バシャッ
僕に冷たい液体上のものがかかる。
バシャッ
凄く冷たい。
バシャッ
「まだ起きないのう」
「もっとかけないと起きないだろ」
「そんなに水かけなくても起きるからっ!」
「やっと起きたか 。秀吉に心配かけるなよ」
「起きてたの分かってやってたでしょ!」
「それだけ声出せるなら大丈夫そうだな」
「そうじゃのう」
「僕の怒りはことごとく無視か!」
僕たちは(使う価値があるまで)親友なのに扱い方がひどすぎるよ全く……。
「でもさ、須川君たちは姉さんがいるの知らなかったんだね」
「お前が教えてないからな」
うちの姉は非常識人だから、須川君たちに変なこと言ったら、大変なことになる……
僕の体が。
今後この話が出ないようにしよう。
☆
放課後が終わるなり、須川君らが僕のまわりを取り囲んだ。
『吉井!』
「え?何この包囲網は?」
『お前には姉がいるんだよな?』
「ええ?ああ、うん。そうだけど」
『それってもしかして、この人のことか?』
見せられた写真を見る。ってこれ、姉さんじゃないか!?なんでこんな写真が?
『どうなんだ?ん?』
少し考えてみよう。このまま正直に「うん」と言うか、違う答え方をするか。
パターン1
「うん、そうなんだよね」
『皆の者聞いたか?』
『『『おう!!』』』
『殺れ』
うん。ダメだね。
パターン2
「そんなわけないじゃないか」
『じゃあ、お前姉がどんな人なのか、ばっきり教えてもらおうか』
だめだ、新しい関節が増えてしまう。
パターン3
「それは雄二が女装したんだよ」
『そんなウソが通じるとでも思ったか』
むむむ、「そうだよ」と言っても、「違う」と言っても、「雄二だ」と言っても全部僕の未来が危ぶまれるじゃないか。
どうしたらいいんだ。
『まだ大丈夫だ!ほかの選択肢があるじゃないか!』
やっぱりきたか僕の中の悪魔め。
『そんな言い方するんじゃないよ、俺が来たときは大抵解決するだろ』
悪い意味のほうでね……。
『今回の話の中で重要な部分は、彼らが俺たちの姉の姿を知らないことだ』
なるほどね。
『そこをつけば安全にこの話を終わらすことができる』
僕より、頭良くないか、僕の中の悪魔……。
『今日は……いやこれからは、天使がいないからかもな……』
そういえば、僕の中の天使はどこに行ったの?
『前にどっかにぶっ飛ばしたまんま帰ってきてないぞ』
そうだったけ?あんまり覚えてないんだけど……。
『まあ、とりあえずこの話を終えてからじっくり考えればいいだろ?』
そうだね!
『重要な部分をつけば怪我なく家に帰れるぞ』
オーケー!
『もう一回聞くぞ。これはお前の姉なのか?』
「そんなに気になるなら、うちに来るかい?」
『確かに怪我なく家に帰れるけど……帰ってからの保証はないぞ……』
……そして、姉さんが変なこと言ったら、僕の命が……ってさっき思ったばっかりなのに……。
『じゃあ遠慮なく行かしてもらうぜ!』
『ふう、やっと帰ってこれた……。ってもう話終わったの?』
来るのが遅いよ僕の中の天使。
終わったよ、ある種最悪の形でね。