こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3)   作:勇樹のぞみ

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小さなメダル集めの航海へ

「小さなメダルは現在48枚。あと2枚で忍びの服、そして7枚で炎のブーメランがもらえるわ」

 

 パチュリーは思案する。

 

「ダンジョンに潜らなくても、これまでに行っていない街やほこらを回るだけで手に入るわね」

「そうなんですか?」

 

 そんなわけで、小さなメダル集めの旅に出るパチュリーと小悪魔。

 

「まずは行かずに飛ばして進めていたエルフの隠れ里へ」

 

 パチュリーは小悪魔に命じ、ルーラでエジンベアへと跳ぶ。

 

「ええと、パチュリー様? ノアニールに行くんじゃないんですか?」

「エルフの隠れ里やノアニール西の洞窟に向かう場合、エジンベアから行った方が近いのよ」

 

 ということ。

 さらには、

 

「船で海を行った方が、エンカウント率は下がるのだし」

 

 ということもある。

 そんなわけで海を渡り、魔物との遭遇も無く上陸後に、森の中にぽつんと開けている平地にたどり着く。

 ここがエルフの隠れ里だ。

 

「まぁ、後からまた来るのだし、今は小さなメダルを拾うだけで良いでしょう」

 

 と、地面から小さなメダルを拾って終了。

 

「次はグリンラッドにある変化老人の家へ」

 

 再びルーラでエジンベアへ。

 そこから船で西へと進み、

 

「痺れクラゲよ!」

 

 痺れクラゲ4匹の群れと遭遇。

 

「焼き払え!」

 

 とパチュリーから指示を受けた小悪魔は雷の杖を振りかざした!

 ゲーム上は、

 

 杖から雷がほとばしる!

 

 とメッセージが出るものの、実際にはベギラマ相当の火炎が痺れクラゲを焼き焦がす!

 ……ギラ系の呪文の扱いが電撃系になったり火炎系になったりしたドラクエシリーズ初期の設定のブレの名残だろう。

 だが、

 

「効かない!?」

 

 驚く小悪魔。

 雷の杖は二体の痺れクラゲを一撃で倒していたが、残り二体には効果が無かった。

 

「痺れクラゲは火炎呪文に弱耐性を持っていて、3割の確率で無効化するのよ」

 

 とパチュリー。

 しかし、

 

「それでもこれで!」

 

 豪傑の腕輪を付けてチェーンクロスでしばけば、残り二体も沈黙する。

 そうやってノーダメージで戦闘を終了させると、幸せの靴に履き替えてさらに西へ。

 

「ああ、この靴を拾ったグリンラッド南のほこらが見えて来たわね」

 

 正確にはグリンラッドの南の島にあるほこらに出入りして、モンスターと遭遇するまでの歩数カウントをリセット。

 そこから北にあるグリンラッドへと向かう。

 しかし、

 

「氷河魔人とビッグホーン!?」

 

 グリンラッドに上陸したとたん、モンスターの群れに襲われる。

 

「あと1歩のところでこれですか!?」

 

 と怯える小悪魔を、

 

「まぁ、それぞれ1体ずつならいけるでしょう」

 

 そうなだめるパチュリー。

 

「行きます!」

 

 小悪魔は諸刃の剣でビッグホーンを一刀両断に。

 マッドオックスやゴートドンの系統で最上位のモンスターであり。

 3/8もの高確率で吐いて来る甘い息で眠らされ、そのまま何もできずに永眠というパターンが恐ろしいため真っ先に潰す必要があるのだ。

 

「くっ!」

 

 まぁ、諸刃の剣の自傷ダメージで小悪魔自身も17ポイントのダメージを受けるのだが。

 そしてパチュリーの攻撃。

 ゾンビキラーで74ポイントものダメージを氷河魔人に与えるが、

 

「攻撃力が上がっているとはいえ、氷河魔人はニフラムに完全耐性を持っていて追加ダメージが発生しないからこの程度か……」

「この程度って、勇者である私が王者の剣に次ぐ攻撃力を持つ諸刃の剣を振るって出す以上のダメージを与えていますよね!?」

 

 騒ぐ小悪魔だが、氷河魔人の最大ヒットポイントは120。

 この程度では倒れないのだ。

 そして氷河魔人は冷たい息を吐きだした!

 

「くっ」

 

 小悪魔はブレスのダメージを3/4に減少させるドラゴンシールドをかざすことで耐えるが……

 受けたダメージはパチュリーが12ポイント。

 小悪魔は14ポイントとなっていた。

 

「はい? パチュリー様はブレス耐性のある防具は身に着けていないんですよね?」

 

 それで自分がパチュリーよりダメージを受けていることに納得のいかない小悪魔だが、

 

「冷たい息はパーティ全体に9~20ポイントのダメージを与えるものよ。つまり……」

 

 耐性を持つ装備の無いパチュリーは素で12ポイントダメージ。

 小悪魔はフルに近い19ポイントのダメージを受けるところを3/4に減少(端数切捨て)して14ポイントで済んだということ。

 

「リアルラックが足りない!?」

 

 不幸な小悪魔。

 しかし、

 

「1/8の確率で吐かれる甘い息で眠らされるよりマシでしょう」

 

 ということ。

 ビッグホーンのそれと合わせて、このグリンラッドで氷河魔人のドロップする不思議な帽子を得ようとして全滅する者が多いのはこのためだったりする。

 

「それでも、これでお終いです!」

「あ……」

 

 小悪魔は氷河魔人を切り捨て、

 

「くっ」

 

 諸刃の剣の自傷ダメージで自身も16ポイントのダメージを受ける。

 

(会心の一撃を出したら自傷ダメージで死ぬかもしれないから治療しなさいと言おうとしたのだけれど……)

 

 無事倒せたならいいかと一人納得するパチュリーだった。

 こうやって戦闘を終えると小悪魔のホイミで治療を行い、グリンラッドにある変化老人の家へ。

 

「こうして人に会うのは何年ぶりじゃろう。おお、そうじゃ。いつぞや海賊たちがおかしな骨を置いていって以来じゃな。まあよい。ところでお前さんたち変化の杖を知っておるか?」

「はい」

「なんと真か!? 実はわしはあれが欲しいのじゃ。わっはっはっ」

 

 と言う老人の家のタンスからは、シルクハットと小さなメダルが手に入る。

 

「シルクハットは銀の髪飾りと同等、+20の守備力を誇る頭部の防具ね」

 

 ただし、

 

「商人と遊び人の男性専用だけれど」

 

 と装備できる対象者は非常に少ない。

 

「900ゴールドで売れるから換金向けね」

 

 ここと、スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版ではジパングのすごろく場のタンスのマスからしか入手できない限定品ではあるのだが……

 また、

 

「これで小さなメダル50枚で手に入る忍びの服がもらえるわね」

 

 ということだが、これはもらっても二人には使えない。

 

「このままホビットのほこらに行きましょうか」

 

 ということでさらに船で西へ。

 小島が見えてきたところで、空から二体のモンスターが急襲する。

 

「ヘルコンドル! バシルーラで相手を飛ばしてしまう相手だけれども……」

「魔封じの杖は……」

「マホトーンに強耐性を持っているから70パーセントの確率で無効化されてしまうわ」

 

 そして火炎呪文には弱耐性があり、雷の杖も30パーセントの確率で効かない。

 二フラムには完全耐性を持っているので、ゾンビキラーの追加ダメージも期待できない。

 

「まぁ、バシルーラが効かないことを祈りなさい」

 

 ということで、

 

「薙ぎ払え!」

 

 とパチュリーから指示を受けた小悪魔は雷の杖を振りかざした!

 

「1体にしか効きません!?」

「まあ、そうなるわね」

 

 そしてヘルコンドルはパチュリーを攻撃。

 しかしミス。

 パチュリーはダメージを受けない!

 

「3/8の確率で放たれるバシルーラさえ来なければ恐くないのよね」

 

 そうつぶやきつつもゾンビキラーを振るい、雷の杖でダメージを負っていたヘルコンドルに止めを刺すパチュリー。

 残り一体だが、

 

「あとは確実に行くしか無いわね」

「はい!」

 

 小悪魔は、今度は自傷ダメージ覚悟で諸刃の剣で斬りつけるが、倒しきれない。

 その小悪魔に、ヘルコンドルはバシルーラを唱える!

 しかし、

 

「ゾーマ打倒前だと勇者には絶対にバシルーラは効かないのよね」

 

 とつぶやくパチュリー。

 つまり勇者と商人の二人パーティだと、バシルーラを使われても半分の確率で無駄行動になるということ。

 あとはパチュリーがゾンビキラーで切り捨て、終了だ。

 

「結局、あなたが自傷ダメージを受けただけで終わったわね」

 

 そしてパチュリーは無傷である。

 小悪魔は自分のホイミで治療しヒットポイントを満タンに。

 再び海を西に進むと陸地、半島の先に突き当たる。

 

「あとは真っすぐ南下すればいいわ」

 

 そうして出てきたのが、

 

「マーマン3体にマリンスライムが1体ね」

 

 パチュリーの刃のブーメランが敵全体を薙ぎ払い、小悪魔の雷の杖が生き残ったマーマンに止めを刺す。

 マリンスライムも小悪魔に反撃するが、ミス!

 大地の鎧を身に着け、更に守備力が上がっている小悪魔相手には効かない!

 

「つぼ焼きにしてあげます!」

 

 と言いながら振りかざされる小悪魔の雷の杖からほとばしった炎でじゅわっと焼き上げられる。

 

 そうして、

 

「こんばんはー」

 

 ホビットのほこらに到着。

 そこには二匹のネコと暮すホビットの姿があって、

 

「旅の者か…… そなたらを見ているとわしの若いころを思い出すのう。わしも昔はオルテガという勇者様のお供をして冒険したものじゃ。オルテガさまは火山の火口に落ちて亡くなったそうじゃが、わしにはまだ信じられぬ」

 

 と話してくれる。

 そしてこのホビットの座っている椅子の後ろを調べると、小さなメダルが見つかった。

 また二匹のネコの内一匹に、

 

「にゃ~ん?」

 

 と鳴かれ、

 

「はい」

 

 と答えるパチュリーに、

 

「パチュリー様、いくら着ぐるみでネコの姿をされていると言っても、ネコに話しかけても……」

 

 苦笑しながら言いかける小悪魔だったが、

 

「では、ここから南。4つの岩山の真ん中を調べてください。にゃ~ん」

「ねねね、ネコがしゃべった!?」

 

 といきなり人間の言葉を話してくれるネコに驚く。

 

 なお、「いいえ」と答えると、

 

「にゃ~ん……」

 

 と、何だか意気消沈しているような様子を見せるネコが可哀想だったりする。

 

「それじゃあ、また来るのも面倒だし世界樹の葉を拾いに行きましょうか」

 

 この辺ではメタルスライムが出ることを考え、各自、毒蛾の粉を携えて森の中を南下する。

 ついでにあなほりをすると、

 

「消え去り草が拾えたわ」

 

 ということに。

 

「ええっ、ここで拾えるんですか?」

 

 そう戸惑う小悪魔に、

 

「ここも魔法おばばが出るから、そのドロップ品ね」

 

 と答えるパチュリー。

 

「魔法おばばってベギラマを使って来るんですよね?」

 

 そんなものが出るのかとおののく小悪魔だったが、しかし、

 

「モンスターとの遭遇無しで拾えたわね」

 

 あっけなくゲット。

 

「一々調べなくても、アイテムが隠されている場所に行くとエクスクラメーションマーク、俗に言うビックリマークが出て知らせてくれる親切仕様となっているので楽ですね」

 

 と小悪魔。

 これはスマホ版等で見られる仕様。

 また、スマホ版では画面が縦に長いので、四つの岩山の真ん中というのも上下の岩山が1画面に納まって映って一目瞭然だったりと、様々なハードで出ている分、難易度なども違いが出てくるものだった。

 

「それじゃあ、まずはここまででアリアハンに戻りましょうか」

 

 ということでいったんルーラで帰る。

 

「次は海賊の家ね」

 

 アリアハンから船で出港。

 痺れクラゲの群れを蹴散らしながら進む。

 

 アリアハン大陸を南からまわって東へ。

 いざないの洞窟の手前にあるアリアハン東のほこらに出入りすることでエンカウントまでの歩数カウントをリセットする。

 東の岸に船を止めて西向きに入りに行くのだ。

 

 そこから再び船で西へ。

 またヘルコンドルに出会うが、問題なく倒し……

 

「パチュリー様、最後、どうして豪傑の腕輪から幸せの靴に切り替えたんですか?」

「ええ、レベルが上がるから」

「はい!?」

 

 パチュリーはレベル19に。

 幸せの靴を履くことで性格をタフガイに戻した結果、

 

ちから+4

すばやさ+1

たいりょく+6

かしこさ+2

うんのよさ+1

 

 となった。

 そこから、

 

「力の成長上限値が上がって、狙い通り余裕が出たからストックしていた力の種を使いましょう」

 

 と中断の書を利用し、力をさらに種で+3する。

 

 ……小悪魔をチェーンクロスの鎖で船の帆柱に括り付けてから。

 

「くぅ……っ」

「パチュリー様ーっ!」

「あ、かはぁ…… くふぅ……」

 

 筋肉痛を凝縮したような痛みに表情を歪めながら耐えるパチュリーに、見ているだけしかできない小悪魔は、

 

「止めてください、一人で耐えるなんてことしないでください! 何のために私が居ると思ってるんですかー!!」

 

 と叫びながらもがき、驚異的な根性で何とか抜いた片手を伸ばすが……

 パチュリーは膝をつき、ハァハァと喘ぎながらもこう答える。

 

「主人が苦しむ姿に欲情して、鼻の下を伸ばしながら言うことじゃないわね」

「そ、そんなはず……っ」

 

 と言いつつも顔に手を当ててしまうあたり、小悪魔にも自覚があるらしい。

 

 マヌケは見つかったようだな。

 

 そんなドタバタもありながら、結果として、

 

 

名前:パチェ

職業:しょうにん

性格:ごうけつ/タフガイ

性別:おんな

レベル:19

 

ちから:97

すばやさ:67

たいりょく:102

かしこさ:25

うんのよさ:28/78

最大HP:204

最大MP:50

こうげき力:179/139/136

しゅび力:123/113/103

 

ぶき:ゾンビキラー/チェーンクロス/やいばのブーメラン

よろい:ぬいぐるみ/マジカルスカート

たて:ふうじんのたて/まほうのたて

かぶと:ぎんのかみかざり

そうしょくひん:ごうけつのうでわ/しあわせのくつ

 

 

「れ、レベル19? 私と5つもレベル差があったのに、ますます……」

「何言ってるの、あなたもレベルは上がったでしょう?」

「あ、確かに」

 

 どったんばったん大騒ぎしていたおかげで、それに気づいていなかった小悪魔だった。

 

ちから+3

すばやさ+2

たいりょく+5

かしこさ+1

うんのよさ+4

 

 という結果で、

 

 

名前:こあくま

職業:ゆうしゃ

性格:セクシーギャル/タフガイ

性別:おんな

レベル:14

 

ちから:46

すばやさ:112

たいりょく:39

かしこさ:31

うんのよさ:32

最大HP:78

最大MP:61

こうげき力:161

しゅび力:168/161/158

 

ぶき:もろはのつるぎ

よろい:だいちのよろい/まほうのよろい

たて:ドラゴンシールド/まほうのたて

かぶと:オルテガのかぶと

そうしょくひん:ほしふるうでわ/パワーベルト

 

 さらに小悪魔は迷宮脱出呪文リレミトを覚えていた!

 

 

 そして上陸。

 試しに5回、あなほりをしてみるが、

 

「ラックの種ね」

「あっさりと拾えましたね」

「この辺はラックの種を1/32の高確率で落とすシャーマンの出現地域だから」

 

 パチュリーはラックの種をポリポリ齧りながら答える。

 夕暮れ時、まだ日が落ちる前にたどり着いたそこは、

 

「この先の家は海賊たちの住みか。近づかないほうがいいですよ」

 

 と話す青年が居るとおり、海賊の家である。

 しかし、

 

「もぬけの殻ですね」

 

 海賊たちは出払っているのか、人気は無い。

 倉庫らしき部屋に並んだツボとタル。

 そのタルの一つからは小さなメダルが手に入る。

 

「スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版だと賭博好きの海賊らしく、この部屋のツボからすごろく券が二枚も手に入ったのだけれど」

 

 残念ながら空だった。

 

 そして首領のものらしいドクロの旗が飾られた部屋のタンスからは、ルーズソックスが手に入った。

 

「女性なら誰でも装備でき守備力が+5される。微々たるものだけれど、それでも直接守備力を上げる装飾品の中では呪われている『いしのかつら』を除外すれば最高の値」

「こんなでも革の盾の+4以上の守備力があるんですね」

 

 というものだ。

 まぁ、足元を守ることは重要だし、元々、頑強な木綿製の厚みとボリューム、長さのある登山用の靴下『ブーツソックス』を加工したのが始まりなので、その守備力も説明が付くか。

 

「装備しても性格が変わらないというのもクセが無く、使いやすい装備ではあるのだけれど……」

 

 しかし現代の、というか90年代ファッションのことなど知らないパチュリーには、

 

「変な靴下ね」

 

 と首を傾げるしかないものだ。

 

「この部屋の人って凄く足が大きいのかしら?」

「いえ、それは……」

 

 小悪魔は、かくかくしかじかと、それがどういうものか説明した上で、

 

「多分、守矢の巫女、早苗さんならご存知…… というか自身も穿いていたのかも」

 

 そう付け加える。

『現代っ子の現人神』とも呼ばれる彼女が幻想郷に来たのは比較的最近なので。

 しかし小悪魔の説明が悪かったのか、ファッションに対し関心が薄いせいか、微妙に理解しきれていないパチュリーはルーズソックスをびろーんと伸ばしてみて、

 

「……こんな靴下じゃないと履けないくらい太い脚してるの、彼女?」

 

 とスゴイ・シツレイな誤解をする。

 

「いえ、それは……」

 

 フォローしようとする小悪魔だったが、パチュリーの関心は他のこと、この部屋の主である海賊の首領のことに移っており、

 

「もしかして、これも戦利品? こんなモノを集める海賊というのもイヤ過ぎるんだけど……」

 

 などとつぶやく。

 このルーズソックス、男性が『使う』と、

 

 ○○○○はルーズソックスを握りしめた!

 ちょっぴり恥ずかしさが込み上げてくる。

 

 というような反応が返って来るものだったりする。

 しかも何故か1650ゴールドという高値で売れる。

 店の店主はこんなものをそんな高額で買い取って、一体ナニをするつもりなのか……

 店売りはされていないし、すごろく場で拾えるスーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版とは違い、すごろく場が廃止された携帯電話版から続くスマートフォン版、PlayStation 4・ニンテンドー3DS版ではここでしか手に入らない貴重品となってはいるのだが。

 

 そしてふと顔を上げたパチュリーは、小悪魔をにらみ、

 

「そう言えば、最近私の靴下や下着が無くなっているって、咲夜が教えてくれたのだけれど」

「……うちの図書館には、窃盗常習犯が出入りしてますからね」

 

 黒白、つまり霧雨魔理沙に罪をなすり付ける小悪魔に、呆れるパチュリー。

 でもパチュリーは魔理沙の名誉に興味は無かったので、

 

「そう」

 

 スルーした。

 

 とんでもない、水の羽衣並みの濡れ衣を着せられた魔理沙。

 でもパチュリーはそんなことは早く忘れる。

 

 

 

 地下牢に行くと男が閉じこめられており、夜になったら海賊たちが帰ってくるという。

 この地下牢の床からは小さなメダルが回収できるが。

 

「うーん、もう少しで日も暮れるし、あなほりしながら待ってみる?」

 

 ということで、出入りしながら日が落ちるのを待ってみる。

 実プレイ時間1分の間に、コングが1/64の確率で落とす命の木の実を一つ、拾うことができた。

 

 アジトに帰ってきた海賊たちは、悪いヤツしか狙わない義賊を自称しており、パチュリーたちを歓迎してくれた。

 7つの海を股に掛ける海賊らしく、幽霊船と船乗りの骨など、貴重な情報も色々と聞けた。

 そして海賊のおかしらと対面。

 驚いたことに女性だ。

 

「女のあたいが海賊のお頭なんて、おかしいかい?」

「はい」

(っ、パチュリー様!?)

(だって、普通の大きさの足をしているのに、あんな大きな靴下……)

(いえ、ですからそれは……)

 

 まだルーズソックスについて理解しきれていないパチュリーだった。

 しかし、それが幸いしたのか、

 

「ずいぶんはっきりと言ってくれるじゃないの。でもそこが気に入ったよ。ルザミの島を知ってるかい? ここから南に行って、ちょいと西の方さ」

 

 という情報を教えてくれる。

 そして再会を約しその場を離れた。

 

「それにしても、オーブを見た記憶があるという船員の話が気になるわね」

 

 パチュリーはさらに海賊のアジトの周囲を調べ、横手に大きな岩を発見。

 ずらして下を調べてみると、隠し階段が見つかった。

 

「さすがパチュリー様です」

「ふふ、こんな隠し扉、私には通じないわ」

「凄い力です」

「そっち!?」

 

 確かにこの本の中の世界では、パチュリーは小悪魔の二倍以上の力の能力値を持っているが。

 

 階段を降りた所にある地下室の宝箱から力の種、ヘビメタリング、そしてレッドオーブを見つけた。

 

 パチュリーはヘビメタリングを手に取って見定めた。

 

「ヘビメタリングは装飾品のようね。これを身に付けていれば一匹狼のように生きることができるでしょうね」

 

 という具合に、装備中は性格を『いっぴきおおかみ』に変えてくれる装飾品だ。

 

「『いっぴきおおかみ』は、体力が大きく上昇し、かつ素早さ、賢さも上がるというものよ」

 

 これより体力の成長補正値が高い性格は『タフガイ』と『てつじん』しかなく、これらは素早さ、賢さにマイナス補正が付いている。

 つまり、

 

「僧侶や魔法使い、賢者なんかに向いているってことですね」

 

 と納得する小悪魔だったが、

 

「そう、でも僧侶と魔術師はキャラクター作成時に『いっぴきおおかみ』になることができないの」

 

 性格を『いっぴきおおかみ』に変える本も無く、ヘビメタリングもここか、メルキドのタンスからしか手に入らないというもの。

 

「キャラクター作成時に種を体力につぎ込んでタフガイにして序盤をヒットポイントの高さで乗り越えた後に、ここでヘビメタリングを手に入れて性格を変え改めて素早さ、賢さを伸ばすというのもありね」

 

 もちろん、普通に性格の良くないキャラが居た時に装備させるなど、割と有用なアイテムなのだ。

 

「装備すれば素早さも+10ポイント、アップするしね」

 

 ただ、パチュリーと小悪魔には不要なので、

 

「お店に持って行けば510ゴールドで売れるわね」

 

 という具合に、後で売り払うことにする。

 

 なお、地球のへそから帰って来たときに、

 

「どうだ? ひとりでさびしくはなかったか?」

 

 という神父の問いに、

 

「はい」

 

 と答えると、通常、

 

「そうか。お前は強いのだな」

 

 と言われるのだが『いっぴきおおかみ』の場合は、

 

「なるほど根っからのいっぴきおおかみというわけか。ヤボなことを聞いて済まなかった」

 

 という具合にセリフが変化する。

 例のアリアハンの謁見の間に居る右側の兵士と同じく、性格によってセリフが変わるパターンである。

 

 またダーマ神殿では、この性格のキャラが武闘家や盗賊に転職しようとすると「根っからのいっぴきおおかみじゃのう」と言われ、賢者に転職しようとすると「いっぴきおおかみの○○○○が賢者になりたいとは、ずいぶん成長したものよのう」と言われてしまう。

 

 ささいなことだが、キャラクターの個性に合わせ、相手の対応が変化するというのもプレイヤーにとっては嬉しいことだろう。




 小さなメダル集め前編といった感じですね。
 もちろん「後半へ続く」を次回はお届けしますが。

>「……こんな靴下じゃないと履けないくらい太い脚してるの、彼女?」

> とんでもない、水の羽衣並みの濡れ衣を着せられた魔理沙。

 熱い風評被害が止まりませんね。
 魔理沙は自業自得のところがあるにせよ、何の関係も無い早苗さんは……

 ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
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