こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3)   作:勇樹のぞみ

32 / 88
ポルトガへ 絶叫!ダメージ床を引きずり回される小悪魔!!

 ロマリアを出発し、ポルトガへと向かうパチュリーたち。

 まずは西にあるロマリアの関所を目指す。

 

 途中、キャタピラー二匹と魔法使い三体が現れるが、

 

「今さら苦戦などしないわね」

 

 パチュリーのチェーンクロスがキャタピラーたちをしばく。

 豪傑の腕輪による攻撃力の底上げを受け、1匹目には32ポイントのダメージ、二匹目にも27ポイントのダメージを与える!

 魔法使いが次々にメラを唱え、パチュリーに命中するが、

 

「マジカルスカートの呪文ダメージ3/4が効いているわね」

 

 8ポイント、次は5ポイントのダメージで済む。

 

「行きます!」

 

 次いで小悪魔の刃のブーメランによる追撃。

 全体攻撃がモンスターの群れを襲い、キャタピラー1体を倒す。

 残ったキャタピラーは小悪魔を攻撃するが、

 

「い、1ポイントのダメージで済みました!?」

 

 ガチガチに固めてある守備力のおかげで、この程度で済んでしまう。

 そして、魔法使いのメラがパチュリーを攻撃。

 6ポイントダメージ。

 

 次のターンは、まず小悪魔の刃のブーメランが炸裂し、残りのキャタピラーと魔法使い2体を倒す。

 

「これで終わりよ!」

 

 そして最後にパチュリーが残った魔法使い一体にチェーンクロスを叩き込み、戦闘を終了。

 

 そうしてたどり着いたロマリアの関所。

 詰めている兵士からは、

 

「トビラを開けばその先はポルトガの国だ。魔法の鍵を持っているなら通るがよい」

 

 と伝えられ、通過することができる。

 地下通路を抜け、出た先はポルトガだ。

 

「南下していくと、ポルトガの街と城ね」

 

 そういうわけで歩いて行くと案の定、ドルイド4体に遭遇。

 

「バギが来るわよ」

 

 ドルイドの範囲攻撃呪文、バギが炸裂する。

 

「ま、マジカルスカートを買っておいてよかったです」

 

 と小悪魔が言うとおり。

 マジカルスカートの呪文ダメージ3/4の効果でダメージを10ポイント以下に抑えているが、そうでなければ危なかっただろう。

 

「刃のォォォオ、ブゥゥゥメラン!!」

 

 小悪魔の攻撃が入るが、

 

「一番初めのヒットでもダメージが16ポイントしか入らない!?」

「何気に守備力が同系統で一番高いのよ」

 

 一番の下位種で上位種より高い守備力とは一体……

 それでもパチュリーのチェーンクロスで追加ダメージを入れれば、一体は倒すことが可能。

 

「ヒットポイントはそれほどでも無いのが救いね」

 

 ということ。

 そしてドルイドがパチュリーを殴り、10ポイントのダメージを叩き出す。

 

「守備力を高めた今のパチュリー様にそのダメージですか!?」

「攻撃力も55ポイント。つまりあばれザルやミイラ男と同等よ」

「それもう、呪文使いじゃないですよね!?」

 

 そこに二発目のバギが炸裂!

 

「くっ、ヒットポイントが半分近くまで削られました!『バギも積もればバギクロス』ですかっ!!」

「誰が上手いことを言えと…… でもボッタクリのお店であってもマジカルスカートを買っておいて良かったでしょう?」

「まったくです」

 

 RTA(Real Time Attack、ゲームスタートからクリアまでの実時間(時計で計測した現実の所要時間)の短さを競う)など低レベルプレイでは、なぶり殺しにされるため絶対に出してはいけないのがこのドルイド4体という取り合わせだった。

 

「もっともドルイドの最大マジックパワーは10で、バギの消費マジックパワーは4。つまり二発唱えたらお終いだから、防御で耐えるなり、回復させ続けるなりして戦闘開始時のラッシュを乗り切ることができれば大丈夫かしら。勇者がレベル12から13で覚えるアストロンを使えば無傷で使い切らせることも可能でしょうし」

「それでもあばれザルと同じ攻撃力ですよね? 普通のパーティには守備力もヒットポイントも低い後衛職が居るんですから脅威では?」

「それもそうね」

 

 そして次のターン、小悪魔の刃のブーメランが先制。

 

「与ダメージがたった12ポイントって勇者の出す攻撃じゃないですよね、これ!?」

 

 しかしそれでも2体倒し、残り一体が小悪魔を殴る!

 

「ぐっ! これだけガチガチに守備力を上げていても抜いて来る!?」

「それでも4ポイントだけ。私が受けるダメージの半分じゃない」

「それはそうですけどヒットポイントが20を切っちゃいましたよ。先頭に立って攻撃を防いでいるパチュリー様はまだまだ余裕なのに、勇者である私が後ろに下がった上で、星降る腕輪装備の守備力優先、現状でできる最高の防備を固めても危機に追い込まれるって何なんですか?」

「そうね、でも終わりよ」

 

 あとはパチュリーのチェーンクロスが止めを刺して戦闘は終了。

 

「さぁ、治療したらポルトガの街に駆け込むわよ」

 

 というわけで小悪魔のホイミで傷を治し、ポルトガの街へとたどり着く。

 

「ここがポルトガ……」

 

 まずはポルトガの城へ。

 ここの城の宝物庫だが、

 

「ビリっときましたあああああ!!」

 

 床には泥棒よけの障壁、ダメージ床であるバリアーが張られていた。

 しかしパチュリーは小悪魔の悲鳴を無視し、宝箱からのアイテム回収を優先。

 ダメージにヒクヒクと痙攣する小悪魔を無理矢理曳き回す。

 

「ひあああぁあぁッ!? あぁっひ、くひいいぃいぃぃ!! ああぁあぁぁッ!!」

 

 連続して加えられるダメージに悶絶する小悪魔!

 

(死んじゃう、これ以上は本当に死んじゃいますぅぅぅっ! 許してっ、許してくださいパチュリー様ぁぁぁぁっ!!)

 

 ということだったが、

 

「はい、お終い」

 

 アイテム回収を終え、バリアー地帯を抜ける二人。

 

「し、死ぬかと思いましたよ。ほら、もうヒットポイントがぎりぎり1しか残っていません!」

 

 そう抗議する小悪魔だったが、パチュリーは小さく首をかしげると、その様子を不思議そうに見て、

 

「あら、知らなかったの? スーパーファミコン版以降のリメイク作ではバリアーダメージでは死ななくなっているのよ」

 

 偶然、ぎりぎり1ポイント残ったため助かったのではなく、1ポイント以下には減らなくなっているということだった。

 だからパチュリーは何も考えずにバリアーに突っ込んだのだ。

 

「最初に言ってください……」

 

 涙目の小悪魔だった。

 この宝物庫にある宝箱からは、いかりのタトゥー、スタミナの種の他、一本の杖が手に入るが……

 

「はい、これはあなたに」

 

 と小悪魔に手渡される。

 

「何です、このいかにも呪われそうな不気味な杖は!?」

 

 小悪魔が悲鳴を上げるとおり、邪悪な神官の姿をかたどったと言われる胸像が先端に付いた不気味な杖だ。

 

「魔封じの杖ね。不気味とは言っても、呪われているわけではないわ」

「本当に?」

「内部には魔界に住む邪悪な神官の魂が封じ込まれているとも言われているけど」

「やっぱり呪われてるんじゃないですかっ!」

 

 叫んで杖を突き返そうとする小悪魔。

 

「そうは言ってもドラクエ4で初登場して以降、『内部に封じられた邪悪な神官の魂が敵の魔力を欲するため』とか『振りかざすことで神官の像の口から呪いの言葉が発せられるため』とか作品によって理由は違えど、戦闘中に使用すると「あやしいきりが てきを つつみこむ!」ことでマホトーンと同じく呪文封じ状態にすることができる杖だから」

 

 死後、水分を失ってカラカラのミイラになったかのように落ちくぼんでいる眼窩。

 カッと開かれた口は唇を失ったかのように並んだ歯がむき出しになっている。

 怖すぎる、怖すぎる造形をもった杖だった。

 こんなもの、出来れば持ちたくはない小悪魔だったが、

 

「モンスターから呪文を使われるより前に、この杖を使って呪文を封じるなら星降る腕輪で素早さを高めているあなたが適任だから」

 

 と言われれば、持たざるを得ない。

 杖の大半は、装備できない職業でも戦闘中に使用して力を引き出すだけなら誰にでもできるものなのだから。

 

「あとは怒りのタトゥーだけれど」

 

 パチュリーは手に取ってそれを調べてみる。

 

「怒りのタトゥーは装飾品のようね。これを張り付けていれば攻撃力が上がるようね」

 

 という具合に、攻撃力を+8するもの。

 

「でもその凄い力はその人を乱暴者にしてしまうと思うわ」

 

 という具合に装備中は性格を『らんぼうもの』に変えてしまうもの。

 

「すでに実質的な上位アイテムである豪傑の腕輪が手に入っているし、私たちは二人旅だからもう装飾品の枠は星降る腕輪と豪傑の腕輪の二択で埋まっているし、『らんぼうもの』の性格は力以外に凶悪なマイナス成長補正が入るし……」

「売却アイテムですね?」

「そうね、お店に持っていけば825ゴールドで売れるわね」

 

 ということで処分することに。

 そして、この国の王に謁見。

 

「遙か東の国では、黒胡椒が多く取れるという。東に旅立ち、東方で見聞したことを報告せよ。胡椒を持ち帰った時、そなたらを勇者と認め、わしの船を与えよう。この手紙を東の洞窟に住むノルドに見せれば、導いてくれるはずじゃ。では、ゆけこあくまよ!」

 

 次いで、ポルトガの街を探索するパチュリーと小悪魔。

 牧場のしげみからは、小さなメダル。

 民家の2階からは力の種が手に入る。

 そして武器屋を覗いてみると、そこには鉄の斧以上の攻撃力を持ち、複数の敵1グループを一度にしばき倒せる武器、鋼のムチが売られていた。

 

「それじゃあ、不用品を売って清算した後、改めて鋼のムチを買いましょうか」

 

 ということで、怒りのタトゥーや倒したモンスターを解体して剥ぎ取った素材などを売り払って資金とし、それぞれの所持金を再計算する。

 前回精算時の所持金は、

 

小悪魔:4676G

パチュリー:7834G

 

「それでここまでに得た収入が1039ゴールドで、一人当たり519ゴールドの配当だけど」

 

小悪魔:5195G

パチュリー:8353G

 

「そして魔封じの杖の売却価格は2475ゴールド。これは二人に所有権があるから、あなたは半額の1237ゴールドを私に払う必要がある」

「うっ…… そ、そうですね」

 

小悪魔:3958G

パチュリー:9590G

 

「それで、このポルトガの武器店で買える鋼のムチの買値は3100ゴールド」

「うぐっ!」

「でもこれを買えばあなたが持っている刃のブーメランと鉄の斧は不要になるでしょう? そこは私が譲り受けることにするわ。刃のブーメランの売却価格は900ゴールド、鉄の斧の売却価格は1875ゴールド。これで再計算すると……」

 

小悪魔:3633G

パチュリー:6815G

 

「あれ? ほとんどお金が減りませんね」

「……この後、バハラタで魔法の盾2000ゴールドと鋼の鎧2400ゴールドっていう買い物があるのだけれど? 今あなたが使っている鉄の盾を下取りに出しても、3500ゴールドが必要よ」

「そ、それって実質133ゴールドしか残らないってことじゃないですかー!」

「あとは、このポルトガで手に入った力の種とスタミナの種。少なくともスタミナの種はあなたに使ってほしいのだけれど……」

「無理無理無理です。これ以上、お金は使えませんっ! また借金はイヤ、イヤなんですぅぅぅっ!」

 

 ということで、力の種とスタミナの種はパチュリーが使うことに。

 その半額を小悪魔に対して支払うので最終的な所持金は、

 

小悪魔:3768G

パチュリー:6680G

 

 という具合になった。

 二人のステータスと装備は、

 

 

名前:パチェ

職業:しょうにん

性格:ごうけつ

性別:おんな

レベル:10

 

ちから:33

すばやさ:22

たいりょく:59

かしこさ:14

うんのよさ:10

最大HP:113

最大MP:27

こうげき力:86/75/72

しゅび力:66

 

ぶき:てつのオノ/チェーンクロス/やいばのブーメラン

よろい:マジカルスカート

たて:てつのたて

かぶと:けがわのフード

そうしょくひん:ごうけつのうでわ

 

 

名前:こあくま

職業:ゆうしゃ

性格:セクシーギャル

性別:おんな

レベル:8

 

ちから:31

すばやさ:72

たいりょく:21

かしこさ:21

うんのよさ:15

最大HP:42

最大MP:36

こうげき力:71

しゅび力:97

 

ぶき:はがねのむち

よろい:マジカルスカート

たて:てつのたて

かぶと:てつかぶと

そうしょくひん:ほしふるうでわ

 

 

 という具合に。

 

「鋼のムチはグループ攻撃武器なのに、この時期では単体攻撃武器の攻撃力を上回り一番強いという反則武器。早めに魔法の鍵を取ったらポルトガに行って手に入れると大変楽になるのだけれど……」

「そ、それだけ優秀な武器を買って装備できてもパチュリー様の攻撃力を超えることができません。勇者って一体……」

 

 ということだった。

 

 

 

 目的の買い物も済み、海岸沿いを歩く二人。

 堤防のように張り出した先にはイスとテーブルが置かれ、

 

「ここは恋人たちの語らいの場所」

 

 と吟遊詩人が竪琴をかき鳴らす。

 そんなムーディな場所。

 

「こ、これってデデデ……」

 

 デートみたいですね、と言おうとする小悪魔だったが、なかなか口にすることができない。

 一方、パチュリーはというと、吟遊詩人の、

 

「かつて愛し合う二人がよくここに来ていたのですが、あの二人は今どこに……?」

 

 という言葉から、

 

「探してみましょうか?」

 

 と小悪魔をスルーして再び町の探索に。

 そうして、

 

「パチュリー様、ここですよ」

 

 と小悪魔に民家の二階、力の種を入手した部屋の隣へと案内される。

 

「何で分かるのよ」

「ベッドをくっつけあっているお部屋のレイアウトを見れば一目瞭然ですよ?」

「ああ……」

 

 確かにその部屋では二つのベッドをくっつけて使っていた。

 これまでに無い配置である。

 

「そして奥のベッドは部屋の隅、壁にくっつけてある、攻め手が受けを絶対に逃がさないといういやらしい構図」

「……あなたが何を言っているのか分からないわ」

「丸テーブルと椅子の配置もです。受けはキッチンの方の椅子に座るとして、攻めはその正面ではなく左隣に席があります。つまり、くつろぎながらも手を出せる配置……」

「そ、そういうものなの?」

「しかもですよ、普通なら部屋の奥に配するはずの攻めの椅子は部屋の入り口側に配置されています。これもベッド同様、受け側を絶対に逃がさないという粘着質な意思の表れかと」

「はぁ……?」

 

 パチュリーには理解が及ばない領域の話である。

 そしてその部屋には一人の女性の姿があり、

 

「わたしはサブリナ。こうして恋人のことを思っています。でも夜になれば…… 夜がこわい。ああ、わたしのカルロス……」

 

 さらには街外れの地下室には神父が居て、一組の恋人たちの話をしてくれる。

 

「かつて、勇敢なる剣士と愛しあう美しい女性が居た。二人はいつも海をながめて、平和な世界を夢見ておった…… しかし、怖ろしいことに魔王バラモスが、その二人に呪いをかけてしもうたのじゃ。そのため二人は…… かわいそうな話じゃて」

「……悲しいお話ね」

 

 この地下室からは、小さなメダルと、悲しい物語という本が手に入る。

 神父の話と、あのサブリナの怖がりよう。

 気になったパチュリーたちは、夜を待ってみる。

 すると昼間、馬が居た牧場には一人の男性が佇んでいた。

 

「ああ、愛しのサブリナ。今はもう、会うことも話すことすらできない…… サブリナを知っていますか?」

「はい」

「では伝えて下さい。カルロスは今もお前を愛していると!」

 

 何か事情があって会えないのかと、昼間サブリナと会った民家に行ってみる。

 しかし、そこにはサブリナの姿は無く一匹の猫が居るだけだった。

 

「にゃん……」

「サブリナさんは一体どこへ……」

 

 結局そのまま夜を明かす二人。

 朝になるとカルロスの居た牧場には馬の姿があり、サブリナはちゃんと民家の2階に居た。

 

「これが魔王の呪い? 朝になるとカルロスさんが馬に、夜になるとサブリナさんは猫に姿を変えられてしまうってことですか?」

 

 昼と夜に分かたれてしまった恋人たちの悲劇。

 つまり……

 

「サブリナさんはパチュリー様と同じでネコ!」

「はぁ?」

「そしてカルロスさんは馬並み!」

「何の話よ!!」

 

 使い魔が何を言っているかわからない件。




 パチュリー様にバリアー床を引きずり回され苦鳴を搾り取られる小悪魔でした。
 これでは死なないんですけど、私もそれを知ったのはかなり後でしたね。

 次回は毎度の種を使った強化と小悪魔のマッサージですが、おや!? パチュリー様のようすが……!
 そして防具を整えるためにバハラタへと向かいます。

 ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。