フローズン・スノーデン sideE 第二部   作:塩唐少尉

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今回のエピソードは、sideF第34話の後を描き、今後のsideEに大きく関わることとなります…!それでは、どうぞ!


第9話(第34話)「狛炎流創設!」

 フローレスが帰ってきた。リバーシブルガンダムフローレスもロンドからワルツへとパワーアップし、フォース全体の士気も高まっていく中、エンはある決意をした。

 

「よし、これでいいかな。」

 

 エンはそう言うと【狛炎流】と書かれた看板を"フローズン・スノーデン"のフォースネストから2km離れた所に建てた道場に立て掛けた。この道場は年明け頃に建設が始まり、昨日ようやく内装とフォースネストへ通じる地下通路の整備が終わったところだった。

 

それから翌日、GBNのロビーにはこのような広告が張り出された。

 

【狛炎流入門者募集中のお知らせ この度、私エンは独自の武術流派[狛炎流]を創設いたしました。入門したい方は是非こちらの道場へ足をお運びください。】

 

 

 この広告、誰も見向きされないかと思いきや、ある二人の目に留まった。一人はスウェーデン出身の女子高校生リゼット。もう一人は日本出身の男子高校生リュータ。二人とも8月生まれでエンとは同い年、そして[ポッパーズ]所属のダイバーである。(厳密にはその中にある独立部隊のメンバーなのだが。)

 

 

 さて、所変わってここは狛炎流の道場。エンは入門者来るのを待ちわびていた。何しろ自分の小隊をフローレスに許可を取ってまで狛炎隊に改名し、自分独自の流派を立ち上げたのだ。

 今まで教えられる立場だった自分が今度は教える立場にいる。エンは自分がそんな年頃になっている事を感じた。

 

 その時、道場の近くにネオスウェーデンのMF、[GF13-050NSM ノーベルガンダム]と地球連合軍・ザフト軍・オーブ軍と所属を転々としたMS、[GAT-X103 バスターガンダム]の2体が現れた。それぞれリゼットとリュータのガンプラだ。

 

「すみませ~ん!俺はリュータって言いますが師範の方いらっしゃいませんか~?お知らせを見て来たのですが~!」

 

 リュータはそう言いながら道場の戸を開いた。果たして師範は何者なのか…厳しい人だったらどうしようという不安も抱えつつあったが。

 

「おっ、早速入門者が来たか…。初めまして。俺が狛炎流師範のエンだ。よろしくな!」

 

 エンは早速二人に挨拶した。何せ初の入門者だから、親切かつ丁寧に接しなければならなかったのであろう。一方の二人は師範が自分達とほぼ同世代の人で驚いた。だが、ランクを確認する限り少なくともGBN歴は長く、ベテランダイバーであることに間違いはないだろうと見ていた。

 

「初めまして、私はリゼットといいます。ジャパニーズ・マーシャル・アーツに興味があって来たのですが、何を教えてくれるんですか?」

 

「…っ!」

 

 リゼットからの問いに、エンは少し焦った。何しろ狛炎流がどのような流派であるかを明確にしていなかったからである。しかし、エンは今まで自分経験を思いだし、少々苦し紛れに説明した。

 

「…ん~、主に槍や刀などの武器の扱い方、基礎的な特訓を中心に教えていくつもりだ。出来る限り厳しくやるから、半端な覚悟でやろうと思うなよ。」

 

 エンの言葉に、二人はゴクリと唾を飲んだ。自分達よりGBN歴の長いベテランだからこそ言えたことだろう。

 

「まさかっ、俺の覚悟が中途半端だなんて思ってませんよね…!?」

 

 リュータは自分の心を見透かされたのではとヒヤヒヤした。物事は決して軽い気持ちでやってはいけない。ましてや、中途半端な覚悟でやろうというなら尚更である。

 

「さて、どうかな…。ではまず二人のお手並みを是非拝見してみようか…というわけで、小手調べを兼ねて1対2で勝負だっ!」

 

「今から戦うのか!?さすがに唐突すぎるんじゃ…。」

 

「いきなりバトルですか…だったら、私の実力を見ててください!」

 

 リュータは驚いたが、リゼットは戦う気満々だった。そもそも彼女はじっとしているのが苦手で、特訓よりも早速エンと戦いたかったのだろう。

 

 

 そして、道場近くの戦闘エリアで小手調べのガンプラバトルを行うことになった。駆けつけた副隊長達が見守るする中、三人はそれぞれのガンプラに乗り込み、ついにガンプラバトルが始まった。

 

「てぇぇい!」

 

戦いが始まるや否やいきなりリュータのバスターガンダムがグランドスラムで斬りかかってきた。だが、直情的な動きはエンにも予測できた。エンはこれを回避した後、カウンターで足元にビームキャノンを撃ち込んだ。

 

「うおぁっ!?」

 

足元の爆発でリュータのバスターは吹っ飛んだが、その隙を突くかのようにリゼットのノーベルがビームリボンを伸ばし、K9カスタムSの右腕を巻き付けた。

 

「もらった!」

 

 しかし、エンは不敵な笑みを浮かべた。

 

「さて…どうだかな!」

 

 エンはそう言ってK9カスタムSは思いきって右腕を勢いよく振ってノーベルを投げ飛ばした。これはK9カスタムがシャテン達と戦うためにアップグレードされ続けてきたことによるものだ。

 

「きゃぁっ!」

 

 投げ飛ばされたリゼットのノーベルは上手く着地した。強い…!これがAランクダイバーの実力なのか!二人がかりでも敵う相手ではない事を実感したリゼットは、"奥の手"を使うことにした。いくら自分の意思でコントロールできるように調整されているとはいえ、使うのは賭けに近い。だが、この手を使わずにやられるよりはマシだった。

 

「こうなったら…!"バーサーカーモード"!」

 

 その瞬間ノーベルガンダムが頭部のフィンユニットを展開し、赤いオーラを纏った。

 これこそがノーベルガンダムに搭載されたバーサーカーシステムの発動形態、バーサーカーモードである。バーサーカーシステムとは、外部から機体とファイターを強制的にコントロールすることで機体の性能を限界以上に引き出すシステムなのだが、あいにくGBNでは外部からではなく、内部から個人の意思で発動する形となっている。

 どちらにせよ、機体のリミッターを解除することで性能を限りなく向上させることに間違いはない。

 

「ハイーヤッ!」

 

 ノーベルガンダムはキックとビームリボンを交互に繰り出し、反撃の隙を与えないように攻撃した。

 

「そこっ!」

 

 更にそこから、リュータのバスターガンダムが両肩のミサイルを発射してリゼットへの援護射撃をした。

 本来、バスターガンダムは右のガンランチャーと左の収束火線ライフル、そして両肩のミサイルによる高火力の後方支援に特化した機体である。しかし、火力重視で接近戦能力は乏しくなったため、リュータはこれの改善策としてグランドスラムを装備している。

 元々、バスター用の装備とも言われるグランドスラムは、あのガンダムエギルスエデンにも装備されているという。

 

「くそう!」

 

 エンは本領を発揮した二人に押されかけた。いっそここで一本取られるべきか…いや、負けるものか。ここで一本取られたらAランクダイバーの名が廃る…!

 

「お前達がその気なら…こっちも本領発揮だ!」

 

 フルドライブフェイズを発動したエンは、二人に対しアグレッシブに攻め始めた。二人の実力を侮っていたからこそ、こっちもホンキのホンキで挑まないと分かったからである。

 

「でぇぇい!」

 

 K9カスタムSは勢いよく飛び上がり…新たな必殺技を放った。

 

「"狛炎流奥義 刃羅空打"(バラクーダ)!」

 

 その槍の一突きは、大地にクレーターが出来るほどの衝撃波となり、二人のガンプラを吹き飛ばした。

 

「どうした、まだやれるか!?」

 

「ストップストップ!もう充分です!」

 

「そうか…残念。」

 

 リュータはようやくエンをホンキにさせるとどうなるのかと思い知った。

 

 一方リゼットは、そんな彼との特訓に興味が沸いてきた。

 

「ところで、特訓とかは…。」

 

「俺が道場にいるときに来るといい。最も、俺はいつも道場に居座っているとは限らないから注意することだ。いいな?」

 

「「ありがとうございます!」」

 

 そしてリュータとリゼットは狛炎流の道場を去っていった。

 

 「あの二人、いずれは俺みたいになるかもな…楽しみだ。」

 

 

 

 その頃、GBNのロビーでは、一人のダイバーが狛炎流の広告を見つめていた。

 

「へぇ、狛炎流…?面白そうね。」

 

 その少女ダイバーの名は"ココ"。彼女もまた、あいやリリカと同じくアミティエボンドフェザーを持つ者である…。

 

To be continued…NEXT to [side story episode.4]…!

今後、本編で登場してほしいMS・MAは?

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