こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3) 作:勇樹のぞみ
「まいった! やっぱりあんたにゃ、かなわねえや…… 頼む! これっきり心を入れ替えるから 許してくれよな! な! な!」
再び命乞いをするカンダタを、またあっさりと許すパチュリー。
「いいんですかパチュリー様? この人、絶対に懲りないタイプですよ」
人のこと言えると思ってるの?
そう感じるパチュリーだったが、言っても無駄なので口にはせず、
「かの軍師は、敵将を心服させるために七回捕らえ七回許したって言うしね」
と別のことを語る。
三国志、孔明のエピソードであるが、実際にはパンツ一丁、覆面マントの変質者の相手をこれ以上したく無いからという話でもある。
この問答、どうせ無限ループするだけだし、それに彼の末路は……
あれを目にすれば小悪魔も洗脳調教の恐怖に心を入れ替えるかもしれないし(注:無理です)
「ありがてえ! じゃあんたも元気でな! あばよ!」
そう言って立ち去る筋肉、カンダタ。
バハラタの街まで戻ると、店に戻ったグプタが黒コショウをタダで渡してくれる。
それを手にポルトガの王の所へ行くと、
「おお、そなたは確か東の地にコショウを求めて旅に出たパチェじゃったな。して、どうじゃったのじゃ? やはりだめであったであろう」
「ダメ元の依頼だったんですかっ!?」
思わず叫ぶ小悪魔。
一方、パチュリーはというと、
(ファミコン版だと「おお、○○○○(勇者の名前)! よくぞコショウを持ち帰った! 約束じゃ。船を与えよう! 表に出てみるがよい」というセリフだったのだけれど)
と首をかしげる。
先のポルトガ王の言葉はスーパーファミコン版以降のリメイク作で追加されたもの。
それにより『実はポルトガ王は勇者たちに期待などしていなかった』ということが分かったのだった。
さらには、
「な、なんと!? 持ち帰ったじゃとっ!? おお! これはまさしく黒コショウ!」
ポルトガ王は差し出された黒コショウに大喜び。
「よくやったぞパチェ! さぞやキケンな旅であったろう! よくぞなしとげた! その勇気こそまことの勇者そのものじゃ!」
(あ、あれ?)
その言葉に戸惑う小悪魔。
「約束どおり、そなたに船をあたえよう! 表に出てみるがよい」
黒コショウと引き替えに船をくれるのだが……
「パチュリー様が勇者扱いされていませんでしたか!?」
退席後に叫ぶ小悪魔。
そう、ファミコン版と違い、リメイク版ではポルトガ王はパーティの先頭の人物を勇者として認めてしまうのだ。
ロマリア王などはオルテガの息子としての勇者を知っているから勇者を勇者として認識しているが、ポルトガの王にはそういう前提が無いということだろうか。
「そうね、王の友人、ホビットのノルド曰く「あれほど純粋な心を持つ人間は珍しいからの」っていうことらしいから……」
パチュリーはそう言うが、
「私は純粋に勇者として見られていないってことなんですが、それは!」
小悪魔は嘆く。
まぁ、ネコの着ぐるみを着て先頭に立つパチュリーもアレだが、
「私の後ろに隠れてムチを振り上げ「call me queen!!(女王様とお呼びっ!!)」なんて叫びながら敵をしばき上げていた者が勇者だなんて、誰も思わないでしょう?」
ということだった。
しかし小悪魔は、
「「ブ、ブタさんになってください!」の方が良かったですか?」
などとアホなことを言い出す。
セリフが違えば良いというものではないし、そもそも方向性は変わらないだろうに。
一方、
「豚化の状態異常はこのドラクエ世界には無いのだけれど?」
キョトンとした表情で突っ込むパチュリーは意味が分かっていない。
そんな純真な主人に、興奮する使い魔。
「意味を―― 教えて差し上げますね」
高い知性を備えた、しかし無垢な少女の心をいやらしい知識で染めていく快楽。
それを知った時にパチュリーが浮かべるだろう、羞恥にまみれた表情を想像して、軽く達してしまう。
「こぁ……」
不穏なものを感じたのか、眉根を寄せるパチュリーの反応をスルーして、
「いいえ、ここはパチュリー様に身をもって体験してもらい、理解して頂くべきでしょうか?」
「さぁ、パチュリー様、ブタのように鳴いて下さい!」
「ブ、ひいいぃぃぃん!?」
「ブタですって!?」と言おうとしたパチュリーに図ったかのようにムチを入れ、鳴かせる小悪魔。
ひとつながりになった悲鳴は、まさしくブタの鳴き声のようで、パチュリーに羞恥と屈辱と―― そして奇妙な解放感を与えていた。
それを見通したかのように小悪魔は、
「七曜の魔法を極めた魔法使いとしてのプライド、それから解放されるのは気持ちいいですよね?」
再び振るわれるムチ!
「ぐひぃっ!」
「矜持とか、体裁とか、世間体とか、自分を縛り付けているものをかなぐり捨ててブタのような悲鳴を上げるのは気持ちいいことですよね?」
「そ、そん、ひいいっ!」
容赦なく振るわれるムチの連打に反論を封じられ、肌を焼く痛みに混乱するパチュリー。
「そんなことない、と言うならもう一度試してみて下さい。ムチ打たれ、マゾブタのように鳴いても、パチュリー様は気持ちよくなったりしないって、下僕である私、小悪魔の前で証明して見せてください!」
そしてついにパチュリーは、
「ぶ、ひいいぃぃッ!」
鳴いて、しまった。
「あはは、何ですそのトロ顔は。やっぱり気持ちいいんじゃないですか」
「んひぃッ」
「もっとです! もっと鳴いて下さい!」
「ぶッ、ひッ」
さらに激しく振るわれるムチ。
「強ければ強いほど、賢ければ賢いほど、プライドが高ければ高いほど、それを脱ぎ捨てる解放感は大きくなり、裏返しの、背徳感にまみれた快楽は深く深く、どこまでも大きくなる」
痛みと快楽と共に小悪魔の声が、言葉がパチュリーの精神に刻み込まれていく。
実は、これは怪しい宗教や自己啓発セミナーなどで心身を追い込んだ末に、自分の人格を否定するようなことを叫ばせたりするのと同じ効果をもたらす。
そんな馬鹿な、と平静な状態の人間は思うだろうが、実際には多くの人間がこれを、
『それまでの自分を縛っていた殻を打ち破る素晴らしい体験だ』
と誤認し洗脳されてしまう、そんな危険なものなのだ。
ただ……
小悪魔はあくまでも敬愛している主人、パチュリーに誠実に仕えているつもり。
誠実だからこそパチュリー自身が気付いていない隠された被虐願望を察して、それを満たしてあげたい、性の奴隷に堕としメチャクチャにしてあげたいと願っているだけで。
それを「理解できないわね」と思いつつも薄々察しているパチュリーと小悪魔の間には、SMプレイに興じるサディストとマゾヒストの関係性にも似た奇妙な信頼感と安心感がある。
SMプレイには安全のため「これ以上は本当にダメ」という場合に使われるセーフワードが設定されるが、小悪魔と主従契約を交わしているパチュリーもまた、本来なら一言「止めなさい」と言うだけで小悪魔を止めることができる。
故に心のどこかで安心して主従逆転調教プレイを許しているという面がある。
そして逆に言うならば、パチュリーが簡単に止められるはずの小悪魔を止めない、明確に「止めろ」と命令しないというのは……
どんなに否定的な言葉や態度を取ったとしてもそれはSMプレイで『誘い受け』をしているのと同じ。
プレイの一環として嫌がって見せて、責め手の小悪魔を挑発しているのと同じことなのだ。
(パチュリー様自身には自覚が無い様子ですけどね)
いびつに歪む、小悪魔の口元。
ゆえに…… 主人から『許されている』小悪魔はムチを握る手に力を込め、主の望むままに責め続け、そして、
「ぶひいぃぃッんッ!」
止めの一撃とばかりに振り下ろされたムチに、パチュリーは絶叫する。
それで、最後のタガが外された。
自らを家畜と同等の存在に貶める、自分で自分の尊厳を破壊しトドメを刺すという行為に、目もくらむような解放感を、快感を覚える。
「ぶひぃっ」
振るわれるムチと、
「ぶひひぃん!」
嫋々と響くメスブタの悲鳴。
「ぶひッひいいぃぃッ!!」
無様に鳴くたびにゾクゾクと高ぶり、肥大化していく興奮。
それがどこまでも、どこまでも続いて行った……
などと妄想にふける小悪魔の頭を主人からのツッコミ(物理)が襲う!
「あいたっ!」
「な、なんて話を聞かせるのっ!?」
まさか自分を被虐ヒロインとした主従逆転SM調教劇を延々と垂れ流されるとは思わなかったパチュリーは、羞恥のあまり真っ赤になって叫ぶ。
そんな主人の様子に、小悪魔はますます興奮するわけであるが。
「正座」
「はい?」
「正座」
「はい……(あああ、主従契約があるから逆らえませんっ!(ビクンビクン!))」
「小悪魔です…… 悪魔なのに正座させられて、ご主人様から慎みと常識の欠如について、こんこんと説教されました」
解せぬ…… とばかりに首をひねる小悪魔に、パチュリーはため息をつき首を振った。
あきらめた、とも言う。
「まずはエジンベアで渇きのツボを手に入れないとね」
ポルトガから出港、北上してエジンベアを目指すが、
「海は痺れクラゲが怖いから、満月草を渡しておくわね」
マヒ対策に、それぞれ回復アイテムの満月草を持つ。
そうして出合ったのが、
「半魚人とクラゲさんっ!?」
マーマンと痺れクラゲである。
「一匹ずつなら楽ね」
小悪魔の諸刃の剣ならマーマンも一撃。
まれに倒し損ねる場合もあるが、そこはパチュリーが刃のブーメランの全体攻撃でフォローすればよい。
痺れクラゲがパチュリーの攻撃前に仲間を呼ぶなどというアクシデントもあったが、無事攻撃を受けないまま倒しきる。
ただし小悪魔は諸刃の剣の与ダメージの1/4の傷を自分も負う、という効果で負傷していたが、
「う~~ホイミホイミ」
今、ホイミを求めてうめいている私はパチュリー様に従うごく一般的な使い魔。
強いて違うところをあげるとすれば主従逆転快楽調教に興味があるってことかナ。名前は『こあくま』
そんなわけで海を越えたところにあるエジンベアの城にやって来たのだ。
ふと見ると門に一人の若い兵士が立っていた。
ウホッ! いい門番……(居眠りしていないところが)
ハッ
そう思っていると突然その男は私の見ている目の前で……
「通せんぼしてきましたよ、この人っ!」
ホイホイと城内に侵入しようとした小悪魔は、門を守る衛兵に邪魔される。
「ここは由緒正しきエジンベアのお城。いなか者は帰れ帰れ!」
などと言われて。
そのため、消え去り草を身体に振りかけて姿を消し、潜入することにする。
「カザーブの東の端であなほりをして手に入れた魔法おばばのドロップ品ね。この周辺でも、その下位モンスターである魔女からドロップするから、ここであなほりをしても手に入るのだけれど」
ただし魔法おばばのアイテムドロップ率が1/64なのに対し、魔女は1/256だから非効率か。
「あれ? アイテムドロップで手に入れないといけないんですか?」
「いいえ、ランシールの街やスーの村なんかでも買えるわ。まぁ、私たちはそこまで行く手間をあなほりのおかげで省けたってわけね」
そういうことでエジンベアの城へ入るのだが、
「わが王は心の広いお方だ。おぬしのようないなか者でも話をしてくださるだろう」
「わしは心の広い王さまじゃ。いなか者とて、そなたをばかにせぬぞ」
「おや? あなたがうわさのいなか者ですか? ふむ…… なるほど、たしかにいなか者ですね」
「おっ、あんた見かけん顔だな。旅の人かい? はっはっは、そのカッコを見ればすぐわかるよ。しかもちょっといなか者だろ」
とバカにされ、神父にまで、
「こんにちは、いなかの人!」
と言われる。
「ここの人たちって『いなか者』って言葉が挨拶だとでも思っているんですかっ!?」
あたまおかしい。
「……そう言えば「いなかからはるばるようおこしやす」というのが歓迎の言葉だという土地もあるって話だったわね」
そう考えると、この国の人間の言動も、あながちあり得ないものでは無いということだろうか?
しかし、
「そもそも本当に栄えている場所なら、彼らの言う『いなか』からどんどん人が集まって来るはずなんだから、人をいなか者呼ばわりなんてしないはずなのよ」
とパチュリーは肩をすくめ、
「まぁ、この国の現状から言って、過去の栄光に縛られている人たちって感じよね」
そういうことだった。
一方、庭から小さなメダルを2枚回収したりしながら、それ以外の人間の話を聞いていくと、
「その昔、海に沈んだほこらがあるそうです。今は浅瀬になってるとか。なにか宝物が眠っていそうでわくわくしますな」
「この世界のどこかに海の水をひあがらせるつぼがあるそうです。え? この城に? そんなまさか……」
「ぼく知ってるよ。最後のカギってどこかのほこらにあるんだよね」
という具合に、
「要するに、海に沈んだほこらに最後の鍵があって、この城には海の水を干上がらせるツボが隠されている、というお話ですよね、パチュリー様」
有用な情報を得ることができる。
つまり、この国ではよそ者をいなか者呼ばわりしない人間の方がはるかに役立つ、有能であるということなのだろうか。
そして、
「城の地下にある3つの石を青い床にうまく並べると、なにかが起こるらしいぜ。失敗したときは1度地下から出ると、やりなおせるって話だ」
と促され、向かった地下には3つの岩を並べる謎かけが。
「……バカにしてるのかしら? この程度なら、はい、この通りね」
「さすがパチュリー様ですっ!」
岩を3つ並べると、隠し部屋への通路が開く。
その奥には渇きの壺があった。
「浅瀬でこれを使えばいいわけね」
「それじゃあ、今度はそれを探しに行くんですね」
それはこの後の話として、さらに探索を続けると1階の王族の寝室からは、おしゃれなスーツ、パーティードレス、『淑女への道』が手に入った。
「凄いです。ドレスですよ、ドレス!」
「テロでも警戒してるのかしら? これ魔法の鎧と同じだけの守備力を持ってるわよ。それに……」
「どうかしましたか?」
「これって、装備できるのが盗賊と遊び人だけなのよね」
「はい?」
「王族なんて、一皮剥けばそのどちらかってことね」
「ろ、ロマンがありませんね……」
パチュリーは淑女への道を手に取って見定めた。
「おしとやかな女性を目指せ! テーブルマナーを極めよう…… ね」
淑女への道は読んだ者の性格を『おじょうさま』に変える本である。
しかし黄金のティアラ入手時にも検討したが、パチュリーたちにはこの性格に変えるメリットは無い。
まぁ、このエロ使い魔の性格をまともなものに変えてしまいたいのは山々なのだが。
そして中庭でこの国の王女、マーゴッド姫と出会う。
「あたし、聞いちゃった。あなたいなか者なんですってね。うふふ。今度、いなかの話を聞かせて欲しいわ」
御多分に漏れずこの姫もパチュリーたちを、いなか者扱いする。
「強烈なメスガキ臭がします……」
「仮にも王女をメスガキって……」
その物言いに呆れかえるパチュリーだったが、小悪魔は真剣な表情で語る。
「さっきの寝室、この王女様と王様のものなんですよね? この歳にもなって父親と一緒の寝室? 王様だって、王女一人しか後継者が居ない様子なのに、妃を迎えている様子もなく、娘と寝室を共にする……」
「ほぅら、早くもっと逃げるのだ。さもないとつかまえてしまうぞー」
「やぁーっ!」
「みたいな?」
「……ただの追いかけっこよね? 父親と娘の微笑ましい親子の触れ合いよね?」
「しかも読んだ者を洗脳調教し、従順な『おじょうさま』に仕立て上げる『淑女への道』まで用意しています。つまり実の娘を……」
「クッ…このメスガキ……ッ、大人を舐めやがって…… わからせてやるッ!! 大人のやり方(アイテムに頼った洗脳調教による性格改変)を思い知らせてやる……ッッ!」
「っていう具合に都合のいい愛奴人形に仕立て上げようって魂胆ですね!」
「やっぱりそういう意味で言ってたのね……」
そんなはずあるか、と思いたいが、小悪魔の言うとおりだったら怖すぎるため『淑女への道』は持ち去った方が良いのだろう。
まぁ、夜中に忍び込んでみると、この王女様は寝言で、
「いなか者…… いなか者…… って、なに? ……むにゃむにゃ……」
などとつぶやいているので、そもそも『いなか者』という言葉の意味を知らないで使っている様子なのだが。
「きれいなメスガキでした!?」
「その言い方から離れない?」
小悪魔の発言に、呆れ顔のパチュリーだった。
きれいなメスガキって……
でも、一見生意気な女の子が実は無垢な存在だったっていうパターンはギャップ萌えしますよね。
>「「ブ、ブタさんになってください!」の方が良かったですか?」
これは『FINAL FANTASY IV THE AFTER -月の帰還-』の特技『コールミークイーン』使用時のセリフだったり。
ムチを装備した女性四人のバンド技で最後にこのセリフと共にしばかれた相手は状態異常『豚』になります。
なお、
> 実は、これは怪しい宗教や自己啓発セミナーなどで心身を追い込んだ末に、自分の人格を否定するようなことを叫ばせたりするのと同じ効果をもたらす。
というわけで、ブラック企業の新入社員研修などにありがちな洗脳手段について注意喚起も兼ねて書かせていただきました。
このようにこのお話は健全な精神を持ちましょう、という意図で書かれています。
ですから、
このお話は健全、いいね?
ということでひとつ。
次回は最後の鍵を取って、そしてあなほり祭りの開催です。
まぁ、開始5分で目的のアイテムをゲットできちゃうんですけどね。
ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
今後の展開の参考にさせていただきますので。