのですが現在の貴方の世界の技術では治す事は出来ません…」
要するに俺は助かりましぇ~んってか?
「しかし貴方が家族、財産、他全てを捨ててでも生を望むなら転生という形で生き返る事が可能です。」
何かを得るには何かを捨てる、所謂等価交換。
俺の場合俺の今までの全てを捨てる事が条件。なら答えは決まっている。
「確かに生きれるならまだ生きたい。けど転生はしない。」
「理由をきいても?」
「家族、財産、他全てを捨てるという意味が俺の記憶からなのか、存在そのものが無くなるかは解らないけどそれを俺が了承する、それって俺の周りから全てが消える、俺からすればそれも死と変わりないと思うんだ。それに―」
俺は一拍置いて息を目一杯吸い込む。
「今月の給料全部はたいて手に入れたアリアのボイスをまだ聞いてない!!」
「へ?」
俺の発言に神は口をあんぐりと開けて唖然としている。
学生故に月に四、五万の稼ぎなんだ。そんないい買い物をしても良いじゃないか!!
「フフッ…最後の一言を除けば満点ですが合格です。」
「どゆこと?」
手を自分の口に添えクスリと微笑む神。
可愛いと思った俺は悪くない。
「これはちょっとしたテストです。私達神は生きる可能性を持ちながらも世界の背景故に死を余儀なくされた生き物をこのような形で転生させています。」
「じゃあテストの意味って?」
「簡単に言えば転生する先の世界に必要な特典、一部ではチートとも呼ばれてるそれを与えるものです。」
流石に転生先までは神でも決まるまでは解らないんです、と付け加えてそう説明してくれた。
「ちなみに不合格だと―」
「特典無しで強制的に転生させられます。
確か過去にはモンスターハンターでしたか?そこに特典無しで転生した人もいましたね。」
とりあえずモンハンの世界に逝った不合格者に合掌。
「ってアニメやゲームの世界にも行けるのか?」
「はい。」
つまり場合によっては主人公の座を奪ってハーレムも作れると言うわけか。
多分それ予防にテストが出来たんだな。
「それで貴方の行く世界はハイスクールD×Dになりました。」
アニメ版しか知らないけど何か楽しみにしてる自分がいる。
「では特典を五つまで言って下さい。」
「ならまずは俺の身体をSAOのキリトスペックに、次に進撃のバハムートのキャラクターを召喚出来るように、悪魔になる気はないけど悪魔並みの長命に、あと原作に出てくる黒歌の保護を。」
「中々にチートになりそうですね。でも最強と言うわけではないので後は努力次第です。
あと黒歌さんの保護理由は―」
「妹想いの優しい姉だからこそ護りたい。」
基本的に妹、弟想いの人は全部抱え込むから自分が少しでも緩和してあげたい。
「それであと一つはどうしますか?」
「それなんだけど神様に名前をつけてもいい?」
名前はその人の存在を意味する。存在しているのに名前がない、そんな曖昧な状況を笑っては誤魔化せないし、それにせめてものお礼がしたいから。」
「フフッ貴方は優しいんですね。ならお言葉に甘えてお願いします。」
ニコッと笑いかけてくれる神、可愛いな。
「アイ…どうかな?」
アイテールにちなんでだから安直だけど。
「名前を貰えるだけでも幸せなものですよ。私はたった今からアイと名乗らせてもらいます。」
会ってまだそう時間が経ってない俺に満面の笑みを見せてくれるアイ。
何故だろうえもいわれぬ達成感と優越感、そして安直に決めた罪悪感が渦巻いてる。
「もう時間ですね。それでは貴方に幸多き人生があることをここに祈ります。」
そして俺の意識はブラックアウトした。
「最後の一つの特典を私に、か…ならこうするしかないよね…」
彼が去ってから彼女はそう呟いていた。
紅く染まった
アリアの件は作者の実話であるw
ついでにアルティメットバハムートも四体買ったから三ヶ月間本気で明久生活しそうになった(笑)