こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3) 作:勇樹のぞみ
イシスの街へと帰ってきたパチュリーと小悪魔。
「まずは旅の記録を取らないとね」
というわけで城に上がり女王様と謁見。
それでパチュリーは、
「あら、こぁ。あなた、あと一回戦ったらレベルアップできるわね」
ということに気付く。
あとは城に来たついでに魔法の鍵で入ることのできる場所を見て回るが、
「パチュリー様、女王様の寝室に入れますよ!」
「そういうのは目ざといのねぇ」
宝物庫よりそちらに気を取られる小悪魔に、パチュリーはため息をつく。
まぁ、宝物庫は守衛が頑張っているので今は入れないわけではあるが。
また、魔法の鍵を使って入ることのできる中庭では、
「私の兄上もこうして清き水を眺めるのが好きだった。だが東の国へ行くとアッサラームの町に向かったまままだ帰らぬのだ」
という話を聞くことができる。
「でも、アッサラームにはそんな人居ませんでしたよね?」
「アッサラームにも魔法の鍵が無いと入れない場所があったでしょう?」
「ああ、そこに手がかりがあるということですか」
そして、
「まずは、ここまでの精算をしましょう」
とピラミッドで手に入れた派手な服や、倒したモンスターから剥ぎ取った人食い蛾の羽、火炎ムカデの火炎の液袋などといった素材を売って資金を調達し、整理することにする。
ピラミッド出発前の所持金が、
小悪魔:-1129G
パチュリー:97G(+未払い分1129G=1226G)
「それでここまでに戦い等で得た収入が1114ゴールドで、一人当たり557ゴールドの配当だけど」
小悪魔:-572G
パチュリー:1211G(+未払い分572G=1783G)
「そしてピラミッドで手に入れたマジカルスカートの売値は1125ゴールド。これは二人に所有権があるから、あなたには半額の562ゴールドを払うわね。あとは、今まで使っていた革の鎧を112ゴールドで売り払って」
小悪魔:-10G
パチュリー:1323G(+未払い分10G=1333G)
「……これだけ収入があっても微妙に借金が残るんですね」
「スタミナの種も手に入っていたわね。売値が90ゴールドだから、半額の45ゴールドを私に払えばあなたの物にできるのだけれど……」
「もう借金はたくさんです!」
まぁ、そうなるだろう。
「仕方が無いわねぇ。本当ならヒットポイントが低いあなたに使いたいし、私の方はそろそろ体力の能力値が成長上限値に引っかかりそうで嫌なのだけれど」
ということで仕方なしにスタミナの種はパチュリーの物に。
すると最終的な所持金は、
小悪魔:35G
パチュリー:1288G
ということに。
「ひ、久しぶりのお金です。ほら、パチュリー様。私のお金です!」
嬉しそうに、本当に嬉しそうに35ゴールドという小銭を手のひらの上に差し出して見せる小悪魔。
いじましいというか、痛々しいというか、
「長く借金生活をさせ過ぎたせいかしら……」
と顔を引きつらせるパチュリーだった。
「さて、夜を待ってイシスの城に入るから街の外で時間を潰すのだけれど」
「どうしました、パチュリー様」
「あなた、あと少しでレベルが上がるでしょ。この際だから上げてしまいましょう」
そういうわけで敵を求めて砂漠を歩く。
「火炎ムカデさんと、人食い蛾さんです!」
火炎ムカデ2匹と人食い蛾3匹の群れに遭遇。
「地獄のハサミが出なくて良かったわね」
というわけで戦闘を開始。
「刃のォォォオ、ブゥゥゥメラン!!」
小悪魔の刃のブーメランによる先制攻撃。
モンスターの群れ全体にダメージを与える!
「来る!」
火炎ムカデの火の息の攻撃。
それに耐えたパチュリーのチェーンクロスが人食い蛾に炸裂!
「一匹しか倒せなかったわね。まぁ、回避されなかったのは幸いだけれど」
そして残った火炎ムカデの火の息、人食い蛾の攻撃が続く。
人食い蛾の攻撃力はさまようよろい以上だが、パチュリーの守備力も上がってきているため耐えられるし、
「人食い蛾にマヌーサを使われたり仲間を呼ばれたりしなかっただけマシかしら」
ということでもある。
しかし、
「パチュリー様ぁ……」
小悪魔のヒットポイントは半分以下に削られており、このままでは危険だ。
「次のターン、回復させてあげるから」
「はい」
小悪魔は引き続きブーメランで敵を攻撃。
人食い蛾の残り二匹がこれで沈んだ。
そして火炎ムカデの攻撃がパチュリーに当たるが、
「これで安心ね」
パチュリーにはこの程度どうということはないし、これで残った火炎ムカデが何をしようとも小悪魔は耐えられるという状況でもある。
パチュリーは薬草を使い、小悪魔を回復。
そこに火炎ムカデが火の息を吐くが、ヒットポイントの豊富なパチュリーはもちろん、小悪魔もヒットポイントをフル回復させてあるため問題なく耐える。
そして、
「これでお終いです!」
次のターン、小悪魔の刃のブーメランによる先制で、火炎ムカデ二匹も倒されたのだった。
そして小悪魔のレベルが上がるが、
「あ、ら? 私までレベルが上がってしまったわね。先にスタミナの種を使っておくべきだったかしら」
失敗だったかと思いつつも、パチュリーは笑う。
二人のステータスは、
名前:パチェ
職業:しょうにん
性格:タフガイ
性別:おんな
レベル:10
ちから:30
すばやさ:22
たいりょく:56
かしこさ:14
うんのよさ:10
最大HP:113
最大MP:27
こうげき力:57
しゅび力:64
ぶき:チェーンクロス
よろい:マジカルスカート
たて:てつのたて
かぶと:ターバン
そうしょくひん:なし
名前:こあくま
職業:ゆうしゃ
性格:セクシーギャル
性別:おんな
レベル:8
ちから:31
すばやさ:66
たいりょく:21
かしこさ:18
うんのよさ:15
最大HP:42
最大MP:36
こうげき力:55
しゅび力:71
ぶき:やいばのブーメラン
よろい:かわのこしまき
たて:かわのたて
かぶと:けがわのフード
そうしょくひん:ほしふるうでわ
という具合に。
「せ、せっかくレベルが上がったのに、ヒットポイントにはますます差が付いていますし、攻撃力もまた上回られてしまいました……」
がっくりとうなだれる小悪魔。
「わ、私本当に勇者なんですよね? セクシーギャルなんですからステータスの伸びはいいはずなのに、商人のパチュリー様にこれだけ負けてしまうって一体……」
「それよりルーラを覚えたことを喜びなさい」
「は、はい」
「まぁ、勇者って賢さが一定値以上なら、レベル7でルーラを確実に覚えてくれるのだけれど」
「うぐっ!?」
それはつまりレベル7にレベルアップした時点で覚えなかったのは、
「私に足りないものは、それは―― 力、攻撃力、体力、ヒットポイント、賢さ(New!)」
ということで、足りないもの尽くしだった小悪魔に、新たに足りない項目が判明した訳である。
もっとも、
「賢さが足りなくとも1/2の確率、運次第で覚えるのだけれど」
とパチュリーが言うように、
「そして何よりも―― リアルラックが足りない……?」
ということでもあった。
まぁ、
「レベル8になったら無条件で確実に覚えるんだからいいんじゃない?」
「……それは慰めになるんですか、パチュリー様?」
それはともかく、
「というか、ルーラが目的でレベルアップを図ったのよ。この世界は携帯電話版から続くスマートフォン版、PlayStation 4・ニンテンドー3DS版の流れをくむものだから、ルーラの消費マジックパワーは1ポイント」
つまり、
「タダで泊まれる私の、勇者の実家と併せれば使いたい放題ってことですか?」
「そうね、元々の消費マジックパワーは8ポイント。これだとアリアハンから攻略中の現地へと跳ぶ分の消費を考えると現地の宿を使った方が有利だったのだけれど」
「1ポイントに減ってしまえば、もうそれも誤差範囲内ですね」
「ええ、お金を節約するなら、他の街の宿はルーラで行けない場所ぐらいしか利用しなくても良いということになるわね」
まぁ、宿代ぐらいケチらなくともという話であるが、35ゴールドという小銭を握りしめて喜んでいる小悪魔を見ると、それも言いにくいパチュリーだったりする。
「魔法の鍵を使って各地に眠るアイテムを入手し、それらを売却したお金で武具類を購入するとなると、ルーラ無しではキメラの翼がいくつも必要。その費用を最少化しようとすると、あらかじめ手に入るアイテムの売却価格を計算すると共に、購入リストを作成して各地を訪れた際に同時に装備を購入しておかなければならない。さらには回収の順番も考えなくてはいけないわ」
「め、面倒すぎますね……」
「それゆえのルーラ習得よ」
そんなわけで、
「それじゃあ、さっさと魔法の鍵で手に入れられるアイテムを回収するわよ」
夜を待ってイシスの城へ。
魔法の鍵で入ることのできるここの宝物庫には警備の兵が立ち塞がっていて昼間は入れないのだが、夜ならその兵も寝ている。
そのため夜を待って中に入り、アイテムを回収するのだ。
「さ、さすがにこれは明確に泥棒と呼べるのでは……」
「もう既に墓荒らしをやったでしょう」
「い、言われてみればそうでした」
宝箱からはルビーの腕輪、絹のローブ、小さなメダル、賢さの種、命の木の実、黄金のティアラ、あとはお金が手に入った。
「本当にお宝ばかりですね」
「そうね、これなんて……」
商人の鑑定能力で調べてみるパチュリー。
「ルビーの腕輪は装飾品のようね。きれいな腕輪だけど見栄っ張りに見えてしまうかも知れないわね」
という具合に身に着けた者の性格を『みえっぱり』に変える品。
「お店に持っていけば7350ゴールドで売れるわね」
「役に立たない、換金用アイテムということですか?」
「そうね。一応『みえっぱり』の成長補正はバランス型でそんなに悪くない、特に男性だと力と素早さの両方にプラス補正がかかる唯一の性格ではあるのだけれど」
とはいえ、
「女性だとセクシーギャルの完全下位互換になるから」
ということである。
そして次は、
「黄金のティアラは装飾品のようね。これをかぶっていればお嬢様気分が味わえそうね」
「レミリアお嬢様のようにですか?」
「……言われてみれば何だか関係がありそうよね」
小悪魔の何気ない思い付きに過ぎない言葉に、しかし考え込むパチュリー。
「黄金のティアラを身に着けているとなれる性格『おじょうさま』は女性がなれる性格の中では最も運の良さが伸びやすいというもの」
男性専用の性格『ラッキーマン』に次ぐものだ。
「さらには黄金のティアラには、運の良さを13ポイント引き上げる効果もある」
そして、
「ドラクエ3の運の良さは、因果律に干渉して毒やマヒなどといった状態異常に陥る確率を下げるというものよね。つまり……」
「ああ」
それで小悪魔もパチュリーが言わんとしているところを察する。
二人が暮らす紅魔館の主、レミリア・スカーレットは『運命を操る程度の能力』を持つのだ。
「そう、効果の大小はともかくとして、レミィの『運命を操る程度の能力』と類似した、運命に干渉する効果を持つということね」
そういうことだった。
「だから状態異常を防ぐ目的で運の良さを伸ばしたいなら使えるアイテムだけれど、私たちには不要かしら?」
小悪魔の性格『セクシーギャル』も運の良さに+20パーセントと高めの成長補正を持っていることでもあるし。
「お店に持っていけば3750ゴールドで売れるわね」
ということで、これも換金用アイテムか。
「あとはイシスの街でも売っていた絹のローブ。女性なら誰でも着られる装備だから、タダで手に入るこれを使うのもありよね」
しかしパチュリーたちはすでにそれ以上の防具を使っているので不要。
「お店に持っていけば1125ゴールドで売れるわね」
売却して資金源にする。
「でもシルクの衣服が鎖かたびらと同じ守備力+20ポイントというのも凄いですよね」
と小悪魔が言うが、
「絹糸は同じ太さの鋼鉄より強度があって、それを特殊な四層織りにした生地は防弾チョッキに使用されていた歴史もあるわ。刃物を食い止めるのにも役立つから、これを使った服は防御力がとても高くなるの」
そういうことだった。
魔法の鍵があれば、女王の寝室へも入ることができる。
周囲を囲む花々から香る、むせ返るような匂い。
豪奢な絨毯が敷き詰められ、女王に従う女たちが侍る。
「きゃー! 男よー! 男がこのお部屋にっ! きゃー きゃー! と思ったら、あなた女の人なのね。騒いでごめんなさい」
「確かにパチュリー様は男性以上に格好良くて凛々しいですけど、男の人には見えないと思いますが?」
「こぁ? 彼女が言っているのはあなたのことよ」
これはファミコン版で女勇者が男と見間違えられていた名残だ。
その証拠に、
「勇者が死亡してパーティに女性しか居ない場合には、彼女のセリフは「あたし、男の人って何だか怖くて…… 一生ここで暮らしたいわ」に変化するの」
「そ、それって……」
寝室の奥にはひときわ大きなベッドと、その主であるイシスの女王の姿があった。
「お引き取り下さいませ。あらぬ噂が立ちますわ」
女王に付き添う女官にそう言われるものの……
「噂?」
そしてその意味するところに気付き、女同士でまさか、と混乱するパチュリーに、女王はベッドの上からそっと語りかけた。
「人目を忍んで私に会いに来てくれたことを嬉しく思いますわ」
匂い立つような色香が感じられる言葉。
まるで自分が女王に懸想して密かに寝所を訪れたかのような言い回しになっていることに、パチュリーの頬が火照る。
そんな彼女に女王は、
「何もしてあげられませんが、贈り物を差し上げましょう。私のベッドのまわりを調べてごらんなさい」
と、妖しく微笑みかける。
これは一定の確率で壊れるまでは何度でもマジックパワーを回復できるアイテム、祈りの指輪をもらうイベント。
女王の言葉に従い、床を探してそこに落ちている指輪を拾うパチュリー。
そうして自分の足元に膝まずくような形になった姿を、女王は腰掛けたベッドの上から見下ろす。
その瞳が細まり――
愉悦の輝きが浮かぶのを、小悪魔は見た!
さらに、大胆に組み替えられる女王の足。
うつむいているパチュリーが顔を上げたらその奥に秘められた部分を目にしてしまうのでは、という際どい動きで、その形の良いつま先が、パチュリーの頭の上を過る。
まるで、いつでも踏み下ろすことができるのだと、パチュリーを床に這いつくばらせ、その頭を踏むことができるのだとでもいうように……
そう、この寝室に集う女は、
「あたし、男の人って何だか怖くて…… 一生ここで暮らしたいわ」
などと言い出す真性の同性愛者たち。
そして、この城を訪れたパチュリーたちに対し女官の一人は、
「ああ、たくましい人たち! 女王さまもきっと気に入ってくださることでしょう」
などと漏らしていた。
寝室に女たちを侍らす女王は、たくましい女性を気に入る……
それはつまり、
「自分好みの強い女性をひざまずかせ、這いつくばらせる。その姿を見るためにこそ、わざわざ床に指輪を落として拾わせた?」
ということではないか。
「わが女王さまには、こわいものなどありませぬ。たとえ魔王といえども、その美しさの前にひざまずくでしょう……」
小悪魔は昼間に聞いた女官たちの言葉を思い出す。
それは、
「私たちは女王さまにおつかえする女たちです。イシスに住む女なら、だれもがあこがれる役目ですわ」
そう心酔する彼女たちの気持ちが言わせた大げさな言葉かと思われたが、しかし実際に生粋の魔法使いであり、七曜の魔法を使いこなすパチュリー・ノーレッジが、女王の前にひれ伏し、下賜された指輪を床から拾わされているという現実。
どんな経緯があろうとも、パチュリーが自らそうしてしまった以上、この事実は変えられない。
通常ではありえない恥辱にまみれたこの光景に、小悪魔は己が主人をじわじわと絡め取り、最後には屈服させんとする女王の、この花園を支配する女主人の一手……
その手管を感じ取り、戦慄するのだった。
「そんなわけないでしょう!?」
いつもの小悪魔の妄想を垂れ流され、パチュリーは顔を赤らめ抗議する。
「このシーンは、女王自ら指輪を渡すのは問題だから、わざわざ床に置き、調べて拾わせることで譲渡した、という説が有力よ。そんな腐り切った妄想は今すぐ捨てなさい!!」
ということだった。
魔法の鍵を手に入れたらお楽しみのアイテム回収祭りの始まりです。
このために早期にピラミッドにチャレンジした訳で、これで強力な装備を整えてカンダタ1回目とか、ノアニールの目覚ましイベントを楽に済ませる手ですね。
そして、
>「勇者が死亡してパーティに女性しか居ない場合には、彼女のセリフは「あたし、男の人って何だか怖くて…… 一生ここで暮らしたいわ」に変化するの」
という具合に通常のプレイでは目にすることのない隠し(に近い)セリフの存在もあって、百合ハーレム疑惑があるイシスの女王様。
真実はどこに……
次回はアイテム回収の続きと装備の購入ですね。
お金さえかければ勇者小悪魔も商人を上回る強さを身に着けることができる…… のでしょうか?(ヒント:無理です)
ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
今後の展開の参考にさせていただきますので。