こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3)   作:勇樹のぞみ

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ゾーマの城へ 太くてかたぁいモノで責められるパチュリー再び

 アリアハンのルイーダの酒場に併設されているゴールド銀行を訪れるパチュリー。

 

「ファミコン版にあった預り所でもアイテムには保管料がかかってもゴールドは無料で預けられたように、損にはならないけれど、でも普通の銀行と違って利子もつかないわ」

「損はしないけど得にもならない? 普通のプレイヤーなら使ったことのない、ずっと縁のないような施設ですね」

 

 首をひねる小悪魔。

 

「パチュリー様のように所持金をカンストさせてしまったので使うという方なんて、そうは居ないでしょう。需要はあるんですか?」

 

 という話だったが、

 

「ドラクエでは全滅すると勇者が生き返る代わりに所持金が半減するでしょう? そうなっても預けておいた分は無事だから、積極的に利用する、預けておいて死に戻りを利用したデスルーラをする、なんてプレイもアリなのよ」

 

 ということ。

 

「まぁ、私たちは安全策を取って余裕をもってプレイしているから全滅には程遠いことと、あなほりで所持金の半額を掘り当てた時の利幅が大きくなるために今まで利用しなかったのだけれど」

 

 1000ゴールド単位で預けられるので、899000ゴールドを預け、手元には一応100999ゴールドを残しておくことに。

 その上で、

 

「思ったのだけれど」

「はい?」

「もう、所持金管理はあなたの分だけ計算しておけばいいんじゃない?」

 

 パチュリーは欲しいものがあれば何でも買える状態なので。

 小悪魔の所持金だけ計算して、残りはパチュリーのもので良いだろうという話。

 

「それはそうかも知れませんが……」

 

 そうやって現在の小悪魔の所持金を計算すると、5266ゴールド。

 

「おお、ちょっぴり増えてます」

「ゴールドマンを倒したものね」

 

 ということで、ここから再スタートだ。

 

「でも私も、もう買うものが無いと思うんですけど」

「今のあなたの力の能力値でも、守備力ゼロのバラモスゾンビに対しては、王者の剣より隼の剣の方が与えるダメージは多くなるわよ。祈りの指輪を買ってもらうのもアリだし、命の石だって……」

「はい? 即死呪文は聖なる守りで完封できるんですよね?」

「でも聖なる守りを身に着けたら、他の装飾品の効果が得られないわよ」

「ああ、命の石なら他の装飾品と併用できる?」

「そう。防げるのは1回だけだけれど、リメイクでは状態異常攻撃の成功率が下げられているから、それでも十分でしょう」

 

 というわけで、まだ買った方が良いものはあるのだ。

 しかし、

 

「ともあれ虹の雫も手に入ったし、次はいよいよゾーマの城よ」

 

 小悪魔のルーラでリムルダールへ跳び、西へ。

 途中、ダースリカント二匹、マドハンド二体、キメラの群れに出くわすが、

 

「全体攻撃で仕留めるわよ! でもあなたはそろそろレベルアップだから」

「装飾品はパワーベルトに切り替えですね!」

 

 パチュリーの炎のブーメランが敵全体を薙ぎ払い、マドハンド1体はこれだけで倒される。

 しかし、星降る腕輪を外した小悪魔の行動は遅く、

 

「さすがに食らうと痛いのよね」

 

 ダースリカントの打撃はパチュリーに25ポイント前後のダメージを与える。

 まぁ、今のパチュリーの最大ヒットポイントからすると全然大丈夫なのではあるが。

 そうして軒並み攻撃を受けた後で、小悪魔が稲妻の剣を振りかざし、全体攻撃呪文、イオラの効果で攻撃する。

 これでイオラの効果を無効化したキメラを残して倒される。

 

「これならパワーベルトへの切り替えは次のターンでも良かったですね」

 

 とつぶやく小悪魔だったが、

 

「キメラは火炎呪文に弱耐性、無効化の確率は3割しか無いから、このターンで倒せていた確率も低くは無いから」

 

 と、パチュリーにたしなめられる。

 そして次のターンでキメラが斬り捨てられて終了。

 小悪魔がレベル39に。

 

ちから+4

すばやさ+3

たいりょく+8

かしこさ+2

うんのよさ+2

 

 結果、ステータスは、

 

 

名前:こあくま

職業:ゆうしゃ

性格:セクシーギャル/タフガイ

性別:おんな

レベル:39

 

ちから:153

すばやさ:222

たいりょく:191

かしこさ:93

うんのよさ:111

最大HP:352

最大MP:185

こうげき力:273/258

しゅび力:303/276

 

ぶき:おうじゃのけん/グリンガムのムチ

よろい:ひかりのよろい/やいばのよろい

たて:ゆうしゃのたて/まほうのたて

かぶと:グレートヘルム

そうしょくひん:ほしふるうでわ/パワーベルト/せいなるまもり

 

 

「パワーベルトで性格を『タフガイ』に切り替えたおかげで、最大ヒットポイントがどんどん増えますね」

 

 ニコニコ顔の小悪魔。

 そして森を抜け進んだ先の平原で現れたのは、

 

「はぐれメタルです!」

 

 はぐれメタル、キメラ、マドハンド各1体の群れ。

 小悪魔は反射によるダメージを期待して刃の鎧を装備。

 誘惑の剣をパチュリーはマドハンドに、小悪魔はキメラに使うが無効化され、

 

「どちらも弱耐性なのに!」

 

 挙句、はぐれメタルに逃げられる。

 しかも、

 

「まじんはひまじん!?」

 

 叫ぶ小悪魔。

 マドハンドに大魔神を呼ばれてしまった。

 

「こうなったら!」

 

 パチュリーは炎のブーメランで大魔神にダメージを与えつつ、キメラ、マドハンドを一掃。

 小悪魔は眠りの杖で大魔神を眠らせようとするが、

 

「眠りません!?」

 

 大魔神は催眠に対し弱耐性、3割の確率で無効化してくるのだ。

 そして大魔神の二回攻撃を受け、

 

「二度もぶった! パチュリー様にもぶたれたことないのに!」

 

 そう叫ぶ小悪魔。

 

「それは、ぶったりしたことは無いけれど」

 

 とパチュリー。

 しかしそれは、ぶつ方の手も痛いからしないだけで、別の、もっと効果的な方法でなら何度もお仕置きをしているのだが。

 ともあれ、次のターン眠りの杖を使って二人がかりで眠らせた後、小悪魔の王者の剣とパチュリーの隼の剣で斬りかかるが、

 

「あっ……」

 

 それだけで倒してしまう。

 

「眠らせなくても倒せたのね」

 

 という話。

 

「と言いますかパチュリー様、隼の剣が強すぎです」

 

 それが無かったら倒せなかっただろう。

 そして山地を超え、砂漠地帯に入ったところでキメラ4体に遭遇。

 しかしキメラはバギ系に無耐性のため、小悪魔の王者の剣のバギクロスの効果でなぎ倒され、たまたま低ダメージが出て生き残った一匹もパチュリーの炎のブーメランに止めを刺される。

 そしてこの砂漠地帯の南端を西に、山地にぶつかるまで進み、

 

「ここから西は、ラダトーム北東部と同じモンスターエリアになるのよね」

 

 そこから北上し、ギリギリまでリムルダール周辺のモンスターエリアを進むが、エンカウントは無く。

 メタルスライムとの遭遇が期待できるのはここまでということだった。

 そして西へと足を踏み入れる。

 

「ここで現れるのは動く石像にマドハンド、サラマンダーにアークマージだけれども」

「アークマージ!」

 

 ラダトーム北の洞窟でも出現するモンスターだったが、そこでは呪文が封じられているため問題は無かった。

 無論、この場ではその制限が外れ、能力をフルに発揮してくるのだが……

 

「もっとも、ここでは単体で現れるから苦戦はしないでしょう」

 

 ということだった。

 そしてパチュリーたちはリムルダール西端の岬に到着。

 パチュリーは虹の雫を天にかざした。

 ゾーマの城がある島への橋がかかる。

 

「虹の橋って、何だかロマンチックですよね、パチュリー様」

「途中で消えてしまいそうだけれどね」

「ヤなこと言わないでください!」

 

 そんなことを言いながらも渡り切ったところでマドハンドと動く石像に襲われる。

 

「call me queen!!(女王様とお呼びっ!!)」

 

 小悪魔のグリンガムのムチが動く石像に大ダメージを与え。

 さらにパチュリーの炎のブーメランがマドハンドを全滅させた上、動く石像にダメージを積む。

 動く石像が攻撃してくるが、

 

「今さら攻撃力140程度では!」

 

 痛くない。

 仮に1/8の確率で放ってくる痛恨の一撃を受けたところで今の二人のヒットポイントなら問題は無いのだし。

 そして次のターン、再び小悪魔のグリンガムのムチが炸裂し、動く石像を倒しきる。

 

「あれ? ゾーマの城のある島に渡り切ったのに……」

 

 何で今さらこの程度のモンスターが?

 と首を傾げる小悪魔だったが、

 

「そう、ゾーマの島の北半分は、ラダトーム北東部と同じモンスターエリアになるの」

 

 ということ。

 そうして砂漠地帯を超え山地に足を踏み入れる二人だったが、そこにモンスターの群れ、マドハンドと動く石像各一体に遭遇する。

 だが、

 

「先制されました!」

「不味いっ!」

 

 敵が少ないということは、マドハンドが大魔神を呼べるスペースがあるということ。

 優先行動に指定されているため200/256、約8割の確率で大魔神を呼ぶし、実際呼ばれてしまう!

 

「まったく……」

 

 そんなわけでパチュリーたちの対応だが、まず、もうこれ以上大魔神を呼ばれぬよう、小悪魔がマドハンドを倒す。

 そして、

 

 パチュリーは誘惑の剣を振りかざした!

 剣からピンクの霧が流れ出す!

 

 大魔神は頭が混乱した。

 

「大魔神は催眠にも混乱にも弱耐性なのよね」

 

 混乱した大魔神の攻撃が動く石像を襲う!

 一発で99ポイントのダメージ。

 しかし、大魔神の攻撃は止まらない。

 二発目、82ポイントのダメージを与えて動く石像を瀕死の状態にまで追い込む。

 動く石像はパチュリーに16ポイントのダメージを与えるが、そこまでだ。

 次のターン、パチュリーたちは大魔神に攻撃。

 大魔神は動く石像に止めを刺し、最後の一体になったので通常どおりの行動が可能となり、

 

「あいたーっ!」

 

 小悪魔を殴り倒す。

 

「ランダムで1~2回行動だから、半分の確率に賭けたのだけれど」

 

 ダメだったようだ。

 しかしまぁ、次のターンで斬り倒して終了である。

 そして、

 

「この山地が終わってその先から南はフィールド最強のモンスターたちが出る魔の島南部と呼ばれる地域よ。自信が無かったら、マジックパワーの消費を抑えたかったら、ギリギリ手前でうろついてこちらの弱いモンスターと遭遇してから行けば、エンカウントを最少にできるけれど」

「けれど?」

「これぐらいでびくついていたら、ゾーマの城になんて潜れないでしょう?」

 

 ということなので、小細工無しに突っ込む。

 平原を超え、毒の沼地に。

 そうして現れたのは、

 

「トロルキングとあれは…… 何でしたっけ?」

「マクロベータね」

 

 良かった、マイナーモンスターの代名詞、マクロベータにも再度、出番があったんだ、という話。

 

「どっちも紫色で、毒の沼地がさらに毒々しくなってますね」

 

 と小悪魔が漏らしたとおりの絵面だったが、

 

「トロルキングは下位種のトロルやボストロールよりも攻撃力が低く、しかも痛恨を使用しない。その上ヒットポイントはトロルと同じという相手」

 

 リメイクでは攻撃力が135→150と上がっているが、それでもトロルの攻撃力155に負けている。

 

「もっとも、50ポイントのヒットポイント自動回復があるし、ザキ、メダパニに強耐性、すべての攻撃呪文に弱耐性が付いているしで、タフさは上がっているわね」

 

 そして、

 

「3/8という高確率でバシルーラを使ってくるのが面倒な相手よ」

 

 以前、ラダトーム北の洞窟で出現した際には呪文が封じられていたため問題は無かったのだが。

 

「マホトーンに弱耐性だから呪文を封じても良いのだけれど、その場合、判断値が最高の2で頭がいいから即座に打撃のみに切り替えてくるわ」

 

 またリメイクでは何故かモンスターレベルが41から57とかなり引き上げられているため、レベル50台になっても確実には逃げられないようになってしまった。

 

「でも1体。しかもお供が無視しても問題ないマクロベータではね」

 

 小悪魔の王者の剣と、パチュリーの隼の剣の二回攻撃でトロルキングはあっさり昇天。

 マクロベータは小悪魔にメラミを唱えるが、

 

「痛くなーい!」

 

 小悪魔は光の鎧が持つ呪文耐性で攻撃呪文のダメージを2/3に軽減することができるのだ。

 そして次のターンに斬り倒して終了である。

 しかも、

 

「毒の沼地を抜けたら、このモンスターエリアは終了なのよね」

 

 実際、平原が5歩、毒の沼地が11歩しかない。

 毒の沼地は森と同じで平原1歩に対し1.8歩の計算になるので、平原換算で、

 

5+11×1.8=24.8歩

 

 一般的な平原の場合、1~49歩目にエンカウントすると言われているので、直前にエンカウントして突入すれば、リアルラック次第で素通りできる。

 そして通り過ぎればまたラダトーム北東部と同じモンスターエリアになるのだ。

 なお、

 

「マクロベータはリメイクではゾーマの城からリストラされてしまったから、これで出番はお終いね」

「それじゃあ、このままゾーマを倒してしまったら……」

「ゲームクリアまでに遭遇したのは、こことメルキドに向かう途中に出合った、たった2回だけということになるわね」

 

 さすがマイナーモンスターの代名詞、という話ではあるが、

 

「何だってまた、こんなキャラが生まれてしまったんですかね?」

 

 マクロベータは通常攻撃の他にメラミ、スクルト、ベホマ、ふしぎなおどり、ほのお(リメイク版ではひのいき)、腐った死体を呼ぶ、逃げる、と合計8種類もの技を持つ技のデパートとも言うべき相手なのだが、実際には一つ一つが貧弱で、ただの器用貧乏になっているもの。

 攻撃魔法は今さらなメラミ、攻撃力はマドハンド以下、吐く炎はイシス周辺で出ていた火炎ムカデと同じ6~9という低ダメージ、呼ばれる仲間はその系統で最下位種の腐った死体。

 無限のマジックパワーで自分のヒットポイントが半減したら優先行動に指定されているベホマで全快する、というといやらしく感じるかもしれないが、下位種と違って回復の対象が、攻撃力が貧弱な自分限定という時点でお察し。

 つまり行動が多彩なだけで、対策を必要とするような厄介なもの、危険度の高いものを何一つ持たず、回復やマホトラ連発が鬱陶しい下位種のようなインパクトも皆無。

 ついでに言えば、リメイクで下位種は4体まで同時出現するようになり脅威度が増したが、マクロベータはファミコン版同様2体までのままなのでますます印象が薄まるといった具合である。

 

「そうね、改めて考えてみたのだけれど、おそらく最大ヒットポイント150と無限のマジックパワー、優先行動に指定されたベホマでの全回復でなかなか倒せないようにした上で、嫌がらせをすることを狙ったのでしょう」

 

 とパチュリーは考察する。

 

「ファミコン版ではスクルトを唱えるのは地獄のハサミ以外にはこいつだけで、しかもその場に居るモンスターすべての守備力を元と同じ数値だけ上昇させるという壊れ性能のものだったわ。それで一緒に現れる敵を強化されると大変だし、2体までしか現れないのも、仲間と一緒に出現させる、そのスペースを確保するためだとも取れる。そしてマクロベータが現れるのは長丁場が予想される場所ばかりのため、不思議な踊りでマジックパワーを減らされるのも痛い」

「低い攻撃力、ブレス、魔法、仲間を呼ぶなんかのしょぼい行為はどうなんです?」

「元々、この系列のモンスターは高い攻撃力なんて持たない、嫌がらせに特化したものだったでしょう? あえて言うなら挑発行為を意図して入れられた……」

「ああ、モンスターから手加減された『舐めプ』、舐めたプレイを受けているような屈辱をプレイヤーに与えるためのものですか」

 

 そう考えると確かにいやらしいか。

 

「ただ、長丁場になる場所というのは、プレイヤーからすれば何度も来たくはない場所。利便性の悪い場所になるから、一度通ったら再び訪れることが無いということになり、出現機会が極小になった」

 

 そして、

 

「マクロベータの素早さは72と微妙に高くて、素早いキャラなら先攻できるけど、遅いキャラだと先攻されがち。ファミコン版なら素で素早いのは武闘家のみ、素早さを上げる手段は星降る腕輪か、リメイクより圧倒的に入手できる数が少ない素早さの種のみなのだし」

 

 そして、

 

「判断値は1なのだけれど、これが下位種で同様にベホイミによる治療が優先行動に指定されていたシャーマンと同じ2だったらどうかしら?」

「2だと、自分の行動順が回って来た時に行動が決まるんですよね?」

「そう、その時に自分のヒットポイントが最大ヒットポイントの1/2以下だったら優先行動のベホマで全回復されてしまうとなっていたら?」

 

 つまり最大ヒットポイント150で素早いキャラからの攻撃を耐え、遅いキャラが攻撃する前にベホマで全回復することでダメージの蓄積を阻害するということになる。

 

「それじゃあ、いつまで経っても倒せないじゃないですか」

「そうね、だからそれでは理不尽過ぎるということで、バランス調整の段階で判断値を1に下方修正したのではないかしら?」

 

 ということ。

 

「ところが実際には想定より訪れるプレイヤー側のレベルやプレイスキルが高くてベホマで回復する間もなく倒されてしまった」

 

 判断値2では強すぎ、1では弱すぎた。

 バランス調整が失敗したというよりは、ピーキー過ぎて調整しきれなかったということだろうか。

 ともあれ、

 

「だから記憶にも残りにくい、みたいなことではないのかしら」

「なるほど?」

 

 というパチュリーの推測であった。

 そんな話を交わしながら進むと、

 

「ゾーマの城です!」

 

 とうとうゾーマの城が。

 だが、周囲を囲む毒の沼地に足を踏み入れ、あと一歩で到着、というところで、

 

「動く石像!?」

 

 動く石像3体の群れに行く手を阻まれる。

 しかし、

 

「眠らせる価値も無いのよね」

 

 どうせ小さなダメージしか受けないのだし、自動回復もある相手なので多少の反撃は無視して、小悪魔のグリンガムのムチとパチュリーの炎のブーメランを連発し倒しきる。

 そうしてようやくゾーマの城へ。

 

「まずは時計回りに進みましょう」

 

 ゾーマの城1階は入り組んでいる。

 回廊を西に進んだ後に、北上。

 そこに、

 

「ライオンさんです!?」

「青いタテガミ…… ライオンヘッド、ラゴンヌの上位種、マントゴーアね」

「青ヒゲさん!?」

 

 緑の身体に真っ青なタテガミを持つマントゴーア3体の群れだ。

 マンティコアが由来と言われるモンスターで、メラゾーマ、バギクロス、マホカンタをそれぞれ1/4の確率で放ってくる。

 ボスも含めモンスター中、唯一バギクロスを使って来る相手なのだが……

 

「耐性に穴がありすぎでしょう」

 

 催眠、マホトーンに弱耐性なのはともかく、攻撃呪文に対して、強耐性を持つヒャド系以外には無耐性。

 

「ガバガバですね」

「しかもマホカンタは道具使用による呪文の効果には効かないから」

「雷神の剣が放つベギラゴンの効果を確実に受けてしまいますよね」

 

 ということ。

 あとは、そこにパチュリーが炎のブーメランを投げてしまえば全滅である。

 はっきり言って下位種より弱い。

 そしてパチュリーはレベル41に。

 

ちから+1

すばやさ+2

たいりょく+1

かしこさ+2

うんのよさ+1

 

 結果、ステータスは、

 

 

名前:パチェ

職業:しょうにん

性格:ごうけつ/タフガイ

性別:おんな

レベル:41

 

ちから:183

すばやさ:132

たいりょく:211

かしこさ:58

うんのよさ:70/120

最大HP:425

最大MP:114

こうげき力:308/203/240

しゅび力:227/174

 

ぶき:せいぎのそろばん/はやぶさのけん/ほのおのブーメラン

よろい:しんぴのビキニ/まほうのまえかけ

たて:ふうじんのたて/まほうのたて

かぶと:ミスリルヘルム

そうしょくひん:ごうけつのうでわ/しあわせのくつ

 

 

 となった。

 さらに進むと、今度は、

 

「茶色のサタンパピー?」

「バルログね」

 

 名称はJ・R・R・トールキンの小説『指輪物語』から。

 鞭を手に持ち、炎を扱う神話級の悪鬼である。

 

 鞭を持っている点は元ネタ通りだが、サタンパピーの方が炎の呪文であるメラゾーマを使う上、下位種とは言いながら全体的な能力は高いため「名前を取り違えたのでは?」といった疑惑がある。

 まぁ、逆に翼にムチに炎まで揃えてしまうとそのまんまになってしまい、版権的にヤバいのでわざと入れ替えた、という推論も成り立つが。

 実際、以降の作品では長らく登場していなかったことでもあるし。

 

「ザラキを3/8と高目の確率で使って来るけれど……」

 

 ファミコン版ではここゾーマの城にしか登場せず、リメイクではクリア後の『謎の洞窟』にも登場するが、いずれにせよ遭遇する時には勇者は完全耐性を持つ聖なる守りを持っているので全滅は無い。

 その上、最大ヒットポイントは下位種のサタンパピーの125に対し、93しかない。

 守備力もサタンパピーの80に対し57しかない。

 唱えるより前に、簡単に全滅させることができるのだった。

 

 次に現れたのは、バルログとドラゴン。

 小悪魔がバルログを斬り倒すが、

 

「先攻された!?」

 

 ドラゴンは極楽鳥を呼ぶ。

 しかし、

 

「無駄!」

 

 そのターンの内にドラゴンを斬り倒してしまえば意味が無い。

 しかもベホマラーを唱えたら二回行動ですぐに逃げ出す極楽鳥も、

 

「一体だけで残っているのなら!」

 

 先攻して斬り倒してしまうのは難しくない。

 南東の部屋の入り口近くのバリア床には小さなメダルが落ちている。

 

「もう、回収する意味も無いのだけれど」

 

 しかし、ついでだし回収しておく。

 そうして部屋を出たところで、トロルキングとバルログ各一体の群れに遭遇。

 小悪魔が眠りの杖でトロルキングを眠らせて、パチュリーがバルログを切り捨てる。

 後は次のターンで、眠ったままのトロルキングを倒して終了である。

 さらに進むと、石像が建ち並ぶ広間に出た。

 中に足を踏み入れたとたん、入り口が閉ざされてしまう。

 

「っ、閉じこめられましたっ!」

「落ち着きなさい。いわくありげな所に入ったら、扉がひとりでに閉まるっていうのはお約束でしょう? 慌てるようなことじゃないわ」

「そ、それじゃあ、石像が襲ってくるっていうのも……」

「ゾーマもありがちな演出をするものね」

 

 どこからともなく不気味な声が聞こえて来た……

 

「われらは魔王の部屋を守る者! われらを倒さぬ限り先には進めぬぞ!」

 

 二体組の大魔人が襲ってくる。

 攻撃力が高い上、痛恨の一撃もあり得る二回攻撃を仕掛けてくるが、

 

「ヒマね、こぁ」

「「まじんはひまじん」ですね」

 

 大魔人は、催眠と混乱に弱い。

 二人がかりで眠りの杖で眠らせた上で、誘惑の剣で混乱させてやるとお互いに殴り合うのだ。

 

「おお、痛恨の一撃!」

「それでも耐えるのね」

「あ、でもやっぱり決着が付きました」

「残った方に止めを刺すわよ」

 

 ということで、無傷で倒しきる。

 大魔神は三波に分け、合計6体が登場するのだが、次の場所に進んだところで、

 

「大魔神じゃなくアークマージが二体!?」

「たまたま通常エンカウントが先に発生してしまったようね」

「えっ、さっき大魔神さんと戦ってすぐですよ? 全然歩いていないのに?」

「イベント戦闘ではエンカウントまでの歩数カウントはリセットされないのよ」

 

 それゆえの遭遇である。

 しかし、

 

「アークマージはバギ系に無耐性。後は分かるわね」

 

 王者の剣のバギクロスの効果にパチュリーの炎のブーメランの攻撃を重ねれば、倒しきることができるのだ。

 そして、

 

「あれぇ?」

 

 そのまま広間を進めてしまう。

 つまり大魔神が出現する位置で、ちょうど普通の敵とエンカウントしてしまうと、そのまま通過できてしまい、その後の処理が止まってしまうらしい。

 しかし、その先の扉にたどり着いても、

 

 トビラにはカギがかかっている!

 持っているカギでは開けられなかった。

 

 という具合に通行不可。

 仕方が無いので戻ると、再び2回目の出現位置に達したところで大魔神が出る!

 

「やれやれね」

 

 このまま出現せず、扉も開かずでは詰んでしまうので助かったとも言える。

 再び眠りの杖からの誘惑の剣コンボを決め、大魔神同士の殴り合いを観戦する。

 

「争え…… もっと争え……」

 

 と煽る小悪魔だった。

 こうして六体すべてを倒しきると、部屋を出ることができる。

 そして行き着いたのは、バリアに囲まれた玉座。

 

「あひいいぃぃぃん!!」

 

 悲鳴を上げる小悪魔を引きずりながら進むのだが、そこにまたアークマージ二体が。

 しかもこちらを驚かせたうえ、いきなりイオナズンを唱えてくる!

 

「ぎゃひいぃぃぃん!」

「泣きっ面にハチね」

 

 ともあれ、また王者の剣のバギクロス効果と炎のブーメランで殲滅。

 玉座を調べると、小さなメダルが。

 そして、玉座の後ろには隠し階段があった。

 

 階段を下りるとまたすぐに下り階段。

 降りきった所には、回転床と下への穴だらけのフロア……

 

「どーするんですか、これぇ!?」

 

 間違えたら下に落ちてやり直しだ。

 まともに挑もうとすると非常に面倒くさいが、実は上を押しっぱなしでクリアできるという裏技がある。

 あっという間に踏破。

 その先で大魔神とマドハンド6体の群れに遭遇する。

 小悪魔が雷神の剣でマドハンドを焼き尽くし、パチュリーが眠りの杖で大魔神を眠らせる。

 後は眠ったままの大魔神を切り捨てて終了である。

 

 そうやって行き着いた下りの階段を降りる二人。

 フロアの切り替わりのついでに5回だけ、いつものあなほりをして出て来たのは、

 

「力の種ね」

 

 これはドラゴンゾンビ、そしてこのフロアから出るサラマンダーが、それぞれ1/128の確率でドロップするアイテムだ。

 

「低確率とはいえ、対象が増えるとあなほりで得られる確率もまた増えるのよね」

 

 あなほりで参照されるこの場所の遭遇モンスターテーブルデータは、

 

『混成モンスター用(×5枠)』

00: バルログ

01: アークマージ

02: ドラゴンゾンビ

03: マントゴーア

04: ソードイド

 

『1体のみ+混成5種をお供にするモンスター用』

05: ----------------

 

『単一種出現モンスター用(×4枠)』

06: ソードイド

07: マントゴーア

08: ドラゴンゾンビ

09: サラマンダー

 

『夜のみモンスター用』

10: ソードイド

 

『1体のみ出現用』

11: サラマンダー

 

 となっている。

 つまりドラゴンゾンビとサラマンダー、合わせて一度に四回、力の種を1/128の確率でドロップする判定が行われるわけである。

 そして力の種を得たパチュリーはというと、

 

「レベルアップで成長上限値が上がっているからちょうどいいわ」

 

 ということで種を使い、力の能力値を上げることに。

 

「くふっ……」

 

 筋力を短期間に強化するための、筋肉痛を凝縮したような痛みがパチュリーを襲い、その身体がのけ反る。

 

「ふふっ……」

 

 その主の身体を後ろから抱きしめるようにして支える小悪魔だったが、

 

「先ほどの戦闘の後、取って置いたんです。コレ」

 

 と、その手に握った棒状のモノをパチュリーに見せつける。

 

「そっ、ソレは……っ!」

 

 硬く節くれだった、太くたくましい指。

 そう、先刻倒され砕かれた大魔神の指先であった。

 

「あ、あぁ……」

 

 小悪魔がソレを使って自分に何をしようとしているのか、過去の経験から察してしまったパチュリーの身体ががくがくと震え、腰砕けになる。

 バラモス城では、砕いた動く石像の指先をツボ押し棒の代わりにして責め抜かれた。

 あの時……

 

 

 

「ほうら、太くて硬くてごつごつした指に身体を抉られる……」

「くはっ!」

「気持ち良さそうですね、パチュリー様」

 

 太もものツボをぐりぐりと虐め抜く小悪魔は、それをその奥、パチュリーの秘められた部分に添えてみて、

 

「まるで男性のアレみたいですよね。入れたら奥の気持ち良いところまで届いちゃいますよ、これ」

「やっ、やめっ……」

「ふふふ、もしそんな風にされちゃったら、そんな想像をしながら身を任せてください」

 

 きっと気持ちがいいですよ。

 

 耳元にそうささやかれ、そして際どいところ、太ももの付け根、鼠径部のリンパを動く石像の指で虐め抜かれるパチュリー!

 痛みと快楽がない交ぜになり混乱するところに、小悪魔が言うように、万が一それを、男性のもののような太い魔物の指を自分の秘奥に差し込まれでもしてしまったら……

 そう想像するだけで、羞恥と被虐に身体が芯から震えてしまう。

 

「あっ、手が滑りました」

 

 わざとらしいセリフと共に、するりとその先が奥に流れ、

 

「あ、や、あぁぁぁぁーっ!!」

 

 がくがくと、揉み絞るように震えながら絶叫するパチュリー。

 無論、小悪魔はぎりぎりのところで手を止めているのだが、

 

「ふふふ、想像だけで逝っちゃったんですね」

「あ、あぅ……」

 

 小悪魔は慈愛に満ちた表情でこう、笑いかける。

 

「可愛いですよ、私のパチュリー様」

 

 と……

 

 

 

 そんな異常経験を思い出してしまい……

 動く石像より、さらに逞しい大魔神のモノを身体に付きつけられるだけで、熱い戦慄がほとばしる。

 

「あ、あぁ、あぁ……」

 

 熱に浮かされたように喘ぐパチュリー。

 

「期待、されてるんですね、パチュリー様」

 

 小悪魔は熱く濡れた声を吐息と共にパチュリーの耳に流し込む。

 そう、パチュリーの精神にはもう、あの時の快楽が刷り込まれており、同じシチュエーションを用意してあげるだけで、どうしようもなく出来上がってしまうほどに躾けられてしまっているようだった。

 中断の書を利用したセーブ&ロードで力の能力値が3上がるまで、繰り返し刷り込まれた痛みとない交ぜになった快楽を。

 無論、身体が経験しているのは最後の1回だけだが、

 

(それがいいんです)

 

 小悪魔の瞳が細まり、その口元が三日月のように弧を描く。

 

(刺激に身体が慣れるということが無いってことでもあるんですから)

 

 何度も精神に教え込まれた快楽を、経験の少ない、敏感で耐性の付いていない未成熟な身体で受け止めなくてはならない。

 その衝撃はいかばかりか……

 

「さぁ、パチュリー様」

 

 そんなパチュリーの敏感で感じやすい身体の中で、いつ果てるとも知れない被虐と悦楽の宴がおごそかに始まった。

 痛みと、快感。

 二つの性格の違う刺激が加えられる悦虐は、パチュリーの中で一つに混ぜ合わされ、知ってはいけない快楽を生じさせ、意識を真っ白に染め上げて行く。

 

「あ、かはっ、く……っ」

 

 辛うじて耐えるパチュリーのいじましいまでの努力に……

 容赦なく、グリリとねじ込まれる、野太い大魔神の指先。

 

「はあぁぁぁぁーっ!?」

 

 パチュリーの声が、意識が透き通って行く……

 そして!!

 

 

 

「ふふふ、ご満足いただけましたか、パチュリー様」

 

 マッサージを終えた小悪魔は、脱力する主を背後から支えつつ、その耳元にこうささやく。

 

「お望みなら、悪魔の力でこの指と同じくらい太くてかたぁいモノを私に生やして、お慰めしてもいいんですよ。いえ、この指を……」

 

 小悪魔はパチュリーの身体をえぐり抜き、汗と悲鳴を散々に吸い取った野太いそれを、自分の下着の中に差し入れて見せる。

 まるで怒張が生えたかのようなふくらみが下着を盛り上げるようになり、

 

「こんな風に私の身体に取り込んで、これを使って虐め抜いて差し上げるというのも屈辱的でいいですよね」

 

 パチュリーの手のひらを己の股間に導き、その指を仮に固定した大魔神の指に下着越しに添わせてやる。

 

「口に出してお返事をするのが恥ずかしいのなら、パチュリー様の、この指先で答えて下さってもよろしいのですよ」

 

 と揶揄するように笑い、

 

「……いいですね、パチュリー様」

 

 最後の操を明け渡すよう迫る、小悪魔。

 その命じるかのような強い言葉が熱い吐息と共に耳朶に流し込まれ、

 

「は……」

 

 びくんと身体を震わせるパチュリー。

 その指先が、返事をするかのように跳ね上がって、小悪魔の股間のモノをカリッと撫で上げた。

 ぐりんと、張り詰めた男性自身が下着の中で位置を変えるかのように押されて動き、

 

(堕ちた……ッ!)

 

 満面の笑みを浮かべ、笑う小悪魔――

 

 

 

 ――の股間に、振り向きざまに叩き込まれるパチュリーの正義のそろばん!

 ショックレスハンマーを模したその先が、小悪魔のパンツの中の大魔神の指を木っ端みじんに打ち砕く!!

 

「アオオオオオオオーーーーーーーーーッ!?!?!?」

 

 突き抜ける衝撃に、叫ぶ小悪魔。

 対男性クリティカルなこの攻撃!

 小悪魔は幸い女性なので大魔神の指は粉砕されたものの、自身の身体の方は無事であったが。

 

「あ゙ーーーーーーーーーっ!?!? あ゙ーーーーーーーーーっ!?!?!?」

 

 何を連想したのか、股間を押さえてうずくまり、苦鳴を上げ続ける小悪魔。

 

「本当、バカなんだから」

 

 ため息をつくパチュリーだった。




 小悪魔の欲望を打ち砕く、パチュリー様の正義の一撃でした。
 なんという良心的で健全なお話なんだ!!

> 小悪魔は幸い女性なので大魔神の指は粉砕されたものの、自身の身体の方は無事であったが。
『るろうに剣心』における二重の極みで手のひらの上の石を粉砕しても、石を持った手の方は無事なように、小悪魔の股間は無事ですから安心してください。
 二重の極みって、このお話の正義のそろばんと同じく、ショックレスハンマーの要領で反作用を殺して衝撃を完全に物体に加えることにより破砕するもの、という考察も一部で唱えられていますしね。
 あと、スマホ版のドラクエ3ではパーティアタックができないことでもありますし。

 次回はオルテガVSキングヒドラの予定です。
 本当は今回そこまで行って、次回でゾーマとの決戦の予定だったんですが、小悪魔のセクハラで話が膨らんだせいでたどり着けなかったんですよね。
 小悪魔は反省して自重するべき!(ムリです)

 ご意見、ご感想、リクエスト等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
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