やはり俺の猫生活はまちがっている。   作:マクロ経済大回転

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忠犬と、猫

「八幡様が猫になられている!?」

 

「そうなんだよねー、どうも以前の彼とは違うらしいよ?」

 

「本当ですか姉御! 八幡様に甘えに行ってもよろしいのでしょうかっ!」

 

「良いと思うわよ。というか寧ろ今行っとかないと損だと思うよ?」

 

「喜んで甘えさせていただきますワン!」

 

 ベッドに包まって悶えようとしたんだがそう叫んで飛び付いてきたワンコに捕まった。サブレよ、俺よりご主人様を構ってやれ。由比ヶ浜が途轍も無く寂しがっているぞ。…おいこら小町、GOサインを出すな。

 

「あたしも混ざるっ!」

 

サブレは 八幡に 甘えた!

八幡は 甘えるの ダメージを受けた!

結衣は 八幡に 甘えた!

八幡は 甘えるの ダメージを受けた!

 

「遅ればせながら小町も混ざりますねっ!」

 

 この戯れを暫し動画に収めてから小町も参戦する。やめて! 俺のライフはもうゼロよ!

 

×  ×  ×

 

「ここがあたしの部屋だよ!」

 

 あれから何やかんや戯れた後に由比ヶ浜の家に訪問する運びとなった。日曜出勤の由比ヶ浜父は家に居らず、由比ヶ浜母は雪ノ下母と談笑しているらしくこちらも家に居ない。つまり一人と二匹きりである。…三という数が集まると甘い雰囲気にならないから大丈夫だな。お互いが自制し合うし。

 

「じゃあ…、まずぎゅーってする!」

 

「ほえ?」

 

「あっ、結衣狡い! ボクも八幡様をぎゅーってするんだ!」

 

 彼女等の辞書に自制という文字は載っていなかったらしい。

 

「やっぱりヒッキー可愛いなぁ…。ずっとこうしていたいなぁ」

 

 由比ヶ浜のメロンが柔らかに形を変え、俺の全身を包み込む。おお、今まで体感した三人よりも遥かに気持ちいい。…八幡の八幡がやっはろーしそうで怖いです。

 

「ふあぁ、なんだか眠くなってきたかも…」

 

 猫から伝わる体温が心地よくさせたのか由比ヶ浜がうつらうつらし始める。ちょっと待ってくれ、本格的にやばくなってきたから離してください。

 

すーすー

 

「寝るの早っ」

 

 のび太くんに勝るとも劣らないスピードで眠りに落ちやがった。しかもその両手は俺を離すまいとがっちりホールドされている。逃げるに逃げられない状況の完成だ。心地良いんだがアレがアレでアレなんだよなぁ…。遠い目をしているとサブレが此方に回り込んで来た。

 

「八幡様、ご愁傷様です。こうなった結衣は起きるまで絶対にその手は離しませんので変に暴れない方が身の為ですよ」

 

 サブレも何度か経験しているのだろう、同じく遠い目をしながら注意してくれた。お前も苦労してるんだな…。

 

×  ×  ×

 

「いくよ! それっ」

 

「キャンキャン!」

 

 あれから一時間程幸福に拘束された後、近所の公園に遊びに来た。現在由比ヶ浜とサブレの日常が繰り広げられている真っ最中だ。ああ…、だんだん俺もあのフリスビーを追いかけたくなってきたぞ。

 

「ねね、ヒッキー。こっちおいで」

 

 猫じゃらしを片手に俺を呼ぶ由比ヶ浜。顔には優しい笑顔を湛えている。猫になって最初に見た雪ノ下と同等レベルの眩しさが俺を襲う。やだ、勘違いしちゃうじゃない! しかし身体は素直なようで、自然と由比ヶ浜の方に吸い寄せられていった。

 

「えいっ」

 

 目の前にあった猫じゃらしが視界の左に移動する。ピコピコ動きながら俺を誘惑しているようだ。思わず両手をそちらへ伸ばすがその瞬間には既に右に移動していた。ぬぅ、悔しいのだ。

 右、左、右、右、上、右、左、上、下…。気付けば超夢中になって遊んでいた。サブレが構ってもらえなくて寂しそうにしているあたり相当な時間熱中していたのだろう。ちらと時計を見ると軽く二時間は超えていた。…カマクラの気持ち、今はとてもよくわかるぜ。猫じゃらしは危険、そう思うことにした。

 

「はっ、もう一時じゃん! 家帰ってご飯作らないと!」

 

 …うん? ダークマターを生成して世界征服をすると聞こえたんだが俺の聞き間違いか?

 

×  ×  ×

 

「よし! お昼ご飯張り切って豪華なハンバーグ作るからヒッキーとサブレは仲良く待っててね」

 

 どうやらさっきのは聞き間違いではなかったようだ。世界征服どころか宇宙征服できそうな物がきっと出来上がるに違いない。それだけは阻止しなければ。俺はまだこんな所で死にたくないんだ!

 

「「ちょっと待ったぁ!」」

 

 サブレと意見が全会一致する。二十以上も集まっていないから非常に一致しやすいのが利点だな。

 

「ん? どしたのヒッキー。そんなに慌てて」

 

「お前の気持ちは有難いが頼むから犠牲者を生み出さないでくれ」

 

「結衣の暗黒物質で何回死にかけたと思ってるんだ…。ボクを毒殺するつもりなのか?」

 

 言葉が通じないからと、かなり言いたい放題のサブレ。だが俺の言いたい事を代弁してくれた。暗黒物質の所為で飼い主なのにあまり懐かれないんだね、八幡今の出来事で察したよ…。

 

「帰ってきて開口一番に酷い!? あたしだって練習してるんだからね! ママに食べてもらったけど美味しさの余り気絶したんだよ! だから安心安全だよ!」

 

 確かにダークマター生成の腕は上達したようだが何一つ安心出来ない。寧ろ危険度が増している。…何を入れたらジョイフル本田で売ってそうな木炭みたくなるんだ? 私、気になります!

 

「…そこまで言うなら任せるわ。だが問題があったら躊躇なく指摘するからな?」

 

「は、八幡様…。宜しいのですか?」

 

「…まぁなるようになるだろ」

 

×  ×  ×

 

「…何故そこで砂糖を大量に入れようとする?」

 

「え? だってヒッキー甘いの好きでしょ? だから甘くしようかと思って」

 

 ハンバーグを作るのに少量の砂糖は必要だが一袋分入れようとしないで欲しい。というか常識的に考えて分かるだろうが…。

 

「ダメだ、入れるのは大匙二分の一程度にしろ」

 

「えー、美味しくなると思ったんだけどなぁ」

 

 

「なぁ、桃缶って必要か?」

 

「え? 必須じゃないの?」

 

「違うな。桃缶を料理に使うことは無いと思っておけ」

 

 桃缶美味しいのになー、と呟かれながら桃缶は冷蔵庫に仕舞われた。別々に美味しいものを組み合わせても絶対に美味しくなるとは限らないんだぞ、由比ヶ浜。それは肝に命じておけ。

 

 

「なぁ、凄い今更なんだが何故バラ肉なんだ?」

 

「え? お肉だったら何でもいいんじゃないの?」

 

「…こいつ手遅れだ」

 

 いや、うん。わかってたんだけどね。…何事も再確認って大事だね!




深夜テンションで書いたものなのでクオリティーはあまり良くないかと思われます。
ちゃんと脳が起きてる時に書いた方がいいですね…

大変私事で申し訳ないのですがこの先一週間程忙しくなりそうなので投稿出来ないかと思われます。予めご了承くださいm(_ _)m

ではまた次回に。
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