こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3) 作:勇樹のぞみ
「そういえば小さなメダル、1枚取り逃がしているわね」
ここにきて、それに気付くパチュリー。
「現在集まっているのが75枚。そして上の世界で手に入るのが77枚」
これは、すごろく場の有無に関係なくリメイクでは共通している。
おそらく制作者側が揃えておいたのだろう。
「じゃあ2枚じゃないんですか?」
「1枚は竜の女王の城から拾えるのよ。これは後で光の玉をもらうついでに拾えばいいわ。どうせ、この上の世界ではもう交換はできないのだし」
ということで、あと1枚だが、
「ああ、最後の鍵を取った後、ロマリア城の西の尖塔の4階、水場の前から取るのを忘れていたわね」
つまり見落としが無ければ最後の鍵取得以降、交換のタイミングが1枚ずつ早く済んでいたということか。
30枚でもらえる力の指輪以降だから、ずいぶん長いことずれていたことになるが、
「大して差は生じないわね」
途中を飛ばして先に進み強力なアイテムを取得する、というプレイをしていたせいで、元々小さなメダル集め、交換のタイミングは狂っているのだ。
1枚程度ではあまり変化は見られない。
ともあれ、さくっと行って取って来る。
「それで、あとはバラモス攻略ですね」
と小悪魔が言うとおりなのだが、
「そうね、ちょっとレベル上げをしましょうか」
そういうことになった。
「そういえばドラゴンクエストというとレベル上げのための経験値稼ぎや、資金稼ぎプレイのイメージが強いですけれど、私たちこれまで一度もそういうのやってませんよね?」
と気付く小悪魔。
「確かにそうね」
あえて言うなら、ピラミッドの黄金の爪回収が資金稼ぎ目的だったが。
一方で、レベル上げ作業は一度もしていない。
「私たちみたいな2人縛りプレイはもちろん、4人フルメンバー揃えていても、よほど戦略を練り上げていない限りレベル上げ作業は必須」
なのにパチュリーたちは、これまで一度も必要としてこなかった。
案外、勇者と商人の二人プレイというのは優秀なのかも知れない。
「それで、どこで経験値稼ぎをするかだけれども、バラモス戦前の稼ぎ場所には3つの候補があるわ」
「三つですか」
「一つはネクロゴンド近辺。稲妻の剣のイオラと雷の杖のベギラマを重ねるだけで確実に倒せるフロストギズモ5体、5350の経験値は美味しいわ」
「確かに。倒すのに運が絡むメタルスライム以上の経験値を、それだけ簡単確実に得られるのはお得ですよね」
「まぁ、同じ地域に現れるトロルの痛恨の一撃やミニデーモンが邪魔なのだけれど」
とはいえ小悪魔の最大ヒットポイントも、もう225まで上がっている。
痛恨の一撃、一発程度なら耐えられるだろう。
トロルにはラリホーに対し弱耐性しか持たないという弱点もあるのだし。
「もう一つがガルナの塔でメタルスライム狩り」
「これは安定ですね」
「一度に出現する数が多いジパングの洞窟の方を推す人も居るけれど、そちらは出現確率が低いのと、実は地味にエンカウントまでの歩数が倍必要だったりするから、遊び人の特技でモンスターを呼び寄せる『くちぶえ』を覚えていない限りお勧めはできないわ」
「倍?」
「ええ、ピラミッドのエンカウント率が低すぎたから調べてみたのだけれど」
とパチュリーは説明する。
「リメイクのドラクエ3では、エンカウントまでの歩数に補正がかかっている区域が存在するの」
例えば、いざないの洞窟の地下2階やピラミッドの3~6階、ジパングの洞窟などはエンカウントまでの歩数が倍かかる。
おそらくファミコン版では無かった補正なので、このためその辺のダンジョンのエンカウント率、難易度がさらに下がっているのだ。
なおピラミッド1、2階は4倍になっている。
だから、エンカウント無しであれだけ歩けたのだ。
そしてレベル稼ぎの場所に話を戻すと、
「最後がバラモス城。でも、はぐれメタルの遭遇率は14~17パーセント程度とも言われているし、はぐれメタルはメタルスライムより倒しづらいから稼ぎが運頼りで安定しない。また、他に出て来るモンスターは確かに経験値が高くて稼げるけど、強すぎて危険、というのもあるわ」
「危険?」
「ああ、やっぱりそう思った? 言われるより、想定していたよりぬるいな、って」
「は、はい」
「考えてもごらんなさい、普通の4人パーティだと一人当たりの経験値は私たちの半分よ。レベルにして21以下で突入することに。もちろんそれじゃあ無理だから途中で経験値稼ぎして多少はレベルアップしているでしょうけど」
しかも、
「普通のパーティには僧侶、魔法使いの後衛が居るでしょう。レベル20台前半の彼らのヒットポイントは? 賢者に転職していると、さらにレベルは低くなるのよ」
そんな後衛を抱えて、判断値0で平気で後列を殴って来る動く石像や、高火力の全体攻撃を放ち、倒しきることも妨害することも難しいエビルマージを相手にする。
ホロゴーストのザキ、ザラキや骸骨剣士の焼けつく息といった、クリティカルな攻撃もまた警戒しなければならないというのに。
「それに対し私たちは倍の経験値を反映したレベルを持ち、勇者のあなたと、それより100ポイント以上高いヒットポイントを持つ私は、たとえ驚かされてエビルマージにマヒャド4連発を受けようとも、動く石像の痛恨攻撃を受けようとも十分に耐えられる」
グループ攻撃呪文やブレスなど、パーティ全体にダメージを与える攻撃を受けても人数が少ない分、半分の損害で済むのだし。
ついでに言えば、スマートフォン版、PlayStation 4、ニンテンドー3DS版においては、商人さえ居ればホロゴーストのザキ、ザラキは警戒しなくていいという利点がある。
スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版ですごろく券を落としていたモンスターを、すごろく場が無くなったので元のファミコン版と同様のものに差し戻したのだが、ドロップ率を戻すことを忘れていた、という結果、ホロゴーストが命の石を1/16でドロップするようになり、フロアが切り替わるついでに商人が5回だけあなほりをする、それだけで、消耗を上回るペースで命の石が得られるからだ。
パチュリーたちのように二人パーティなら必要な命の石の個数も4人パーティの半分だし、ザラキを受けた場合の死亡判定回数も4人パーティの半分になるので消耗率は抑えられるのだし。
ともあれ小悪魔が、
「結局フィジカル……!! 攻略って…… 最後はフィジカル……!!」
と筋肉に支配された結論に愕然とするが、つまりはそういうことだった。
「まぁ、そんなわけでフィジカルな理由により簡単にレベルアップが図れる私たちは、レベルが上がればますますフィジカルが充実するから」
「それでバラモスも倒せる?」
ということでバラモス城でレベル上げである。
しかし、
「うーん、とりあえず、あなたのマジックパワーが切れるまで、と思ったんだけど……」
薬草を使わず治療を小悪魔のホイミ、ベホイミに頼っているのだが、
「ゆるゆるです!」
と小悪魔が言うとおり、割とヌルゲー状態なのに、レベルがガンガン上がって行く。
まぁ、倒せさえするのなら通常の4人パーティの2倍、経験値が入って来るので倍速でレベル上げをしているようなもの。
しかも、
「ホロゴーストのザキ、ザラキ、動く石像の痛恨攻撃も気にせず、はぐれメタルを狙えるのが凄い楽です!」
はぐれメタルが出た場合、全力でこれを倒すことに注力したいが同時に現れた敵も放置できない、というのが普通だが、パチュリーたちはこのリスクを無視できる。
特にホロゴーストはメダパニ、毒蛾の粉に弱耐性しか持っていないので狙い目だし。
実際、動く石像の痛恨攻撃を受けながらもそれを放置して、はぐれメタルを仕留めたりもできているし。
そんなわけで小悪魔のマジックパワーにはまだ余裕があるものの、パチュリーがレベル35、小悪魔がレベル33まで上がった時点で帰ることに。
結果、ステータスは、
名前:パチェ
職業:しょうにん
性格:ごうけつ/タフガイ
性別:おんな
レベル:35
ちから:168
すばやさ:114
たいりょく:182
かしこさ:50
うんのよさ:56/106
最大HP:368
最大MP:101
こうげき力:293/225
しゅび力:157/147
ぶき:せいぎのそろばん/ほのおのブーメラン
よろい:まほうのまえかけ
たて:ふうじんのたて/まほうのたて
かぶと:ぎんのかみかざり
そうしょくひん:ごうけつのうでわ/しあわせのくつ
名前:こあくま
職業:ゆうしゃ
性格:セクシーギャル/タフガイ
性別:おんな
レベル:33
ちから:123
すばやさ:190
たいりょく:128
かしこさ:78
うんのよさ:96
最大HP:259
最大MP:156
こうげき力:205/175
しゅび力:212/205/197
ぶき:いなずまのけん/ドラゴンテイル
よろい:やいばのよろい/まほうのよろい
たて:ドラゴンシールド/まほうのたて
かぶと:オルテガのかぶと
そうしょくひん:ほしふるうでわ/パワーベルト
さらにイオラとベホマを覚えた。
となっていた。
そうして宿に泊まって回復をして改めてバラモスを倒しに来たのだが、
「途中でまた、はぐれメタルを倒しちゃってレベルが上がってしまったのだけれど」
バラモス城は、はぐれメタルに遭遇できるか倒せるかで大きく獲得経験値が変わるため成長に予測が付かないのだ。
さらに、
「ついでにフロアが切り替わるたびに5回のあなほりをしたのだけれど、命の木の実に命の石も拾えたし」
また増える命の石。
ザキ、ザラキを警戒しないで済むというのは戦術面ではもちろん、精神的にも本当に楽であった。
そしてバラモス戦を前に装備を整える。
名前:こあくま
職業:ゆうしゃ
性格:セクシーギャル
性別:おんな
レベル:34
ちから:129
すばやさ:194
たいりょく:133
かしこさ:80
うんのよさ:99
最大HP:266
最大MP:160
こうげき力:211
しゅび力:214~192
ぶき:いなずまのけん
よろい:やいばのよろい/まほうのよろい
たて:ドラゴンシールド/まほうのたて
かぶと:オルテガのかぶと/ふこうのかぶと
そうしょくひん:ほしふるうでわ
くさなぎのけん、ねむりのつえ、いのりのゆびわ×2
名前:パチェ
職業:しょうにん
性格:ごうけつ/タフガイ
性別:おんな
レベル:36
ちから:170
すばやさ:116
たいりょく:184
かしこさ:51
うんのよさ:57/107
最大HP:370
最大MP:102
こうげき力:295
しゅび力:158/148
ぶき:せいぎのそろばん
よろい:まほうのまえかけ
たて:ふうじんのたて/まほうのたて
かぶと:ぎんのかみかざり
そうしょくひん:ごうけつのうでわ/しあわせのくつ
まふうじのつえ、ねむりのつえ、やくそう×3
「バラモスの最大ヒットポイントは2500。マジックパワーは255で無限。ただしスマホ版では有限という噂もあるわ」
とパチュリー。
「攻撃力は240。守備力は200」
「それは硬いですね」
ドラゴンクエスト3のダメージ計算式は、
(攻撃側の攻撃力-受ける側の守備力/2)/2×乱数=ダメージ値
単純に言えば50ポイントのダメージが引かれてしまうということで、それだけ聞くと大したことが無いようにも感じられるかもしれないが……
「素早さは85で、普通のパーティなら素早さに優れた武闘家、盗賊か、星降る腕輪で素早さを倍にしないと先攻できない、リアルラック次第ではそれでも先制される相手」
さらに、
「判断力は最高の2」
と頭も良い。
「何よりいやらしいのが毎ターン100ポイント自然回復すること」
「つまり……」
「休まず毎ターン100ポイント以上のダメージを積み重ねていかないと永遠に倒せない。200ポイントという高い守備力で一人一人の与えるダメージから50ポイントずつ削られる状態で、これがなかなかに難しいのよ」
ということ。
一方攻撃手段はというと、
「ランダムで1~2回行動。完全ローテーション行動で、
イオナズン→打撃→激しい炎→打撃→メラゾーマ→メダパニ→イオナズン→バシルーラ
という具合に攻撃を仕掛けて来るわ」
そして、
「ラリホー、マホトーンには強耐性で7割無効化」
と、防ぐのも簡単ではない。
ただ、逆にドラクエ3では強耐性でも3割は効くということなので、マホトーンを唱えるか魔封じの杖を使い続けることで時間はかかるかも知れないが呪文は封じられる。
そして4人パーティなら全員でラリホーを唱えるか眠りの杖を使うかすれば高確率で眠らせることができる。
もっとも毎ターン100ポイントの自然回復があるので、そうやって眠らせっぱなしで倒しきるというわけにも行かない。
自然回復が無いゲームボーイカラー版なら話は別だが。
「ルカナン、ルカニ、マヌーサには弱耐性で3割無効化」
ゆえに守備力低下、そしてマヌーサにより打撃の半分を外すようにする弱体化は有効。
ただしパチュリーたちだとマヌーサは使えず、守備力を下げるにも草薙の剣のルカナンの効果を使っていくほかないが。
「攻撃呪文に対しては、火炎系には強耐性で7割無効化。ヒャド、バギ系には弱耐性で3割無効化。勇者のデイン系には無耐性なので100パーセント効くわけだけれど」
現在、小悪魔が使えるライデインは単体攻撃呪文で与ダメは70~89と魔法使いの呪文、メラミと同じ。
消費マジックパワーは8とメラミより燃費が悪いし、勇者なら守備力を下げてから殴った方が早いので出番は無いだろう。
そして、
「その他呪文には完全耐性持ち」
なので、これら以外は考えなくていい。
「マホトーンで呪文を封じれば、バシルーラ以外の呪文がスキップされ、
打撃→激しい炎→打撃→バシルーラ
に。何故か知らないけどバシルーラは無駄行動として残るわ」
という相手である。
「ついにここまで来たか。こあくまよ。
この大魔王バラモスさまに逆らおうなどと、身のほどをわきまえぬ者たちじゃな」
「身の程をわきまえていないのはどちらかしら? 身分詐称の潰れカバの分際で」
ツッコむのはパチュリー。
バラモスは魔王であっても大魔王ではない。
「「お前それ上司(大魔王ゾーマ)の前でも同じ事言えんの?」ですね」
と小悪魔が言うとおりの話だ。
「ここに来たことをくやむがよい。
ふたたび生き返らぬよう、そなたらのハラワタを喰らいつくしてくれるわっ!」
初代ドラクエで竜王の問いに「はい」と答えると即バッドエンドになっていた記憶が新しいファミコン版では、初見のプレイヤーをビビらせたであろう、このセリフ。
もちろん、
「勇者は滅びぬ! 何度でも蘇るさ!」
なので、ここで負けても普通に復活できる。
故にリメイクでは、2回目以降は、
「何度こようともムダなこと」
にセリフが切り替わったりするのだが。
そして戦闘の開始だが、
「こぁ、アストロンよ!」
まずはアストロンで開幕イオナズンと一番きつい火炎攻撃をスキップさせる。
3ターンの無敵時間の間にバラモスはイオナズン、打撃、激しい炎、打撃を無駄撃ち。
次はメラゾーマが来るので、二人とも耐魔法防御装備。
2回行動された場合にはさらにメダパニが来るため、パチュリーは幸せの靴で状態異常耐性を上げておく。
小悪魔は草薙の剣を振りかざした!
しかしバラモスには効かない。
パチュリーは魔封じの杖を振りかざした。
バラモスの呪文を封じ込めた!
「1回で効いた!?」
強耐性持ちなので、何度も繰り返すことを覚悟していたのだが。
そしてバラモスの判断値は最高の2、つまりターン中、自分の行動番になった際に行動を決定するので、
打撃→激しい炎→打撃→バシルーラ
のループに即座に切り替わる。
このターンなら、無駄行動のバシルーラに!
今後は魔法攻撃が無いため、守備力優先装備へ切り替え。
小悪魔は不幸の兜、刃の鎧、ドラゴンシールドへ。
パチュリーは風神の盾へ、そして装飾品も豪傑の腕輪に切り替える。
小悪魔は草薙の剣を振りかざした!
青い光が地面を走る!
「効きました!」
バラモスの守備力を100下げた!
パチュリーは眠りの杖を振りかざした!
甘い香りが敵を包み込む!
「でもまぁ、眠らないわよね」
バラモスは睡眠に対し強耐性を持ち7割の確率で無効化する。
とはいえバラモスには毎ターン100ポイントの自然回復があるため、守備力が下がり切るまでは攻撃しても無駄になる。
だったら効く確率が低くても使っておいた方が良いだろうという判断である。
そしてバラモスの攻撃が炸裂!
パチュリーは71ポイントのダメージ。
さらに激しい炎が吹きつけられ、ドラゴンシールドのブレス耐性でダメージを3/4に減らした小悪魔でも73ポイント、素のままのパチュリーは、実に85ポイントものダメージを受けてしまう。
そして次のターン、
小悪魔は草薙の剣を振りかざした!
青い光が地面を走る!
バラモスの守備力を50下げた!
「また効きました!」
これでバラモスの守備力は200から1/2の1/2、1/4の50ポイントまで弱体化。
バラモスの攻撃は小悪魔に50ダメージ!
「くっ」
反射でその半分のダメージがバラモスに返るが、自動回復で打ち消されるだろう。
続いてバラモスの無駄行動のバシルーラ。
パチュリーは眠りの杖を振りかざした!
甘い香りが敵を包み込む!
「やっぱり効かないか……」
次のターンも、引き続き小悪魔は草薙の剣を、パチュリーは眠りの杖を使うが残念ながらどちらも効かず。
バラモスの攻撃に、パチュリーは85ポイントのダメージを受ける!
「さすがに治療しないと」
小悪魔はパチュリーにベホマで治療、パチュリーのヒットポイントをフル回復させる。
パチュリーは防御体勢を取っており、そこにバラモスの激しい炎が吹きつけられた!
パチュリーは防御でダメージを半減させても42ポイント、小悪魔はドラゴンシールドのブレスダメージを3/4に軽減する効果をもってしても60ポイントものダメージを受ける。
次のターン、
小悪魔は草薙の剣を振りかざした!
青い光が地面を走る!
バラモスの守備力を25下げた!
バラモスの攻撃は小悪魔に70ダメージ。
そして、
パチュリーは眠りの杖を振りかざした!
甘い香りが敵を包み込む!
「寝たわ!」
次のターン、この隙に小悪魔はベホマで自分をフル回復。
パチュリーも薬草で自分を回復。
そして次のターン、パチュリーはバラモスがターン中に目を覚ました場合に備え、目を覚ました後にすかさず眠らせることができるよう、眠りの杖を使うことに。
この、行動順が遅いことを利用した後攻攻撃は素早さの低い戦士などには有効な戦術ではあるのだが。
しかし、
「運が悪かったわね」
パチュリーの行動順は一番初めで無駄になってしまう。
もっとも、
バラモスはまだ眠っている!
ので、行動順が遅くても無駄に終わっていたのだが。
そして、
小悪魔は草薙の剣を振りかざした!
青い光が地面を走る!
バラモスの守備力を12下げた!
小悪魔の草薙の剣が、とうとうバラモスの守備力を12まで下げる。
「さぁ、ここからよ!」
小悪魔とパチュリー二人がかりで殴りかかる。
守備力を徹底的に下げたため、パチュリーの正義のそろばんは140ポイント越え、小悪魔の攻撃でも100ポイント前後のダメージを叩き出す!
バラモスは目を覚ますが、もう遅い。
君がッ、泣くまで、殴るのをやめないッ!
とばかりにタコ殴りにする。
なお、泣いてもやめない模様。
ヒットポイントが危なくなったら小悪魔のベホマで回復。
もちろん、その間もパチュリーはひたすら攻撃し続けるので、バラモスの自然回復100ポイント以上のダメージを継続的に与えることができる。
ベホマによる回復はギリギリまで粘った方がマジックパワーの節約になるし、攻撃に手が割けるので倒すまでの時間短縮になるが、事故ってもアレなのでほどほどに。
余裕を見て、小悪魔は打撃のみ受けるターンならヒットポイントを80以上、打撃と激しい炎を受ける可能性があるターンなら155以上。
パチュリーは打撃のみ受けるターンならヒットポイントを100以上、打撃と激しい炎を受ける可能性があるターンなら200以上。
これを維持する。
激しい炎が来るターンに二人同時に治療が必要になるのは避ける……
まぁ、それでもパチュリーが防御すれば乗り切れるだろうが、そのターン攻撃できないとバラモスのヒットポイントが100回復されてしまうし。
なお、
「……これ、すっごい楽なのでは? 命の危険も感じませんし、一方的ですよね」
「そうね。少人数、高ヒットポイントパーティと、ベホマはもの凄いシナジー、相乗効果があるの」
ベホマは一人のヒットポイントをフル回復させるもの。
つまりヒットポイントが高ければ高いほど回復量もまた上がる。
ヒットポイントの伸びる職業を選んでいれば効果大であるうえ、少人数プレイだと同じだけ戦闘をしてきたとしても、一人あたりが得られる経験値も増える。
パチュリーと小悪魔のように二人パーティなら、4人パーティの倍の経験値を得ているので、その分、さらに高レベル、高ヒットポイントになるというわけである。
同時に少人数だと、敵の範囲攻撃で負うパーティ全体のダメージ量が減る。
パチュリーと小悪魔のように二人パーティなら、4人パーティの半分である。
そして勇者がベホマを覚える時期はレベル33。
僧侶、賢者のレベル30より遅いが、二人パーティの勇者がレベル33に到達するのに必要な経験値は、四人パーティの僧侶がレベル30に到達するより少ない。
逆に、二人パーティの勇者がベホマを覚える時分には、四人パーティの僧侶はまだレベル27程度。
そして僧侶は賢者の完全下位互換なので賢者に転職しているパーティが多いだろうが、その場合レベル22以下となるからなおさらである。
そんなことをバラモスを殴りながら、たまに小悪魔がベホマで治療したりを繰り返しながら話す。
いや、話しながら戦うだけの余裕があった。
「ちなみにプレイヤースキル、頭を使わなくてもいいのも少人数パーティの利点よ」
とパチュリー。
「はい?」
「あなたには、激しい炎が来るターンに二人同時に治療が必要になるのは避けるようにしてもらっているけれど、これが四人だったらどうかしら?」
「あ……」
二人でも考えなくてはいけないのに、4人のことを気にかけるとなると……
「ツーマンセルとフォーマンセル、人数が多い分だけ後者の方が負担が軽い、楽なように思えるけど」
しかし、
「実際には、把握しなくてはいけない味方の数が増えるフォーマンセルより、自分と相方一人だけ気にかけていれば大丈夫なツーマンセルの方が、運用が簡単で習熟も容易なの」
独逸空軍でも、連携な困難な三機編隊のケッテが廃れ、二機編隊のロッテ戦術が採用されていたように。
と、今回の攻略のために軍事知識まで勉強していたパチュリーは解説する。
そうして二人は苦もなく勝利。
それぞれレベルが一つずつ上がる。
「ファミコン版だとラスボスを装っていたせいか経験値は入らなかったのだけれど、さすがにリメイクでは経験値が入るように改められたのよね」
ドラゴンクエスト1の竜王、ドラゴンクエスト2のハーゴンとシドー、これらのラスボスは、ラストバトルだからレベルアップさせてもしょうがないということか、経験値が入らなかった。
その流れで設定されていたものか。
「ぐうっ…… お…おのれ、小悪魔……
わ…わしは…… あきらめ…ぬぞ… ぐふっ!」
そう言い残してバラモスが倒れると、暖かい光が辺りを包む……
小悪魔たちのヒットポイントとマジックパワーが回復した!
どこからともなく声が聞こえる……
「こあくま… こあくま… 私の声が聞こえますね?」
「こ、この声はプレイ開始直後の性格診断、誕生日の夢の中で「あなたはエッチですね」「自分でもうっすらエッチであることにきづいている」「ひといちばい男の子がすき」「あなたはエッチです。それもかなりです」なんて連呼してきた……」
「合ってる、合ってる」
つぶやく小悪魔に、そのとおりよね、とうなずくパチュリー。
しかし声の主はそんな二人の言葉をスルーして、
「あなたたちは本当に、よくがんばりました。
さあ、お帰りなさい。
あなたたちを待っている人びとのところへ……」
と語りかけ、アリアハンへ強制転送させる。
この時点では船もラーミアもなく、キメラの翼も行き先が制限され、スーパーファミコン版以降のリメイクではいざないの洞窟やレーベ南の森の中にある旅の扉も塞がれアリアハンを出る手段はない。
街の人々に口々に歓迎され、王様に謁見を果たす。
「おおこあくまよ! よくぞ魔王バラモスをうちたおした!
さすがオルテガの娘! 国中の者がこあくまをたたえるであろう。
さあみなの者! 祝いのうたげじゃ!」
しかし不意に辺りが暗くなると、その場に居合わせた兵士たちが次々に跡形もなく消されていく!
「わははははははっ! よろこびのひと時に少しおどろかせたようだな。
わが名はゾーマ。闇の世界を支配する者。
このわしがいる限り、やがてこの世界も闇に閉ざされるであろう。
さあ、苦しみ悩むがよい。
そなたらの苦しみは、わしのよろこび……」
「医者に行きなさい。医者に」
精神科で頭の中身を看てもらうよう勧めるパチュリー。
一方、小悪魔はと言うと、
「大魔王ゾーマは『曇らせ』好きだった……!?」
などとつぶやいている。
「あなたもカウンセリング、受けに行ったら?」
訳の分からないことを言っている小悪魔に、そう告げるパチュリーだったが、
「私は曇らせ隊とは違うんです!」
小悪魔は一緒にしないでと叫ぶ。
「「かわいそうなのは抜けない」派なので!」
「何の話よ!?」
小悪魔が何を言っているのか理解できないパチュリーだったが。
主従逆転快楽調教を狙っている相手がそういう気質だということは、される側にしてみれば安心要素といったところ…… なのだろうか?
「命ある者すべてをわが生けにえとし、絶望で世界をおおいつくしてやろう。
わが名はゾーマ。すべてをほろぼす者。
そなたらが、わが生けにえとなる日を楽しみにしておるぞ。
わははははははっ……!」
そしてゾーマの声は消え去って行った。
亡くなった兵士たちの姿と共に。
「なんとしたことじゃ…… やっと平和がとりもどせると思ったのに……
闇の世界が来るなど、みなにどうしていえよう……
こあくまよ。大魔王ゾーマのこと、くれぐれも秘密にな……
もうつかれた…… さがってよいぞ……」
こうして再び魔王退治の旅に出かけることになった小悪魔とパチュリーだった。
バラモス撃破!
事前のレベル上げも簡単でしたし、やはり勇者と商人の二人パーティは安定してますね。
次回はいよいよアレフガルドに、ですが、事前にやることも多いですよね。
誘惑の剣の回収に、竜の女王の城から光の玉の回収。
アレフガルドに行ったらラダトームでお買い物ですから精算もしておかないといけませんし。
ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
今後の展開の参考にさせていただきますので。