「グアッ!」
壁に叩きつけられ、肺から空気が逃げていき、息苦しさが体を襲う。
「大丈夫か!?嫁!」
「大丈夫だ!ラウラ!戦いに集中しろ!」
それを聞いた銀髪の少女、ラウラはすぐに戦いに意識を向ける。その視線の先には、青い炎を身に纏う、もはやISというより、怪物と呼ぶべきものがいた。それはうなり声をあげながらラウラに襲いかかる。すぐに立ち上がり、ラウラのフォローにまわろうとする。
「グギャァァァァァ!」
「うおぉ!?」
しかし、それより早く怪物-イフリート改-はラウラに肉薄し、殴り飛ばす。そのままラウラは壁に叩きつけられ、苦しげに声を漏らす。
「ぐぅ‥‥‥」
「グルル‥‥‥♪」
その声を聞いたイフリート改は、満足げに声を漏らす。その隙をつこうと瞬時加速-イグニッションブースト-で肉薄するが、瞬時に反応され、殴り飛ばされる。
「うぐぅ!舐めるなぁ!」
しかし、すぐに受け身をとって、体制を立て直す。そのまま、俺の切り札を使おうとする。それを察したイフリート改は、俺を迎撃しようとするが、突如の攻撃にこちらへの警戒を解く。
「今だ!嫁!」
「あぁ!」
そのまま、瞬時加速を使い、俺の切り札-零落白夜-を叩き込もうとする。しかし‥‥‥
『ヴァルゾダース!』
「グアァァァァ!」
カウンターを入れられ、再び壁に叩きつけられる。ISを装備しているので、骨が折れたりはない‥‥‥そう思っていたが。
「ガフッ‥‥‥え‥‥‥?」
血を、吐いた。ふと見れば、ISはなくなっている。叩きつけられる前に無くなったのだろうか。分からない。頭が回らない。
「おい、嫁!大丈夫か!?」
ラウラの声が遠く聞こえる。意識がふわふわしているような。そんな感覚を覚えながら、俺の意識は闇に落ちた。
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「‥‥‥夏‥‥‥一夏!」
俺を呼ぶ声が聞こえる。一体、誰だ。ラウラか?でも、この声は。
「千冬‥‥‥姉‥‥‥?」
「あぁ、よかった!ドイツ軍からお前が誘拐されたと聞いた時には本当に‥‥‥どうした?」
「‥‥‥なぁ、千冬姉?今、何年なんだ?」
「今か?今は‥‥‥」
千冬姉が告げた年は‥‥‥
「4年‥‥‥前‥‥‥?」
あの、恐ろしいイフリート改は?ラウラは?シャルは?セシリアは?鈴は?箒は?俺たちを裏切ったあいつは?
「どうしたんだ?一夏?頭でも痛いのか?」
「い、いや‥‥‥何でもない‥‥‥」
これは、俺は過去に戻ったのか?どうして?‥‥‥いや、もしかしたら、やり直せるんじゃ?あの、恐ろしい悪夢を、変えられるんじゃないのか?
「‥‥‥なぁ、千冬姉。頼みがあるんだ」
「何だ?一夏。私に聞けるなら、何でも聞くぞ?」
きっと、辛いかもしれないし、辞めたくなるかもしれない。でも、せめて手が届く範囲の人だけでも守れるようになりたい。あの時と同じようになるとも限らない。これは、俺のわがままだ。それでも‥‥‥繰り返すが、俺は、俺の手が届く範囲の人だけでも守れるようになりたい。だから‥‥‥
「俺を、時間があったらでいい。鍛えてほしいんだ」
「‥‥‥それは、何でだ」
「‥‥‥守られるばっかりじゃ、嫌なんだ。これは、俺のわがままだ。千冬姉がいいならでいい」
千冬姉の、答えは。
「‥‥‥分かった。しかし、私は、弟だからと言って、容赦はしないぞ?」
「もちろんだ。よろしくお願いします。織斑先生」
俺がそういうと、千冬姉は驚いた顔をした後、ニヤリと笑うのであった‥‥‥俺、頑張れるかな?いや、頑張るしかないよな!
えーと、キャラ設定はまた、次回に投稿します。
次回もお楽しみに!
・一夏の死因:骨折による臓器の負傷