こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3)   作:勇樹のぞみ

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エルフの隠れ里で買物する金が無い そうだ黄金の爪を盗ってきて売ろう!

「エルフの隠れ里でお買い物をするためにも、一度精算をしておかないとね」

 

 最近、装備を購入する機会が無いせいか、ずいぶんと溜まっている状態にある。

 前回精算時の所持金は、

 

小悪魔:556G

パチュリー:173417G

 

「ここから、それぞれの収入を足すと」

 

小悪魔:5506G

パチュリー:289971G

 

「5000ゴールド! ……ですけど収入にずいぶんな差が?」

「それは私の方は、あなほりで得た個人収入があるから。所持金の半額を掘り当てたり、一振り3750ゴールドの諸刃の剣を5本掘り出したりとか」

「そ、そうでしたね」

「それで、あなたは草薙の剣と賢さの種を得ているから、その売値の半額を私に払う必要がある。それと私があなほりで得た賢さの種と不幸の兜、これは全額を払ってもらう」

 

 草薙の剣の売却価格は750ゴールド、不幸の兜に至っては13ゴールドであるため、大したことにはならないのだが。

 あとは、

 

「あなほりで得た命の木の実3つ、世界樹の葉2枚、キメラの翼4つ、毒蛾の粉22個、これらは共用の消耗品扱いだから半額を負担してもらうわね」

 

 ということで、

 

小悪魔:2122G

パチュリー:293355G

 

「私は穴掘り以外で素早さの種、スタミナの種、力の種をそれぞれ一つずつもらったから、その半額をあなたに払う」

 

小悪魔:2287G

パチュリー:293190G

 

「よ、良かったです。これで不幸の兜の呪いが解けます」

 

 残ったお金で不幸の兜の呪いを教会で解く小悪魔。

 現在のレベル21×30ゴールド=630ゴールドをお布施として渡し、

 

「おお神よ、お力を! 忌まわしき呪いを、こあくまより消し去りたまえっ!」

 

 小悪魔が装備していた不幸の兜が消滅する。

 最終的に、

 

小悪魔:1657G

パチュリー:293190G

 

 となった。

 ただ、

 

「エルフの隠れ里で買い物しようにも、それじゃあ何も買えないのだけれど」

 

 ということに。

 

「うぐっ!」

 

 しかし、

 

「そういえば、まだ取っていない高額アイテムがあったわね」

 

 そんなわけで小悪魔のルーラでイシスへ。

 地獄のハサミや人食い蛾を蹴散らしながら砂漠を北上し、ピラミッドへやってきたのだ。

 中に入って通路を真っすぐ進むと、

 

「ひああぁぁぁっ!?」

 

 小悪魔の悲鳴と共に隠されていた落とし穴に落ちる。

 そこは白骨が散乱する地下で、

 

「あなほりもできないわね」

 

 呪文がかき消されるエリアなので、システム的には呪文扱いのあなほりもまたできなくなっていた。

 

「こ、これがピラミッドパワー……」

「そうなの?」

 

 おののく小悪魔と、首を傾げるパチュリー。

 

「ここからさらに、隠された階段を探して地下二階に降りるわけなんだけれど……」

 

 ミイラ男と怪しい影を倒しながら進む。

 ファミコン版と、スーパーファミコン版以降のリメイク作では隠し階段の位置が変わっているわけだが、

 

「パチュリー様、あそこ、メチャクチャ光ってます!」

 

 この世界は携帯電話版から続くスマートフォン版、PlayStation 4、ニンテンドー3DS版の流れをくむものらしいが、隠されているはずの階段の位置がキラキラと光っているというeasy仕様。

 

「……楽だからいいのでしょうけど」

 

 釈然としない様子でパチュリーはそこを調べ、発見された階段を降りる。

 怪しい影、マミーを倒しながら進むと祭壇があり、古びた棺が祭られている。

 開けてみると、

 

「黄金の爪です!」

 

 光輝く金色の爪が入っていた!

 しかし、

 

 どこからともなく不気味な声が聞こえる……

 

「黄金の爪を奪う者に災いあれっ!」

 

 そんなわけで、帰りは1、2歩毎に敵に襲われるという状態。

 呪文がかき消されるのでリレミトで脱出することもできない。

 現れるのは、ミイラ男、マミー、大王ガマ、怪しい影だけだが、

 

「ドラクエ3では、先頭キャラのレベルが敵のモンスターレベルより10以上あれば必ず逃げることができるのだけれど」

 

 パチュリーのレベルが24、一番モンスターレベルが高いマミーでも13なのだから、必ず逃げられるはずなのだが、

 

「怪しい影が混ざるとね」

 

 怪しい影自体に設定されたモンスターレベルは10だが、逃亡の成否の判定では、中身のモンスターのレベルが参照されるのだ。

 故に、怪しい影が混じるとレベル差を利用して、ひたすら逃げるという手は使えない。

 

「まぁ、普通に倒せばいいのだけれど」

 

 パチュリーたちの実力ならそれができる。

 ほとんど反撃も受けずに一方的に倒し、その合間に小悪魔は、

 

「それにしても何で柔らかな貴金属である金なんでしょうね? ファミコン版だと武闘家の最強武器ですけど」

 

 と疑問を呈するが、

 

「そうね、エニックス公式の『アイテム物語』では金に似た物質でできているとしていたけれど」

 

 パチュリーは、そう答えてから、

 

「実は幻想郷の外の世界では鋼より硬い18金、マジックゴールドが既に作られているわ」

 

 と、自分の考えをまとめるかのように口に出しながら思考にふける。

 

「はい?」

「まぁ、18金というのは重量比で金含有率が75パーセントのものだから、通常は他の金属を混ぜて扱いやすいよう性質を変えるわけなのだけれど、マジックゴールドは発想を変えて炭化ホウ素セラミックスと呼ばれるセラミック素材のなかでも最上級に硬い素材にそれを融着させているわけ」

 

 それでも確かに金含有率が75パーセントあるから18金にはなる。

 魔法を使っているわけでは無いが、魔法でも使ったかのように硬い18金、それがマジックゴールドである。

 

「科学の力だけでも、そんなものができるのよ。それに比べれば、魔法で何とでもできるこのドラクエ世界で「金は柔らかくて武器には向かないはず」という考えに、どれだけの意味があるのか……」

 

 そう語るパチュリーだった。

 

 そして、

 

「レベルが上がったわ」

 

 戦闘を続けた結果、パチュリーはレベル25に。

 

ちから+5

すばやさ+1

たいりょく+5

かしこさ+2

うんのよさ+1

 

 となり、さらに、

 

「力の成長上限値が上がって余裕が出たから、ストックしていた力の種を使いましょう」

 

 力を種で+3することにするが、

 

「パチュリー様、これを」

 

 小悪魔は胸元からハンカチを取り出すと、パチュリーに勧める。

 

「砂漠といっても地下はひんやりしているんですね」

「えっ? まぁそうね。砂漠の生き物は昼間、砂の中に潜っているというし、地下の温度は安定しているわ」

 

 全然関係なさそうな話を始める小悪魔に、パチュリーは首を傾げつつも答えるが、

 

「冷たく乾燥した空気でまた喘息の発作を起こされては大変ですし、これをマスク代わりに使ってください」

「ああ、なるほど」

 

 喉の保護のためにね、と納得したパチュリーは、しかし、

 

(これ、こぁの……)

 

 小悪魔の、悪魔の持つ媚毒混じりのフェロモンを鼻腔に感じ、躊躇する。

 おそらく胸元に入れておいたので、移り香となって匂いが残っているのだろう。

 だが、

 

(これを、自分で自分の口元に当てて息をするの?)

 

 問うように小悪魔を見るが、彼女はどうかしたのかときょとんとした表情で見返すだけで。

 

(い、意識し過ぎよね)

 

 そう思うが、しかし、

 

(あ、これ、絶対ダメなやつ……っ)

 

 匂い、濃すぎるっ!

 若き日の豊臣秀吉は、主君、織田信長の草履を懐に入れて温めていたという逸話があるが、同じように小悪魔はパチュリーの喉を守るため、やはり胸元……

 いや小悪魔は、このハンカチを胸の谷間に入れておいたのだ。

 これが人間なら汗臭さも感じただろうが、悪魔の体液はすべて欲情を誘う媚毒混じりのものであり、体臭もまた相手を誘惑するための、天然の香水のようなもの。

 その香り、いや魔香とも言うべきものが、ただのハンカチを、聖女すら欲情に満ちた雌獣に堕とす凶器へと変貌させていた。

 小悪魔が普段使いしているのだろう、清楚で可愛らしく、品の良いハンカチ。

 そのギャップが、

 

(エッチすぎる……)

 

 と、感じさせるものの『生粋の魔法使い』であるパチュリーは生まれつきそういったものに高い耐性を持っている上、喘息を抑える強い薬湯の常飲、魔法薬の作成、試飲を行っているため薬物には強い耐性ができている。

 薬は刺激に弱い者ほど効くし、慣れている者には効きにくい。

 コーヒー中毒の者が、カフェインに耐性を持っているように。

 

 ゆえに、この程度問題無いだろうとパチュリーは判断する、判断してしまう。

 

「それじゃ、パチュリー様」

 

 何か悩んでいた様子の主人が納得した気配を察したか、小悪魔は自分の口に力の種を放り込むと、その細い指先でくい、とパチュリーの形の良い顎を上げさせて、

 

「んっ……」

 

 唇を、そして豊かさゆえに向き合った場合には互いにぶつかる両の胸先を重ね合わせて、口移しに種を飲み込ませる。

 二人の間で、その形の良い互いの胸が押しつぶされ、形を変え……

 

「あくっ!? か、は……ぁ」

 

 遅れてパチュリーの全身に走る、筋力を短期間に増強するための筋肉痛を凝縮したような痛み。

 

「さぁ、パチュリー様、ちゃんとハンカチを口元に当てて」

 

 小悪魔はハンカチを持ったパチュリーの手を取って、その口元にハンカチを押し当てさせると、幼子に向けるような酷く優し気な微笑みを浮かべ、マッサージを始める。

 

「んん゛~!」

 

 パチュリーがくぐもった声を上げたのは痛みのせいか、マッサージの心地よさのせいか、それとも、それらの刺激を受けて小悪魔の、媚毒混じりの香りを思いっきり吸ってしまったせいなのか。

 その呼吸がパチュリーの興奮を示すかのように、フッ、フッ、フッ、と徐々に浅く、そしてせわしなくなっていく。

 それを見下ろす小悪魔は、

 

(確かにパチュリー様は悪魔の媚毒に耐性を持ってますけど、だからといってまったく意味が無いというわけでも無いんですよ)

 

 一つ一つが微弱であっても緩やかに続く快感は、小悪魔のフェロモン混じりの匂いを吸うたびに重複し蓄積していく。

 

(無限に積み重なっていくそれは、こうして連続して与えられている以上、どこまでも強い快楽となって精神(こころ)へと刻まれていくんです)

 

 こうやって小悪魔の匂いと共に快感を刷り込み、

 

(パブロフの犬、条件反射のように肉体の快楽と紐づけて脳のシナプスを繋げられてしまえば…… パチュリー様の精神自体が私の匂い好きに躾けられてしまえば……)

 

 たとえこの後、媚毒の効果が切れたとしても、パチュリーは小悪魔の体臭を求め、その匂いを嗅いだだけでどうしようもなく発情してしまう立派な匂い中毒者、いや、匂い奴隷に仕立て上げられてしまうのだ。

 

(ほらほらもっと吸って、私の匂いで身体を満たして下さいパチュリー様。そうやって、私無しには生きていけないようになってしまいましょうね)

 

 別に……

 小悪魔はパチュリーをどうこうしたくて、下克上したくてこのような主従逆転快楽調教をしているわけではない。

 仮に調教に成功しパチュリーを性奴に堕としたとしても、それが適用されるのはベッドの上でだけ、二人の間の秘め事としておさめ、日常ではちゃんと主人を立てて、あくまでも従者として仕え続けるつもりだ。

 契約を順守する悪魔の、従者としての誇りに賭けて。

 

 ただ…… 魔法の研究に集中して、休むよう進言しても聞き入れてもらえなかったり、喘息の発作を起こしても自分一人で耐えて、他者に頼ろうとはしなかったり。

 そんなパチュリーの凍り付いたように孤独な心を、自分のぬくもりで溶かしてあげたい、自分に少しでも頼るようになってほしい。

 孤高の存在であり、どうしようもなく独りなパチュリーに、従者である自分に頼って欲しくて、でも普通の手段では圧倒的力量差により振り向いてもらえないからこそ、自分の得意分野で主の心を繋ぎとめておきたい。

 そう願うからこそ、熱心に、繰り返し祈りを捧げるかのように奉仕し続けるのだ。

 

 そんなどこかずれた真摯な想いを、卓越したテクニックと共に全力で身体に叩き込まれるのだから、パチュリーもたまったものではない。

 小悪魔から与えられる痛みとない交ぜになったマッサージの快楽。

 そこに肺から吸収され、全身を犯していく小悪魔の媚毒の効果が加わり、

 

(私の匂いと指使い、大好きになるまでたっぷり味あわせてあげますね)

 

 一層激しくパチュリーを責め立てる小悪魔!

 

「フグ~ッ!?」

 

 跳ねる、パチュリーの身体。

 

(ふふふ、眼球がひっくり返りそうになるほど興奮して混乱しちゃって。可愛いですよ、パチュリー様)

 

 パチュリーの様子を、どこまでも優しい顔で見守りながらマッサージを続ける小悪魔。

 

「か…… は……」

 

 力を失うパチュリーの手。

 その口元から小悪魔のハンカチが外れかかるが、

 

「ダメですよ、パチュリー様。冷たく乾いた外気を直接吸ったら、喉に悪いです」

 

 小悪魔がすかさず当て直す。

 

(ほら、私の媚毒混じりの濃~い匂いで、身体中満たしてあげます)

 

 とばかりに再び魔香を吸わされ、

 

「ぐっ、うぐぅ……」

 

 歯を食いしばって耐えるパチュリーに、

 

「そんなに噛み締めたら、歯や顎にダメージが来てしまいますよ」

 

 と、これは真面目に、表情を曇らせながら心配する小悪魔。

 このように小悪魔の根底にはやはり、パチュリーに対する思慮、思いやりがある。

 思考のピントがずれているというか、愛情表現の方向性がおかしなだけであって、彼女は本当に、心の底から主人であるパチュリーを敬愛している。

 愛しているのだ。

 だからこそパチュリーは何だかんだと言いつつも、彼女に気を許してしまうのだが、

 

「そうだ!」

 

 と思いつく小悪魔。

 

「どうせ噛むのなら、これを噛んでいて下さい」

「や…… やめ……」

 

 と、今まで口元に当てていたハンカチをパチュリーの口の中に押し込める。

 

「ん゛む~っ!?」

 

 今まで嗅覚で感じていた小悪魔の媚毒。

 それに舌が、味覚までが犯され始めたかのように感じてしまい、喉を震わせるパチュリー。

 小悪魔は、そんなパチュリーの身体を押さえ込みながら、何を思ったか自分の服をはだけて、自分が着けていたブラを器用に抜き取ると、

 

「今、手元にこれしかないので」

 

 と、ハンカチの代わりにブラのカップをまるでマスクのようにパチュリーの口元に被せようとする!

 

(犬が主人の下着に執着を示したりするのは、主人の匂いの付いた下着がフェロモンを発する魅惑的な存在に思えるからですが)

 

 そう理解している小悪魔が今やろうとしているのは、己の主人であるパチュリーを犬同然に貶めようとする行為!

 

(尊厳を捨てさせてあげます、パチュリー様。無様に犬畜生に堕ちてください)

 

 パチュリーの目の前に差し出される小悪魔の下着。

 

(私が脱いだばかりのぬくもりと匂い。犬の大好物のご主人様の匂いですよ)

 

 こんなことをされてしまうなんて、という驚愕と……

 そしてその陰に在るわずかな、ある種の期待に動けず、ぶるぶると震えるパチュリーに、小悪魔は、

 

(嫌なら命じればいいんですよ。ほらほら、早くしないと)

 

 と苦笑する。

 そして動けないパチュリーの口元を、ぱふっ、と優しくブラのカップが塞いだ!

 

(はい、これでもうお終い。もうパチュリー様は完全に主人の下着をスンスン嗅いで喜ぶ犬と同じ存在に成り果てました)

 

 まぁ、口には出さずにおいてあげますが、と笑う小悪魔は、さらにブラジャーをぐるぐる巻きにして、

 

「外れないよう結んであげますね」

 

 パチュリーの頭の後ろで結ぶことで、外せなくする!

 

「ふぐ~~っ!?」

 

 こうして小悪魔のハンカチとブラジャーで、その呼吸器を塞がれてしまったパチュリー。

 その無様な姿を見下ろす小悪魔は、

 

(さぁ、ここからが本当の『調教』です)

 

 いつでも主従契約の力で小悪魔を止められるはずのパチュリーが止めなかった。

 つまりは、パチュリーは自ら望んで小悪魔の犬に成り下がったのだ!

 

 そのように理解しているから、

 

(まぁ、パチュリー様にとっては喜びの始まりなんでしょうけど……)

 

 と微笑むが、まだ辛うじて堕ちきることに抵抗を続けていたパチュリーは、

 

(ダメ…… 息止めなきゃ……)

 

 とっさに呼吸を止め耐えていた。

 しかし小悪魔は、

 

(あ、息を止めちゃって、可愛らしいけど無駄な抵抗ですね)

 

 とばかりにくすりと笑うと、マッサージを再開しつつパチュリーの耳元にささやく。

 

「今日はピラミッドに来るまで砂漠を渡らなくちゃいけなくて、すっごく暑くって、汗、かいちゃって」

「っ!?」

「その後も戦闘続きで、戦っている間、ずーっと私の胸の谷間や胸下の匂いを吸って、ムレムレだったんですよ、そのブラジャー」

 

 でも、冷たく乾燥した空気が喉に悪いなら、暖かく湿った自分の下着越しの空気は喉に優しいはず。

 そして他者のぬくもりと匂いは精神を落ち着かせ、心因性の喘息の誘発を抑えてくれる。

 そう気遣う小悪魔の言葉に嘘はない。

 しかし、熱く濡れた声と共に耳元に流し込まれた毒に、パチュリーは、

 

(そ、そんなの…… 脳が蕩けそうになるほど、エッチな匂いに決まってるっ)

 

 嗅いでしまったらどうなってしまうのかという未知の恐怖と、裏腹に感じる好奇心にも似た何か。

 ずっと息を止めたままでも居られないし、という自分に対する言い訳。

 そして、ちょっとだけなら、とすぅ、と吸ってしまった瞬間!

 

「~~っ!!!?」

 

 若鮎のようにビクンビクンと勝手に跳ねる身体。

 

(~~ダメ……っ! これ以上吸っちゃっ! でもっ! 酸素がっ! 息が続かないしっ!)

 

 ひたすら混乱するパチュリー。

 それを見下ろす小悪魔は、

 

(自分から吸ってしまったのでは、もう元には戻れませんね)

 

 と満足げに笑う。

 

(これからどんどん恥辱の底に堕としてあげますから……)

 

 そのように考え、パチュリーを仕上げにかかる小悪魔。

 

「匂い好き、匂いフェチは、精神医学においては性的倒錯、パラフィリアに分類される精神疾患とされるんですけど」

 

 もう、自分の話も聞けていないだろうパチュリーに本当に、本当に優しく微笑みながら語りかけ、

 

「パチュリー様のその病気、私が完成させてあげますね」

 

 パチュリーの身体に手足を絡め、その動きを、快感の逃げ場を封じた上で、止めとばかりに快楽のツボに、グリリとその指先をねじ込む。

 

「ふぐぅ~~っ!!!!」

 

 口腔内に押し込められたハンカチと、口元に巻かれた小悪魔のブラジャー越しに、くぐもった絶叫を上げるパチュリー!!

 

「ふふふ、法悦と共に飼い主の匂いを覚えさせる。効果はてきめんのようですね」

 

 その言葉のとおり、飼い犬を見守るかのような微笑みを浮かべる小悪魔だった……

 

 

 

 そしてパチュリーのステータスは、

 

 

名前:パチェ

職業:しょうにん

性格:ごうけつ/タフガイ

性別:おんな

レベル:25

 

ちから:125

すばやさ:95

たいりょく:134

かしこさ:34

うんのよさ:46/96

最大HP:265

最大MP:66

こうげき力:250/182

しゅび力:137/127/117

 

ぶき:せいぎのそろばん/ほのおのブーメラン

よろい:ぬいぐるみ/マジカルスカート

たて:ふうじんのたて/まほうのたて

かぶと:ぎんのかみかざり

そうしょくひん:ごうけつのうでわ/しあわせのくつ

 

 

「……主人として、いえ、ヒトとしての尊厳を失った気がするわ」

「そうなんですか?」

 

 ブラジャーを付け直しながら本当に不思議そうに首を傾げる小悪魔に、何言ってんだこいつ、と、拳を握り締めるパチュリーだったが、

 

「でも、パチュリー様のご健康とは引き換えにできないですよね」

 

 そう、邪気の無い笑顔で言われて、

 

「はぁ……」

 

 とため息と共に脱力する。

 そんなパチュリーに、小悪魔は改まった顔をして、

 

「私はパチュリー様の忠実な僕。どうかこれからも、ずっとご健康で、末永く私と共に在って欲しいと願わずには居られません」

 

 と告げる。

 

「まるで求愛、プロポーズの言葉みたいね」

 

 パチュリーはそう茶化してみるが、小悪魔は、

 

「そうですよ」

 

 と真顔で答える。

 それが…… 彼女の愛の形なのだろう。

 表現方法と、手段が酷く歪であったとしても。

 

「はぁ……」

 

 重ねて吐かれたパチュリーのため息には、どうしようもない脱力感と、諦めの気配が混じっていた。

 

 ……そんな風に、何だかんだ言って許してしまうから、甘いからダメなのだが。

 

 

 

 さらに戦闘を続けると、

 

「私もレベルアップです!」

 

 小悪魔のレベルが上がった。

 

ちから+3

すばやさ+2

たいりょく+4

かしこさ+2

うんのよさ+4

 

 ステータスは、

 

 

名前:こあくま

職業:ゆうしゃ

性格:セクシーギャル/タフガイ

性別:おんな

レベル:22

 

ちから:75

すばやさ:142

たいりょく:76

かしこさ:60

うんのよさ:54

最大HP:151

最大MP:119

こうげき力:142/115

しゅび力:183/176/173

 

ぶき:ゾンビキラー/はがねのむち

よろい:だいちのよろい/まほうのよろい

たて:ドラゴンシールド/まほうのたて

かぶと:オルテガのかぶと

そうしょくひん:ほしふるうでわ/パワーベルト

 

 

 という結果に。

 そしてピラミッドを脱出。

 ファミコン版とは違いリメイクでは黄金の爪の呪いはピラミッド限定なので、その後の行動に問題は無く、

 

「それじゃあ、エルフの隠れ里にお買い物に行きましょうか」

 

 小悪魔のルーラでエジンベアに跳んだ後、海を渡ってエルフの隠れ里へ。

 上陸後に現れたさまよう鎧とアニマルゾンビを蹴散らしながら到着。

 

 変化の杖を欲しがっているグリンラッドの老人に渡す前に、ぜひとも訪れたいのがここ、エルフの隠れ里にある道具屋。

 人間は相手にしてくれないのだが、変化の杖を使って変身すれば売ってくれるのだ。

 

「それじゃあ、変化の杖を使って…… スライムに変身したわ」

 

 これでエルフの道具屋が、ものを売ってくれるようになる。

 スライムに……

 

「なんでですか」

 

 と小悪魔がツッコむが、よくわからない。

 他のエルフに話しかけると、

 

「姿を変えても、私たちには分かります」

 

 という風に見破られているのだが、道具屋のエルフだけは違うらしい。

 

「きっとエルフにも色々あるんですね。ふし穴Eyeの持ち主とか」

「どういう言い回しよ、それ」

 

 という話だが、確かにホビットの姿になると油断するのか女王以外には気付かれない様子なので、個人差はあるのか。

 もしくは、

 

「商売のため、気付かないふりをしてくれているだけなのかも知れないわね」

 

 ということ。

 小悪魔は、なるほどとうなずいて、

 

「R指定のエッチな本を買いに来た未成年の少年少女に、見て見ぬふりで売ってくれる優しい店主さんみたいなものですね」

 

 と納得する。

 パチュリーはというと、使い魔の発言に、

 

「何で、例えまで一々そっちの方に結びつけるのよ!」

 

 とツッコまざるを得ない。

 しかし小悪魔は何かを思いついた様子で、そうだとばかりに胸前でぱちんと両手を合わせて、

 

「エルフがスライムに売ってくれるのはエッチな目的があるからなのかも知れません。エルフは繊細な種族。同様に『喘息持ちでデリケートな魔女が、身体に負担をかけないよう、スライムを使ってソフトな刺激で自分を慰める』という本がこの間、入りまして……」

「何その不純な意思を感じさせるピンポイントな内容!? だいたい図書館の蔵書に、そういう卑猥な本を混ぜるのは止めなさいって言ったわよね!!」

 

 悲鳴にも似た声を上げるパチュリーだったが、

 

「使い魔の何気ない発言に色香を感じ、その蠱惑的な肉体を前に滾る気持ちを抑えきれずガッツくように突っ込み続けるパチュリー様、いい……」

 

 うっとりと目を細めながら悦に入る小悪魔(ヘンタイ)

 

「言い方ァ!」

 

 このアホを悦ばすだけだとは知りつつも、しかしツッコまずにはいられないパチュリーなのだった……

 

 ともあれ、ここで売られているのは天使のローブ、祈りの指輪、モーニングスター、眠りの杖、黄金のティアラ、優しくなれる本。

 モーニングスターはバハラタ等でも買えるし、黄金のティアラは性格を『おじょうさま』に変えてくれる装飾品だが、イシスの宝物庫で既出。

 その他の品はと言うと、

 

「天使のローブはファミコン版の公式ガイドブックでは天使の羽で織られた聖なるローブと説明されていたものね。守備力+35、魔法使い、僧侶、賢者が利用できる防具で、ザキ系の死の呪文の命中率を1/2にする効果があると言われているわ」

 

 この後挑むネクロゴンドの洞窟、そしてバラモス城で出現するホロゴーストはザキ、ザラキの使い手であり、時期的にもちょうど役立つものだ。

 ここで買い逃すとファミコン版ならバラモス討伐後、ラダトームに行くまで買えなくなる。

 スーパーファミコン版以降のリメイク作では商人の街を第5段階まで進めると買えるという救済措置があるが、それでもネクロゴンドの洞窟には間に合わなくなるというもの。

 

「魔法使いにとってはマイラで水の羽衣を購入するまでの長い間、最高の守備力を持つものよ」

「なるほど」

 

 もっともリメイクの場合、女魔法使いには、先にドムドーラに行けば魔法のビキニが手に入るが。

 

「僧侶、賢者には守備力+40、魔法のダメージ減の魔法の鎧があるので迷うところだけれど、ファミコン版では公式ガイドブックにも掲載されていた有名な裏技『防御攻撃』があるから」

 

 戦闘時のコマンドで『ぼうぎょ』を選択した後にBボタンでキャンセルする。

 その後『たたかう』や『じゅもん』を選択し直すと、何故か防御状態のまま行動できてしまうというもの。

 これにより、あらゆる攻撃のダメージが半減する。

 

「でもこの裏技もザキ、ザラキには無力だから、その弱点をカバーできる天使のローブをあえて使うというのもアリなの」

 

 何しろ、

 

「ザキ、ザラキが効く確率はリメイクではかなり下げられている…… 逆に言うとファミコン版では結構な率で効くということだから、安心を買うために装備させるというのは悪い選択ではないわ」

 

 という話だし。

 

「スーパーファミコン版以降のリメイク作では『防御攻撃』の技は無くなってしまったけど、戦闘中の装備変更が可能だから相手に合わせて切り替える、という手が使えるし」

 

 だからリメイクでも買ってもいいものではある。

 パチュリーのように資金が潤沢なら、という話ではあるが。

 

 そしてパチュリーは売り物の本を手に取って調べる。

 

「優しくなれる本は、優しさと思いやり、他人へのいたわりの心について書かれた、性格を『やさしいひと』に変えてくれる本よ」

 

 しかし、

 

「この里のエルフは人間に対しては優しくないですよね」

 

 と小悪魔の言うとおり。

 

「売り物にするくらいなら自分たちも読んで欲しいところよね」

 

 そういう話である。

 

「『やさしいひと』はマイナス補正が少なくて、あまりクセのない使いやすい性格だから、性格が良くないメンバー……」

 

 パチュリーは視線を向けると、洗脳調教の恐怖にプルプル震えだす小悪魔を尻目に、

 

「スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版だとすごろく場で酷い性格に変えられてしまった、などといった場合には安価に、いくらでも手に入るここで変えてしまうのも良いんでしょうね」

 

 と語る。

 ここ以外ではメルキドの街で一冊入手できるのと、スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版なら第5のすごろく場でも入手は可能だが。

 

 次は、

 

「眠りの杖はその名の通り、ラリホーの効果を持つ杖よ。攻撃力+30で魔法使い、僧侶、賢者が使える武器だけど、他の職業でも道具として利用が可能」

 

 つまり、

 

「ラリホーの呪文が使えないメンバーに持たせるも良し、マジックパワー節約のためにラリホーが使えるメンバーに持たせても良し。人数分買ってもいいくらいのものね」

 

 ということ。

 ただし、4200ゴールドと値は張るが。

 

「あとは、イシスの女王様からももらった祈りの指輪が2500ゴールドで購入できるわ」

 

 こちらは消耗品なので、できるだけ買っておくべきなのだろうが……

 それゆえ、ピラミッドで手に入れた黄金の爪を売って資金を作る。

 黄金の爪は、

 

「6000ゴールドで売れました!」

 

 ということだが、

 

(ファミコン版だと11250ゴールドで売れたのだけれど)

 

 小悪魔の喜びに水を差すのもアレなので言わないが。

 結果、二人の所持金は、

 

小悪魔:7862G

パチュリー:299395G

 

 小悪魔は眠りの杖と、祈りの指輪を一つだけ購入。

 パチュリーには祈りの指輪は必要無いので眠りの杖を買うだけで済むのだが、この場を逃したらもう買うこともできないのだし、

 

「以前、あなほりで祈りの指輪を拾った時に話したとおり、私のお金で買っておいて必要時に都度、私からあなたに売るということにしてあげるわ」

 

 と、祈りの指輪9個も購入する。

 

 でもそれって根本的な解決にはなりませんよね? という意見もあるが、実はそうでもない。

 

 幻想郷の外の世界…… ドラゴンクエストが生まれた日本ではデフレが長く続いているせいで実感が湧きづらいが、通常はモノの値段は時間の推移と共に上昇する。

 すなわちインフレが進むため、10年後の一万円は、現在の一万円より確実に価値は下がるわけだ。

 そしてドラクエの世界では現実以上にインフレがガンガン進むので、そういう場合は支払いを後回しにできると有利になる。

 序盤の500ゴールドは大金でも、現在では、はした金になっているように。

 

 さらに言えば、使わなければ支払われないので、パチュリーが不良在庫を抱え込むリスクすら負担してくれているわけで、到底釣り合わない取引だったりする。

 こうして眠りの杖と祈りの指輪9個を買い求めるパチュリー。

 それでも所持金は、

 

小悪魔:1162G

パチュリー:272695G

 

 ……パチュリーの懐はまったく痛む気配が無いのだった。




> ただ…… 魔法の研究に集中して、休むよう進言しても聞き入れてもらえなかったり、喘息の発作を起こしても自分一人で耐えて、他者に頼ろうとはしかったり。
> そんなパチュリーの凍り付いたように孤独な心を、自分のぬくもりで溶かしてあげたい、自分に少しでも頼るようになってほしい。

 と健気に、健全でおさまる範囲でのマッサージで、全力を尽くしてご奉仕する小悪魔。
 純愛ですね。

 次回は幽霊船にチャレンジの予定です。

 ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
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