こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3)   作:勇樹のぞみ

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ルビスの塔(前編)光の鎧入手

「次はルビスの塔ね」

 

 小悪魔のルーラでマイラに跳んだら西に真っすぐ進み、停泊している船に向かう。

 しかし、

 

「山地を避けて船を泊めておいて欲しいのだけれどね」

 

 という具合で山地を突っ切って行かなければならないため、当然モンスターと遭遇する。

 しかも、

 

「モンスターの不意打ちです!」

 

 グール、スカルゴン、マドハンド、サタンパピー、各一体の群れがいきなり襲い掛かって来る。

 スカルゴンの全体に40~59の吹雪ダメージを与える氷の息のダメージが痛い。

 まぁ、小悪魔は勇者の盾でブレスダメージを減らせるのでその2/3のダメージで済むのだが。

 ともあれ、敵は面倒くさい構成であり、変に小細工をすると逆にダメージが増えそうなので、

 

「ここは何も考えずに押し切りましょう」

 

 多少の被ダメは覚悟して、火力でごり押しするという脳筋(マッチョ)でシンプルな戦法で行くことに。

 小悪魔の稲妻の剣のイオラの効果が炸裂し、それだけでマドハンドが退場。

 続いてパチュリーの炎のブーメランが敵全体を薙ぎ払い、グール、サタンパピーを倒す。

 残ったスカルゴンはブレスを吐くが、

 

「低ダメージの冷たい息の方ね」

 

 全体に9~20の吹雪ダメージのものなので、大したことはない。

 あとは、

 

「あなたはそろそろレベルアップするでしょうからパワーベルトを身に着けて」

「はい」

 

 パチュリーの隼の剣がスカルゴンに二回斬りつけ、戦闘は終了。

 そして、

 

「レベルが上がりました!」

 

 小悪魔がレベル38に、

 

ちから+4

すばやさ+3

たいりょく+9

かしこさ+2

うんのよさ+3

 

 結果、ステータスは、

 

 

名前:こあくま

職業:ゆうしゃ

性格:セクシーギャル/タフガイ

性別:おんな

レベル:38

 

ちから:149

すばやさ:216

たいりょく:168

かしこさ:91

うんのよさ:109

最大HP:344

最大MP:180

こうげき力:269/201

しゅび力:268/203

 

ぶき:おうじゃのけん/ドラゴンテイル

よろい:魔法のビキニ/やいばのよろい/まほうのよろい

たて:ゆうしゃのたて/まほうのたて

かぶと:オルテガのかぶと

そうしょくひん:ほしふるうでわ/パワーベルト/いのちのいし

 

 

「戦闘終了前にパワーベルトで性格を『タフガイ』に切り替えたおかげか、ヒットポイントが爆上がりしましたね」

 

 ニコニコ顔の小悪魔。

 さらに小悪魔はベホマズンの呪文を覚えていた。

 

「ベホマズンは勇者がLv38~40で習得する勇者専用呪文で消費マジックパワーは62。パーティ全体のヒットポイントをフル回復させてくれるわ」

「凄い、ですけど必要ですか、それ?」

「ファミコン版ではゾーマ戦であっても賢者の石とベホマ、ベホマラー、場合によっては賢者の杖の効果でも使えるベホイミを併用していれば間に合ってしまうのが大半で、どうしてもベホマズンが必要、とされるような場面はまず無いけれど」

 

 しかし、

 

「リメイクのしんりゅう戦やゲームボーイカラー版のグランドラゴーン戦におけるターン制限のある戦いでなら、勇者一人で一気に回復させることで攻撃に割ける手数を増やすことができるから、状況によっては役立つわ。クリア後に得られる不思議なボレロの消費マジックパワー/2+1(端数切捨て)という効果を使えば32ポイントで使えるようになるし」

 

 ということだった。

 

「それにしても、僧侶呪文に無い最上級の回復呪文を覚えるということは……」

 

 とパチュリー。

 

「ドラクエ3では『魔法使い不要論』を唱えるプレイヤーも居たけれど、実際には僧侶の方が不要になるのかも知れないわね」

「はい?」

「僧侶の呪文の内、ホイミ、ベホイミ、ベホマ、ザオラル、ニフラム、ラリホー、マホトーンは勇者も使えるわね」

 

 そうすると、

 

「使えないのは、ピオリム、マヌーサ、ルカニ、キアリー、バギ、キアリク、ザメハ、ルカナン、バシルーラ、ザキ、バギマ、ザラキ、フバーハ、ベホマラー、バギクロス、ザオリク、メガンテ」

「結構ありますよね」

「でも毒消し草、満月草、世界樹の葉、草薙の剣、賢者の石、王者の剣といった呪文の効果を使えるアイテムがあれば、特にふくろが使え、お金にも余裕があるリメイク版ならマジックパワーを消費しない分だけそちらの方が有利と言えるわね」

 

 期間限定の太陽の石は除外するにしても、キアリー、キアリク、ルカナン、ベホマラー、バギクロス、ザオリクは代替可能ということに。

 ついでに言えば、ホイミも薬草でまかなえる。

 そうなると、

 

「残りは、ピオリム、マヌーサ、ルカニ、バギ、ザメハ、バシルーラ、ザキ、バギマ、ザラキ、フバーハ、メガンテ」

 

 そして、

 

「攻撃呪文は他にいくらでもダメージソースの代替が可能だから必須ではない。ピオリム、バシルーラあたりは特定の戦法では使えるものだけれど必須ではない。メガンテはそもそも使いどころが無い。ザメハはしんりゅう戦であるといいけれど、ゾーマまでならまず不要」

 

 最終的には、

 

「ルカニは草薙の剣のルカナンの効果が使えるから完全でないにしろ補えるとして、痛いのは1/2の確率で攻撃を外させるマヌーサと、ブレスのダメージを2/3に軽減するフバーハが使えないことね」

 

 ということだが、

 

「なら、やっぱり必要じゃないんですか?」

 

 と首を傾げる小悪魔。

 しかし、

 

「私たち、無しで問題なくプレイできていたでしょう?」

「あれっ?」

 

 という話。

 

「マヌーサ、フバーハが必要になるのはボスキャラ戦なんだけれど、勇者、商人という高ヒットポイントメンバーの少人数プレイだと、僧侶のようなヒットポイントが少なく、守備力が低いキャラを庇わなくていいから必要性が薄くなるのよ。さらに言えば、ブレスで受ける総ダメージは二人パーティにしているだけで半減するんだし、この効果はフバーハ以上よ」

 

 まぁ、

 

「勇者がベホイミを覚えるタイミングが遅い、というのが攻略上問題になるけれど」

 

 ということはあるが、

 

「私たちベホイミ抜きで、やまたのおろちもボストロールも攻略できているし」

 

 ということであり、

 

「勇者は高ヒットポイント、高守備力、高耐性を持つ、僧侶の互換職と見ることもできるというわけね」

 

 マジックパワーの量に難があるかも知れないが、リメイクなら性格や種で補えるし、そもそも通常の回復は袋に詰めた薬草で間に合うし、モンスターとの遭遇率が下がっている分、消費は少なくなるので問題とはならない。

 硬くてタフな僧侶。

 そう考えると、また色々と攻略の幅が広がりそうな話であった。

 

 そして船で出港、ルビスの塔の建つ島へと向かう。

 

「初代ドラクエの時代には地続きになっていて、雨のほこらが建っている場所なのだけれど」

 

 時代の変遷による地形の変化があるのか、この時代には島であり、塔がそびえ立つ。

 途中、エンカウントも無く島に上陸し、無事、ルビスの塔に到着する。

 

「ここの1~2階に出現するのはラゴンヌ、メイジキメラ、サタンパピー、はぐれメタル、マクロベータ。マクロベータが1/8の確率で吐く全体に6~10の炎ダメージの火の息以外にはブレスを使って来る敵は居ないわ。逆にサタンパピーのメラゾーマ、ラゴンヌのマヒャドが怖いから」

「耐魔法装備が優先ってことですね」

「あとは対はぐれメタル戦用に、誘惑の剣とあなたは刃の鎧を。はぐれメタルを倒したらレベルアップがあるでしょうからパワーベルトも用意しておいて」

「はい……」

 

 というわけで装備を整え塔の内部を進む。

 が、

 

「いきなりバリアー床ね」

「ひぐぅぅぅっ!?」

 

 バリアー床を引きずり回され、悲鳴を上げる小悪魔。

 そして、

 

「宝箱です!」

「片方はミミックよ」

「ひぅっ!?」

 

 宝物庫に足を踏み入れるが、

 

「ライオンさんです!」

「ラゴンヌね」

 

 背中にコウモリの翼の生えた、六本脚のライオンの魔物。

 

「名前の由来はテーブルトークRPGの元祖であるダンジョンズ&ドラゴンズに登場の、ライオンと竜の混血モンスター、ドラゴンヌからとも言われているのだけれど……」

「けれど?」

「ダンジョンズ&ドラゴンズのオリジナルモンスターは下手をすると版権問題に発展する怖れがあるから」

 

 ビホルダー問題など、小説、そしてマンガやアニメにもなった『ゴブリンスレイヤー』の中でも触れられているとおり、未だにネタにされているし。

 

「脚が六本というデザインからしてこの系統は、聖書の誤訳から生まれた、ライオンとアリの性質を合わせ持つというヨーロッパの伝説上の生物、ミルメコレオの影響を受けているのだ、とも取れるし、そのままじゃないからそれほど気にしなくてもいいのでしょうけど」

 

 まぁ、そんなゴタゴタはともかく、

 

「ネクロゴンドの洞窟とバラモスの城に出現したライオンヘッドの上位種なのだけれど、一体だけではね」

 

 小悪魔の王者の剣とパチュリーの隼の剣を食らわせるだけで終わる。

 二つの宝箱の内、ミミックではない右側のものを開けて、1016ゴールドを手に入れ、あとは昇りの階段へと真っすぐに進むが、

 

「はぐれメタルです!」

「一緒に出たラゴンヌはメダパニに強耐性。逆に言えば3割の確率で効くわ」

 

 ゆえにここは耐魔法装備で固めた上、ラゴンヌに誘惑の剣を使う。

 小悪魔は刃の鎧で反射ダメージを狙うので、耐魔法装備は魔法の盾のみになるが。

 そして、はぐれメタルの攻撃!

 

「良かった、逃げなかったわ!」

 

 喜ぶパチュリー。

 

 小悪魔は誘惑の剣を振りかざした!

 剣からピンクの霧が流れ出す!

 ラゴンヌは頭が混乱した。

 

「やりました! 混乱です!」

 

 歓声を上げる小悪魔。

 もう意味がないとはいえパチュリーも誘惑の剣を使うが、これも効いていたりする。

 そしてラゴンヌが、はぐれメタルを攻撃してくれるが……

 

「1ダメージ!?」

 

 たった1ダメージと期待を大きく外してくれる。

 

「もう、次のターン逃げないでくれることを祈るしかないけど……」

「はぐれメタルが攻撃してくれました!」

 

 と小悪魔。

 彼女も攻撃を受けたことを喜び、しかも、

 

「刃の鎧の反射で3ポイントダメージです!」

 

 とダメージを積むことに成功!

 これは刃の鎧に魔法の盾という、守備力が下がる装備をしていたおかげでもある。

 さらに王者の剣で斬りかかり、1ポイントダメージ。

 

「やりました! はぐれメタルを倒しました!!」

 

 と喝采を上げる。

 後はラゴンヌだが、混乱していても最後の一匹になれば通常どおりに行動できるようになる。

 しかし攻撃目標を変更したパチュリーの隼の剣が炸裂し、56、85ポイントとダメージを積んで、それだけで倒しきる!

 

「わ、私が王者の剣で斬りかかっても倒せないのに……」

 

 目を見張る小悪魔。

 これが高い力の能力値を持つ者が隼の剣を使った場合の威力なのだ。

 

「私、本当に勇者なんですよね?」

 

 と今さらながら自分の存在意義に疑問を感じる小悪魔に、パチュリーは、

 

「さっきも言ったように、硬くてタフな僧侶を連れていると考えれば、問題無いわ」

 

 そうなだめるのだが、

 

「慰めになってませんよ、それ……」

 

 と小悪魔は嘆くのだった。

 

 そしてパチュリーたちはそれぞれ21490ポイントの経験値を獲得し、パチュリーはレベル39に。

 

ちから+2

すばやさ+2

たいりょく+2

かしこさ+1

うんのよさ+2

 

 結果、ステータスは、

 

 

名前:パチェ

職業:しょうにん

性格:ごうけつ/タフガイ

性別:おんな

レベル:40

 

ちから:182

すばやさ:130

たいりょく:210

かしこさ:56

うんのよさ:69/119

最大HP:425

最大MP:114

こうげき力:307/202/239

しゅび力:226/173

 

ぶき:せいぎのそろばん/はやぶさのけん/ほのおのブーメラン

よろい:しんぴのビキニ/まほうのまえかけ

たて:ふうじんのたて/まほうのたて

かぶと:ミスリルヘルム

そうしょくひん:ごうけつのうでわ/しあわせのくつ

 

 

 となった。

 そして2階への階段を見つけ、登る。

 フロアを北上し、

 

「変な床がありますね」

「回転床ね。方位磁石みたいな模様が付いているけれど、白い矢印が東向きなら右回りに90度、西向きなら左回りに90度ずれるって覚えておけばいいわ」

 

 プレイヤーの視点で言えば、白い矢印が右側のものは右回り、左側のものは左回りと覚えておけばよい。

 ただし、

 

「ゲームだと自分が乗っている床の上の矢印が自キャラの陰になるから、足を踏み出す前に床の模様を覚えておかないといけなかったものね」

「さすがにそれは覚えられますよね?」

「普通ならそうだけれど、回転床を移動中にモンスターに襲われたら?」

「あ……」

 

 そして戦闘にかまけて、自分が足を踏み入れた回転床の矢印の向きを忘れてしまったら?

 という話。

 そして出た広間には、

 

「回転床とバリアーに隔てられた宝箱?」

「バリアーに触れずに宝箱を得たいなら回転床を超える必要があるわ。魔法使いか賢者が居ればレベル19で覚えるトラマナの呪文でバリアーを超えるって方法もあるし……」

 

 そこでパチュリーは小悪魔に流し目をくれてやり、

 

「何ならダメージを気にせずバリアーを突っ切るって脳筋(マッチョ)な方法もあるけれど」

 

 と恐怖の提案をする。

 

「嫌ですよ!?」

 

 叫ぶ、小悪魔。

 パチュリーも本気では無かったらしく、うなずいて、

 

「そうね。この先、回転床を攻略しないと行けない場所に光の鎧が置かれているんだから、練習だと思って試してみるべきよね」

 

 ということ。

 そうしてパチュリーはまずは広間南の回転床にチャレンジするが、

 

「パッ! パッ! パパパパパパパパパッ!!」

「うるさいわね……」

「パチュリー様っ、何もバリアーのすぐ横、一度間違えただけで突っ込んじゃうところで試さなくても、もっと真ん中をっ!」

「……? こんなの簡単でしょ」

 

 あっさり乗り越えてしまう。

 

「ほら」

「そっ、そんなにするする歩けるのはパチュリー様ぐらいですよぅ!」

 

 と小悪魔。

 ともあれ、

 

「宝箱です!」

 

 四つの宝箱の内、一つ目は命の木の実、そして次は……

 

「雷神の剣です!」

「スーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版だと炎のブーメランが入っていたものだったけれど、スマートフォン版、PlayStation 4、ニンテンドー3DS版では差し替えられたものね」

 

 あとは命の木の実に、アープの塔でも手に入った博愛リング。

 そして今度は北側に隔てられた場所にある宝箱を取りに行くのだが、

 

「またラゴンヌ?」

 

 ラゴンヌが一匹。

 パチュリーの隼の剣が二度振るわれ、

 

「また、つまらぬものを……」

 

 何もさせずに倒しきる。

 

「うぅ…… パチュリー様、強すぎです。私、せっかくあれだけ苦労して王者の剣を手に入れたのに」

 

 落ち込む小悪魔。

 そして回転床を乗り越えてたどり着いた四つの宝箱からは、960ゴールド、小さなメダル、力の指輪を獲得し、

 

「あと一つは……」

「ああ、それミミック」

「あっぶなぁ!」

 

 小悪魔はすんでのところで、ミミックに手をかけるのを止められる。

 

「まぁ、今なら問題なく勝てるのでしょうけど」

 

 しかし、わざわざ戦う意味も無い。

 この階の宝箱は回収しきったため、また回転床を乗り越えて、上の階へと昇る階段を目指す。

 

「モンスターと会わずにたどり着けたわね」

 

 そんなわけで3階への階段に到着。

 

「3、4階ではラゴンヌ、メイジキメラは引き続き登場するけれど、あとは魔王の影、ガメゴンロード、マドハンドと入れ替わるわ」

「対はぐれメタル装備が要らなくなる代わりに、魔王の影のザキ対策に命の石、ガメゴンロード対策に眠りの杖と草薙の剣が必要ですか」

「私も守備力200のガメゴンロードには、さすがにまだ正義のそろばんの方が有効だから用意しておくとして……」

 

 装備を整え直し、4階の階段に向け南下。

 そしてあと少しというところで、

 

「ラゴンヌとメイジキメラです!」

 

 ラゴンヌ、メイジキメラそれぞれ2体ずつの群れに遭遇。

 

「ラゴンヌはラリホー、マホトーン等の行動阻害系には強耐性だけれど、火炎系、ヒャド系には弱耐性で、バギ系とデイン系には無耐性。あとは分かるわね」

「はいっ」

 

 小悪魔は王者の剣を振りかざした!

 黒い雨雲が敵を包み込む。

 

 バギクロスの効果、竜巻状に発生した真空の刃がラゴンヌを襲う!

 そしてはぐれメタルと同じ素早さ150のメイジキメラがマホカンタで自分を守り、さらにはメダパニでパチュリーを狙うが、

 

「効かないわ」

 

 パチュリーは抵抗に成功、炎のブーメランを投擲する。

 これでラゴンヌは全滅。

 1/4の確率で唱えてくるマヒャドが怖く、ベホマでフル回復もしてくる相手なのだが、何もさせずに終わらせる。

 あとはメイジキメラだが、

 

「かわした!?」

 

 メイジキメラの回避値は人食い蛾などと同じ2。

 1/24の確率で回避するのだ。

 だが、抵抗もそこまで。

 次のターンには、

 

「call me queen!!(女王様とお呼びっ!!)」

 

 小悪魔のドラゴンテイルが炸裂し全滅させる。

 

「次は4階ね」

 

 階段を昇り、ついでに5回のあなほり。

 

「嘆きの盾が出たわ」

 

 これはラゴンヌが1/128の確率でドロップするアイテムだ。

 

「光の鎧を取りに行くわよ」

 

 4階を北上。

 塔内中空に張り出す3本の足場。

 中央の太いものには回転床が敷かれていて、

 

「回転床を避けて細い方を行くと外れで、中央のものの回転床を超えた先に宝箱があるのが分かるようになっているわ」

 

 ということ。

 パチュリーはもちろん分かっているので、回転床のある太い足場へと向かう。

 

「簡単ね」

 

 とあっさり乗り越え、宝箱へと到着。

 そして得られるのが、

 

「光の鎧です!」

「光の鎧は後にロトの鎧と呼ばれるようになる勇者専用防具で、守備力はファミコン版で最高の+75、他に強力な防具類が追加されたリメイクでも+82に強化されていて光のドレスの+90、神秘のビキニの+88に次ぐ守備力を誇り、男性勇者にとっては文句無しで最強の鎧」

 

 それだけではなく、

 

「ブレス、魔法のダメージを2/3に抑え、歩くたびに回復する自動回復能力があるわ。光のドレスの方は耐性こそ同じで守備力は上だけれども自動回復が無い。守備力の差8ポイントは実ダメージで2ポイント。普段の使い勝手という点では、光の鎧の方に軍配が上がるでしょう」

 

 回復の手間暇や、節約できるマジックパワーの問題だけでなく。

 パチュリーたちもそうだが、戦闘ごとにヒットポイントをフル回復させるかというと、ボスキャラ戦などの厳しい戦いが予想される時以外は、多少の傷、ホイミの回復量以下のダメージは放置することが多い。

 自動回復のあるアイテムを身に着けていれば次のエンカウントまでに、それが回復するため常にその分、ヒットポイントが高い状態で戦闘に臨める。

 実質ヒットポイントが増えるのと同じ効果をもたらし、たった2ポイントの実ダメージの軽減以上の効果を発揮することになる。

 命の指輪でも同じことができるが、戦闘開始後に他の装飾品に付け替えるにしても持ち物の枠を一つ潰してしまうし、不意打ちを食らった場合に他の装飾品の効果、例えば星降る腕輪の素早さ倍化、つまり素早さの1/2が守備力に加算されるドラクエ3なら、その分の守備力上昇が無い状態で攻撃を受けてしまうのだし。

 

「お店に持って行くのはもったいないと思うけど…… 18000ゴールドで売れるわね」

「売れるんですか!?」

「そうね、ファミコン版と違ってリメイクでは装飾品以外の防具はすべて売却可能に変更されていて、光の鎧、勇者の盾などといった勇者専用装備でさえも軒並み売却が可能となっているわ」

「光の鎧も勇者の盾も完全な一品物ですよね。そんなものまで売れるなんて、なぜこんな意味不明な変更が……」

 

 と小悪魔が言うような疑問がプレイヤーの間でも持ち上がっていたが、

 

「勇者抜きの縛りプレイだと有効でしょう?」

 

 勇者を殺して棺桶に入れっぱなしにする、俗に棺桶勇者と呼ばれる縛りプレイ。

 その場合には売れた方が収入になるし……

 

「報酬の公平配分による勇者と商人の比較を行っている私たちにとっては、精算しやすいという利点があるし」

「そっ、それがありましたー!」

 

 愕然とする小悪魔だったが、実際には光の鎧は二人の収入なので、半額の9000ゴールドをパチュリーに払えばいいのだし、小悪魔は不要になった魔法の鎧、魔法のビキニ、命の指輪を処分できるので、収支はわずかにとはいえプラスになるのだが……

 パチュリーは敢えてそのことには触れず、生暖かい目で使い魔のリアクションを見守るのだった。




 光の鎧、入手です。
 光のドレスが複数入手できるスーパーファミコン版、ゲームボーイカラー版だと、勇者にもそれを着せる人が多いのですが、光の鎧の方にもまた利点があるってことですね。

>「勇者は高ヒットポイント、高守備力、高耐性を持つ、僧侶の互換職と見ることもできるというわけね」
 そう考えてみると、パーティ構成にも幅が出せますよね。

 次回は『ルビスの塔(後編)ルビスは石化され好きのマゾ』をお届けする予定です。

 ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
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