こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3) 作:勇樹のぞみ
「小さなメダルも貯まったし、メダルの館で引き換えるわね」
小悪魔のルーラでアリアハンに跳び、メダルおじさんから小さなメダル90枚でもらえる復活の杖を受け取る。
天使を象った先端の形状が特徴的な杖で、
「復活の杖はドラクエ5で初登場、その後リメイクでドラクエ3にも逆輸入された攻撃力+33、僧侶、賢者が使える武器だけれども」
この杖の価値はそこには無い。
「戦闘中に道具として使うのは誰にでもできて、復活呪文ザオラルの効果を持つものなの」
「生き返りの呪文がタダで何度でも使えるというわけですね」
「そうね、それが最大のメリットかしら。ザオラルの呪文は僧侶、賢者がレベル24~26で。勇者がレベル35~37で覚えるというものだけれども」
「私ももう覚えています!」
小悪魔の現在のレベルは36。
「勇者は賢さが62以上あれば習得可能レベルに達した時点で確実に覚えられるから、種で賢さを上げているあなたならそうなるわよね」
しかしまぁ、4人パーティならもっとレベルは低いだろうし、そもそも使えるメンバーが死んでしまった場合にも利用できるというのは大きいだろう。
ただし、
「お店に持って行くのはもったいないと思うけど…… 33750ゴールドで売れるわね」
完全なる一品ものなのだが、非常に高額なので売るという選択肢もあったりする。
「……売るんですか?」
「ザオラルでの蘇生の成功確率は約半分と言われているわ」
ファミコン版では移動中に使った場合で50%。
戦闘中は、
(384-蘇生対象キャラの運の良さ)÷2>乱数(0~255)なら成功
つまり運の良さがゼロなら75%の確率で生き返るが、128で50%、255で25%という、運がいいほど失敗率が上がるという不思議な処理がされていた。
これは敵から状態異常系の呪文を受けた場合と同じルーチンで処理されているらしいからという話だったが。
リメイクでの処理は分かっていなかったが、それでも、
「死人が出るような厳しい状況下でのんびりと蘇生を行っている暇があるとでも思うの? 下手をすれば残りのメンバーまで共倒れになるわ」
「うぐっ!」
「その上、ザオラルでの蘇生だと体力は半分までしか回復しないわ。すかさず治療しないとちょっと攻撃を受けただけでまたすぐ死亡ということにも成りかねないの」
死ぬからには最大ヒットポイントが低いメンバーが犠牲になるのだろうし。
そしてこれが結構厄介で、
「つまりザオラルを使って蘇生を行う者と蘇生した者を治療する者、二人の手を取られるという訳ね」
しかも、
「それも一度で成功すればいいけど、そうでなければ成功するまでずっとつきっきりよ。もちろん一人は死亡しているから、実質残りの一人でモンスターを相手にしなくてはならなくなる」
死者を出すような敵を相手にこれは無謀過ぎる。
「そして蘇生に成功したとしましょう。回復呪文を使える者は死者の治療の上に、治療の間に新たに仲間が負った傷を癒さなければならない。マジックパワーは大きくすり減らされ、パーティはボロボロね」
どうしようもない。
「結局、街に戻っての休息が必要になるわ。だったら死者が出たら迅速に戦闘を終わらせ街に帰る。そうして教会で蘇生してもらう方がずっと早いでしょう?」
「で、でも、蘇生手段が無いよりはあった方がいいでしょう?」
「復活の杖は高額で売れるわ。そのお金で装備を整えた方が結果として死亡確率は減る。簡単な計算でしょう?」
これはゲーム攻略では良く使われる手だった。
ゲームではキャラが死亡した際の保険として救済用の蘇生アイテムが用意されていることが多い。
このアイテムは結構高額な場合が多く、それを売り払うことによって得た多額の資金で装備を固める訳だ。
「まぁ、教会での治療費用がかからないというメリットはあるわ」
全滅した場合は勇者がザオラルを覚えていればそれを使って他のメンバーを生き返らせられるので教会への布施は必要無いが、まだ覚えていない場合は少なくとも僧侶、賢者等、蘇生呪文が使えるメンバーを蘇生させる費用が必要だし。
または勇者だけ死んで、パチュリーたちのように勇者以外に蘇生呪文を使うことができるメンバーが居ない場合も教会での蘇生に金がかかることになる。
教会で生き返らせる場合、
レベルの二乗(1の位は切り捨て)+10ゴールド
という金がかかる。
今の小悪魔のレベル36では1回1300ゴールド。
レベル99まで達すれば、9810ゴールドがかかる計算である。
「それで、どうするの? 私はもうお金は要らないから、あなたの選択に任せるわよ」
「むぐぐぐぐ……」
悩む、小悪魔。
「とりあえず取っておいて、買い物をする必要ができた場合に改めて検討するというのでもいいわよ。メルキドでは高額で売れるパーティドレスも手に入ったことだし、眠りの杖を買い戻すのはそれで間に合うから」
「はい……」
そういうことになった。
不用品を売り払い、これまでの収入を分配した結果、二人の所持金は、
小悪魔:9281G
パチュリー:758350G
ここから小悪魔はパチュリーに質として預けていた眠りの杖を買い戻すので、売却価格3150ゴールドを返還。
結果、
小悪魔:6131G
パチュリー:761500G
となった。
「次はリムルダールの街だけれども」
「けれども?」
「先にメダルの回収でマイラ南の沼地の洞窟に行くわね」
小悪魔のルーラでマイラに跳び、そこから南進。
「このエリアでは、新たにサタンパピーが出てくるわ。1~2回行動でメラゾーマも使ってくる相手だから、防具は魔術耐性優先で」
と準備するが、出て来たのはマドハンド6体の群れ。
「あなたはそろそろレベルアップのはずだから装飾品をパワーベルトに付け替えて!」
「はい!」
小悪魔の雷神の剣のベギラゴンで一掃すると、
「レベルが上がりました!」
小悪魔がレベル37に、
ちから+6
すばやさ+5
たいりょく+7
かしこさ+1
うんのよさ+1
結果、ステータスは、
名前:こあくま
職業:ゆうしゃ
性格:セクシーギャル/タフガイ
性別:おんな
レベル:37
ちから:145
すばやさ:210
たいりょく:159
かしこさ:86
うんのよさ:106
最大HP:317
最大MP:172
こうげき力:265/197
しゅび力:222/200
ぶき:おうじゃのけん/ドラゴンテイル
よろい:やいばのよろい/まほうのよろい
たて:ドラゴンシールド/まほうのたて
かぶと:オルテガのかぶと
そうしょくひん:ほしふるうでわ/パワーベルト
となった。
そして南進していくと現れるサタンパピー2体とグール2体!
「物理で押し切るわよ!」
「はい!」
小悪魔はドラゴンテイルでサタンパピーをしばき上げる!
「call me queen!!(女王様とお呼びっ!!)」
サタンパピーが反撃してくるが、2回とも物理攻撃だったので問題はない。
そこにパチュリーの炎のブーメランが炸裂し、サタンパピーを倒しきる。
後はグールだが、これも物理攻撃のみ。
耐魔法装備で守備力が下がっているパチュリーでも1ダメージと微々たるものなので問題は無く、次のターン、小悪魔の雷神の剣のベギラゴンで焼き払われて終わる。
さらに現れたのは、スカルゴンが3体。
「耐物理、ブレス耐性装備に切り替えて!」
小悪魔は刃の鎧とドラゴンシールド。
パチュリーはブレス耐性のある防具が無いため守備力優先で早着替えの要領で魔法の前掛けと服を脱ぎ捨て魔法のビキニ姿に!
「クロス・アウッ!!(脱衣) フォオオオオオオ! 気分はエクスタシー!!」
「おかしな合いの手を入れるな!!」
小悪魔の、よくわからないが、変だということだけはわかる発言に、黙れとばかりに言い捨てるパチュリー。
その上で風神の盾を身に着ける。
「脱げば脱ぐほど強くなる!」
「それはそうだけれども……」
肌が露出しているほど効率よく気を放出できるので、衣服を脱げば脱ぐほど強くなるという一子相伝の暗殺拳『裸神活殺拳』……
何故小悪魔が知っているかは置いておいて、そういう効力のあるビキニなのかも知れないが、そう騒がれると恥ずかしくなる。
しかし赤面するパチュリーに、小悪魔は、
「こんな言葉をご存知ですか?」
と問いかけた上で、まるで世界の真理を語るかのように真剣な表情で、
「パンツじゃないから恥ずかしくない」
などと言い放つ。
「そんなバカな」
と、呆れ果てるパチュリーだったが……
ともかく目の前のスカルゴンをどうにかしないといけない。
小悪魔の雷神の剣が炸裂し、パチュリーの眠りの杖が敵の反撃を妨害する。
幸いすべて眠り、起きてこなかったので後はそのまま攻撃を重ねて終了であるが、
「あれ? 今度はベギラゴン2発で沈みましたよ?」
スカルゴンの最大ヒットポイントは200で、1ターンに20ポイントの自動回復がある。
対してベギラゴンのダメージは88~111、平均して100ポイントのダメージであるが、
「前にも言ったでしょう、ボスキャラ以外のモンスターのヒットポイントは満タンだとは限らず、最大ヒットポイントの75%~100%程度の状態で出現するんだって」
平均して9割弱。
つまりスカルゴンなら200×0.9=180ポイント弱。
ベギラゴンを1発、100ポイントダメージを受けて80ポイント弱。
ターン終了で自動回復して100ポイント弱。
次のターン、もう一度ベギラゴンを受けて100ポイントダメージを食らったら終了である。
もちろん乱数があるので生き残りが発生する可能性もあるが。
「前回の戦闘では最初、攻撃せずにラリホーで眠らせようとしたために、自動回復でヒットポイントがフルの200になってしまったところから攻撃を開始したから。だからベギラゴン2発では沈まなかったのよ」
「なるほど、自動回復のあるモンスターは最初のターンから積極的に攻めて行った方がいいってことですね」
ということだった。
そして、
「また毒の沼地!?」
悲鳴を上げる小悪魔。
「いえ、だから沼地の洞窟なんでしょう?」
お前は何を言っているんだ、みたいな話。
「そうでしたー!」
と小悪魔は叫ぶのだった。
嫌々足を踏み入れたそこでグール4体に襲われるものの、小悪魔の雷神の剣のベギラゴンとパチュリーの炎のブーメランを合わせれば3体までは倒せる。
残り一体も次のターンで切り捨て終わりである。
こうして沼地の洞窟に到着。
中に入ると、入り口近くにはベッドが並んだ部屋があって、
「ほって、ほって、ほりぬいて。ほって、ほって、またほって、と」
「俺たちはトンネルを掘っているんだ」
という具合にリムルダールとの間を繋ごうとしているトンネルの作業員たちの休憩所となっていた。
「「ほって、ほって、またほって」とか、エッチ過ぎですね、パチュリー様」
「は?」
「毒の沼地に閉ざされた辺境に、ガチムチ労働者の男たちが四人、ベッドを並べての生活」
意味ありげに、男くさそうな寝床を見やる小悪魔。
「性欲を持て余す彼らに何も起きないはずがなく……」
「やめろォ!」
なんて話をするのだこの使い魔は。
おかげで男の、
「ほって、ほって、ほりぬいて。ほって、ほって、またほって、と」
というセリフが意味ありげに聞こえるようになってしまったではないか!
その先の現場では、
「えい、こーら。えい、こーら」
「ほって、ほって…… ああ、早くリムルダールに行きてえもんだよなあ……」
と掘削作業を続けており、行き止まりからは小さなメダルを拾うことができる。
なお、初代ドラクエのダンジョンマップと比較しても8割以上は掘り進んでいる模様。
「初代ドラクエだとつながっていて、またドラゴンに守られたローラ姫が閉じ込められていた場所だったのだけれど」
ローラ姫が閉じ込められていた部屋も既にできあがっているし。
「ところでパチュリー様、先ほどのお話ですけど」
「また蒸し返す気!?」
「いえ、パチュリー様は彼らのガチムチホモS〇X展開を否定されるわけですよね、彼らはノーマルだと」
「……当たり前でしょう」
「その場合、今のパチュリー様は彼らからどう見られているんでしょうね?」
「は?」
「毒の沼地に閉ざされた辺境に、ガチムチ労働者の男たちが四人、ベッドを並べての生活」
先ほどの小悪魔のセリフが……
「女日照りで性欲を持て余す彼らの前に現れた美しい少女。何も起きないはずがなく……」
まったく別の意味を持つようになる。
「肉体労働者の、男くさい寝床に連れ込まれ、四人がかりでメチャクチャに……」
顔を引き攣らせるパチュリーの耳元に、小悪魔はささやく。
「ほって、ほって、ほりぬいて。ほって、ほって、またほって、と」
「っ!?」
熱く濡れた声が、小悪魔の吐息と共にパチュリーの耳朶に流し込まれ、背筋を震わせる。
「何度も何度も繰り返し女体を掘られ、掘りかえされ、パチュリー様は男たちの性欲のはけ口、この工事現場の飯場の備品、肉布団にされてしまうんです」
小悪魔の与える、そんな妄想がパチュリーを責め苛む。
「やめろォ!」
パチュリーの悲鳴にも似た絶叫が、薄暗い穴の中、響き渡るのだった……
沼地の洞窟、リムルダールへのトンネル掘りをやっている男ばかりのガチムチ労働者の巣窟に、迂闊にも足を踏み入れてしまったパチュリー様たちのお話でした。
でも真面目な話、こういう現場にドラクエ3の女性キャラ、
ドラクエ3はどのキャラも魅力的なデザインすぎる。
とてもじゃないが往来を歩けない格好の戦士とか、全身タイツの僧侶とか、そこはかとなく布の薄い賢者とか。
お子様ながらに股間がイライラしていた……!
鳥山先生… ゆるせねぇよ!
(たにたけし先生の1Pマンガより)
などとファンから言われている彼女たちが入って行くって危なすぎますよね。
次回はリムルダールへ。
小さなメダルも95枚まで貯まるので、神秘のビキニがもらえるのですが、なら今、パチュリー様が身に着けている魔法のビキニは小悪魔に……?
というお話をお届けする予定です。
ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
今後の展開の参考にさせていただきますので。