「若いっていいわねぇ」
「わしもこんな日々を過ごしていたいわい」
…どうしよう、この状況。デジャヴ。
可愛い雪ノ下に見惚れていた為か、気付けば風呂場に連行された後だった。…最近俺の意識が飛び過ぎな気がするな。木材屋に頼んで結界でも張ってもらうか…?
「こ、此方を見たら貴方を社会的に抹殺するから振り返らないで頂戴」
そう言って服を脱ぎ出す雪ノ下。慌てて背を向け、抹殺される事を回避する。こういう場面では主人公補正で To loveったりするのだろうが、生憎俺はリトさんでも無いのでそんな事は起こりえない。起こったが最後、待つのは死のみである。
「さ、さぁ、入るわよ…!」
どうやら脱ぎ終わったらしい。俺の無駄な思考力が役に立ったのか余計な事を考えずに済んだ。
「では私は洗っているから桶にでも浸かっていて頂戴」
何故だろう、ここまで既視感を覚えるのは。一昨日の出来事と非常に酷似している。まさか詳細まで知っているのか?!
「あー、あったけぇ。やっぱ風呂は最高だなぁ」
折角だから台詞もあの時に寄せてみる。鼻歌を歌い出したら由比ヶ浜尋問コース確定だ。
「…ふんふんふふ〜ん♪」
こいつ…知ってやがる! 雪ノ下が此方にドヤ顔で振り返ってくる。腹が立つが可愛いので許す。可愛いは正義だからね!
だが真似をしているとなると次のシーンが大問題になる訳なんだがどうするんだ?まさか雪ノ下に限ってやる訳…
「ひ、比企谷くん、こっちへ来なさぃ…」
やった。こいつやりやがったぞ! 顔を真っ赤にして両手を広げ彼女なりの誘惑をしてくる。言っている中で恥ずかしくなったのか途中から声が
こんな誘惑に勝てる訳なかろう。そう自分に言い訳をして雪ノ下の元へと向かっていった。
この先の出来事はとても人に話せる内容では無いので割愛しよう。決してR-18的な事はやっていない。異種間で出来るのかは疑問符が付くが。
まぁそんな事があった為二人で悶えている訳なのだ。雪ノ下からは「勝利」とか「抹殺」などと物騒な声が聞こえてくる。…はぁ、これどうすっかな。
「ひ、ひきぎゃやくん」
「…なんでしゅか」
二人とも動揺のしすぎで “かみまみた” 状態だ。このままだとまともに会話が出来ないので大きく深呼吸をする。雪ノ下も同じことを思ったのか同じく深呼吸をしている。
「さっきの事は別に忘れなくても結構よ」
「はいはいわかりました、忘れま……え?」
顔をフイっと逸らしつつそう言ってのけた。そこは真似しないんですね…。
「だからと言って覚えておく必要は無いのだけれど」
照れ隠しのようで隠せてないんだよなぁ…。
さぁ、お昼ご飯の時間だ。雪ノ下に昼飯どうすると尋ねた所、作ってくれるらしい。冷蔵庫の中余り物しか無かったような気がするが雪ノ下だしなんとかなるだろう。
「出来たわよ」
食卓には余り物で作ったとは思えないパスタが置いてある。安定の雪ノ下クオリティ。何処ぞのガハマさんとは大違いだ。
「なぁ、カマクラよ」
「ん? なんや?」
「ご飯が安全に食べられるって幸せだよな」
「…何があったんや」
カマクラに訝しまれながらもパスタを食べる。うん、うまい。しっかりと家庭的な面も持っているようで八幡安心です。
「そういえば貴方は猫なのにこう言った人間の食事は摂れるのよね?」
「ん? ああ、そうだな」
「あまり猫には勧められないとも聞くけれどどうなのかしら」
俺からマッカンに続いて人間食まで取られると、そこらの猫と変わらなくなってしまう。今迄の人間と猫が混ざった生活が楽しいのだ。
「今の所人間食を摂っても腹を下したりしていないから大丈夫だと思うぞ」
ので、全力で抵抗しよう。…キャットフードの方が好きだったりもするが。
「…猫になっても異端児なのは変わらないようね」
誰が異端児だ、誰が。かなり真っ当に生きてきたはずなんだがな。
「まぁそんな事はどうでもいいのだけれど…、撫でてもいいかしら?」
「ほどほどにしてくれよ」
「…仕方ないわね、五時間で我慢するわ」
雪ノ下の “ほどほど” と俺の “ほどほど” の認識の違いに唖然させられる事となった。
途中から俺では飽き足らなくなったのか、カマクラも巻き込んで二匹同時に撫で回し始めた。…やはり撫でられるのは気持ちいいにゃー。
「ただいまー! お兄ちゃん、お義姉ちゃん!」
「おー、おかえり小町」
「おかえりなさい、小町さん」
撫でられる気持ち良さに寝ては起きてを繰り返し、気付けば午後六時。未だ寝ぼけ眼のまま返事をする。
「今日はどうでしたか? 雪乃さん」
「そうね…、勇気を出して愛を注いだ、という感じかしら」
「ふむふむ、一緒にお風呂に入ってその後全力でお兄ちゃんを愛でたっていう感じですか!」
「そ、そういことよ」
あの雪ノ下でさえ
「これからも末永くお兄ちゃんを宜しくお願いしますね!」
毎回思うんだけど勝手に話を進めるのやめてくれない?
__リア充爆発しろやァ!
「というものを書いたのだがどうであろう!」
「なんで俺の猫生活を隅々まで知ってるんだよ、怖ぇよ」
由比ヶ浜を問い詰めた事くらいしかやっていないが、雪ノ下来訪から一週間が経った今日は材木座からのレンタルだ。場所は学生の味方、サイゼ。
何のパクリを読まされるかと思いきや俺の日常を読まされた。所々に材木座自身の本音がダダ漏れな一言が挿入されている辺り不思議なテイストになっている。
「ケプコンケプコン! 聞き込みを行い、その家族に了承を取ったのだから当然と言えよう」
「
「我はそのようなものをせずとも名作者として名を馳せ、世界を魅了するのだ!」
「お前の駄作品に目をつける輩が居るとはとても思えん」
「ぐぬぉ…! 我の結界を破るとは、流石我の永久なる
何故だかこいつの中二病具合が悪化しているような気がするのだが気のせいだろうか。
「して、八幡よ。この作品を世に出しても良かろうか」
「あ? どうせ叩かれるだけだろ、俺には関係ない」
「つまり出してもよいと」
「ああ」
「言質はとったぞ、八幡」
「何か言ったか?」
「ぬ? 遂にお主も我のだす波を感じ取ったのか?」
「そんな物感じ取りたくない」
「酷いよはちえも〜ん!」
材木座っていじり甲斐があるよな、等と思いながらその日は過ぎていった。思ったよりこいつと居ることが楽しかったのは秘密だ。
書きたいことはあるのに自分の文章力では上手く書けないというもどかしさ。小説を書いたことのある人ならわかってくれるでしょうか…?
ちょこっとお知らせ。
更新速度は8月よりかは落ち、短くても一週間程度間が開くかと思われます。予めご了承ください。