パクリ要素だらけの稚拙な作品ですが、まずは完結を目指したいと思います。
今回のストーリーは、主人公の新米提督:兄川誠が、初期艦吹雪を連れて指宿の鎮守府に着任する所から物語は始まります。
ちなみに、この兄川誠の一人称は「自分」です。他のニュアンスとの混同にご注意ください。
人間と艦娘が深海棲艦と無数の死者を出しながら激しく戦い続けて45年。2度にわたる世界規模の大戦を経て冷戦となり、完全な平和とは言えないままに20年の年月が過ぎた、ある年の4月。鹿児島、指宿の北はずれの指宿鎮守府に程近いバス停に、一人の若い男と艦娘が降り立った。
吹雪「佐世保の士官学校から5時間。やっと私達の鎮守府に到着ですね。兄川司令官!」
兄川「はしゃぎすぎだよ、吹雪。自分達は遊びに来てる訳じゃないから、ハメは外すなよ。」
吹雪「分かってます!それに、着任先には以前から配属されている艦娘もいらっしゃいますから。ちゃんと信頼を寄せてもらえるように挨拶をしないと!」
兄川「確か、4人だったかな。ここで目的を達成する為には、まず近隣の人や、ある意味先輩格の人たちと仲良くなっておかないとな。」
兄川誠少佐。(艦娘を率いる提督は、いきなり艦娘を指揮するので、専門教育施設で特殊カリキュラムを修了した後、少佐からスタート。その分昇進は遅い。)自己流徒手空拳とPCに頼らないデスクワークを得意とする。故に今年、佐世保の士官学校を主席で卒業。タレントのようなイケメン風ではないが、堀が深くてかっこいい男とのこと。今の彼には、一新米としてはとてつもなく大きな使命がある。それはいずれ世界の常識を変える事になるかもしれない。
その彼に同伴するは、駆逐艦娘の吹雪。艦娘教育3校(福岡)で学業を修めた後、兄川艦隊最初の艦娘となる。
心機一転の心意気を持って鎮守府の中に入る2人。その様子を監視カメラから見ている者達がいた。
???2「来た来た。何ともないって顔してさ。」
???1「時間通りには来たか。いいですか?まず、私達が彼と応対する。貴方はここで待機。すぐに終わらせる予定ですが、何か非常事態が起きたときは応援に来てください。」
???3「吹雪ちゃんはどうします?」
???1「私が連れて行きます。あいつのことだから、この先なにをするのか分かりきってるわ。」
兄川と吹雪の2人は鎮守府中央棟の玄関の呼び鈴を押して、中に入る許可を貰う。
兄川「本日より指宿鎮守府で提督指揮を執ることになった、兄川少尉です。鍵を開けてください。」
???「どうぞ。」
鍵は開かれ、失礼しますと声を掛けながら建物の玄関に立つ。話によれば、昔は100人以上の艦娘が在籍していたとあって、中は広い。派手さは少ないが、人を招き入れるに恥じない佇まいだ。
入り口で待っていたのは、パーマがふわっとしている黒髪に白い手袋をはめた高身長の艦娘と、ピンクに髪を染めたらしきセミロングの艦娘だった。体格から言って駆逐艦ぐらいだろうか。どちらも厚手の茶色いコートを着ている。
兄川「始めまして、皆さん。本日から、この指宿鎮守府で皆さんを指揮する事になりました、兄川誠少尉です。自分は士官学校を出たばかりの新人ですが、精一杯、人々の平和の為に十二分に頑張っていく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。」
吹雪「同じく、この鎮守府の一員となりました、特Ⅰ型駆逐艦1番艦の吹雪です。宜しくお願いします。・・・・・・?」
挨拶して顔を上げた後、2人の艦娘の容姿に違和感を抱いたのは吹雪だった。何故なら、自分の知っている艦にあのような姿を公式とする者は一人もいなかったからである。
???1「分かりました。では、さっそく案内します。・・・提督はこちらへ。」
本来なら、新たに配属となった提督や艦娘は、全て提督室で契約内容や鎮守府内の規則を教授してもらうのが原則である。この場合、提督と先輩格の艦娘とは同等の立場になりやすい。が、2人はひどくそっけない返事をした後、一人は強引に提督の腕を持って吹雪から引き剥がそうとする。
兄川「ちょ、ちょっと!?痛い痛い痛い!!離して!自分で歩けるから!」
???1「静かにしてください。他の艦の迷惑です。」
吹雪「ちょっと貴方!司令官にひどい事しないでください、司令官!」
吹雪が長身の艦娘を止めようとするが、今度は吹雪の肩をピンク髪の艦娘が掴んだ。
???2「吹雪はこっちに付いて来て。ここの事を色々と教えてあげるから。」
まるで弱者を慈しむような目で吹雪を見つめ、提督とは反対方向に連れて行こうとする。
吹雪「これ、どうなってるんですか!?私達何も変な事はしてませんよ!?」
兄川「一体、どうしたんだ!?彼女達は何なの!?吹雪、吹雪~。」
吹雪「司令官!」
長身の艦娘?の為すがままに、連れてこられたのは、提督室のプレートが下がっている部屋だった。
???1「ここが提督の執務室です。といっても、提督はよくご存知の筈ですが。」
兄川「まあ、一応別の鎮守府で見学させてもらいましたが・・・、案内してくれたことには感謝しますが、もう少し優しくお願いし」
???1「以前と同じく、右の部屋は提督用の私室、さらにその隣にユニットバスがあります。食事は時間内に外で買ってきてください。絶対に食堂にはちか」
兄川「ちょっと待った!もう少しゆっくりで頼みます!いきなりハイペースで行かれても、ついていけません。」
???1「あなたにその必要はありません!」
双方共に落ち着かせようとした兄川に、艦娘?はコートの隙間から7.7ミリ機銃の銃口を突きつけた!艦娘の兵装としては最弱の部類だが、人間1人殺すには十分すぎる。彼女の目は恐ろしいほどに憎しみと正義感に溢れていた。
兄川「!・・・・・・何の真似だ。」
???1「あなたは私達のために好き勝手に動く事を許さない・・・。殺されたくないなら、両手を挙げて、そこの椅子に座りなさい。」
次の瞬間に、バン!と小さな爆発音と同時に、兄川の後ろの床に穴が開いた。警告のつもりだろうか。あいにく、応戦したり逃げ出すための道具は全てかばんの中だ。
兄川「・・・分かった。」
仕方なく手を上げて、提督用の机の椅子に越しかける。
兄川「・・・お前達、鎮守府強盗か?それともテロリストか?」
???1「喋れとは一言も言ってないわ!それ以上無駄口を叩けば発砲します!」
最近、不良提督に捨てられた艦娘達が反社会的集団に雇われて犯罪を犯しているという事件が稀に発生しているが、改めて見ると、こいつらはそういう風には見えなかった。茶色いコートも寒冷地域向け用に大本営から認可を経てレンタルされる物だ。ならば正規に海軍に所属する艦娘というのも本当か。もっとも艦娘がテロリストのスパイをしている可能性もなくはない。
???1「机の左の引き出しに、新しく作った提督向けの鎮守府規定があります。その最初に書かれている内容を、今声に出して読んでもらいます。読まなければ、すぐにあなたを!」
兄川「分かってるよ。・・・これの事か?」
兄川が手に取った青いバインダーに書かれた内容を見て驚いた。これではまるで・・・
兄川「当鎮守府提督規定、その1・・・提督は出張と平時の12:00~14:00以外での提督室からの外出を禁ずる。その際、別紙記載のルート以外の道、部屋に足を踏み入れないこと。外出の際は憲兵隊が提督を追尾する。外出の範囲は鎮守府から半径10キロ以内とする・・・。」
???1「続けなさい。」
兄川「クゥッ・・・・・・その2・・・提督は、提督代理艦娘以外との・・・接触を禁ずる。艦娘側から近づいた場合、直ちに追い返さなければ規定違反とみなす。
その3、外部との連絡は、執務室の固定電話からのみ通話が可能。電話の内容は提督代理艦娘が傍受する。携帯電話は没収する。どうしても提督の執筆が必要な書類を書く場合、提督代理艦娘の監視、編集の下で執筆する。」
この扱いは、まるで囚人ではないか。今までの提督だって、こんな不当な拘束を強いられる事があっただろうか。これでは提督としての仕事をこなすことができない。
???1「後は、一人で黙読して。私は立ち去りますが、少しでも怪しい動きをしたら貴様をこちらのやり方で刑罰にかけますので、そのつもりで。」
兄川にこれ以上構いたくないかのように、一人部屋を出て行こうとする艦娘。
兄川「待ってくれ!最後に一つだけ教えてくれ!」
???1「何しょう?」
兄川「なぜ、何の背景も持たない一新米提督をここまで過剰に拘束する!?何か訳があるなら話してくれないか?」
兄川の質問は当事者としてなら何もおかしなことは無いはず。が、次の瞬間に艦娘は機銃を向けて、また1発床に撃った。顔は余計に怒りを増して目を細めている。
兄川「く・・・!」
???1「訳なら提督自身が一番知っている事じゃないですか?その訳のために私達がどんな思いで生きてきたか、貴様には絶対に分からない。・・・いや、分かろうともしないでしょう。」
兄川「まて、本当に何の事か知らな」
???1「そんな猿芝居で欺けると思ってるんですか!」
兄川「!?」
???1「どれだけ法律の裏を掻こうと、別人に成りすましても、とっくに私達はあなたの正体もやり方も知ってます。だからこそ、あなたがまだ日本で生きていると知られる訳にはいかない。」
兄川「さっきから何を言ってるんだ!?誰に知られると困るって言うんだ!」
???1「あなたには関係ないことです。それ以上喋ると、本気で殺します!」
こう言われると兄川は大人しく引き下がるしかない。その様子を見届けた後、艦娘?は去り際に話す。
???1「いつ此処を離れるか分かりませんが、在任期間中は、自身の犯した罪をしっかりと反省するのです。では。」
艦娘?はバタンとドアを閉めた。
訳の分からない事がおきすぎて、しばらくの間、心の中で怒りを燃やさずにはいられなかった。
兄川「(吹雪は大丈夫だろうか?自分のような目に合ってなければいいが。それにしても、あの艦娘は何故こんな事をするんだ?)」
兄川には艦娘から激しく敵意を向けられる心当たりはない。強いて言えば自分に課せられた使命についてだが、これは現時点ではまだ身内から賛同者が集まらない為に、まだ誰にも大っぴらに話したことなど無い。つまり自分の使命が何なのかを知っている相手はいないはず。だから、どこからか情報が漏れて、自分の思想に反する艦娘がクーデターを起こしたという可能性は考えられない。ならば性格の悪い艦娘が提督を貶めるためにこんな事をしているのか。が、ただのいたずらにしては、向こうはこっちの事を知ってるんだぞ、という雰囲気を出しすぎている。やはり、相手は自分のことを知っているのだろうか?
艦娘が自分のことを知っている上で、こんな非道なことをする理由があるとするなら・・・。
兄川「!!・・・まさか、あいつらの差し金!?」
兄川の頭の中に思い出したくも無い、ある出来事が浮かぶ。それは常人には決して耐え難い理不尽な運命。自業自得とはとても言えない巨大な不幸。事は一応の結末を迎えたと言うのに、逆恨みのままに自分に襲い掛かろうとしている連中の生き残りがいた?それがあの艦娘と何かしら強く関っているのだとしたら・・・。
兄川「(まずい!このままだと、自分どころか吹雪まで殺される!)」