これってビビリな自分だけなんだろうか……?
人は窮地に立たされたときに本当の実力を発揮できるらしいけどーーーーーー
「明久君っ!食べてくださいっ!」
「あっアキっ!ウチのもっ!」
ーーーーーーこれはもう駄目だと思うんだ………
「ち、ちょっとちょっとっ!2人とも落ち着いてよ!なんで2人とも僕にお弁当なんて作ってきてくれたのさっ!」
「はぁ、全くアキってば………」
「明久君は小学校のころから鈍感でしたから……」
「そうよねっ。アキに女心がわかるはずないもんね」
良く分からないけどバカにされてる気がする……っ!
「いいからほらっ、食べてっ!」
「もがぁっ!?」
「明久君ど、どうぞっ」
体育祭のときは雄二に飲み物で流し込まれたけど、今回は美波からはサンドウィッチを、姫路さんからは卵焼き(に見えるなにか)を腕力で無理矢理押し込まれた。もはや戻ることはできない。
あとは姫路さんの料理がパワーアップしていないことを祈ろう。
審判が下るまでの短い時間を高校2年とちょっとを振り返ってみよう。
初めて雄二に会ったこと、美波と友達になれたこと、海へ行ったときムッツリーニが鼻血を出したこと、そんな思い出が僕の心を穏やかにする。
なんだかだんだん意識がーーーーー
「明……大……夫か……のっ!?」
「…………明……しっ……り……ろ…………!」
秀吉とムッツリーニが僕を呼んでいる。逃げたのに僕の容体を聞くなんて、なんていい友達なんだ……
そこで僕の意識が途切れたーーー
☆
「あ、明久君!?」
「アキ大丈夫!?」
なんだか騒がしいな?なんかあったのか?
「………雄二、お弁当おいしい?」
「ああ。手と足が鎖で縛られてなきゃもっといいんだがな」
「………わかった」
そういって俺の手と足を縛っていた鎖をとる翔子。な、なんだいつもと違うぞ……?
「今日はなんだか優しいな」
しまったっ!おもわず思ってたことを言ってしまったじゃねえか!
「………これからは雄二の言うことを信じるから」
「…そうか」
「………うん」
(いい雰囲気のところ悪いのじゃが助けてくれんかのう!)
と、言う秀吉からのアイコンタクトが来たので、
「翔子。ちょっと様子見てくるわ」
「………うん」
ちょうど気まづかったしな………
見に行くと、明久が倒れていた。明久の近くに姫路の弁当らしきものが置いてあったかことから推理するに、
姫路と恐らく島田が弁当を作ってきてそれを食べたんだろう……。
「姫路、島田。明久は今日何も食ってこなかったらしくてな。恐らく、お前たちの弁当を食って嬉しさのあまり倒れてしまったんだろう」
明久のとなりで驚いている姫路と島田に声をかけておく。このままだといつか気づかれそうだな……。
「そうなんですか!?」
「ああ、そうだ」
「アキったらこれぐらいで失神してもらっても困るのに……」
島田、その言葉は………いや、なにもいうまい。
「ここで寝てもらってても困るから場所移動させるぞ。秀吉、ムッツリーニ、手伝ってくれ」
「分かったのじゃ」
「…………了解」
「じゃあ俺は頭持つから二人は足をーーーーーおっと」
明久の頭の形がおかしいせいか、頭に引っかかってしまった。
引っかかり方が悪く床に手を付けなかった。そこまではいいのだが、落ちる頭の位置が姫路の弁当だったのはただの不運だろう。そう思って俺は目を閉じた。
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