最近暑が夏いので頭の悪そうなお話を思いついちゃったので殴り書いちゃいました☆
少しでも楽しんでいただければ幸いでございます。
「やっぱり思うんですよ。おね○ョタは正義なんだな〜って」
「……はぇ?」
あまりにも突然&脈絡が無さすぎて、間抜けな声が出てしまった。
現在、新米トレーナーのボク、ユウキはトウカの森を北に向けて歩みを進めていた。
目的はその先にあるカナズミジムへの挑戦。
そんな道中、女性に話しかけられた。
周りに他に人がいないので、恐らくこちらに向けて話しかけてきているのだろう。
見た感じ、年齢はボクよりも2、3つほど上ぐらいだろうか?
改めて彼女を観察してみると、アイドルと言われたら信じてしまいそうなくらい整った容姿をしている。
キレイ、というよりは可愛い系?と言うのだろうか?
今もこちらに向けられている彼女の笑顔は愛嬌があり、初対面のハズなのに親しみやすさすら感じさせる。
……最初に声をかけられた時、背筋が寒く感じたのは気のせいか?
「あの……どちら様でしょうか?」
「あっ、すみません!私としたことが興奮のあまりつい口が滑……ゲフンゲフン」
「…………」
「ごほん。それでは気を取り直しまして……こんにちは!純情御奉仕系(意味深)ヒロインのティアと申します。不束者ですがこれからよろしくお願いしますね☆」
きゃぴるんっ☆
っと、擬音が聞こえてきそうなくらい、これでもかとキレキレにポーズをキメるティアさん(仮名)
なるほど。
これは関わっちゃいけない人だ(確信)
「あっ、すみません。急用を思い出したのでボクはこの辺で……」
ここは早々と立ち去るが吉。
くるりと踵を返して、カナズミシティは別のルートから目指すように変更しようと頭の中で考えを巡らす。
まだ旅は始まったばかり。
多少のタイムロスは許容範囲だ。
「あーんっ!スルーしないでくださいぃー!行っちゃイヤですダメです離しませんンンン!!」
瞬時にボクの意図を察しただろうティアさんは、逃がすまいと腰の辺りにしがみついてきた。
「ちょ、どこ引っ張ってるんですか!」
「良いじゃありませんか、良いじゃありませんか!スーハースーハー、クンカクンカクンカクンカ」
「うぎゃああああああ!!ジュンサーさあああああん!」
恐ろしいことに、どれだけ抵抗しようが全くと言っていいほどビクともしない。
というか、彼女の細い体のどこからこんな馬鹿力が出ているのだろう?
「もういい加減に……って、ああっ!」
暴れた拍子にリュックの中身が無惨にもぶちまけられてしまった。
タウンマップを始めとした貴重品やキズぐすりやまひなおしなどの消耗品。
そしてその中にはもちろん、ポケモントレーナーなら誰もが持っているであろう『あれ』も含まれていた。
モンスターボール。
野生のポケモンを捕獲するために欠かせない必需品。
トレーナーを志す者なら1度は手にしたことはあるだろうそれを目の当たりにした瞬間、狂ったかのように(元々狂ってたような気はしないでもないが)しがみついていたティアさんの拘束がすんなりと解けた。
「待っていたぜェ!!この
「!?」
「うわうへへうきゅー☆」
突然奇声を発しながら、空のモンスターボールへと突撃を開始。
ポケモンの技で例えるならまさに『ロケットずつき』だった。
ただ、なぜこんな感想を抱くのかはボク自身分からないが、その可愛らしい顔立ちからは想像できないような……そう、まるで『
「よろしくお願いしまーす!(?)」
何が!?とボクが言葉にするよりも速く、目の前で信じられないような現象が発生した。
顔面からモンスターボールへと突っ込んで行ったティアさん。
それに反応してモンスターボールが起動した。
赤い光がティアさんの全身を包み込み、そしてボールの中へと収納。
数度の点滅と揺れたのちに、カチッと小気味よい音が鳴り響くと、ボールは動かなくなった。
先程までの喧騒が嘘かのように辺りが静寂に包まれる。
一体今のは……?
…………うん。
「見なかったことにしよう」
「待て待て待てぇーい!ちょっと、なんで置いていこうとしてるんですか!」
「うわ、夢じゃなかった!」
そそくさと立ち去ろうとしたところ、がっしりと肩を掴まれてしまった。
「人のこと捕まえておいて置き去りなんてあんまりですぅ!私のことは遊びだったんですね!?」
「人聞きの悪いことを言わないでください!というか、勝手に捕まったの貴女でしょ!」
「えへへーごめんなさいっ☆」
てへぺろりん☆と小さく舌を出して拳を握り自らの頭を軽く小突くティアさん。
今どきアイドルでもここまであざとい子はいない。
……というか初めてだよ、こんなにも反省の欠片も無い『ごめんなさい』を聞いたのは。
「はぁ……もういいです。それはともかく、そもそもなんで人間なのにモンスターボールに入れるんですか?」
「あ、実は私ポケモンなんです」
「え?……えええええええ!!?!?」
今日一番の衝撃の事実が、全身を駆け巡った。
*
ラティアス。むげんポケモン。
知能が高く人の言葉を理解する。
ガラスのような羽毛で体を包み込み光を屈折させて姿を変える。
「いやいやいやいや、光を屈折させて姿を変えるって次元じゃないでしょ……。完全に人間になっちゃってるじゃん」
「そんな……。美人で可愛くて結婚したいなんて……照れちゃいます」
「一言も言ってない」
オダマキ博士から頂いた図鑑で確認したところ、ティアは本当にラティアスというポケモンらしい。
しかし、図鑑の説明によれば、ラティアスというポケモンは、光を屈折させることで、姿を変えているように『見せる』のが本来の能力であって、人間に『化ける』能力ではないはず。
しかし、先程しがみつかれたことで彼女に触れたが、その感触は人間そのもの。
他のラティアスを知っている訳ではないので確証は無いが、少なくともこの図鑑で見る特徴とはとても一致しない。
「……色々キミには聞きたい事が山積みなんだけど、まず最初に聞いておきたいこと……わかるよね?」
「わかってます。……上から84、58、86です!」
「そうじゃないよ!話が進まないからやめてぇ!」
ダメだ。この子に話題を振る度に脱線している気がする。
ここは強引にでもこっちが主導権を握らないといつまで経っても話が先に進まない。
「この際、キミが人間かポケモンかどうかは一旦置いておくとしよう」
「愛さえあれば問題ありませんもんねっ☆」
「(無視)子供が……と笑うかもしれないが一応ボクはホウエンリーグ優勝を目指して旅をしている」
ホウエンリーグ。
ホウエン地方のジムリーダー8人からその実力を認められ、各ジムバッジを8つ集めた者のみが挑戦する事が許される全ポケモントレーナーの憧れであり最終目標。
そこまでの道のりは険しいなんてものではない。
これまで数えきれないほどのトレーナーたちが夢見て、そして挫折していったことだろう。
そして、それは決して他人事ではない。
これから先、ボクが想像する以上に辛く厳しい現実が襲ってくるに違いない。
それを越えられるぐらいに強くならなくてはいけないんだ。
そのためにも、本当の意味で信頼し合える仲間を作りたいと考えている。
正直、これまでのやり取りからボクからティアに対しての評価は『胡散臭い』の一言に尽きるのだけど……この際、一旦これまでの事は水に流すとしよう。うん。……うん。
「ボクはまだ実力の伴わない駆け出しの半人前……。何を言っても絵空事にしかならない。それでも、こんなボクを信じてくれるなら、必ず頂点までキミを連れていく。だからついてきてくれないか?」
「…………」
「…………」
「…………」
「……あの、なんか反応欲しいんだけど」
熱が冷めてきてじわじわと恥ずかしさが込み上げてきた。
我ながらあんな痛々しいセリフをよくもまあ恥ずかしげもなくスラスラと言ったもんだ。
誰か、10秒前のボクを消してくれぇ……。
「……に」
「に?」
「妊娠するかと思いました……」
いや、なんでだよ。
「今のは完全にプロポーズ!私のメスとしての本能が勝利を掴め(意味深)と轟き叫んでいました!いやんっ」
「……」
「たまご……いっぱい産みますね☆」
「いや、もう、その話はいいから……」
もうこれ以上、ボクを混乱させないでくれ……。
ユウキ は わけもわからず じぶん を こうげきしたくなった!
「……とりあえず旅の件、返事はOK、という事でいいのかな?」
「もちろん喜んでお供します!ユウキさんの為なら、たとえ火の中水の中草の中森の中……あの子のスカートの中どころかパンツの中までご一緒しますよ。お任せください!」
「うん。ついてきてくれるその気持ちは嬉しいけど、最後ので台無しだね!」
今更ながら、手持ち(?)に加えるのは失敗だったのでは?と我ながら後悔するのだった……。