こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3) 作:勇樹のぞみ
次はグリンラッドに住んでいる変化老人の家に向かう。
エジンベアへと小悪魔のルーラで跳んだ後、船で西へ。
現れたマーマンを蹴散らしながらグリンラッドへ到着。
上陸すると、雪原上にぽつんと不自然に存在する草原、そこに足を踏み入れる。
「一見、何も無いように思える原っぱですし、真っすぐ北に向かうと突き抜けるだけですが……」
「東北方向に向かうとやがて家が見つかるのよね」
そこが変化老人と呼ばれる人物の住まう場所であり訪ねると、
「おお! それは変化のつえ! わしも欲しかったのじゃ。ものは相談じゃが、この船乗りの骨とつえをとりかえっこせぬか?」
「はい」
「なんとまことか!? なんでも言ってみるものじゃ。では船乗りの骨をわたそう!」
変化の杖を船乗りの骨と交換した!
「いやー! ありがたい! わっはっはっ」
と笑う老人だったが、
「……あやしい」
と小悪魔が言うので、いったん出てから戻って様子を見ることに。
建物の外に出るだけでなく、この草原からいったん世界マップ上まで出ないといけないのが面倒なのだが。
そうして再び訪れた家には、場違いにもバニーガールの姿が!
「あら~ん、いらっしゃ~い。よく来てくれたわねん。待ってたわよ☆」
などとしなだれるが、ボフン、とその姿が変化し、
「な~んての。わしじゃよわし。わっはっはっ!」
と元の老人の姿に戻った後に再び変化し、
「あら~ん、いらっしゃ~い。よく来てくれたわねん。待ってたわよ☆」
とノリノリで演技を繰り返す。
「……いやぁ、キッツいですね」
「あなたが確かめたいなんて言うから」
げんなりする二人。
なお、老人はバニーガールだけではなく、踊り子、緑服の女性にピンク服のリボンの女性にも化けて、同じセリフを言う。
神父、吟遊詩人、商人、若い男だと、
「おやいらっしゃい。こんなところにお客さんとは珍しいですね」
王様、大臣、兵士、囚人、あらくれ、武人だと、
「なんだお前らは! 人の家に勝手に入って来るな!」
……普通、民家に抜身の剣を持った勇者一行が入ってきたら、そういう反応をするよな、というセリフを吐く。
そして骸骨、スライム、怪物の姿だと、
「人間だ! 人間が来たぞ! やっつけろっ、ガオー!!」
と脅すことになる。
「……スーの村の住人からは「偉大なる魔法使い」と呼ばれていた人物ですよね?」
確かにパチュリーたちだとランダムに、限られた姿にしか変化できなかったが、この老人はさらに別の姿になれる上、自分の意志で選択できる様子なので能力的には凄いのだろうが、
「ルザミに住んでいる学者からは「おかしな老人」扱いされていたから」
性格面では妙なノリの持ち主ということなのだろう。
船乗りの骨を譲り受けたので、小悪魔のルーラで幽霊船の出現場所に近いロマリアへと跳ぶ。
海に乗り出し、船乗りの骨が指し示す南東の方角を目指すとやがて幽霊船が現れる。
接舷して乗り込むわけだが、
「どんな嵐が来ようと、わしの船はぜったいに沈まないのだ! わはははは!」
「確かに沈んではいないけど…… 似たようなものよね」
「が、骸骨が~っ」
幽霊船では、骸骨と亡霊が未だに船を操っているのだ。
「船の舵は勝手に動いてますし……」
舵輪がひとりでに動く上甲板を船尾の方に進むと、小部屋の中に魔物の姿があった。
「ひひひっ…… 幽霊船にはしかばねがふさわしかろう。おまえも死ぬがいい!」
ミニデーモンが攻撃してくるが、大きな口を叩く割にパチュリーが正義のそろばんで1発殴っただけであっさり昇天。
部屋のタルからは小さなメダルが手に入った。
さらに進むと、
「腐った死体です!」
幽霊船らしく腐った死体が4体の集団で襲い掛かって来る。
小悪魔の雷の杖、パチュリーの炎のブーメランが唸るが、
「さすがに倒しきれない?」
腐った死体の最大ヒットポイントは98。
ブーメランやムチは最初に命中した敵から順にダメージを減じるものなので、最後の一体が生き残ったが、腐った死体は1/8の確率で行う『様子を見る』でこのターンを終わらせてしまう。
そして、
「止めです!」
小悪魔のゾンビキラーがその力で最後の一体を浄化するのだった。
そして船尾の船長室らしき部屋に入ると、そこには人影が、
「おや? あなたは亡霊ではなさそうだ。さてはあなたも財宝がお目当てですね」
生きた人間が居ると思ったら、トレジャーハンティングのためにこの船に乗り込んだ冒険者らしい。
しかし、
「でも、この船に居るのは亡霊ばかり…… 参りましたよ」
と言うように、思うように成果は上げられていないらしい。
パチュリーたちは男と別れると階段を降り、船内へ。
「船をこぐのは、ドレイか罪人の仕事なのさ」
未だにオールをこぐ白骨が語る。
骸骨たちは、
「つれーよお……」
「おれたちゃドレイよ! ギーコギコ!」
「死んじまってても、船がこげるなんて知らなかったよ。ハハハ……」
そう言いながらも、オールをこぎ続ける。
中には囚人服を着た男が倒れているが、話しかけても返事が無い。
ただの屍のようだ……
さらには苦しげに歪む人の顔が写り込んだ青白い人魂たち、
「愚者火(イグニス・ファトゥス)、または松明持ちのウィリアム(ウィル・オ・ウィスプ)ね」
生前罪を犯したために昇天しきれず現世を彷徨う魂。
英国の伝承では天国にも地獄にも行くことを拒まれた男に、哀れんだ悪魔が渡した燃えさしの石炭、その灯だとも言われている。
それらが、
「あ、嵐が来る…… 嵐が… 波が…… ああ!」
と叫び、
「おぼれて死ぬのは苦しい……」
そう語る。
しかし自分が死んだことに気付いていないのだろう、
「いやだ! 死にたくねえよお!」
と絶叫する。
「呟きから急に大声出すの止めてもらえませんかねぇ! 心臓に悪過ぎます!」
「悪魔なのに?」
「悪魔がみんな、ホラーな展開に耐性を持っていると思ったら大間違いですよっ!?」
涙目で叫ぶ小悪魔だった。
亡霊の中には、囚人の姿を保った者も居て、
「おら、人を殺しちまったでな。どんな死にかたしたって、しかたねえって思うだよ。
でも、そこにいたエリックてやつは無罪の罪だったって… かわいそうになあ……」
と教えてくれるその先には、無実の罪でここに繋がれ息絶えたエリックの姿があった。
「オリビア…… もう船が沈んでしまう……
キミにはもう永遠に会えなくなるんだね……
でもぼくは永遠に忘れないよ…… キミとの愛の思い出を……
せめてキミだけは…… 幸せに生きておくれ……」
船内を探すと、エリックと恋人の思い出のペンダント『愛の思い出』が手に入る。
「悲恋よね」
そしてガニラスや痺れクラゲといった海モンスターを蹴散らしながら見つけた倉庫の宝箱からは、毒針、ゴールド、それから満月草が手に入った。
「この満月草が入っていた宝箱には、スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版ではすごろく券が入っていたのだけれど」
この世界は携帯電話版から続くスマートフォン版、PlayStation 4、ニンテンドー3DS版の流れをくむもの。
すごろく場が無いため、代わりにここで出る痺れクラゲ対策か、マヒを治療する満月草が入っているのだった。
「パチュリー様、まだ一つ宝箱が残ってますよね」
「ああ、それミミックだから」
ミミックが混じっているので注意が必要だが。
同じ倉庫内のタルからは小さなメダル、ツボからは力の種を手に入れる。
また、別の船室のタンスからはガーターベルトが見つかった。
「パチュリー様、パチュリー様、ふふ、聞いて下さい」
「聞かないわ。どうせエッチな話でしょう」
「何を勘違いされているか知りませんが、ガーターの話です」
「してないわ、何も勘違いなんかしていないわ」
靴下、ストッキング止めのガーター、日本のサブカルチャー界隈ではドラクエにも登場しているガーターベルトが有名だが、その他に太ももに巻いて押さえるガーターリングなどもある。
「英国の最高位の勲章はブルーリボン、ガーター勲章じゃないですか。ガーター騎士団に由来する」
コンピューターRPGの元祖『ウィザードリィ#1』にも、そのブルーリボンという名称で登場する重要アイテムである。
「あら、あなたにしてはまとも……」
「それで、そのいわれなんですけど、エドワード3世が舞踏会で後のエドワード黒太子妃とダンスを踊っていたとき、彼女のガーターが外れて落ちた」
これは当時恥ずかしい不作法とされていたので、周囲からは嘲笑された。
「でもエドワード3世はそれを拾い上げ「悪意を抱く者に災いあれ(Honi soit qui mal y pense)」と言って自分の左足に付けたという逸話があって……」
さぁ、話が怪しくなってきたぞ、と警戒するパチュリー。
「凄いですよね、下着に準じる品であるガーター、それも高貴な女性がスカートの下に身に着けていたものを拾って自分の足に堂々と巻いて見せる王様! それを由来とする騎士団、そして自国の最高位の勲章にしてしまうっていう!」
小悪魔は興奮した様子で告げる。
見方を変えるとちょっとアレな風にも思えるのは分かるが、全力で英国にケンカを売りかねない発言に冷や汗が止まらないパチュリー。
「その逸話は伝説に過ぎないとも言われているから……」
「それじゃあ聖ジョージ、つまり聖ゲオルギウスが竜から姫を助けた、その後、姫の帯を借りて竜の首に巻いて従えたという伝説にちなんで、リチャード獅子心王が十字軍の時に戦場でガーターを付け、部下にもつけさせたっていうパワハラかつセクハラな故事(※個人の感想です)からきたとする説……」
「そこまでよ!」
小悪魔の発言を遮るパチュリー。
彼女でなければ「やめないか!」と叫んで平手打ちしてしまいそうな状況である。
「はぁ…… さっさと帰りましょう」
ため息交じりに言うパチュリー。
小悪魔のルーラで、ランシールへと跳ぶ。
「あれ? ルーラで跳べるんですね」
「そうね、幽霊船のマップはダンジョン扱いになっていないの。だから逆にリレミトは使えないのよ」
ランシールから船に乗り南下。
途中、海洋のモンスターたちを蹴散らしながら進む。
ホビットのほこらでエンカウントまでの歩数カウントをリセットし、大河を進み内陸へ。
山地に囲まれた竜の女王の城を横目に進み、オリビアの岬へ。
途中、ガメゴン二匹に襲われるが、
「眠りの杖です!」
小悪魔は眠りの杖をガメゴンに振りかざした!
甘い香りが敵を包む。
小悪魔がエルフの里で購入した眠りの杖を使用し、二匹とも睡眠状態に。
パチュリーは正義のそろばんの一撃で一匹を倒し、次のターンでまだ眠っているガメゴンに止めを刺す。
「あら、宝箱を持っていたわね」
鉄兜をゲット。
これはガメゴンが1/64の確率でドロップするアイテムだ。
そして、オリビアの岬を通過しようとすると、どこからともなく悲しげな歌声が聞こえる……
それと共に船が押し戻された。
「船乗りを惑わす歌声というとサイレンかしら?」
そう考察するパチュリーと、
「恋人を行かせまいとする心が、船を押しとどめるんでしょうか」
わかります、とこちらもねっとりとした執着心がこもった視線をパチュリーに向ける小悪魔。
しかしパチュリーはというと、
「迷惑だから、どこかよそでやって、よそで、って感じね」
と素っ気無い。
そうして「うるせぇ、愛の思い出ぶつけんぞ」とばかりにエリックの『愛の思い出』をオリビアの亡霊に使用するパチュリー。
するとエリックとオリビア二人の愛の思い出が辺りを温かく包む。
死に引き裂かれた二人の魂が再会し、
「ああエリック! わたしの愛しき人。あなたをずっと待っていたわ」
「オリビア、ぼくのオリビア。もう君を離さない!」
「エリックーッ!」
光に包まれ、くるくる回りながら昇天する二人。
「……バハラタのタニアとグプタもそうだったけど、この世界の恋人たちってくるくる回るのが愛情表現なのかしら?」
「回るな、回るなーっ、ってやつですね」
スーパーファミコン版でリメイクするにあたり追加された演出なので1996年当時は、これがトレンドだったのかもしれない。
何しろ同年放送された人気ファンタジーラノベのアニメ化作品『スレイヤーズNEXT』では最終回、ヒロインである、
ともあれ……
オリビアの呪いが解けた!
しかし、
「素直に感動できず、見てて恥ずかしいって思う私の心がスレてるのかしら?」
「もう、パチュリー様、ロマンが足りないですよっ!」
「足りなくていいから。少なくとも私にはあんな真似、死んでも無理だわ」
「そう言う人に限って、自分の時はバカップルになるんですよね…… しかも自覚無しで」
「何か言った?」
「いいえ、なんにも」
そんなことを言い合う主従。
岬からそう遠くないところにある島に上陸。
そこにあったほこらに入ると、
「また火の玉です!」
「こちらは赤い火ね。幽霊船のものと違って人の顔が浮かんだりしていないし」
そして人魂は告げる。
「ここはさびしい、ほこらの牢獄……」
「ヒェッ!「ここは○○のまちです」キャラが人魂って何ですか!」
ビビッてパチュリーにすがりつく小悪魔。
ムニムニと押し付けられる無駄に柔らかな胸を、しかしパチュリーは無視して、
「剣士サイモンがここへ幽閉されたって話だったけれど」
と探索する。
小さなメダルが牢のツボから拾うことができたが、中の人間はすべて死に絶えており、
「私はサイモンの魂。私のしかばねのそばを調べよ……」
そう告げられたとおり、サイモンの亡骸のそばを探してガイアの剣を手に入れる。
「なんでまた全滅してるんですかね?」
「オリビアの呪いのせいで、食料品を運ぶ船がこの島に来れなくなったせい、とも言われているわね」
「ええー、それって……」
げんなりした様子の小悪魔。
「「エリックだかなんだかしらねーが、オレたちゃ迷惑だ!」「どっかよそでやれ、よそで!!」ってお話ですよね」
「……まぁ、そうなるわね」
微妙な顔になる主従だった。
オリビア撃破!
亡霊尽くしな回でした。
小悪魔の危ない発言もありましたが、まぁ(※個人の感想です)ってことで。
次回はネクロゴンドの洞窟へ向かう船内という密室空間で『監獄戦艦』とか『ヴィクトワール』じみたプレイに耽るパチュリー様と小悪魔の予定です。
ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
今後の展開の参考にさせていただきますので。