こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3)   作:勇樹のぞみ

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ジパング、ムオルへ 勇者が覆面パンツの父と間違われる訳

 小悪魔のルーラでレーベの村へ跳び、船で北上すれば、そこは島国ジパングである。

 

「一回も戦闘せずにたどり着けましたね」

「そうね、いくら海は遭遇率が低いといっても、これは…… やっぱりエンカウント率が下げられているのかしらね」

 

 正確に言うとエンカウントするまでの歩数が伸びているということか。

 

「ここがヒミコが支配するっていうジパングの国ですか」

「様子が変ね」

 

 とりあえず街の中を探索してみる。

 どうやら支配者であるヒミコが、ヤマタノオロチへの生け贄として、若い娘たちを捧げているらしい。

 

「酷いですねー」

 

 ヒミコに対する噂を聞きつつ、民家から木の帽子、布の服、不思議な木の実、毒蛾の粉を回収。

 なお、民家の床にはクッションがあって調べてみると、

 

 なにやらふわふわしている。

 おざぶとんというものらしい。

 

 ということ。

 

 次はヒミコの屋敷に向かう。

 ヒミコに会う前に屋敷の探索。

 不思議な木の実、力の種、小さなメダル、鱗の盾、稽古着を見つけることができた。

 そしてヒミコに対面。

 

「わらわは外人を好まぬ。早々に立ち去るのじゃ。よいな! くれぐれも要らぬ事をせぬが身のためじゃぞ」

 

 即座に追い返されるパチュリーたち。

 

「わざわざ念を押すっていうことは、されたくないこと、疚しいことがあるということよね」

 

 ヒミコの屋敷を出ると、その裏手には男性が居て呟きを漏らしているのが聞こえた。

 

「やよいは逃げてくれただろうか…… 祭壇に縛りつける縄をゆるめておいたのだが……」

 

 まだ調べていなかった地下倉庫へ。

 たくさん並んでいるツボからは、小さなメダル、力の種、そして……

 

「人の頭!?」

「お願いでございます! どうかお見逃しを! せめてもう一時、生まれ育った故郷に別れを告げさせて下さいませ」

「パチュリー様、ツボから人が!」

「生け贄に選ばれた女性のようね」

 

 先ほどの男性の手引もあって、上手いこと逃げ出していたらしい。

 もちろん他の人に告げることなく、その場を去る。

 

「私たちがオロチを倒すことのできる力を身に付けられるまで、どうか見つからないでいて下さいねー」

 

 と小悪魔。

 

 ジパングを出ると、海を渡ってすぐ近く、大陸側にある旅人の宿屋に行ってみる。

 ジパングには宿泊施設が無いので、ここを使えということか。

 また、陸路を使ってムオルに向かう場合も、途中ここで回復ができる。

 

「あとは力の種目当てに熊狩りをする場合には便利かも?」

「はい?」

「ジパングは本州北端と北海道を除けば、豪傑熊と大王ガマしか出ないようになっているの」

「大王ガマって、確かピラミッドで出現するんですよね? 今さらこんなところで?」

「そう、大王ガマのモンスターレベルはたった11。ドラクエ3では先頭のキャラよりも10以上レベルの低い敵からは確実に逃げることができるから」

「種を稼ぎたい場合、それ以上のレベルの場合が大半でしょうね」

「ええ、だからここでは力の種を最高の1/64の確率で落とす豪傑熊とだけ連続で戦うことができるの」

「しかもジパングは山ばかりでモンスターと遭遇しやすいですしね」

「力の種は他にも豪傑熊の上位種、グリズリーやヤギのモンスターの中位種ゴートドンが同率で落とすわ。ゴートドンは豪傑熊より弱いけれど同じ地域に出る敵が厄介。だから豪傑熊を倒せるだけの強さがあったら、ひたすらジパングで熊狩りを続けた方が早いのよ」

 

 この旅人の宿屋にはジパングの住人の一人がヤマタノオロチの脅威から避難しているほか、ひのきの棒と小さなメダルが手に入る。

 また、最後の鍵を使って鉄格子を開けるとそこには旅の扉があって、跳んだ先ではシスターが、

 

「ここはさまよえる船人たちが立ち寄る小さな教会」

 

 と迎えてくれる。

 

「昔はテドンの村人たちもよく来ていました。でも、今は……」

 

 そう、言葉を濁すシスター。

 ポルトガから南下してテドンを目指した場合に、途中にあるのがこの教会なのだ。

 

「ここであなほりをしても面白そうね」

 

 とパチュリー。

 

「さっき言った力の種を最高の1/64の確率で落とすゴートドンの出現エリアだわ、ここ」

 

 それに、

 

「素早さの種を最高の1/16の確率で落とすデッドペッカーと、1/32で落とすメタルスライムの出現エリアでもあるから、そちらも同時に稼げるし」

 

 魔女や地獄の鎧などといった厄介な敵も居るが、あなほりならば関係ない。

 

「まぁ、今はムオルね」

 

 というわけで旅の扉で旅人の宿屋に戻り、船でさらに北上。

 ムオルの村へとたどり着く。

 

「またモンスターとの遭遇無しでたどり着けましたよ!?」

 

 ということだが。

 しかし、

 

「夜になってしまったわね。ここも夜にイベントがある場所でもないから、朝にしてしまうべきなんでしょうけど……」

「またルーラですか?」

「ムオルってルーラには登録されない村なのよ」

 

 それゆえルーラで朝にする、という技は使えない。

 

「宿に泊まってもいいのだけれど……」

「けれど?」

「あなほりで朝を待つ、というのもいいのかも知れないわね」

 

 そんなわけで5回掘ったら街に出入りしてカウントをリセットしつつあなほりを続け、朝を待つことにする。

 

「素早さの種がどんどん出てくるわね。あと所持金の半額。あ、また出たわ」

「こ、この金額は……」

 

 そうして朝になるまで、実プレイ時間にして13分で、

 

「素早さの種が11個、所持金の半額が二回というのが主なものかしら。ひのきの棒とか売るしかないものは処分して、合わせて86483ゴールドの収入ね」

「ほぼ一分間に1回のペースで拾えているんですが、それは……」

「ここも素早さの種を最高の1/16の確率で落とすデッドペッカーの出現エリアだから」

 

 あなほりで得られるスピードも半端では無いということ。

 

「それから祈りの指輪が一つ」

「はい? 拾えるんですか? 祈りの指輪」

「ファミコン版では1/256の低確率で水鉄砲をドロップしたベビーサタンだけれど、リメイクでは水鉄砲が無くなったから祈りの指輪を1/1024という超低確率で落とすよう変更されたの。それでも30分も掘れば1個か2個は拾えるという話よ。13分で拾えたのはまずまずの成果かしら?」

「1/1024でもそんな簡単に拾えちゃうんですか!?」

「ええ、でもまぁ所持金の半額を掘り出して、そのお金でエルフの里で買った方が早いでしょうし、ゾーマを倒した後なら1/32の確率で落とすデビルウィザードを狙った方がいいでしょうね」

 

 スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版なら、しんりゅうを規定ターン以内で倒し願い事をかなえてもらうことで開かれるジパングのすごろく場のよろず屋の1つで買えたりもするのだし。

 それはそれとして、

 

「村の探索を始めましょうパチュリー様。オルテガの兜が手に入るんですよね?」

 

 そうしてパチュリーを押すようにして歩き出す小悪魔だったが、

 

「いよう! ポカパマズ! ポカパマズじゃないか!」

 

「ポカパマズさんじゃありませんかっ! おかえりなさいポカパマズさんっ!」

 

「あらポカパマズさん、おひさしぶり。ポポタがあなたに会いたがっていたわよ」

 

 という具合に、住人たちから声をかけられる。

 

「誰かと間違われているんでしょうか?」

 

 と首をひねる小悪魔だったが、その疑問は市場の裏手、二階に上がって氷解する。

 この部屋のツボからは小さなメダル、そしてスーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版ではすごろく券が手に入るのだが、

 

「あなたたちはもしやアリアハンのお方では?」

 

 そうたずねる吟遊詩人に、はいと答えると、

 

「やはりそうでしたか。ポカパマズさまも、そこからきたと申しておりました。たしかアリアハンでの名前はオルテガ……」

 

 と教えてくれるのだ。

 

「ここの人、どれだけ節穴アイなんですかぁ!?」

 

 叫ぶ、小悪魔。

 そんな彼女をパチュリーは冷めた目で見つつ、

 

「覆面パンツの筋肉男だった勇者の父、オルテガと間違えられる女勇者……」

 

 そうつぶやく。

 

「ちょっ、パチュリー様!?」

 

 小悪魔は悲鳴を上げるようにして抗議しようとするが、

 

「勇者とオルテガには外見上の共通点があるというわ」

「はい?」

 

 パチュリーはいつもの静謐なまでに怜悧な表情で語りかける。

 

「同じ肌色の全身タイツを着込んでいること」

 

 ドラクエ3で全身タイツというと僧侶が思い浮かぶが、実は勇者も服の下に身に着けているのだ。

 しかし、

 

「え、ええー? いえ、ファミコン版のオルテガって裸に覆面パンツですよね? 勇者のタイツは僧侶のものより色味が薄くて、より肌色に近いものですけど、そこまでは……」

 

 と小悪魔は言いかけてはっとする。

 それを見て取り、冷笑するパチュリー。

 

「青ざめたわね…… 勘のいいあなたは悟ったようね…… 自分の着ているタイツを父親であるオルテガが着ていたらどうなるかを想像して、恐ろしい結論になることに気付いたようね!」

(パチュリー様、()()()()()()()()()()()()()…… それは…… 危なすぎ…… です)

 

 どっと冷や汗をかく小悪魔。

 もう、これ以上何も考えたくなかったが、逃れることはできない。

 彼女はチェスや将棋でいう『詰み(チェック・メイト)』にはまったのだッ!

 

 小悪魔のタイツは勇者母が買って来たもの。

 とすれば、勇者母の夫であるオルテガも、

 

「まさか!『同じタイツ』……『同じタイツのブランド』……」

 

 つまり、

 

「オルテガも息子、または娘である勇者と同じく裸ではなく全身タイツだった。ただ筋肉でパツンパツンに引き延ばされているからタイツの色味が薄く…… いいえ、乳首が見てわかるくらいです、素肌が透けてより肌色に見えるって話ですかッ!?」

 

 ということ。

 故にパチュリーは言う。

 

「そう、そしてそんな変態じみた全身タイツを着込むような人間が他に居るわけがない。だからこのムオルの住民は、あなたをオルテガと間違えてしまった」

 

 そういうことであった。

 

「誇りなさい。あなたは父オルテガと並ぶ勇者として見られているのよ」

「それって『ある意味勇者』ってやつじゃないですかー!!」

 

 常人では恥ずかしくてできないことを平然とやってのける変態。

 そう蔑まれながらも、一方では強ぇ、奴はある意味勇者だな、などといった、『歪みねぇという、賛美の心』が産み出す英雄。

 それが『ある意味勇者』と呼ばれる者である。

 

 まぁ、それはともかく、

 

「なんでまた、偽名なんか……」

 

 という話だったが、

 

「そういえば、さっき広場であなたを「ポカパマズさん」と呼んで迎えてくれた女性だけれど、勇者が死んだ状態でこの街に来た場合は「あの人が村を出て行ってから、もう、ずいぶん経つのね。会いたいなぁ。ポカパマズさん……」とつぶやいたりしているのよ」

「お母さんと私を放っておいて、一体何をしているんですか?」

 

 そう言わざるを得ない小悪魔。

 まぁ、何だかんだあって、その父オルテガが忘れて行ったという『オルテガの兜』を手に入れることができたが、

 

「守備力+30で呪われていない兜では上の世界で最強。装備していると特別な効果がある…… と言われていたけど、実際には効果は無く、ゲームボーイカラー版のみラリホー・マヌーサ・ルカニ系の呪文成功率を半減させるという特殊効果が付いていたわ」

 

 この世界は携帯電話版から続くスマートフォン版、PlayStation 4・ニンテンドー3DS版の流れをくむもの。

 そして携帯電話版はスーパーファミコン版が元になっているためやはりこのオルテガの兜にも特殊効果は付いていない。

 

「ところで、どうしてこの兜が勇者専用なのか、ということだけれど」

「えっ? 勇者の父親のものだからじゃないんですか?」

 

 首をかしげる小悪魔。

 遺品らしき物なら他にも、ノアニールの村でも宿屋に残されていた皮の腰巻きがここの宿屋でも手に入るのだが。

 ……行く先々で、皮の腰巻きを残していく父親。

 気付かない方が幸せだろう。

 

 そうしてパチュリーは首を振る。

 

「他のメンバーから「肌色の乳首透け全身タイツを着込むような変態パンツマスク男の被っていた兜なんて身に付けられるか! 同じ全身タイツを着込んでいる変態、勇者が使えばいいだろう」と拒絶されたからっていう話が……」

「何ですかそれー!」

 

 まあ、そうなるな。

 という話である。

 

 

 

 後は商店街を回ってみるが、

 

「裁きの杖が売っていますね」

「僧侶と賢者が使える武器で、戦闘中に使用すると僧侶の初級集団攻撃魔法バギの効果があるものね」

「うーん、今さらバギですか?」

 

 首をひねる小悪魔に、パチュリーもうなずく。

 

「そうね、さらにリメイクだともっと前にグループ攻撃ができる僧侶向けの武器、モーニングスターが手に入るし評価は微妙なのよね」

 

 だが、

 

「ただ、僧侶って力の伸びがイメージされているよりかなり低いものなの。だから少しでも硬い相手と戦う場合、モーニングスターの+30の攻撃力と、だんだんとダメージが減って行くグループ攻撃では、ろくに攻撃が通らないということも多いわ。そういう場合のダメージソースとしては有効かしら」

 

 リメイクだと性格による成長補正があるため、力を捨てて他に振り、ダメージソースは裁きの杖に頼る、という選択もアリだろう。

 船入手前でも歩いて来て買えるということもあるし。

 

 また、

 

「パチュリー様、これ何です?」

 

 蛇腹に折られた扇状の武器。

 

「鋼のハリセンね。商人、遊び人のみが使える攻撃力+31の単体攻撃武器で、ここでしか売られていないものよ」

「それは…… でもこの性能だと船入手前に歩いてやって来たとしても使えないのでは?」

「そうね、スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版だと第2すごろく場の宝箱から拾えたから意外と使う人は多かったのだけれど」

「えっ? 第2すごろく場ってアッサラームの近くですよね? 攻撃力+38の鉄の斧があれば……」

「あなただって、鉄の斧が買えたのはピラミッドで魔法の鍵を取ってからでしょう?」

「そう言われてみれば……」

「そもそも普通のパーティなら商人、遊び人の武器なんて後回しにされるものだし、すごろく場で拾えるハリセンで間に合わせるというのは普通にありよ」

 

 とパチュリー。

 実際に手に取ってみて、こうつぶやく。

 

「私もあなたへのツッコミが追いつかない場合のために、一つ買っておこうかしら」

「やめてくださいしんでしまいます」

 

 何しろ『鋼の』ハリセンである。

 公式ガイドブックには「敵の顔面をたたいてダメージを与える」などと書かれているものだが、それをやられたら本当に死にかねない。

 しかしパチュリーは薄く笑って、

 

「「"ボケ殺し"とは犯罪行為の一種であり、漫才のボケ役を殺害することである!」とも言うじゃない」

 

 などと言い出す。

 

「違いますよ! 漫才で相方のボケを潰すことであって、そんな血なまぐさい話じゃないですよね!?」

「紅魔ジョークよ。面白くなかったかしら?」

「命の危険しか感じませんよ!?」

 

 そう悲鳴を上げるしかない小悪魔だが、それが紅魔ジョークというものなのだから仕方がない。

 

 

 

「後は道具屋でメタル狩りに使う毒蛾の粉が売っているわ」

 

 船取得前でも歩いて行くことができるので、ガルナの塔に行く前に買ってメタル狩り、というのもできる。

 そういった場合には便利だろう。

 

 あとは、最後の鍵を使って入ることができる市場の中庭では小さなメダルを拾うことができた。

 

 

 

「ここは神に導かれし迷える子羊たちの訪れる場所。わが教会にどんな御用でしょう?」

 

 そして最後に訪れた、この村の教会には女神像が置かれ、珍しいことにシスターが対応してくれる。

 

「の、呪いを…… 優しいシスターさんの手で諸刃の剣の呪いを解いてもらいたいです……」

「はいはい、お金を溜めてゾンビキラーが買えるぐらいになったらの話ね」

 

 と、パチュリー。

 まぁ、その場合でもこのムオルにはルーラで来ることができないため、利用することは無いだろうが。

 

 床には十字架を模した模様が描かれ、その中心からは、命の木の実を拾うことが出来た。

 

「神様は、いつも私たちを見守ってくれています。またおいで下さいね」

「はい」

 

 シスターに見送られ、教会を出るパチュリーたちだった。




>「まさか!『同じタイツ』……『同じタイツのブランド』……」

 多分、勇者母は『しまむら』から買って来てますね。
『東方Project』× ファッションセンター『しまむら』コラボとかやってますし。

 次回はあなほりで11個も掘り出してしまった素早さの種のパチュリー様への投与。
 あと精算で、再び借金奴隷に陥る小悪魔をお届けする予定です。

 ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
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