変身したワイルドアマゾンと彼の力はほぼ互角であった。
違いがあるとするならば、ある程度の傷なら自然治癒してしまうワイルドアマゾンに分がある事であろう。
それは肉を斬り、骨を断つ彼のリストブレイドを持ってしても致命傷には至らない。
だからと云って、彼が不利と云う訳でもない。
パワードアームで強化された義手による一撃は確実に相手を追い詰めている。
そして、未知の相手による修羅場の数は彼の方が圧倒的に多い。
加えて、彼にはワイルドアマゾンの心音が低下している事にも気付いている。
傷は塞がろうと出血量まではどうしようもない。
ワイルドアマゾンもそれを理解しているのか、一声吼えるとフラフラの状態で身構えた。
そんなアマゾンに対して彼は仮面を外し、リストブレイド以外の武装を外すと両手を広げ、プレデター独特の威嚇を行う。
それはかつて、彼が失ったプレデターと呼ばれる種族が敬意を持って決闘すると云う行為であった。
ゴブリンスレイヤーのような知恵もなく、ピクルのような超人的な能力もないこのアマゾンと呼ばれる存在は彼の種族に近い。
ならば、最上位の敬意を持って相手するのが、もっとも適した選択であろうと彼は判断したのである。
生暖かい風が吹き、それが止むと同時に互いに突進して行く。
ワイルドアマゾンの牙が彼の額を狙うが、それは彼の義手に阻まれ、ワイルドアマゾンは心臓を貫かれて吐血する。
ワイルドアマゾンが口を緩め、力なく仰け反ると彼はアマゾンの脇腹を掴み、更に深々とリストブレイドを突き刺し、そのまま、喉元まで斬り裂く。
血飛沫を上げて仰向けに倒れ込むワイルドアマゾン。
そんなアマゾンに彼は呼吸を整えて、その身体をうつ伏せにするとワイルドアマゾンの背骨から頭蓋骨にかけてを引き抜く。
今回の獲物は彼の誇りを思い出させる良き一戦であった。
故に彼は久し振りに相手を生かすのではなく、死を与えたのである。
こうして、彼の新たな戦利品がまた一つ増える。
その後、彼は武装を装着し直し、宇宙船に戻ると早速、戦利品を丁寧に洗浄する。
どう云う原理かまでかは解らないが、ワイルドアマゾンの頭蓋骨は人間の骨と変わらぬ形となり、それがどう云う仕掛けなのかも彼の興味を惹いた。
そこで考えたのが、ワイルドアマゾンの細胞がプレデターである彼の細胞と融合するとどうなるかであった。
上手くいけば、彼もプレデターの身でありながら、アマゾンに変身する事が可能かも知れぬと考えたのである。
その研究に彼は没頭し、その惑星にしばし、滞在し続けた。