フローズン・スノーデン sideE 第二部   作:塩唐少尉

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祝!ソロモンプログラムにライア登場!そしてついに来ましたスペシャルエピソード!シリーズ初の前後編・チャプター方式採用の特別編となっています!乞うご期待!


第12話 「四島冒険~Into the ruins~」

Prologue 〜合宿だァァッ!〜

 

 

 エンが一之瀬兄弟と共にシャテンを追い払ったあとのことである。彼は、フローレスに今回の報告と同時に、隊員達や弟子達と共に強化合宿を行うため、夏季休暇の申請をしたのだった。

 

 そして、8月上旬のある日……

 

「いいなぁ〜エン達は夏休みが長くて〜!アタシなんかたった数週間だってのに〜!」

「仕方ないよ。僕だって作例の納期に追われてなかなか休めないから……。」

 

 ルイーザのボヤきにロビンがフォローする中、いよいよ出発の時が来た。また、今回の合宿ではアシディアも参加することになった。

 

「それじゃ、強化合宿へ行ってきます!先に言っておくけど、お土産にはあんまり期待しないように…。」

「"土産話"ならいくらでも話すからね〜!」

「それでは…いってきます…!」

 

 こうして、エン達はフォースネストを出発し、一之瀬兄弟達とも合流した。目指すはエンが以前から目星をつけていた島、その名は天夏島(あまなつとう)……!

 

 

 

 

 

 

Chapter.1 〜ビーチサイド・レクリエーション〜

 

 

 レンタルしたモーターボートで天夏島へ向かう途中、エンは皆に一つある事を質問した。

 

 

「いきなりこんな事言うのもアレだけど、皆夏休みの宿題終わった?」

 

 それを聞いたリュータやフィクルは背筋がゾッとした。エンは図星だな、と呆れ顔になるのだった。

 

「バ、バイトが忙しくて……。」

「これでも2割は進んでるから……。」

 

「まったくだらしねぇなあ!オレなんか割とすぐに終わっちまったぜ?」

 

 リョウは得意気に言ったが、エンは夏休みが始まってすぐに2人を図書館に連れだして宿題の勉強会をした時のことを思い出した。

(あの時のリョウ、『なんでオレたちがこんな目に…!?』って感じでめっちゃ泣きかけてたなぁ……。)

 

 

 そして、天夏島へ到着した一同は自由時間としてビーチで遊ぶことになった。皆は水着姿に着替え、リョウやフィクルは我先にと海へ飛び込んだ。

 

「Foo!早速泳ごうぜ!」

 

 

「いや〜やっぱビーチでバカンスっていいよな!」

「都会の喧騒も忘れられて、ゆっくり読書もできますからね……。」

 

 水着姿ではしゃぎまくる皆を眺めながら、エンとアシディアはビーチベッドでまったり読書をしていた。

 

「しかし意外だな、リリカも合宿に参加するなんて…イラは『ちょっと用事があって来れないの!』って言ってたらしいけど…。」

 

 

 その時、さっきまで仲間と遊んでいた副隊長がエンの元へ駆け込んできた。

「隊長、あれ何でしょうか?見たところ2対2で戦っているようですが…。」

「ん?どういうことだ?」

 

 エンは副隊長に連れられ海辺を双眼鏡で覗くと、そこには驚きの光景が見えたのだった。

「ちょっと待て!?まさか…あれは!」

 

 

 

「ん?なんだろう、これ…。」

 一方、フィクルは紙らしきものが入っているガラス瓶を発見したのだった……。

 

 

 

 

 

 

Chapter.2 〜ワクワク!大ボウケンの予感〜

 

 

 ライア率いる[バミューダ・ソード]が有する、マザー・バンガード型フォースネストの周辺では、ライアのクロスボーンガンダムX1フルクロスとティアのアトラスガンダムが、ユニコーンガンダム3号機[フェネクス]とペイルライダー・キャバルリーのタッグと模擬戦を繰り広げていた。どちらもそれぞれ[ロイヤル・クイーンズ]と[アンリミッター]のリーダー、ウエステとラクリアの機体である。

 ラクリアのペイルライダーは、以前のガッデスガンダムブレイクとの戦闘で損傷したため、後継機としてペイルライダー・キャバルリーが用意されたのだった。

 

 実は今回、[ロイヤル・クイーンズ]と[アンリミッター]、そして[バミューダ・ソード]は合同演習を行っていた。というのも、シャテン達の現状についての情報をフローレスから提供されたことに伴い、フォース間での連携体制を強化する名目でこのような合同演習が行われたのである。

 

 

「あら、そろそろ限界かしら?」

「なんのこれしき、まだまだ余裕よ!」「ソロソロマズイカモ…。」

 

「ふぇぇ…フェネクスなんて反則だよぉぉぉ…!!」

「模擬戦といえども、妥協なんてしませんわ!」

 

 

 フルクロス&アトラスのコンビはものの見事に防戦一方を強いられていた。フェネクス相手ならまだしも、一年戦争前後のMSに苦戦を強いられては"自称"最強も形無しである。無論、模擬戦の結果については言わずもがな、である。

 あえて言うとすれば、ウエステのフェネクスはアームドアーマーDEをサーフィンの要領で波に乗りながらアトラスを捉え続け、ラクリアのペイルライダー・キャバルリーはフルクロスのシザーアンカーを掴んで海中に叩き落としたことぐらいである。

 

 

 

 模擬戦を終えた4人は、休憩も兼ねてウエステが持ってきたティーセットでお茶会をしていた。その時、4人は接近する複数の機影を目撃したのだった。

 

「ひぃぃぃ…何あれ!?」

 

「ん?あれは…。とりあえず放っておこうかな…。」「ヨクミロ、ヨクミロ!」

 

 やがて接近してきた機体の姿がはっきり見えてきたとき、4人は安堵した。あの機体なら、安心できそうだから……。

 

「皆さ〜ん!着艦許可は出しておきますわ〜!」

 

「ちょっと!いつからここの艦長になったのさ!」「ヨッニダイメ!ニダイメカンチョウ!」

 

 しれっと艦長宣言したウエステにライアはつっこみを入れるも、トゥルーはあっさり二代目艦長に任命しようとしたのだった。

 

 

 

 ウエステのおかげでうっかり迎撃されることもなく着艦したエン達を、4人は迎え入れた。

 

「久しぶりですわね、エン!」

 

「そちらこそ。皆さんはどうしてここに?」

 

「フローレスがこう言ってたわ。『シャテンが必殺技を得てパワーアップしている事をエンから聞きました。今後の動き次第では総力戦になるかもしれません……。』って。」

 

 

 エンは驚いた。ついこの間の件、あの後すぐに報告したとは……。

 

「それで、私達とライア達で合同演習を行うことになりましたの。今でも、他のメンバーは外で戦っていますわ。」

 

 ウエステはそういって、ブリッジの外で水中型ガンダムやペイルライダー、ゴーストジェガン2機が模擬戦を行っている光景を皆に見せた。

 

「あれ、あのペイルライダー、いつの間に誰かにあげたんですか?」

 

 エンはラクリアのペイルライダーが戦っている様子に疑問をいだいたが、彼女はこう返した。

 

「私のペイルライダーは以前、フローレス共々ヌルに負けたこと覚えてるでしょ?あの後、さすがに今までのペイルライダーでは今後の戦いについてこれないと感じて…だからキャバルリーに変えたの。ちなみに今、あのペイルライダーを使っているのは少し前までブルー2号機を使ってた子よ?」

 

 なるほどそうか……"あの時"ルイーザのイフリート改を使っていた奴だったんだなァと、エンは納得した。

 

 

「あの〜こんなの拾っちゃったんですけど……。」

 

 フィクルはそういって、さっき拾った瓶から地図を取り出した。皆は地図をまじまじと見つめた。どれどれ、ふむふむなるほど……。

 

 地図には天夏島の他に紺平島・猪胡零島・華凛島という3つの島と、それぞれの遺跡の名が描かれていた。更に、裏にはこのような事が書かれていた。

 

[3本の鍵を3つの島の遺跡より手に入れよ。さすれば、紺平島の遺跡に眠る"伝説の秘宝"への道が開かれるであろう…。]

 

「これって…宝の地図ってワケ?それにしてもなんだか美味そうな名だな……。」

 

 エンがよだれを垂らしそうになる中フィクルは何度もうなずいた。もしかしたらお宝が手に入って大儲けするかも!!と、お宝に目がない人達は目を輝かせた。

 

「よし…強化合宿改め、宝探し合宿開始といきますか!」

 

 おいおい、本来の目的からだいぶずれてないか!?リュータは内心そう思ったが、実は宝探しを通じてそれぞれのスキルアップを狙うというエンの思惑に気付いてないだけだった。

 

 

 

 

 

 

Chapter.3 〜好敵手(ライバル)、現る!〜

 

 

 かくして、成り行きで強化合宿は宝探し合宿となってしまったが、意外なことに、皆はやる気満々だった。

 宝探しをするには14人では人数が多いと思ったのか、7人ずつ班ごとに分けて行動することになった。

 

 「よし、まず第一班は天夏島の"マメィー遺跡"とやらのお宝とカギを見つけなくては!」

 

「じゃあ私達第二班は、この華凛島にある"コクトゥー遺跡"に行けばいいんだね?」

 

 事前の打ち合わせにより、狛炎隊+一之瀬兄弟の第一班とリリカ達残りの7人による第二班は、それぞれの遺跡で宝を探すこととなった。

 

 「それじゃあ、お宝が見つかるようにお互いの健闘を祈ろう!」

 

 こうして、エン達の冒険は幕を開けた。その一方、四島の内の一つ、猪胡零島ではある2組のフォースが同盟関係を結ぼうとしていた……。

 

 

 

「この地図に描いてあるすべての島にお宝があるってんなら、俺らで根こそぎ手に入れてやろうぜ!」

 

「ああそうだねぇ。この島の遺跡は私がやるからこの天夏島の方を頼むよ、リーダーさん。」

 

 彼らは、宝あるところにその姿ありと言わしめたフォース、[トレジャーレイダーズ]と[バウン・ティーンズ]。宝に目がない彼らもまた、この戦いに介入しようとしていた……!!

 

 

「お宝か…こいつぁ手に入れたら"あの方"にも分けてやらないとな!」

 

 "ある所"から[トレジャーレイダーズ]へ派遣されたという仮面の男はヤクト・ドーガ(ギュネイ機)に乗り込み、リーダーのゲルググやガブスレイと共に天夏島へ赴く一方、[バウン・ティーンズ]のリーオーが駆る百錬(アミダ機)はシャルドールローグやグリーンカラーのランドマン・ロディ等を率いて猪胡零島の攻略を始めたのだった。

 

 

 

後編に続く……。




実は今回のチャプター毎に付けたサブタイトルには私が好きな某特撮シリーズのサブタイトルを元にしています。(元ネタがわかった人はすごい!)さて次回は12月末には間に合わせる予定になっていますので何卒宜しくお願いします。

今後、本編で登場してほしいMS・MAは?

  • ガンダムエクシア
  • フリーダムガンダム
  • Zガンダム
  • ZZガンダム
  • ストライクガンダム
  • シャイニングガンダム
  • ゴッドガンダム
  • ガンダムX
  • 龍装劉備ガンダム
  • フォースインパルスガンダム
  • サザビー
  • シャア専用ゲルググ
  • ヤクト・ドーガ(ギュネイ機)
  • ジェガン(J型)
  • ジムクゥエル
  • パワードジム
  • ジムキャノン(空間突撃仕様・青)
  • ジェスタ
  • グフ
  • ギャン

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