こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3) 作:勇樹のぞみ
「そう言えば、小さなメダルが貯まっていたわね」
休息も兼ねてアリアハンに帰り、メダルの館で景品と引き替える。
力の指輪、インテリ眼鏡が手に入った。
「力の指輪は豪傑の腕輪の『ちからもち』バージョンね。効果もそれなりだから、豪傑の腕輪さえあれば、売ってしまって構わないわ」
「インテリ眼鏡は、性格が『ずのうめいせき』になって、賢さがアップするんですね。……と言いますか、パチュリー様、似合い過ぎです。その美しさを見慣れている私でも、眼鏡越しに微笑まれるとゾクゾクしちゃいます」
「……売るしか無いわね」
性格変更の効果はまた別として、賢さや体力の値が上がるアイテムを装備しても、レベルアップ時にマジックパワーやヒットポイントの最大値がその分上昇するわけではないので無意味。
体力と違って賢さの方は呪文習得の判定に影響するので完全に無駄というわけでもないが。
いずれにせよ、パチュリーたちは豪傑の腕輪と星降る腕輪を使うため、これらは売るしかないのだが。
「あー、待って下さい。一晩、一晩で良いんです。そのメガネを付けたまま私を虐めてください! 眼鏡越しの視線で私を蔑んで下さい!」
「………」
「ああ、その目。汚らしいモノでも見るかのような、見下すような視線がたまりません!」
身悶えする小悪魔に、パチュリーは嫌悪を通り越して恐怖を覚える。
そして勇者の家で休むのだが、
「むぐー! むぐぐぐぐー!!」
身の危険を感じたパチュリーは使い魔として繋げているパスを通じて、小悪魔に三重の封魔捕縛式をかける。
パチュリーのような術者が持つ魔術的視野、セカンド・サイトを通じて見たならば、小悪魔をギチギチに縛り上げる拘束具の数々が視覚的にも見て取れただろう。
そうやって指一本動かせない、声も出せない状態で床に転がされる小悪魔。
「お休みなさい」
パチュリーは一人、ベッドで眠るのだった……
「一晩床の上で過ごして、しっかり頭を冷やして反省したかしら?」
翌朝、拘束を解くパチュリーだったが、
「はぁはぁ、パチュリー様に拘束放置プレイされたぁ、それだけでも興奮して逝っちゃうマゾメスにされたぁ」
脳内麻薬がキマっているのか、小悪魔はうつろな笑顔でぶつぶつとつぶやく。
もしパチュリーが小悪魔を調教しているなら「良い具合に壊れてきたわね」と満足の笑みを浮かべるところなのだろうが、もちろんそんなつもりは毛頭無い。
ドン引きするだけである。
「小悪魔はぁ…… きちんと対価を決めて雇用契約を交わした使い魔、悪魔だったのに…… 今ではもう…… パチュリー様のぉ…… メス奴隷、です」
うっとりとした目でパチュリーを見上げる小悪魔。
「性の奴隷として、メス犬として仕えること…… その素晴らしさと快楽を骨の髄まで…… いえ、魂にまで刻んで頂いて…… もう…… 主従契約が無かったとしても絶対逆らえない…… です」
と告白する。
「こんな…… こんなこと言ってはダメって分かっているのに…… もう…… もう……」
切羽詰まった、そんな表情で、
「躾けて…… ください…… パチュリー様の手で…… 止めを刺してください……!」
そう懇願する。
「もう…… 気持ちいいことに逆らえない…… ダメで淫らな小悪魔にぃ……」
途切れ途切れに告げられるのは、
「お慈悲をください…… 完全に…… 屈服させてくださいぃ……」
という祈りにも似た哀願。
(怖すぎるでしょう!?)
もちろん、パチュリーは恐怖に顔を引きつらせるだけである。
何をやっても死なずににじり寄って来る不死身のゾンビに迫られているようなもの。
(変態!! 変態!! 変態!! 変態!!)
である。
まぁ……
散々セクハラを働いている小悪魔だったが、実際にはパチュリーが少し本気に…… いや、本気になるまでも無くちょっと加減を間違えただけで、このように精神を根本からへし折られかねない、隔絶した実力差がある。
そんな高みにある存在だからこそ小悪魔は、まるで誘蛾灯に引き寄せられるかのように惹かれ……
そして、そんな格差のある相手だからこそ主従逆転の、背徳的な行為が生じさせる淫靡さは目も眩むほどのものとなり心を、魂を捉え離さないのだが。
(もう、こうなったら……)
パチュリーは袋の中から一冊の本、読んだ者の性格を『おじょうさま』に変更する『淑女への道』を取り出す。
(性格を変える本による洗脳調教で強引に上書きするしか)
そうして小悪魔は……
「美味しいですねパチュリー様」
メガネをかけた小悪魔は、済まし顔でそう言いながら勇者母の用意した朝食をとる。
「そうね……」
と安堵の息をつきながら香草茶(ハーブティー)を口にするパチュリー。
(本で性格を変えなくても、装備品で一時的に性格を変えれば良かったんだわ)
そう、小悪魔はインテリメガネをかけて一時的に性格を『セクシーギャル』から『ずのうめいせき』に変更されているのだ。
賢さが+15されたこともあって思考がクリアになったのか、変態的な衝動も治まったらしい。
「それじゃあ、あなたにはそのメガネの売却価格1275ゴールドの半額を私に払ってもらって……」
「えええっ!?」
その上で出費をちらつかせ、小悪魔にインテリメガネの売却を納得させるパチュリーだった。
「雷の杖を回収するため、スーの村に行くわ」
インテリメガネと力の指輪の売却を済ませたら、ルーラでポルトガに跳び、船で西へと向かう。
大陸にぶつかったら南下。
大河を遡り内陸を目指すが……
「敵、出ませんね」
「海は出現率が低いとはいえ、確かに異常ね」
そして、スーの村が見えてきたところでようやく、
「半魚人さんです!」
「マーマンが3体ね。ルカナンでこちらの守備力を下げてくる程度で対処しやすい相手だわ」
小悪魔は諸刃の剣により一撃のもとに切り捨てる!
マーマンの最大ヒットポイントが54なのに対して75ダメージと20ポイント超過のオーバーキルである。
「くっ!」
そして諸刃の剣の自傷ダメージはオーバーキルがあっても減らない。
小悪魔は19ポイントものダメージを受ける。
諸刃の剣は、ザコ相手には向かないのだ。
そこに装飾品を幸せの靴から豪傑の腕輪に切り替え攻撃力を高めたパチュリーのチェーンクロスが唸るが、
「さすがに倒しきれない? ゾンビキラーで一体を確実に倒しきった方が良かったわね」
ということに。
マーマンはルカナンを唱えパチュリーたちの守備力を半分に落としてしまう。
そこに、もう一匹が尻尾でビタンと小悪魔を殴りつける!
「効いてませんよ!」
しかし小悪魔は防具をガチガチに固めているので、守備力を落とされてもなお、11ポイントのダメージで済む。
「装備技で守備力を回復させて」
「はい」
下がった守備力は次のターンには『装備技』で戻せるから問題は少ない。
システム的に言えば、ドラクエでは戦闘中に装備を変えられる、装備を変えると能力値が変化する可能性があるので再計算される(実際に装備しなおす必要は無く、現在装備中のものを選ぶだけでも良い)、すると魔法で変化していた攻撃力、守備力、素早さが元の値に戻ってしまうというもの。
これでスクルト、スカラ、ルカナン、ルカニ、ピオリム、ボミオス、モシャスの効果が解除される。
不利な魔法を受けた場合に使えるが、同時に味方からの有利な呪文効果も消えてしまうのが難点。
一般に『装備技』と呼ばれるもので、スーパーファミコン版以降のリメイクで使えるようになっていた。
そして小悪魔はまたマーマンを切り捨てるが、
「がっ!?」
今度は21ポイントの自傷ダメージ。
ヒットポイントが残り16ポイントというところまで追い込まれる。
「まぁ、それでも問題無いわ」
とパチュリーが言うとおり、ルカナンで守備力を半減させたところに殴りかかっても11ポイントのダメージだったのだ。
『装備技』で守備力を回復させていればまったく怖くないし、
「ルカナンを唱えました!?」
と小悪魔が言うとおりルカナンを唱えてくれれば、
「そこまでよ!」
と止めを刺すだけである。
「うぐううう…っ、なんでわたしだけぇぇぇぇぇ…」
まったくの無傷のパチュリーに対し、ボロボロになっている小悪魔。
まぁ、大半が諸刃の剣による自傷ダメージなのだが。
「だから雑魚敵対策に雷の杖を取りに来たのでしょう。早くホイミで治療しなさい」
パチュリーはそうなだめると、自身は装飾品を幸せの靴に戻す。
そして小悪魔の治療を待って、スーの村へ。
「ああ、日が暮れてしまったわね」
本当にギリギリのところで間に合わず、夜になってしまう。
「まぁ、ここは夜にイベントがある場所でもないから、朝にしてしまいましょう」
「ルーラですね」
小悪魔のルーラで『スー』に跳び、時刻を朝にしてしまう。
そうして南東の民家から素早さの種を回収。
北の民家のツボからは小さなメダルが手に入るが……
「オーブのあるところ 山彦の笛 吹く。そうすると 山彦 かえってくる」
少女が助詞を省いた独特の口調で話しかけてくる。
が……
「性別が変わってる……?」
首をひねるパチュリー。
「パチュリー様?」
「いえ、ドラゴンクエスト3のファミコン版にはそもそも女の子、女の子供は登場していなかったの」
「はい?」
「この子も男の子で「オーブのある所で山彦の笛を吹くと山彦が返ってくるんだよ」と、普通に話していたって言うわ」
つまり……
「TS、性転換ですか!? それとも男の娘キャラがドラクエ3に!?」
異様に興奮する小悪魔。
しかし、
「うるさい」
「もがっ!?」
パチュリーに先ほど見つけた素早さの種を口に突っ込まれ、口を塞がれる。
「あっ…… かはっ……」
筋肉強化の副作用である筋肉痛を凝縮したような痛みにビクンビクンと跳ね回る小悪魔。
「ぐひぃぃぃぃっ!!」
悲鳴を上げる下僕を冷めた目で見下ろしながら、パチュリーは考察する。
「スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版ではスーの村の住人は、ネイティブアメリカン風の衣装を着た独自グラフィックに差し替えられ、特徴的な助詞を省いた話し方をするキャラも増やされた。この子もその影響を受けて民族衣装に髪を縛ったキャラクターグラフィックに代わり、話し方も変わった」
そして、
「この世界はスーパーファミコン版を元に作られた携帯電話版から続くスマートフォン版、PlayStation 4・ニンテンドー3DS版の流れをくむもの。容量節約のためかスーの村人は一般の人間の色違いにされたのだけれど」
ファミコン版でこの子供が男の子だったという事実を知らず、スーパーファミコン版のグラフィックとセリフだけを見てスタッフはこの子を女の子と誤解し、グラフィックをそれにしてしまった、ということらしい。
「やはり男の娘……」
「もう復活した!?」
いつの間にか蘇って深くうなずいている小悪魔に呆れるパチュリー。
しかし、
「まぁ、でもドラクエ3では珍しくないことなのかしら?」
「はい?」
「ドラクエ3のファミコン版ではカセットの容量不足のせいか、商人の町づくりイベントで預けた女商人が男に性転換してしまうっていう現象があったの」
こちらの方が有名だろう。
「まぁ、TS、性転換ではなく女商人は女装した男の子だった、という説もあるのだけれど」
キャラが性転換しました、というよりは、
「つまり女商人の正体は女装していた男! 最初から男性だったんだよ!!」
「な、なんだってー!?」
といった方がまだ説明がつく、ということらしい。
「つまりパチュリー様は今まで隠していたけど男の娘だった……?」
「ファミコン版の話だって言ってるでしょう!?」
「これはぜひとも確かめないと!」
「何を!?」
どったんばったん大騒ぎするパチュリーと小悪魔。
そうして、
「私はしゃべる馬のエド」
口をきく馬と出合うが、
「リメイク以降では彼だけ白馬になっているのよね」
「しゃべる白馬…… ああ、ドラクエ5からの逆輸入ですね」
と小悪魔。
ドラゴンクエストシリーズでは、リメイクの際に後発作品の要素を取り入れるというのは珍しいことではないが、
「んん?」
思い当たる節が無く首をかしげるパチュリーに、小悪魔は言う。
「メインヒロインであり主人公の妻である王妃を誘拐! 文字どおり馬並みな彼が、久美沙織先生が書いた小説版では好意を寄せているとされた彼女をさらって、何もしないはずもなく……」
「はぁ!?」
ジャミのことかーっ!!!!!
という話。
ドラクエ5で主人公の父パパスの殺害にも関与した憎むべき敵キャラ。
多くのプレーヤーに、
「ジャミ!! きさまには地獄すらなまぬるい!!」
と言わしめたモンスターである。
確かに白い馬型モンスターでしゃべることもできるが……
「『ジャミ×主人公の嫁』のカップリングを指す『馬嫁』って言葉が生まれたぐらいの人気キャラですよ」
「どこの世界の話よ!」
もちろん薄い本(スリムブック)……
しんりゅうを規定ターン以内に倒すともらえるエッチな本界隈の話である。
「だいたいジャミは馬型モンスターとはいえ、ウロコの生えた……」
「パチュリー様、このスーの村近辺では陸地でも半魚人、マーマンダインが出るんですよ」
しゃべる馬のエド×マーマンダイン!?
「ドラクエ3で竜の女王が産んだ卵が初代ドラクエの竜王になったとも言われますし、そういうことも……」
「いや、ロトシリーズ三部作と天空シリーズ三部作では世界が違うでしょう!?」
「でも、共通するモンスターが出たりしますし、どこかでつながっているのでは?」
ということ。
「ドラクエ8でもメインヒロインはエンディングまでずっと馬のままの馬姫様(ミーティア姫)ですし、特殊性癖のバーゲンセールですよね、ドラクエシリーズって」
「無茶苦茶言わないで頂戴!!」
絶叫するパチュリーだった……
気を取り直して井戸を調べてみると、
「中に人が住んでます!?」
どうやら、この村にあった渇きの壺を持ち出したエジンベアの兵士の内一人が取り残され、ここに隠れ住んでいたらしい。
「なるほど、エジンベアのモデルになった英国は『文明国を自称し他国の工芸品を保護の名目で強奪している泥棒の国』と皮肉られていたわね」
まぁ、文化財があっても保存技術や修復技術が無い、あるいは保護するという意識が無くてダメにしてしまう国。
紛争等で、酷い時には意図的に破壊される文化財もあったりするので、一概にその建前を非難するわけにもいかないのだが。
また、
「そもそも……」
「「お前それドラクエプレーヤーの前でも同じこと言えんの?」ですね」
小悪魔の言うとおり、城の宝物庫を漁り、家探ししてツボやタンスからアイテムを持ち出すことを是とするゲームで英国を泥棒と当てこすっても…… という話。
「いえ、この場合、ウィットを効かせたジョークなのかしら?」
「……ああ、なるほど。逆にドラクエの勇者たちを犯罪者呼ばわりする人々に「お前それ大英博物館でも同じこと言えんの?」と言っているのかも知れませんね」
そういう見方もある。
なお、スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版ではここのタンスからすごろく券を得られたが、この世界は携帯電話版から続くスマートフォン版、PlayStation 4・ニンテンドー3DS版の流れをくむもの。
すごろく場が無くなっているためタンスも空だった。
やはりドラクエの勇者は犯罪者。
井戸から上がって更に周囲を探ると小さなメダル、そして雷の杖が手に入った。
雷の杖は雷を落とすことによりグループ攻撃呪文ベギラマ相当の攻撃ができる魔法の杖だ。
「これはあなたに」
パチュリーは諸刃の剣に呪われているせいで、集団攻撃手段を取れなかった小悪魔に渡す。
次いで武具屋を訪ねてみるが、
「武器店の品ぞろえはこの村の特色が出ていて面白いわね。私たちには…… いえ、多くのプレイヤーには役に立たないでしょうけど」
このスーの村で売られているのは、棍棒、毒針、バトルアックス、革の腰巻、派手な服、魔法の盾。
これら独特の品揃えは自然と共に生きる者の文化が感じられるようになっており、ある意味新鮮にも感じられる。
また、毒針はここでしか買えないものだ。
カザーブで泥棒したくない、とか使い手である魔術師や盗賊が二人以上居てメタル狩りで使わせたい場合などには有効だろう。
後は道具屋だが、
「エジンベアへの潜入に使った消え去り草が売ってますね」
「そうね、あなほりで得た私たちには不要だったけど、こことランシールで売られているわ。だから船を得たらまずこのスーの村を目指して海の雑魚モンスターを蹴散らすための雷の杖を拾い、消え去り草を買ってエジンベア、浅瀬のほこらで最後の鍵を入手、というのが手慣れた人の攻略チャートかしら」
ということ。
また、
「メタル狩りに使う毒蛾の粉が買えるのも便利よ。ムオルでも買えるけど、あそこはルーラでは行けないし」
その代わりムオルは船取得前に歩いて行くことができるので、ガルナの塔に行く前に買ってメタル狩り、というのもできるのだが。
「私たちだと先に行ったサマンオサでも毒蛾の粉は買えるから、そんなに恩恵は無いのだけれど」
公式ガイドブックの推奨するサマンオサの到達レベルは25だから、普通はスーの村に来るのが先である。
「『モヒカンのケ』なんてものもありますね」
「そうね、一説によればネイティブアメリカンの部族では、弓を射る場合に邪魔になる側頭部の髪の毛を刈っていた。それ故に英国ではモヒカン族にちなんでモヒカン刈りと呼ばれるようになったというわ」
と、ここで気付くパチュリー。
「ああ、だから武器のお店に派手な服が置いてあるのね」
「パチュリー様?」
「派手な服は『公式ガイドブック』では「Punk Fashion」と英訳されていたわ。そしてパンクスの髪型と言えば、モヒカン」
「ああ……」
「土地柄を感じさせる武器店の品ぞろえの中で、これだけが場違いだと思っていたのだけれど、そういうつながりで置かれたものだったのね」
ということだった。
そして『モヒカンのケ』という装飾品だが、
「守備力の上昇は+3と微々たるものだけれど、性格を『おちょうしもの』に変えてくれるわ」
性格、『おちょうしもの』は意外なことに能力補正は悪くない。
素早さと賢さがかなり高く、運の良さもプラス。
『きれもの』と比べると体力がそれほど低くならないのも好材料。
『きれもの』はあまりに体力へのマイナス成長補正がきつすぎるのだが、『おちょうしもの』はほとんどマイナス補正が無い、悪くない性格になっている。
ただし、セクシーギャルの下位互換だからパチュリーたちには不要なのだが。
「まぁ、何より使えるのは頭の防具、銀の髪飾りかしら。守備力+20でお値段は760ゴールドとコストパフォーマンスに優れ、女性なら全職業で利用が可能。女武闘家の最強の頭部防具でもあるわ」
女尊男卑を象徴するかのような防具である。
小悪魔は、
「今まで使ってきた鉄兜の売却価格は750ゴールド。差額10ゴールドを払うだけで手に入りますが……」
次はムオルに行ってオルテガの兜を手に入れる予定である。
「でも、船で向かうにしろ結構距離があります。戦闘も複数回起こるはず」
そう悩むが、
「うぐぐ…… 我慢。ここは我慢です」
と断腸の思いで手に取って見ていた銀の髪飾りを戻す。
一方、パチュリーはというと、
「ガルナの塔でも一つ拾えるから買うまでも無いんだけれど」
と言いつつも、
「でもお金に困っているわけでも無いからここで買ってしまうわね」
ガルナの塔で見つけたものは売ってしまえばいいのだ。
安いのだから、購入価格と売却価格の差もたった190ゴールドである。
と、小悪魔の目の前でさっさと購入してしまう。
「………」
それを死んだ目で見ている、見ていることしかできない小悪魔。
「お金が無いって、辛いです……」
というわけで、モンスターから剥ぎ取った素材や不要になったアイテムを売って清算する。
前回精算時の所持金は、
小悪魔:3271G
パチュリー:63994G
「それでここまでに得た収入が1681ゴールドで、一人当たり840ゴールドの配当だけど」
小悪魔:4111G
パチュリー:64834G
「ここからあなたは雷の杖の売却価格1875ゴールドと、さっき拾って使った素早さの種の売却価格60ゴールドの半額、合計967ゴールドを私に払う必要があるわ」
「ひいっ!」
小悪魔:3144G
パチュリー:65801G
「それで、私は毛皮のフードを187ゴールドで下取りに出して、銀の髪飾りを760ゴールドで買うとして」
小悪魔:3144G
パチュリー:65228G
ということになる。
「これで私もようやく守備力が100を超えたわ」
と銀の髪飾りを身に着け微笑むパチュリーだった。
いきなり完堕ちしかかる小悪魔でしたが、パチュリー様は彼女を縛って転がし反省を促しただけ。
だからこのお話は健全。
ピュアな読者の方々にはきっと分かってもらえるはず。
そしてようやくスーの村で雷の杖を拾うことに。
作中でも挙げていますが、本来なら船を入手したら真っ先に来るべき場所なんですけどね。
次回はジパング経由でムオルを目指します。
「覆面パンツの筋肉男だった勇者の父、オルテガと間違えられる女勇者……」
その秘密に迫る予定です。
ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
今後の展開の参考にさせていただきますので。