こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3)   作:勇樹のぞみ

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目覚めの粉「声を上げたら聞かれてしまいますよ。誰も寝ていないんですからね、この村」

 ノアニール西の洞窟であるが、

 

「焼きキノコにしてあげます!」

 

 と雷の杖を振るい、マタンゴを焼き焦がす小悪魔。

 それだけでキノコのモンスターは香ばしい匂いをさせながら全滅してしまう。

 

「そこまでよ!」

 

 生き残ったモンスターたちを炎のブーメランで薙ぎ払うパチュリー。

 

「公式ガイドブックで推奨されている到達レベルは14。もちろんフルメンバーでという話だけれど……」

「勇者である私がレベル14でちょうどですが、これほど楽なのは雷の杖と星降る腕輪の威力ということでしょうか?」

「そうね。普通にプレイしているならどちらも無く、魔法使いも辛うじてレベル14からベギラマを覚えるけど確実ではなく素早さも低いから先制も困難」

 

 そもそも、

 

「ノアニール西の洞窟の難度を引き上げている最大の要因がマタンゴの群れで、このノアニール西の洞窟では一番怖い敵なのだけれど」

「そうなんですか?」

「マタンゴの行動の選択肢は、攻撃:2/眠り攻撃:2/甘い息:2/逃げる:2よ」

「意外と逃げるんですね。毎ターン1/4が逃げ出すんですか」

「でも判断力が1でバカじゃないから、パーティの先頭に立つメンバーのレベルがマタンゴのモンスターレベル10+6以上でないと『逃げる』という選択肢をキャンセルするの』

「それって……」

「適正レベルでは『逃げる』ことはないから、2/3の確率で睡眠攻撃が来るということよ」

「酷すぎません!? それじゃあ、先制で倒せなかったら一方的に眠らされて何もできずに死亡ってパターンも」

「十分に有り得るわね」

 

 そんなわけでパチュリーは戦闘に合わせて切り替えていた装飾品、豪傑の腕輪を幸せの靴に戻す。

 リメイク以降ではダンジョン内で歩いても経験値を得られない幸せの靴だが、運の良さを+50してくれるという効果は、万が一マタンゴに驚かされて先制で睡眠攻撃を受けた場合の抵抗率を高めてくれるのだ。

 

「まぁ、レベル19の私が先頭に立っているのだから、勝手に逃げてくれるかも知れないのだけれど」

 

 ということではあるが。

 

「宝箱です!」

 

 宝箱を見つけ、288ゴールドを回収。

 パチュリーにしてみれば今さらな金額だったが、

 

「パチュリー様……!!」

 

 地面に両手をついて、

 

「お金が欲しいです……」

 

 と病んだ瞳でつぶやく小悪魔が居るため無視もできない。

 

 また途中、神父と出会い、

 

「この洞窟のどこかに、体力や気力を回復させてくれる聖なる泉があるらしい。しかし、どうしてこんな所に、そんな泉が湧いたのか。私には悲しげな呼び声が聞こえますぞ」

 

 などといった話を聞く。

 

「それじゃあ、まずその回復の泉を目指しましょう」

 

 と言いつつ進む二人。

 無論、モンスターに襲われることになるが、しかし……

 

「これはひどい」

 

 この洞窟で出るモンスターは、バリイドドッグ、マタンゴ、バンパイア。

 あとは地下3、4階になると追加で現れる人食い蛾であるが、

 

「もう全部パチュリー様一人でいいんじゃないですかね」

 

 と小悪魔が言うとおり、基本、パチュリーが炎のブーメランを一閃させただけで終わる。

 だんだんと与えるダメージが減って行くブーメランの仕様上、数が現れるとそうも行かないだろうが、実際にはパチュリーの攻撃より前に、星降る腕輪を付けて素早さを倍にしている小悪魔が雷の杖を使う。

 攻撃呪文に抵抗力をまったく持たないバンパイアはこれだけで全滅するし。

 火炎呪文に弱抵抗を持ち3割の確率で無効化するバリイドドッグ、マタンゴ、人食い蛾も、数を減らされてしまえば、パチュリーの炎のブーメランで狩られてお終い。

 

 唯一の反撃の機会は、パチュリーたちを驚かせた場合。

 このノアニール西の洞窟の難易度を上げる原因にもなっているマタンゴの大群、特にマタンゴ4体とバンパイア2体に驚かされ、マタンゴが高確率で放つ催眠攻撃で眠ってしまい、一方的にバンパイアのヒャドで攻撃されてしまうというパターンだが……

 

 パチュリーはそれに備え、歩行中は装飾品を豪傑の腕輪から幸せの靴に切り替え、運の良さに+50して抵抗率を上げている。

 

 さらにはパチュリーはマジカルスカートと魔法の盾を装備して攻撃呪文のダメージを約56パーセントまで減少。

 小悪魔は魔法の鎧と魔法の盾を装備して攻撃呪文のダメージを50パーセント、半分まで減少させている。

 その分、守備力は落ちるわけだが、

 

「守備力が4ポイント増すごとに、ダメージは1ポイント減るのだけれど、その計算式は(攻撃側の攻撃力-受ける側の守備力/2)/2 × 乱数 = ダメージ値」

 

 つまり、

 

「敵モンスターの打撃は別に攻撃力の0~12%程度の最低ダメージが保障されているので分かりにくいけど、守備力は攻撃力の2倍まで、それ以上はあっても効果が無いということ」

 

 それでもって、この洞窟で現れるモンスターの攻撃力は一番強いバンパイアでも51。

 パチュリーたちは魔法に対する耐性優先で守備力を下げても102ポイントを下回ることが無い。

 

 つまり驚かされ、眠らされて攻撃を受けようとも、バンパイアのヒャドの威力も半減、物理は最低ダメージしか与えられないということ。

 ここのモンスターはパチュリーたちに出会ったが最後、「あきらめたら?」「そこで試合終了ですよ」状態なのであった……

 

 そんな具合にモンスターたちを蹴散らしながら進み、地下1階では宝箱から聖水を回収して、下に降りる階段へ到着。

 階段を降りたり昇ったりしながら奥へ。

 地下三階では小さなメダルを手に入れ、そして回復の泉へとたどり着く。

 

「これは便利ですね」

「経験値稼ぎをするにはちょうどいいかも知れないわね。まぁ、私たちには不要でしょうけど」

 

 泉でヒットポイントとマジックパワーを回復させ、更に奥へ。

 このフロアの宝箱からは、力の種と鉄の槍が回収できる。

 途中、キノコやら、吸血鬼やら、腐った犬やらが襲って来るが、パチュリーの炎のブーメランと小悪魔の雷の杖により次々に倒されて行った。

 

「しかもノーダメージ。全部先制して倒せていますね」

 

 呆れる小悪魔。

 そして小悪魔がレベルアップした。

 

ちから+4

すばやさ+3

たいりょく+5

かしこさ+1

うんのよさ+5

 

 という結果に。

 ステータスは、

 

 

名前:こあくま

職業:ゆうしゃ

性格:セクシーギャル/タフガイ

性別:おんな

レベル:15

 

ちから:50

すばやさ:118

たいりょく:44

かしこさ:32

うんのよさ:37

最大HP:86

最大MP:64

こうげき力:165

しゅび力:171/164/161

 

ぶき:もろはのつるぎ

よろい:だいちのよろい/まほうのよろい

たて:ドラゴンシールド/まほうのたて

かぶと:オルテガのかぶと

そうしょくひん:ほしふるうでわ/パワーベルト

 

 

 という具合になった。

 

「こんな楽な敵相手でもレベルが上がるんですね?」

「それは、あなたは適正レベルだったし、2人パーティなら入る経験値も通常の2倍だし」

 

 そうやってモンスターを倒しながら宝箱からアイテムを回収していく。

 次のフロアでは銀のロザリオ、革のドレス、キメラの翼、ゴールドが手に入る。

 

「銀のロザリオは守備力を4上昇させ、性格を『ロマンチスト』に変えてくれるわ。この性格は賢さと素早さが伸びやすく、力と体力にわずかにマイナス補正があるというものよ」

「魔法使いや僧侶、賢者に向いてますね」

「ところが『ロマンチスト』は『セクシーギャル』と『おちょうしもの』の完全下位互換で、しかもこの二つの性格にはそれぞれ知ってのとおり、ガーターベルトとモヒカンの毛という性格を変えてくれる装飾品が用意されているわ。それらは守備力アップが+3で、1ポイントだけ低いのだけれど……」

「性格の良さの方が優先ですよね」

 

 ということだし、そもそもパチュリーたちの場合は豪傑の腕輪と星降る腕輪を身に着けるのでそれ以外の装飾品はわずかな例外を除き売るしかない。

 

 途中、点在する階段を使ってモンスターと遭遇するまでの歩数カウントをリセットすれば、出合うモンスターも最低限に抑えながら進むことができるが、

 

「そうする必要、あるんですか?」

 

 圧倒的な強さで敵を蹴散らしているこの状況で?

 という話だが、

 

「まぁ、フロア切り替えのついでに毎回5回だけあなほりをするし」

 

 そうして賢さの種をゲットする。

 これはバリイドドッグが1/128の確率でドロップするアイテムである。

 バリイドドッグは腐っているはずなのに、判断力が最高の2と頭が良い。

 そのつながりからくるドロップアイテムなのかも知れなかった。

 

「別に何度もフロアを切り替えて繰り返し掘ったわけでもなく、普通にダンジョンを探索するついでに掘っただけでこれですか? やっぱりあなほりって壊れ性能な特技ですよね」

 

 そう、小悪魔の言うとおり。

 パチュリーはうなずいて、

 

「あなほりってまず1/2の確率で外れかどうかを判断して、当たりなら1/2の確率でお金かアイテムを拾う判定をする。つまり1/4の確率でその場に出るモンスターのリストを上から順に、倒した場合のドロップ率を使って判定する訳だけれど」

 

 と説明。

 

「このとき参照するリストは『混成モンスター用(×5枠)』『1体のみ+混成5種をお供にするモンスター用』『単一種出現モンスター用(×4枠)』『夜のみモンスター用』『1体のみ出現用』『固定パーティ用(×2枠)』というもので、大抵のモンスターは単一種でも出現するし混成でも出現するから判定が2回ある。出現パターンのバリエーションが豊富なモンスターなら3回判定する場合もあるってことなのよね」

「それって……」

「結構、拾える確率は上がるわね」

 

 ということ。

 

 なお、このリスト内の『固定パーティ用(×2枠)』の数値はモンスターIDではなく、16進数で00~13(10進数で0~19)までの固定パーティID(例えば『大魔神1+マドハンド5』などといった固定された特殊な出現パターン)なのだが、あなほりではモンスターIDとして処理してしまうため、モンスターIDが1のスライムから19のギズモまでのドロップアイテムが混ざってしまう場合がある。

 逆に言えば、固定パーティでしか出現しないモンスターのドロップアイテムは、あなほりでは拾えないということに……

 

「次のレベルアップに備えて食べておきなさい」

 

 小悪魔に賢さの種を渡すパチュリー。

 もちろん、

 

「売却価格120ゴールドは、あなたの借金に加えておくから」

 

 と付け加えることは忘れない。

 

「うぐぅ……」

 

 そして地下四階に降り立ち、とうとう夢見るルビーを発見。

 そこには一緒に書き置きが残されていた。

 

『お母様、先立つ不幸をお許し下さい。私達はエルフと人間。この世で許されぬ愛なら、せめて天国で一緒になります…… アン』

 

「これが愛なんですね」

「でも、何でわざわざ夢見るルビーなんかを持ち出して、こんなエルフの隠れ里に近い発見されやすい所で? ……ああ、もしかして『ロミオとジュリエット』?」

「パチュリー様?」

「シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』では、家同士の争いに引き裂かれた恋人と一緒になるため、ジュリエットは最後に仮死状態になる毒を使って逃れようとしているわ。そして夢見るルビーは同じように覗き込むとマヒしてしまう危険なアイテムよ」

「あ、まさか……」

「親の反対から逃れるために一時的に仮死状態になってやり過ごそうとしたのかもね。そうでないと夢見るルビーを持ち出した理由が見当たらないわ。ここに遺体がないということは、きっとどこか遠くで平和に暮らしているのでしょうね」

「そうなんですか……」

「まぁ、推測に過ぎないけれどね」

 

 そして、小悪魔の迷宮脱出呪文リレミトで地上へ帰還。

 

 

 

 夢見るルビーを携えてエルフの隠れ里に戻ると、エルフの女王から目覚めの粉を渡される。

 ルーラでノアニールに跳んで目覚めの粉を手のひらに載せると、粉はひとりでに宙を舞い、村を眠りの世界から現実へと塗り替えていった……

 

「ザメハ~」

「違うでしょう?」

 

 小悪魔のボケにツッコむパチュリーだったが、ふと考え込み、

 

「人々を眠りから覚醒させる粉薬。つまりこれは覚せいざ……」

 

 逆にボケ返して、

 

「ダメ。ゼッタイ」

 

 とツッコまれるのだった。

 

 眠りを免れていた村はずれの家では、

 

「おお、聞こえる… 聞こえるぞい! ひとびとのざわめきが…… どこのどなたかは知らぬが、なんとお礼をいってよいやら! やれうれしや!」

 

 と老人が喜んでいる。

 玄関先からこのご老人が動いたので、家の中へと入ることができるが、一階のツボからは素早さの種が。

 二階の本棚からは『悲しい物語』が手に入った。

 

 パチュリーは悲しい物語を手に取って見定めた。

 

「この本で泣けない人は人間じゃありません。さあハンカチのご用意を…… か」

 

 ポルトガでも一冊手に入ったが、読んだ者の性格を『なきむし』にするもの。

 あまり良い性格であるとは言えないし、そもそもセクシーギャルの完全下位互換なので、使う意味が無い。

 

「お店に持って行けば37ゴールドで売れるわね」

 

 と売ることにする。

 また、同じく二階にあった宝箱からはブーメランが手に入る。

 

「今さら……」

 

 スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版だと第一すごろく場のマスで得られたもの。

 すごろく場の無くなった携帯電話版から続くスマートフォン版、PlayStation 4、ニンテンドー3DS版ではこのように、ノアニール解放後にしか入手できなくなっており、プレイの進め方次第ではパチュリーたちのように刃のブーメランの方が先に手に入ってしまうものだ。

 

 一方、この村の宿屋では、

 

「何とそなたは、あのアリアハンの勇者オルテガの娘さんか?」

「はい?」

「オルテガは昨日まで隣の部屋に泊まっていたはず。確か魔法の鍵を求めて、アッサラームに向かうと言っておったが」

 

 といった具合に以前、革の腰巻きを見つけた宿屋の部屋には、この村が眠りに包まれる、その前日までオルテガが泊まっていたらしいことが分かる。

 さらに、

 

「ああ、オルテガさま、行ってしまわれたのですね。しくしく……」

「はい?」

「オルテガ様は森で魔物に襲われていた私を、この村まで連れてきて下さったのです。あのたくましい腕…… でもオルテガ様は昨日、お一人で旅立ってしまいました」

 

 という話を聞けるが、

 

「……お父さんも、なかなかやりますね」

「って、感心するのはそこ? あと一日遅かったら死なずに済んだかも、とか思わないわけ?」

 

 突っ込むパチュリー。

 

 村人が起きると、村の道具屋も機能するようになる。

 ここでは鋼の剣、魔導士の杖、身躱しの服、聖水、キメラの翼、満月草、まだら蜘蛛糸を買うことができる。

 

「魔導士の杖はこことアッサラームのボッタクリのお店でしか、身躱しの服は船入手前はここか、ムオルまで歩いて行かないと手に入らないものだから」

 

 割と希少な品である。

 まぁ、身躱しの服はハンターフライが1/128の確率で落とすため、パチュリーのような商人なら最短でアッサラーム到達時に南下、バハラタ北部の敵出現エリアがはみ出した場所で少しあなほりで粘れば得られるものだ。

 

「身躱しの服は物理攻撃回避率が1/8に上昇する効果があるから、守備力以上に役立つわ」

 

 例えば今、パチュリーが着ているぬいぐるみは守備力+35で、身躱しの服+23との差は12ポイント。

 守備力は4ポイント毎にダメージを1ポイント減らすことができるので、被ダメも3ポイント差に。

 ゆえに確率的には8×3=24を上回るダメージを与えてくる敵に対しては、身躱しの服の方が有利ということになる。

 まぁ、リアルラック次第で変わって来るため、安定性を求めるなら使わない方がいいかも知れないが。

 

 そして……

 

「もうちっとも眠くないやいっ」

 

 と男の子が言っているとおり、何年も眠り続けた弊害か、夜になっても誰も寝ない村になってしまう。

 道具屋も夜でも開いているのだった……

 

 その夜の宿屋の一室、ベッドの上では、

 

「ほうら、パチュリー様、声を上げたら聞かれてしまいますよ。誰も寝ていないんですからね、この村」

「っ!? ~~!!」

 

 この村で見つけた素早さの種を投与されたパチュリーが、小悪魔に押し倒されていた。

 速筋を短期間に鍛えるために与えられる筋肉痛を凝縮したかのような痛みと、小悪魔の繊手が与えるマッサージによる心地良さ。

 苦痛と快楽の二重奏が、声も出せずに行き場を失ったパチュリーの体内で荒れ狂う!!

 

「あ、かはっ、かっ……」

 

 口を開くが、眠らぬ村と化したここでは小悪魔が言うとおり嬌声を上げたら起きている人間すべてに聞かれてしまう。

 ゆえに声にならない息を吐くだけ。

 

(ふふふ、いい反応です。とても良いお顔をしていますよ、パチュリー様)

 

 小悪魔はその様子を満足げに見下ろすと、

 

「我慢、しなくてもいいようにお口を塞いであげますね」

 

 とパチュリーの口を、自分の唇で塞ぐ。

 そして、

 

(さぁ、お鳴きなさい!!)

 

 パチュリーの柔らかな身体のツボに、グリリと指先をねじ込んで見せる!

 

「~~っ!! っ!!! っ!!!!」

 

 パチュリーの絶叫、震え。

 それを己が口で受け止め、満喫する小悪魔。

 

(なんて…… 甘美……)

 

 捕食者の光を宿す瞳を愉悦に細め、小悪魔は歓喜に打ち震えるのだった……

 

 

 

 息も絶え絶えにベッドに横たわるパチュリー。

 小悪魔はその頭を愛おしそうに胸元に抱きかかえ、ピロートーク、睦言のごとく耳元に、

 

「でも、おかしい点がいくつかありますよね。まず今回のような手で偽装心中するんだったら、わざわざ夢見るルビーを持ち出さなくても良かったのでは? 偽装心中しようとしていたことがばれかねませんし」

 

 とささやきかける。

 

「それは……」

 

 未だぼうっとしているパチュリーに、小悪魔は、

 

「それと何で遺書がアンさんの分しか無かったんでしょうか? 二人で心中したなら男性の分も無いとおかしいですよね。ここから考えられるのは……」

 

 

 

 アンに洞窟へと呼び出される男。

 夢見るルビーを見せられた彼は直後、マヒしてしまう。

 それを確認して微笑むアン。

 愛おしげに男を見つめるその瞳はどこか壊れていて。

 

「……っ」

 

 マヒしたまま、何故、と問いたげな男に微笑んで答える。

 

「私、――君の恋人ですから」

 

 男の身体を引きずりながら地底の湖に入って行くアン。

 

「この世で許されぬ愛なら、せめて天国で一緒になりましょう?」

 

 湖に身を沈め、男を抱きしめる。

 

 ……やっと、二人きりですね。――君……

 

 

 

「これが真実……」

「止めなさい! 怖すぎるでしょう!」

 

 そんな病み切った結末は、さすがのパチュリーも嫌なようだった。

 怖気を振るい、まるで怖いことから目を背ける子供のように小悪魔の胸に顔を埋めて視界を塞ぐと、頭をぐりぐり押し付け、これ以上は聞かないわよ、とアピールする。

 敬愛する主の、常には無い幼い仕草。

 そしてボディタッチを主の方から受けるという役得に、小悪魔は歓喜するとともに、

 

(誤魔化せたっ!)

 

 百合乱暴めいたマッサージをやってしまったことをうやむやにできたと、非常に悪い顔で「計画通り」とばかりにほくそ笑むのだった……




 Nice boat.

 しかし後回しにし過ぎて、何とも楽勝な攻略になってしまいましたね。
 あなほりも実は高性能すぎますし。

 次回はやはり後回しにしていたピラミッドでアイテム回収。
 そして念願の正義のそろばんをゲットの予定です。

 ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
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