新たに義足で補う彼が次に訪れたのは密林の生い茂る惑星であった。
そこもまた原始の姿をしていたが、知能はピクルのいた世界よりも数段進んでいるだろう。
しかし、それはあくまでも水準がやや上がった程度であり、そこの惑星の生活自体は未だ狩猟本能のまま、獲物を狩っていた。
彼の半分は機械で補っている。
掟にも背き、最早、彼がエルダーとなる事はないであろう。
エルダー。彼の種族では最高の地位であるが、そこまで上り詰めるには敗北は許されない。
彼はこれまで幾度と敗北を味わっている。
それどころか、掟に背いて逃亡生活を送っている。
エルダーはおろか、異端として彼は種族のつま弾きにされている。
それでも彼は同族を憎む事をせず、ただ奴等との戦いだけを意識して己を鍛えるのみであった。
そんな事を考えながら降り立った彼は一人の人間と出会う。
人間は腰布だけを巻き、此方を明らかに敵視している。
いや、敵視ではない。
それは共に戦ったあの原人のように獲物を狩る時の目をしている。
人間らしきそれは彼をしばし見据えると奇襲なども考えず、真っ正面から襲い掛かって行く。
だが、その突進はピクルの比ではない程、遅い。はっきり言ってそのレベルは現代に毛が生えた程度であろう。
故にリストブレイドで一閃して終わりだ。
襲い掛かってきたその人間の背中を彼はリストブレイドで斬り裂き、血が吹き出す。
その一撃はパワードアームで強化義手によるリストブレイドの一撃である。
本来ならば、それで終わる。
ーーだが、その人間はそれに耐えた。
手応えはあった。骨まで達した筈であった。
致命的である筈の一撃である。
それをこの進化前の人間は耐えたのだ。
ピクルとは違う何かを予感し、彼は身構えた。
人間は自身の背中の傷に触れるとその血を舐める。
そして、こう呟く。
「アマゾン」とーー。
その瞬間、周囲に衝撃波が走り、彼もまた僅かに怯む。
そして、見た。それが迷彩柄のパワードスーツに身を包んだ異形の生物へと進化ーー否、変身した事に。
その姿は先にも述べたように爬虫類を模したパワードスーツのような姿であった。
その手足には鋭利な鋭い爪とヒレを持ち、傷だらけのメタリックなボディーが歴戦である事を示している。
後にアマゾンと呼ばれる生命体。
本来は人為的に産み出されるそれは自然界のウィルスにより、独自の進化を遂げていたのである。
無論、その人為的なアマゾンと呼ばれる種が誕生するにはこの時代ではまだ、あり得ない。
つまり、これは自然が産み出した天然のアマゾンーーワイルド・アマゾンと呼ばれる生命体である。
もっとも、そのような事は彼にとってはどうでも良い事である。
ただ、それは獲物としては十分な魅力がある事には彼にも解っていた。
故にこれは避けられない事である。
ナルガ・プレデター対ワイルド・アマゾン。
異なる生命体同士のぶつかり合い。
その戦いの幕が今まさに開けようとしていた。
※ワイルド・アマゾン。
太古のアマゾンライダーである。
姿は人為的に作られたアマゾンズに近い。
ーー違いがあるとすれば、彼は自然の恩恵の産み出した天然由来のアマゾンである事。
因みに昭和ライダーのアマゾンも実は改造人間だったりする。