お気に入りしてくださった方ありがとうございます☆
今後もそこそこ頑張っていきますのでみていてください!(さい?)さい!(さい??)
はい、サイドチェストーーー!!
ティアが仲間に加わり、これから色んな戦略を練る上で情報には目を通しておかないと、と図鑑に目を通している所でボクはある項目を見た瞬間時が止まったかのように固まった。
「ごめんティア。…これ、どういう事?」
「はいはい〜。なんですなんです?」
ティア:ラティアス
覚えている技
・あまえる
・ゆうわく
・ものまね
・ねがいごと
「えへへー。ユウキさん、もとい旦那様の為に一生懸命覚えて来ました!ぶいっ☆」
「ぶいっ☆じゃないよ!この技構成でどうするんだよ」
「えっ、それは……。まさか私に言わせる気ですか……旦那様のえっちスケッチマルチスケイル!」
頬を赤らめ、くねくねと身を捩りながら熱い視線を送るティア。
誰か、この脳内ピンクのドラゴンタイプをなんとかしてください!
「ぐ……まあ、技は変えられるから今は良しとしよう……」
「えぇー。過去作の技もあるのにぃー」
メタ発言はやめろ。
「でも、旦那様色に染められると思えば悪くない……というかむしろご褒美ですねぇ!」
一人盛り上がるおバカさんは放っておくとして、実際問題カナズミジム攻略に彼女は戦力外だろう。
「やっぱり初のジム戦。キミが頼りだ、ゴローさん」
「ゴリョ!」
ミズゴロウのゴローさん。
オダマキ博士からポケモン図鑑と共に譲り受けたポケモン。
まだ付き合いは浅いが、浅いながらも彼の強さは信頼している。
「ちょ、旦那様、私は!?」
トリップから帰ってきたティアが顔面蒼白でしがみついてきた。
なんかこの状況に慣れつつある自分が嫌になる。
「いや、ティアの技構成じゃまともに戦えないでしょ……」
「しょんにゃぁ……お願いしますなんでもしますから!『ん?今なんでもって?』はい!なんでもって言いました!」
「一人芝居するのやめなさい!」
隙あらば話をそっち方面に強引に持っていこうとする精神に、呆れを通り越して感心すら覚える。
「でもでも〜。ジム攻略?というのは私にはまだよくわかりませんが、旦那様のお話を聞く限りでは、ゴローさんだけで突破するのは、ちょっと厳しいんじゃないかと思うんですよねぇ?」
「急に真面目に……まあ、確かにその通りだとはボクも思うよ」
カナズミジムはいわタイプのエキスパート。
タイプ相性的にはみずタイプのゴローさんが有利とはいえ、一匹だけで突破できる程甘いものとはとても思えない。
「やっぱり仲間を増やすべきか……」
「そうですね……。あっ、メスはNGですよ!浮気、ダメ絶対!オスはたまごは出来ないのでギリセーフにしておきます」
少しでも真面目だと思ったボクがバカだったよ……ちくしょう!
*
「居た……あれがキノココか」
草陰からこっそりと覗きこむ先、そこには一匹のポケモンが木陰でひと休みしていた。
あれからトウカの森をさ迷うこと1時間弱。
大量のケムッソとの遭遇(途中ティアがわざと糸に絡みついていたのは割愛)を経て漸く、目的のポケモンを見つけることができた。
「あの子が目的の子ですね。『きのこポケモン』……ふむ、なるほどなるほど。……なんというか、その」
「やめなさい」
何かろくでもないことを言おうとしている事だけはなんとなくわかった。
「よし、じゃあ早速。疲れてるかもしれないけど、もうひと踏ん張りお願いね、ゴローさん」
「ゴリョリョ!」
任せろ!と言わんばかりにやる気全開のゴローさん。
ここまでの道中、野生のポケモンやトレーナーとの連戦があったとは思えない程のタフさだ。
本当に頭が上がらない。
「え、相手くさタイプですよ?ゴローさんではさすがに不利じゃないですかね」
「ゴリョ!?」
ガーンとショックを受けるゴローさん。
やる気に満ち溢れていた体がみるみるうちに縮こまっていく。
ああぁ……なんかとても申し訳ない。
「ぐっ……確かに一理ある。けどそしたらどうすればいいんだ?」
「ここは可愛くて嫁にしたいドラゴンタイプNo.1(自己アンケート)のラティアスのティアちゃんにお任せ下さい☆」
ここで恒例のキメポーズ。
いつも思うんだけど、逆にキミはなんでこうも謎に自信に溢れているのだろうか?
今のところ、ケムッソの糸に絡まったぐらいの功績(?)しかないぞ。
「いや、だからキミの技構成じゃどうしようもない……」
「フフフ……甘いですよ旦那様。真のポケモントレーナーは覚えている技でどうにかしてしまうものなのです!……と、いうことで、ティアちゃんドラゴンモード!変、身ッ!トゥ☆」
きゅぴぴぴぴーん!
どこか懐かしさを感じさせる変身音(?)と共にティアの身体が眩い光に包まれる。
時間にして数秒。光が消えるとそこには、見慣れた少女では無く、図鑑で見たラティアスが存在していた。
「今更だけど本当にポケモンだったんだ……というかキミ、本当にティアだよね?」
『フッフッフ、そうですよ〜。どうです?惚れました?惚れちゃいました?あぁ〜^旦那様、ちゅっちゅ』
「あ、もういい。十分本人確認できた」
こんな頭ハッピーセットな知り合いの心当たりは一人(一匹?)しかいない。
というか、他にいてたまるか。
「とにかく、逃げられないうちに行くよ。ゴローさんも一応控えでついてきてくれるかい?」
「ゴリョゴリョ!」
『んもー!心配性なんですから……そんなとこもチャーミングです☆』
「(無視)やるよ!いけっ、ティア!」
『お任せあれっ☆』
とりあえず、野生のキノココを逃がすことなく回り込むことには成功した。
さて、まずは……って、どうしよう。
とりあえず相手のキノココはオスみたいだし、様子見も兼ねて『ゆうわく』で火力を落としておくか……?
……よし、それでいこう。
「ティア、『ゆうわく』!」
『はい!……旦那様ぁ、私 、今夜帰りたくないのぉ』
ティアはギュンと凄まじい勢いでUターンしてくるとボクに半ばタックルするかのように抱きつき、くねくねと身を捩らせた。
「……何してるの?」
『はい!ゆうわくです』
「ボクにじゃなくてキノココにするんだよ!!」
『なんで私があのキノコ野郎をゆうわくしなきゃいけないんですか!?』
「逆ギレェ!?」
本当に何がしたいんだキミは……。
「キノwwwキノッwwwキノwww」
「めっちゃ笑われてるんだけど……」
『うふふ。ピース☆』
「やめなさい」
この子はバカにされている事に気づいていないのか。
後ろを見るとゴローさんがなんとも言えない渋い表情でこちらを見ていた。
ゴローさん……心労をお掛けしてごめんなさい。
「キッ、ノォwww」
おバカな事をしてる間に、キノココが『しびれごな』を撒いてきた。
最悪な事にティアが抱きついているので『しびれごな』の散布範囲はボクの頭上だった。
『旦那様、危なーいっ!……あばばばばばばば』
「うぶっ!ぐ、ティア、大丈夫か!?」
しびれごなが降りかかる直前。
ボクを突き飛ばすような形で庇ったティアが悶え苦しむように地面に倒れ込んだ。
明らかに異常な倒れ方に、辺りに舞うしびれごなに警戒しながら慌ててティアの元へと駆け寄る。
『あばばあばばばば。イ、イッちゃう…イかされちゃうーッ!み、見ないでぇ!旦那様、こんな私を見ないでーッッ!!』
「あ、うん。おかげで助かったよ、ありがとう……」
わりと余裕そうなので、自力で回復できるようにクラボのみをそっとティアの横に置いてキノココを見据える。
「キノノノノwww」
手強い。
先程も述べたように、このトウカの森では他の野生のポケモンやトレーナーともバトルをしたが、ここまで苦戦を強いられる事は無かった。
決してこちらがマヌケだから……なんて事は無い。そう、決して。
「ゴローさん、やっぱりお願い!」
「ゴリョ!」
『あぁ!私の出番が〜。オンザハナミチが〜……アッーーー!』
任せろ!とばかりに勢いよく前線に躍り出る頼れる相棒。
外野がややうるさいのはいつもの事なので今回もスルー安定だ。
「キノ?www」
「またしびれごなを当てられたら厄介だ。『どろかけ』でダメージを与えつつ命中率を下げよう!」
「ゴリョリョ!ン、リョッ!」
「キノノッ!?www」
ゴローさんのどろかけが見事キノココの顔に命中。
キノココは顔中泥まみれになり、目を開けるのもひと苦労だろう。
『私は泥じゃなくて旦那様のあっついやつをかけて欲しいですね(期待の眼差し)』
「(無視)ゴローさん、そのまま『どろかけ』で動きを封じるんだ」
「ゴリョォー!」
怒涛のどろかけ攻撃。
目論見通り、視界だけでなく足元もぬかるみで動きにくくなったキノココは満足に攻撃することもできないみたいで、滑ってしまわないように体を支えているのがやっとの状態である。
『ハァ……ハァ……キノコに大量のどろかけ……。旦那様、なんか私ヘンな気分になってきちゃいました……』
「お願いだから少し黙って……!」
むしろキミはヘンな気分じゃない時が無いだろ。
「キノノノノノ!!?!?www」
「よし、ゴローさんありがとう」
良い具合に体力を消耗させたハズ。
モンスターボールを投げるタイミング的にはここら辺がベスト!
「モンスターボ『いえ、まだですね』え?」
これまで聞いた事がないような冷静なティアの声にボールを投げようとした動きが止まる。そして、その一瞬だった。
ボクの体を掠めていくように『何か』が通り過ぎていった。
恐る恐る振り返る。
するとそこには先程まで指示を送っていたはずの相棒がボロボロの状態で倒れていた。
「なっ……ゴローさん!?」
理解が追いつかないまま傷つき倒れたゴローさんの元へと駆け寄り抱き上げる。
先程まで圧倒的有利な状況にあったはずなのに、この一瞬の間に何が……。
『旦那様。最初に言っておく、これはかーなーりヤバい!って感じみたいですよ』
「え?……なっ!?」
ティアに促されて前を見るとそこには先程のキノココは居なかった。
キノガッサ。
キノココの進化系。
つまりあの土壇場で先程のキノココが進化したことにより、ゴローさんは返り討ちにあってしまったということか……。
『だとしても一撃でゴローさんを沈めるなんて相当強いですね、あのキノコ。明らかに進化するタイミングを計算してましたよ』
「そ、んな……」
完全に相手の技量を読み間違えた。
うまくいっている。
そう思っていることすらキノココ……いや、キノガッサにとっては計算のうちだったということなのか?
慢心という言葉が胸の奥に突き刺さる。
本当にゴローさんには申し訳が立たない。
『旦那様旦那様』
「……」
『旦那様?』
「……」
『ちゅっちゅっちゅ☆』
「ちょ、やめろォ!?」
『あっ、やっと反応してくれましたね!』
人が落ち込んでいるというのにこの子は一体どういうつもりなのだろうか。
『じゃあ、第2ラウンドとイきましょう!』
「……はい?」
『だーかーら、ゴローさんの仇をとるんですよ☆』
とってもいい笑顔でとっても物騒な事を言い出し始める某ドラゴンポケモン(♀)。
「誰が?」
『モ○チン!あ、間違えた。もちろん、旦那様と私で、です☆』
「いやいやいや、さっきのでわかったでしょ?キミの技構成じゃ勝てっこない……しかも状況はさっきよりも悪化してるんだよ?」
『じゃあここで逃げますか?』
最後のティアの質問に呼吸が止まる。
まるで内蔵の機能が全部麻痺してしまったかのような感覚。
理屈では逃げるのが1番良いのは分かっている。
だってそうだろう?
ゴローさんは戦闘不能。
ティアの技範囲ではキノガッサには有効打は無い。かなり絶望的だ。
なのに何故か、ボクはティアの『逃げますか?』という問いに対してすぐに『YES』と答えることが出来なかった。
いや、わかってる。
本当はボクだって……。
『良いんですよ』
「え……」
『そんな深く考える必要なんてナッシングです☆とりあえず一矢報いてやりたいからやれるだけやってみて、ヤバかったら皆でサヨナラバイバ〜イしちゃいましょう!』
なんて適当な……。
でも、ちょっとだけ、ほんのちょっと肩の荷が下りたような気がした。
意図してなのか……いや多分天然なのだろう。でも今回は彼女の適当さにちょっとだけ救われた。
「わかった。やれるところまでやってみよう。最後まで付き合ってくれティア!」
『はい!……って、付き合うってもしかしてそっちの付き合うだったりしますか!?ウヒョーたまりませんねぇ!』
……最後の最後で台無し。