月曜日
それは週の始まりであり、学生や社会人を憂鬱にさせる日である。
しかしこの男、
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「ふぅ。腕も確かに上がったしストックも十分過ぎる程ある。必要最低限の物も造ったからあるし後は行くだけか。」
俺は今日の昼に異世界へ攫われると推測していたため準備をしていた。礼装を作成したり武術を収めたりと準備は怠らなかった。
準備が整い次第学校に行く準備をする。
下着姿になったら先にズボンを穿いて次に獅子裘を上半身に巻く。獅子裘が長くて自分が男子生徒の平均身長より低いため胴体と両肩を覆うことが出来る。その上にカッターシャツを着て上着を羽織る。最後両腕に軍帯の1つを着ける。
着替えが済んだら荷物を整えて朝食を食べに行く。
俺自身がいつもの様に最後みたいだ。
「お、おっはよぉ!!!!」
「おう、おはようさん。」
挨拶をしてきたのは隣の家に住んでいる
ちなみに俺の容姿は黒髪のロングに右が金で左が紅のオッドアイ。身長は平均以下の159cmで体重は54kgと軽い。体躯は華奢で丸みがある。所謂男の娘という奴だ。
「ねぇねぇ、異世界転移なんてほんとなのかな?」
「あくまで推測だ。クラスメイトに南雲や天之河、遠藤といった主要人物が揃っていて尚且つ歴史科が畑山先生なのだ。その時点でほぼ確定。後は毎週月曜日に注意するだけだ。」
「ふぅん。確かにあの4人組はそんな感じだし癖の多い子がクラスメイトだしね。魔術なんて教えられた時は驚いたよ。」
鈴には事の全てを教えてある。異世界転移や転生者、果ては異世界で起こること。その全てを教えてある。
教える切っ掛けは鈴が転生者に襲われていたのを助けたからだ。
「それはそうといつになったらヤッてくれるのかなぁ?ずっとスタンバイして待ってんだけど?」
「俺より魔力量が多いんだったら良いぞ。多かったらな。」
何かと鈴に迫られることが最近の悩みの種である。鍵も複数用意しなければ今頃は…………
後が怖いから止めておこう。
この後、世間話をしたり一悶着あったが何とか登校することが出来た。道中は鈴を抱えて最短ルートで学校に着いた。
2ーAの教室が俺と鈴のクラスなのでそこに入る。入ったらまず男子生徒達から嫉妬の視線、女子生徒達から謎の羨望の視線が送られてくる。
「あ!鈴ちゃん、雄くんおはよう!!」
「おぉ!かおりんもおっはよぉ!!!!」
「あぁおはよう。南雲待ちだろうがレポートのせいで遅れると思うぞ。」
「うん。教えてくれてありがと。」
このクラスのマドンナであり、学校の2大女神と呼ばれる少女、
これには多少の訳があるが今は別いいいだろう。
席に着いたら荷解きをして授業の準備をする。終えたら後は周りのクラスメイト達と世間話をするだけである。
それから5分後、ホームルーム目前で
担任が教室に入ってきて皆は着席。ホームルームが開始された。すぐにハジメは寝入り、香織と
寝入るハジメを無視してたんたんと進み、そのまま授業に入るのであった。
そして、待ちに待った昼休みに突入した。授業が終わり次第鈴が弁当を持ってこちらに来た。
「椅子借りたから座りな。」
「えぇ、どうせなら雄の膝に座りたかったぁ。」
「ダァホ。周りの視線がウザらわしくなるわ。今日はあいつらとは食わねぇんだな。」
「そりゃあみんな南雲っちの所に行っちゃったからねぇ。エリエリはお花摘みに行っちゃったし。独り者寂しく食べるより一緒に食べたらいいじゃん。」
「まぁな。…………死にたくなかったら今すぐ教室から出ることを推奨するぞ?」
鈴の発言に皆から睨まれたが俺から拒否したからか視線は逸れた。そして、ここに来た訳を聞いて納得しつつ鈴の言っていたハジメの方を見たら
「出る訳ないじゃん。あ、エリエリ戻って来た。」
「そろそろ魔法陣が展開されるはずだ。ほら来た。」
鈴が教室を出るのを拒否したのと同時に
光輝の足元を中心に魔法陣が拡大を始めたのだ。魔法陣の端から内側に入ると硬直は解け、自由になる。
教卓辺りで
魔法陣が爆発したかのように輝き、目眩しをする。空間が歪み、その歪みが治まったらそこは教室等ではなく何処かの教会の中であった。
周りの生徒達は分からないが俺からしてみれば無事に渡れた事に安堵した。
後は此処から抜け出して旅に出るだけだろう。
あぁ、身体が疼いてきた。