ベルが倒れた次の日、ロキの自室にてベルに神の恩恵が刻まれる日がやってきた。
「さてベル。服脱いで。ああ、全部やあらへんよ?上半身だけ裸になってくれたらええ。どや?少し期待したか?」
「ホントにビックリするからやめてくださいロキ様」
ロキはベルという少年に関して少しずつ分かってきた。まずは、物凄く真面目で純真。これは全集中の呼吸をしてないベルを見て気がついたのだが、純白のオーラのような何かが漏れ出ていた。自分が注視しないでも分かるくらい澄んでいる清らかな魂。
もう一つは、白髪というよりは白兎の様なその容姿がコンプレックスであること。あの門番といいベートといい、ベルの実力を容姿で判断していた。あのアイズに至っては完全に愛玩動物扱いだ(本人に悪気は無いだろうが)。
まあ、今日は色々とやる事があるからちゃっちゃと恩恵を刻むことにしよう。それにしても、
(なんちゅうがっしりした身体つきや…。さて、お待ちかねのステイタスはっと…)
ベル・クラネル 人間種族
Lv1
力:I0
耐久:I0
敏捷:X0
魔力:I0
器用:I0
魔法
なし
「ぶっ!?」
「どうかしましたか、ロキ様?」
「い、いや何でもあらへん…」
マジか…、敏捷の数値が分からん。Xなんてステイタス初めて見たわ。さて、肝心のスキルはーっと…。
スキル
・早熟する。
・目標の高さによって効果上昇。
・逆境に立たされた時ステイタスの大幅上昇。
・守るべきものがある時にステイタスの限界突破。
魔術適性
・魔術の使用適性あり。
・魔法の習得不可。
・魔力の向上可能。
神速
・敏捷が力、耐久、器用の平均値の10倍の数値になる。
・敏捷のステイタスはXで固定される。
・レベルアップした時の敏捷のステイタスはそのまま引き継ぐ。
全集中・
・発動時、敏捷を999に固定する。
・雷の呼吸の技の発動時に敏捷が上昇。
・レベルが上がる毎に敏捷の初期固定値上昇。
・使用継続時間が長いほど効果上昇。
魔剣寵愛
・あらゆる魔剣の使用条件を緩和する。
まず一言言いたくなった。Lv1の時点でスキルが5個も発現してるのは異常やろ…。
聞き覚えのない早熟とステイタスの限界突破の複合スキルに現在1人しか確認されてないステイタス変動スキル、そして、
一時的にヘルメスをも上回る超神速の敏捷を与える全集中・神鳴の呼吸。このスキルを発現したのは後にも先にも1人だけ。その名をスレイ・クラネル。故人であり、隻眼の龍の戦いで滅んだゼウスファミリアの団長にして「
「ベル、これがお前のステイタスや。おめでとうな、晴れてこれで冒険者やで」
「ありがとうございます、ロキ様!」
「ええてええて。それとな、ベル。雷の呼吸以外にもスキルが発現してるで」
そして、魔術適性と魔剣寵愛のスキルのみを伝えることにした。ちなみに他にもスキルが発現してるが、分からなかったで押し通した。それでもにこやかに「それでも十分ですよ!」と言われて自分の心に何かが突き刺さる様な感じがした。
「さて、そんじゃレフィーヤたんに頼んでギルドに行ってきいや」
「レフィーヤさんって、ブロンド髪のエルフの人ですか?」
「せや。ママとかアイズたんでも良かったんやけど、今日は幹部会議があってなー。気ぃつけて行ってくるんやでー」
「はい!では行ってきます、ロキ様」
自室からベルが出たのを確認したロキは
「さて、聞いての通りやアイズたん。幹部連中を至急ここに集めてくれ」
気配を完全に消して自室にいたアイズに話しかけた。無論、ロキとて気づいていたが、あの戦闘能力だ。もしもの事があればと思って敢えて追い出さなかった。だが、起こって欲しくない予想ほど起こるという法則でもあるのか、嫌な予想に限ってその予想は起こってしまう。
ロキはベルが外出してる間に緊急幹部会議を開くことにした。
ベルに伝えたステイタス
ベル・クラネル 人間種族
Lv1
力:I0
耐久:I0
敏捷:I0
魔力:I0
器用:I0
魔法
なし
スキル
魔術適性
・魔術の使用適性あり。
・魔法の習得不可。
・魔力の向上可能。
魔剣寵愛
・あらゆる魔剣の使用条件を緩和する。
全集中・雷の呼吸
・敏捷に上方補正。
・刀使用時に効果上昇。
備考
スレイ・クラネル
今はなきゼウスファミリアの元団長。故人。「絶対強者」の二つ名を持つオラリオ最強の冒険者。最終到達レベルは9。ベルとの関連は不明。
今後の展開をどのルートにするべきか
-
アイズルート
-
レフィーヤルート
-
リヴェリアルート
-
リリルカルート
-
ハーレムもしくは作者に任せる