昔の短編集   作:結城 鈴凛

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多分高校生の時に書いた奴です。
その頃のマイブームかカニバリズムだったので書いたような気がします。


食人:前編

────────昔、中国では人肉が百薬の長とされていて、病気の親に食べさせる事が立派な孝行だとされていたらしい、と本で読んだ事がある。

…………馬鹿馬鹿しい。人肉なんて食べるのは蛮族の証拠だし、たかが哺乳類の肉を食べた所で薬になる訳が無い。じゃあ豚肉を食べた所で大病が完治するのか?という話だ。

 

そもそも実話だとしても私が親にその様な事をする事は絶対に無い。する義理さえないのだ。

 

 

 

十数年前、私が産まれた日。

あの女は私の首を絞めたらしい。

騒ぎを聞いて駆けつけた父さんが止めたから私は死なずには済んだものの、そのお陰で私は今もこうして────右半身が動かない。半身不随、所謂片端と言う奴だ。

 

元々、あの女は精神を病んで居たらしい。精神病質、という奴だ。この事について、父さんは『あの女は一見、真人間だった。……そこに騙された。アレの家は狂人揃いだと知ったそれからかなり後だった。初めから知っていれば結婚などしなかったものを』と言っていた。

形式上は母だったソイツは、その内に完全に発狂して精神病棟に入り、その後は病院側の目を盗んで首を吊って死んだそうだ。

 

それからの父さんは、あの女の家と縁を切り、男手一つで一人娘である私が、生物学上は母であるあの女の様に似ないように必死で育てた。

 

甲斐があったのかは知らないが、そうして育てられた私は運動・勉強共にそれなりには出来る。ここまで育ててくれた父さんの事には感謝しかない。

 

 

 

──────そんな父さんも、心労が祟ってか鬼籍に入ってしまった。天涯孤独の身になってしまった私を引き取ったのは…………なんとあの狂人の両親、形式上は祖父母にあたる奴等だった。

 

 

狂人だと聞いていた為に半ば萎縮していたが、案外顔も見た事がない祖父母は親身にしてくれた。居心地が良かったのは不幸中の幸いである。

 

 

狂人という認識さえも薄れて来たある頃の午前四時頃。トイレに行こうと思って起きた際に変な音を聴いた。

 

 

────こんな時間に、何を?そう思って音のする方に私は壁に寄り掛かって歩いて行った。音の出処は台所。バレないように覗いてみると、祖母が料理をしていた。年寄りの朝は早いと聞く。今から朝食を作っているのだろう。

納得した私は引き返そうとした──────その時、足下で不思議な感触を感じた。

 

 

ぬるり、と。

何か、水でない液体を踏んだ。

嫌な予感がした。しかし、流石に狂人でもそこまでする訳は────と思った瞬間、

台所の奥のボウルに入っていた、

人間の頭と、目が合った。

 

 

ひっ、と小さな悲鳴を漏らす。腰を抜かしてしまった。歩けない。ただでさえ半身が動かないのだ。もう半身の腰が抜けてしまっては動くにも動けない。

 

 

────恐怖で身体は動かない。こっちに気付いたのか、少しずつ、少しずつ近づく足跡が聞こえる。

恐怖で薄れゆく意識の中で、見えた祖母の姿は。

真紅に染まった全身で、深紅に染まった包丁を持っていた。




………この後どう繋げるかで悩んで放置してた気がします。
次も内容に期待しないでください。
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