こあパチュクエスト3(東方×ドラゴンクエスト3)   作:勇樹のぞみ

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ナジミの塔へ、そして初めてのベッドイン

 パチュリーを先頭に、二人はレーベの村から南下した森の中にあるというナジミの塔に通じる洞窟を目指す。

 ちょっとした空き地に入り口があり、階段を降りると石造りの地下通路に出ることができた。

 太古の魔術か、燃え尽きない燭台が等間隔に灯され内部を照らし出している。

 

「凄いですね」

 

 感心する小悪魔。

 そして二人はモンスターと遭遇する。

 

「スライムと…… 冒険者の『後ろ(バック)』をつけ狙うやらしいカエルさんです!」

 

 スライムと突然変異で巨大化したと言われるカエル、フロッガーが一匹ずつだ。

 

「そのネタ、まだ引きずるの……」

 

 嘆息するパチュリー。

 そもそも二人旅ではフロッガーの「後列攻撃をしてきやすい」という特性は、ほぼ意味が無いのだ。

 

「くっ」

 

 先に立つパチュリーにスライムが突っかかって来るが、レベルが上がったパチュリーのヒットポイントは44。

 スライムの与えるダメージ程度では少しも揺るがない。

 

「先手必勝です!」

 

 小悪魔は青銅の剣でフロッガーに斬りつけるが、粘液に包まれたゴムのような手ごたえの表皮に阻まれ、

 

「ええっ! た、たったこれだけしかダメージが与えられない!?」

 

 数ポイントほどのダメージしか与えられない。

 

 パチュリーが青銅の剣で突き込むが、同様。

 二人がかりでも倒しきれない。

 

「や、やっぱりこのレベルじゃ無理だったんですよ」

 

 と弱気になる小悪魔。

 何しろ彼女はいまだにレベル1。

 パチュリーとてレベル2に過ぎない。

 公式ガイドブックに記載されたナジミの塔の到達レベル、つまり推奨のレベルは4、当然四人フルパーティで、になっていたので無理はないとも言える。

 しかし、

 

「あれっ?」

 

 小悪魔はフロッガーからの反撃が来ないことに戸惑う。

 

「フロッガーは時々『身を守る』ことがあるのよ」

 

 防御に徹することによりダメージを半減させるのだ。

 

「な、何でそんな無駄なことを」

 

 1ターン無駄に叩かれるだけでは、と考える小悪魔だったが、

 

「……そうでも無いわよ」

 

 と、パチュリーは瞳を細めながら分析する。

 ともあれ、フロッガーが防御姿勢を解いて反撃に移ろうとした瞬間を捉えて小悪魔が斬り捨て。

 残ったスライムをパチュリーが倒して戦闘はお終い。

 

「剥ぎ取りだけど、フロッガーからはモモ肉が取れるようね」

「ええー、コレ食べるんですか?」

「食用ガエルという言葉があるようにカエルは世界各地で食用にされているし、フランス料理でも珍重されているものよ」

「……なるほど」

 

 納得した小悪魔は、パチュリーの指導を受けながら青銅の剣でフロッガーの解体を行う。。

 

「これだけ大きなカエルも後ろ足だけしか食材にならないんですね」

 

 他ではともかく、フランス料理で食べるのもそこだけだ。

 

「解体は関節で切り離すのが基本よ。関節は軟骨と軟骨を筋でつないでいる部分ね」

「うーん」

「そんなに慎重にならなくとも、ニワトリもカエルも足を切る要領は同じよ」

「そうなんですか?」

「というか、チキンの丸焼きを切り分けるのと変わりないわ」

 

 欧米では安息日のディナーの時に家長、普通は父親が七面鳥(ターキー)やカモ、チキンなどをナイフで切り分けて家族に分け与える風習があったりする。

 そうでなくとも丸ごとのチキンが店で売られている地域では、魚を三枚におろすのと同レベルでチキンをばらし調理するものだった。

 

 足を開くと皮が伸びる部分があるので、そこから関節が見えるまで皮を切る。

 そうしたら足を広げて関節を外す。

 ゴリッという手応えがあるので関節を広げて筋を探し、筋を切って軟骨の間に刃を入れていく。

 うまくはまるとすっと切れるはずだが、慣れていない小悪魔ゆえ、どうしても力ずくになってしまう。

 青銅製の小ぶりな剣は力任せの作業には向いているが、それでも強引に解体を続けると切れ味が鈍ってくる。

 

「よく「刀の切れ味が付着した血や脂で鈍くなる」って聞きますけど……」

「ええ、一方でそれはデマって話もあるけど」

「ええっ!? でも実際に切れ味が鈍ってますけど」

「そうね、厳密に言うと関係ないとは言えないんだけど」

 

 パチュリーは説明する。

 

「要するに血や脂が付いても刃先、エッジの切れ味は鈍らないけど、側面に溜まると肉を切り分けていくのに抵抗になる。包丁でも食材が側面にべったり張り付くと抵抗になって切りにくいでしょう?」

「ああ、なるほど。そういうことですか」

「でもまぁハンターが用いる解体用ナイフの話では、刃もちのする鋼材で作ったカスタムナイフでも骨などを切るなら鹿など大物で4体が限界とか。これは血脂とは関係なしに、エッジの切れ味の話ね」

「名刀だと四人斬っても切れ味が変わらないって話がありましたけど、逆に言うと血脂関係なしに刃先が持つのがそれが限界ということですか……」

 

 そして小悪魔の青銅の剣は扱いが荒いのでエッジの切れ味が落ちてきたということ。

 

「刃の切れ味が落ちたら、剣を買った時に付いてきたタッチアップ用砥石で軽く磨いてやると復活するわ。あくまでも応急処置だから何度も使える訳じゃないけど」

 

 と、こちらは手慣れた様子でスライムから金属や半貴石といった有価物を取り出すパチュリー。

 魔法使い、とされるパチュリーだが『花曇の魔女』との二つ名でも呼ばれるとおり、同時に魔女であるとも言われる。

 魔女と言うだけに主体は女性、魔女の持つ技術には主婦としての業もまた含まれるということで、その包丁さばきならぬ青銅の剣さばきは小悪魔が見たところ、レーベの村の宿で大ガラスをさばいて料理してくれたおかみさんと同じくらい無駄が無かった。

 

 ともあれ、小悪魔は砥石を取り出して剣の刃先を整えようとする。

 しかし小さな砥石では上手く磨くことができない。

 

「そういう応急処置用の小さな砥石じゃあ普通の大きさの砥石と同じようには使えないわ。貸してみなさい」

 

 パチュリーは小悪魔から剣と砥石を受け取ると、砥石を固定して剣を動かすのではなく剣を固定して砥石の方を刃に滑らせた。

 

「刃が動かないようにしっかり固定して砥石を刃先に当てる。砥石の角度を一定に保ちながら先端の曲面の入り口まで軽く擦るの。そして曲面の部分はそれに合わせて砥石の角度を調整しながら切っ先までやり切るのよ」

 

 はい、と渡されたので小悪魔はパチュリーを真似して反対側をやってみる。

 

「切っ先の曲がっている所が難しいですね」

「そこは曲面に合わせて砥石を立てて行くといいわ。まぁ、どっちにしろ応急処置だけどその場をしのぐのには十分ね。慣れた人は包丁なんかを陶器の底でやるって話よ」

 

 果たして、小悪魔が応急処置後に青銅の剣を使ってみると見事に切れ味は復活していた。

 

「凄いです」

「一々きちんと研いでいられない野外生活の知恵ね」

 

 こうしてフロッガーのモモ肉を剥ぎ取っていく。

 残るのは後ろ足を失ったカエルだが。

 

「放したら、また足が生えてきますかね?」

「さすがに無理でしょう」

「オタマジャクシは生えてくるのに……」

 

 無茶を言う。

 

 

 

「ようやく抜けましたね」

 

 通路を進んで最初に出くわした階段を上ってみると、そこは確かにアリアハンの街からも海上の小島に建っているのが見えるナジミの塔だった。

 

「ここに盗賊の鍵を持っているっていう、おじいさんが居るんですね」

 

 小悪魔が言う、そのおじいさんを探して奥へ。

 そこに大ガラスとフロッガーが1匹ずつ現れる!

 

「あなたは大ガラスを先に仕留めなさい」

「はいっ?」

 

 ジャンプからプレスしてくるフロッガーの攻撃を高いヒットポイントで受け止めるパチュリー。

 小悪魔はそれを横目に見つつ大ガラスを打ち落とす。

 

「いつまでのしかかっているの!」

 

 パチュリーはフロッガーを斬り払い、

 

「止めです!」

 

 そこに小悪魔が斬りつけて止めを刺す。

 

「なるほど、二人がかりでしか倒せないフロッガーからはどうしても1回は攻撃を受けてしまう。なら大ガラスを先制で沈めてしまった方が、被ダメは減らせるということですか」

「そういうことね。付け加えるならフロッガーは前回の戦闘のように防御姿勢を取る場合もあって、それだと二人がかりでも倒しきれず戦闘が長引いて、その間に大ガラスから受けるダメージが蓄積する可能性があったし」

 

 前回の戦闘で学んだ結果を反映した、ということでもあった。

 そしてこの戦闘で、

 

「やっとレベルが上がりましたー」

 

 小悪魔がレベル2に。

 

 

名前:こあくま

職業:ゆうしゃ

性格:セクシーギャル

性別:おんな

レベル:2

 

ちから:14

すばやさ:18

たいりょく:10

かしこさ:9

うんのよさ:11

最大HP:20

最大MP:18

こうげき力:26

しゅび力:17

 

ぶき:どうのつるぎ

よろい:たびびとのふく

たて:なし

かぶと:なし

そうしょくひん:なし

 

 

「力も最大ヒットポイントも増えました。これで勇者らしく……」

「あら私も上がったようね。レベルが」

 

 パチュリーは3レベルに。

 

 

名前:パチェ

職業:しょうにん

性格:タフガイ

性別:おんな

レベル:3

 

ちから:14

すばやさ:7

たいりょく:27

かしこさ:9

うんのよさ:5

最大HP:52

最大MP:18

こうげき力:26

しゅび力:11

 

ぶき:どうのつるぎ

よろい:たびびとのふく

たて:なし

かぶと:なし

そうしょくひん:なし

 

 

「なっ、追い越したと思った力が並んで…… っていうか、最大ヒットポイントが52って何ですかー!!」

「実は低レベル帯だと戦士を超えて一番ヒットポイントの伸びがいいのが商人なのよね」

 

 その上、パチュリーは体力の値に最大の成長補正がかかる『タフガイ』である。

 これぐらいは当然と言えた。

 

「やっとレベル2になったっていうのに、成長の早い商人はそれ以上ですかぁ……」

「この先もずっとそうね」

 

 そういうことだ。

 

「うう……」

 

 

 

 二人がさらに塔の中を進むと椅子とテーブルが置いてあって、そのすぐそばに地下への階段があるのが見つかった。

 

「何ですか、ここ」

 

 首をひねる小悪魔。

 階段を下りると、そこには商人風の男性が居た。

 

「おお、しばらくぶりのお客さんだ! 嬉しいなあ。こんにちは。旅人の宿屋へようこそ。一晩四ゴールドですが、お泊りになりますか?」

「こんな所で宿屋……」

 

 呆れる小悪魔だったが、それも当然だ。

 こんな場所で商売になるのか、という話。

 

「国に委託を受けた業者じゃないかしら。宿泊料がアリアハン内の宿屋と同額だし」

 

 つまりこの主人の給料は国から支給され、その代わり宿泊料金は国に指定された固定の金額となっているのだろう。

 

 二人は今まで仕留めたカエルの足やカラスの肉、スライムから得られた金属や半貴石も引き取ってもらって換金。

 ここで休むことにする。

 

「食事はみなさんが持ち込んでくれたカエルの足と大ガラスの肉がありますけど、どちらにします?」

「そうね、じゃあカエルのモモ肉で」

「ええっ!?」

 

 パチュリーの選択に、小悪魔は驚きの声を上げた。

 しかしパチュリーは軽く微笑むとこう答える。

 

「フランスではカエルのモモ肉は立派な郷土料理なのよ。冷凍では無いフレッシュで、しかも野生のものともなると更に希少ね」

「な、なるほど……」

 

 彼女ならではの感情を棚上げしたうえで知識を基にした判断というものらしかった。

 

「そ、それなら私も試してみます」

「無理に食べることは無いのよ」

「女は度胸、何でも試してみるものです」

「……そう?」

「で、でも何だかドキドキしちゃいますね」

 

 そんな訳で、二人でカエルのモモ肉料理を試してみることに。

 

「お料理しちゃうと見た目は普通に鳥のモモ肉みたいですね」

「味の方も鳥肉に近いものよ。冷めるとおいしくなくなるから熱いうちに食べましょう」

「はい」

 

 小麦粉をまぶしたカエルのモモ肉をオイルでカラッと炒めてバターソースをからめてある。

 

「ふうん、鶏肉って感じの肉ですね」

 

 ニンニクとパセリ、そしてバターの味付け。

 

「うん、美味しい」

「生の牛乳に漬けこんで身を柔らかくするのが秘訣です」

 

 と、宿屋のご主人。

 

「悪くない、悪くないですね、カエルのモモ肉」

 

 小悪魔はそう言ってぱくつく。

 そして彼女はパチュリーに向き直って礼を言う。

 

「ありがとうございます、パチュリー様」

「な、何なの唐突に」

 

 パチュリーは素直に礼を言う小悪魔に、驚いた様子で瞳を瞬かせた。

 

「いえ、カエルのモモ肉なんて、パチュリー様が勧めて下さらなかったらこんな風に味わう機会も無かったでしょうから」

 

 だから感謝してるのだと小悪魔は言う。

 

「べっ、別にあなたの為に選んだわけじゃないから!」

 

 かすかに頬を染めて照れるパチュリー。

 

(ツンデレだ、ツンデレです。なんてレアな。ポイント高いですよパチュリー様!)

 

 二人で夕食を味わって。

 あとはお湯をもらって身体を拭くと、清潔なベッドで寝るだけだ。

 この宿にはベッドが二つしか無い。

 宿のご主人が自分のベッドを空けてくれようとしたが、パチュリーは遠慮して小悪魔と一緒のベッドで寝ることにした。

 

「は?」

「何を呆けてるの、さっさとベッドに入りなさい」

「ははは、はい!」

 

 慌てて旅人の服を脱ぎ去り、肌着姿になってベッドにもぐりこむ。

 これは夢じゃなかろうかと自分の頬をつねってみるが、

 

「痛い……」

 

 夢じゃない!

 

「こぁ……」

 

 甘くささやき、小悪魔の頬に手を差し伸べるパチュリー。

 そして、

 

「拘束制御術式展開。悪魔罠(デーモントラップ)第3号、第2号、第1号発動」

 

 使い魔としてパチュリーと繋がっているパスを通じて、三重の封魔捕縛式が作動。

 これにより小悪魔は指一本動かせない状態に陥る。

 なお悪魔との契約に関する魔法は西洋魔道の類。

 パチュリーが得意とする七曜の魔法、属性魔法とはまた異なるものだが、彼女はその豊富な知識を基に難なくこなしてしまう。

 

 愕然とする小悪魔に、パチュリーはささやく。

 

「ベッドがあるとはいえ、ここは地下。寝床を温める Hot water bottle …… 湯たんぽが欲しいのだけれど」

 

 湯たんぽはしゃべらないし動かない。

 セクハラなんてもってのほかだ。

 

「だから朝まで黙って私の湯たんぽになりなさい」

 

 パチュリーは自分の服に指をかけた。

 彼女が旅人の服を脱ぐと、大人な感じのする上品な肌着が露出する。

 豊かな胸を持つパチュリーにそれは良く似合っていて、小悪魔はその魅力に圧倒される。

 もちろん普段外出しないが故の、白く透き通るような肌を持つ肢体にも……

 

「さぁ、寝ましょう」

 

 そう言ってパチュリーはベッドに横になる。

 かちこちに固まっている小悪魔と一緒に。

 

(わぷっ!?)

 

 パチュリーの、その形の良い胸の谷間に鼻先を突っ込まれる小悪魔。

 

(柔らかすぎるっ! 顔が沈んじゃう、埋もれちゃうぅぅっ!)

 

 運動をしない者特有の柔らかさに、豊かさが合わさったそれに包まれ、小悪魔の頭は一気に沸騰してしまう。

 

(お、溺れちゃうぅぅ…… ダメになっちゃうぅぅ……)

 

 断末魔のような心の悲鳴。

 身動き一つできない今の状態は、生殺しもいいところだった。

 圧倒的な心地よさに駄目にされてしまうことへの恐怖と戦慄。

 そして、それと表裏一体のとろけるような快楽と安心感。

 この感触に依存して、これだけを感じていたいようになってしまう。

 もうパチュリーのベッドを温める湯たんぽ、肉布団に存在を改変されてしまってもいい、いやそうして欲しくてたまらなくなってしまう小悪魔。

 そこまで、そこまで堕とされてしまう。

 せつなくて、せつなくて、涙があふれそうだった。

 

「鼻息がくすぐったいわね」

 

 そう言う割には小悪魔の頭に回した腕を解かないパチュリー。

 その口調は何だか嬉しそうだった。

 母性本能というのだろうか。

 自分より弱い、保護の対象となる者を胸に抱いて、その息吹を感じながら眠るのは女性にとってはとても良いものなのだろう。

 

 しかし、される小悪魔は子供ではない。

 大体、息をする度にパチュリーの身体からたち昇る女性の匂いが、肺いっぱいに吸い込まれるのだ。

 それは次第に小悪魔の体の中に染み込んでいくような気がして。

 呼吸が浅くなっていくのは、これ以上パチュリーの香りで満たされてしまうことに危機感を抱いた身体の働きか、逆に興奮しすぎて過呼吸に近い症状に陥ってしまったのか。

 しかし、

 

(むーっ! むむーっ!!)

 

 きゅっとパチュリーの腕に力が籠められ、顔がその豊かな胸に沈められてしまう。

 酸欠に近い状態だったところに呼吸を封じられ、もがこうとするが、しかしそんなことでパチュリーの拘束制御術式が緩むはずも無く、指一本動かせない小悪魔。

 すぐに体力、気力が限界を迎え……

 しかし苦しいのに、苦しいはずなのに気持ちがいい。

 

(こ、こんなの覚えさせられてしまっちゃダメ! 苦しいのに気持ちいいのが忘れられなくなっちゃう! 堕とされちゃう!)

 

 つま先から頭まで、真っ白に染め上げられていく。

 チカチカしているのが目なのか頭なのか、それすら分からない。

 小悪魔の精神は快楽にのたうち回った。

 

(カヒュッ!)

 

 小悪魔はそのままパチュリーの胸の中で果ててしまう。

 がっくりと身体から力が抜ける。

 それを慣れてくれたと誤解したパチュリーが嬉しそうに手を動かして、身体を撫で、髪を梳いてくれた。

 練り絹のような肌を持つすべらかなパチュリーの指と指の間を、自分の髪が流れる感触が小悪魔にはなんともいえず心地良い。

 二度、三度とパチュリーの手がゆっくり往復するにつれて気持良さに体の力が抜け、反対に苦しいほど胸が高鳴って行くのが分かる。

 まるで、ゆっくりとした後戯を受けて、達した状態が深く長く引き伸ばされているかのような快楽。

 

(……うう、気持ちいい)

 

 暖かくて、気持ちいい。

 ふわふわしてとろけそうなのは、パチュリーの胸のことなのか、自分の意識、頭の中身なのか。

 このまま浄化されて悪魔ではなくなってしまうのでは、存在が消滅してしまうのではないかという怖れとは裏腹に、その心地よさにまったく抵抗できない小悪魔。

 こうしてパチュリーの柔らかな身体に抱きしめられた小悪魔は、そのまま昇天するかのように気絶し、寝入ったのだった。




 カラスでもカエルでも、はたまたカタツムリでもフランス料理というだけで受け入れられる感じがしますよね。
 イメージに騙されてるような気もしますが。

 そして初めてのベッドイン、というかパチュリーの母性に浄化されてしまう小悪魔。
 とってもハートフルなお話でしたよね?
 心がピュアな方ならわかってもらえるはず。


>「刃の切れ味が落ちたら、剣を買った時に付いてきたタッチアップ用砥石で軽く磨いてやると復活するわ。あくまでも応急処置だから何度も使える訳じゃないけど」

 現代ではさらにダイヤモンドシャープナーがあり、数秒で切れ味がよみがえるので解体用ナイフも量産品のファクトリーナイフで十分だったり。


 みなさまのご意見、ご感想等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。
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