仮面ライダーW ~双世の探求者~   作:龍牙

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第九話

 

龍斗とマオの二人がそれぞれの理由での思考の中から戻ってきた時、バスのクラクションが鳴り響く。天国と言う名の地獄のカジノからの迎えのバスが来た様だ。

 

 

 

「ふふふ…。世界中のありとあらゆるギャンブルの必勝法の本を読んだわ。今回は私の専門、龍斗は横で見ていて良いわよ♪」

 

 

 

「………。」

 

 

 

龍斗は明るく告げるマオにどう言葉をかけようか戸惑ってしまう。龍斗がそんな事を考えている間にバスが止まりドアが開く。

 

 

 

龍斗はバスに乗りながらスタッグフォンを操作してリボルギャリーが自動で発進する様に操作し、時間差でミッドチルダへと転移して自分達の反応が有る場所へと来る様に設定する。同時に着けろと言う事なのだろう、目隠しを渡される。

 

 

 

(なるほど…こうやって次元世界の事を秘密にしている訳か。)

 

 

 

暫く続いていたバスが揺れる音が止まると目隠しが外され、バスのドアが開く。

 

 

 

周囲を見回すが何処かのトンネルか地下道の中らしく薄暗い場所で特に目印となる様な物は存在しない。二人が降りるとバスの止まった先に有る壁が横に開き、出てきた二人組みの覆面の男達の案内でコロッセオの中に入る。

 

 

 

「ふふん、ぶっ潰しに来て上げたわよ!」

 

 

 

「どれだけ性質の悪い客なんだよ、お前。」

 

 

 

「ようこそ、我がコロッセオへ。余計な者が着いて来たようだが。」

 

 

 

「違うな、お前と勝負するのはこいつだ。」

 

 

 

「その通り、この超天才美少女のマオちゃんの力を見せてあげるわ♪」

 

 

 

「超天才? 彼女が。まあいいだろう。」

 

 

 

二人を迎え入れたミリオン・コロッセオのオーナーはルーレット台へと案内する。丁度、優子が倒れているが何の反応も示さない。

 

 

 

「今日はお前達の為に特別に貸し切りにした。…私の賭ける物はこれだ!」

 

 

 

そう言って男が差し出したのはライフコインの山が六セット。

 

 

 

「そう、だったら私達の賭けるのは…私と。」

 

 

 

オーナーの男と対峙する形で席についてマオが取り出すのは『サイクロン』『ヒート』『ルナ』の三種のガイアメモリ。

 

 

 

「オレの手持ちのガイアメモリだ。」

 

 

 

龍斗は倒れている優子を椅子に座らせながら『ジョーカー』『メタル』『トリガー』を取り出し、マオの出した三つのガイアメモリの隣に並べる様に台に置く。

 

 

 

「このライフコイン一山を君達の所有するガイアメモリ一つと等価値とする! お互いに相手から勝ち取った物を賭けても良いが、お互いライフコインは一山単位で賭けてもらう。一度に賭ける事が出来るのは、互いの同意が無い限りはライフメモリ一山かガイアメモリ一つまで。」

 

 

 

ルールの説明…互いの同意が無い限りは六連勝しなければならない。

 

 

 

「それでは…6対6の勝負だ!」

 

 

 

「オッケー!」

 

 

 

マオとオーナーの二人の言葉を合図にディーラーはルーレットを回転させ、球を投入する。

 

 

 

「(ルーレットの台は1880年度に作られた地球製…球の回転速度と反発力…だったら。)赤の21よ!」

 

 

 

精密な計算を行い球が何処に入るのかを計算し、サイクロンメモリを赤の21に置く。

 

 

 

「なら、私はここだ。」

 

 

 

それに対するオーナーは黒の17に置くが、球が入ったのは赤の21。

 

 

 

「ふふん、先ずは私達の一勝ね。」

 

 

 

「はぁ…。」

 

 

 

幸先良く一つ目のライフコインの山を手に入れ、当然と言う態度でそう告げるマオだが、龍斗はまだ気が抜けなかった。…今の彼女は脆い、ブロックワードである『家族』と『我が家』。その言葉が投げかけられてしまえば何処でまたマオが不安定になるか分からないのだから。

 

 

 

(…先生や兄さんなら…こんな時、どうする?)

 

 

 

最悪の場合は賭けている六つのガイアメモリだけではなく、マオの命も危険に曝す事になる勝負。

 

 

 

その後も順調に勝ち星を挙げながら相手の賭けるライフコインの山を確保していく。

 

 

 

「くっ、大したものだな…。何故こんな無駄な勝負を受けた?」

 

 

 

「別に~。ただこのカジノを潰して上げたかったからよ♪」

 

 

 

「ふん、被害者の『家族』にでも泣きつかれた?」

 

 

 

「っ!? …家……族…? …………“家族”…………。い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」

 

 

 

再びマオの脳裏に浮かび上がる家族のビジョン。そのまま彼女は錯乱状態に陥ってしまう。

 

 

 

「っ!? しまった!!!」

 

 

 

マオの悲鳴で龍斗はマオの異変に気が付くが、それはオーナーも同様だった。オーナーは好機(チャンス)とばかりに顔を歪め、更にマオの心を抉る言葉を投げかける。

 

 

 

「家族に何か嫌な思い出でも? ふふふ…。」

 

 

 

リミットを知らせる鈴の音が響く中、マオは慌ててベットするが外れてしまい、サイクロンメモリがオーナーの方に持っていかれる。

 

 

 

「拙い…このままだと…。」

 

 

 

『必ず負ける』と言う言葉を飲み込むが不安が的中してしまった事が不安を増強させる。そして、今のマオを立ち直らせる方法を考えるが、良い案は浮んでこない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結婚式場

 

 

 

琉兵衛がウェディングドレス姿の冴子と共に壇上に歩いて来る。

 

 

 

「姉さん、義兄さん、おめでとうございます。」

 

 

 

「お父様、私幸せです。」

 

 

 

「ああ、世界一幸福な家族だ……我々は。」

 

 

 

「チッ!」

 

 

 

凍也が二人を祝福し、冴子が満面の笑みで琉兵衛へとそう話す。……一人、若菜が舌打ちしているが、それは触れない方が良いのだろう。

 

 

 

そして、琉兵衛は壇上に付き、霧彦に向かって一礼した後横に避ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミリオン・コロッセオ

 

 

 

その後も冷静さと緻密さを欠いたままでゲームを続けるがそんな状態で当たる訳が無く、全て外してしまい、遂にガイアメモリはジョーカー一つだけを残すだけになり、後は相手から勝ち取ったライフコインだけだ。

 

 

 

「はぁ、はぁ、家族なんて…興味ない……私に、そんな記憶必要ない!!!」

 

 

 

額に汗を浮かべながら強がりを言うが、彼女が無理をしているのは誰の目にも明らかだ。

 

 

 

「ふふふ…崩れたな。呆れた脆さだ。」

 

 

 

マオは席を立って龍斗の元にいく。

 

 

 

「マオ、大丈夫か?」

 

 

 

「ダメ…集中…出来ない!!!」

 

 

 

それも当然だろう、完全に集中等出来る状態ではない。龍斗がどうするかと考えているとポーカーやブラックジャックと言ったカードゲーム用の未開封のトランプがふと視界の中に入る。

 

 

 

「さあ、続きだ。きっちり全てをむしり取ってやろう。」

 

 

 

「ちょっと待った! 選手交代だ、ここからはオレが相手だ!」

 

 

 

そう言ってその未開封のトランプを手に取ると龍斗がテーブルに着く。

 

 

 

「龍斗!?」

 

 

 

「元々お前を招待した様なものだからな、交代を認めようか。それで、ルーレットを?」

 

 

 

「いや、オレの得意なゲームで勝負だ。そして、一発勝負、賭ける物は…互いの持っているライフコインとガイアメモリだ!」

 

 

 

「いいだろう。で、ゲームは何かな?」

 

 

 

そう言うオーナーに龍斗は先ほど手に取ったトランプを突きつける。

 

 

 

「ババ抜きだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結婚式場

 

 

 

神父が進行を進め、結婚式の華の一つである指輪の交換に移る。

 

 

 

「指輪の交換を。」

 

 

 

霧彦は指輪を冴子の指にはめて見詰め合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミリオン・コロッセオ

 

 

 

ディーラーがカードをシャッフルし、オーナーと龍斗がシャッフルしたカードをカットするとカードが配られ、その中で揃ったカードを捨てていく。

 

 

 

ババ抜きはそのゲームの性質上二人でやれば大半のカードが此処で捨てられる事になる。そして、龍斗がカードを引く番。

 

 

 

「君はハートのKを取る!」

 

 

 

「ッ!?」

 

 

 

オーナーの言葉を胡散臭く思いながら龍斗がカードを引くと、それは宣言道りハートのKだった。

 

 

 

「そうだな…この辺でジョーカーを引いてあげよう。」

 

 

 

オーナーの男がカードを引くとそれは本当にジョーカーだった。

 

 

 

(…こいつ、さっきから…。)

 

 

 

(拙いわね、あいつは龍斗の微かな動悸や視線、呼吸とかで完璧に呼んでる…。だから、ジョーカーの位置や龍斗の狙ってるカードが分かる。それに…カード捌きも神業ね、自分の好きなカードを相手に引かせてる…。態々ジョーカーを引いたのも…完全に余裕…。)

 

 

 

相手の動きから何故カードを引いたり引かせたり出来ているのかを推測する。

 

 

 

(…普通にやったら…このままだと勝ち目は無いわね。)

 

 

 

「さて、いよいよクライマックスだ!」

 

 

 

オーナーの言葉通り手札はオーナーがAとジョーカーの二枚で龍斗がAが一枚。二人でのババ抜きはジョーカー以外のカードを引けば間違いなくカードが減る。そして、今は龍斗がカードを引く番。今までの事を考えると龍斗がここでAを引かないと負けが確定する。

 

 

 

「お前にジョーカーを引かせ、私がAを引いて勝利だ…ふふふ!」

 

 

 

オーナーの勝利宣言に龍斗は思わず顔を歪めてしまう。だが、龍斗にはその宣言を否定できない。寧ろ、今までの事から考えると間違いなくそれは現実の物となるだろう。

 

 

 

その顔を見てオーナーは愉快そうな声をあげる。

 

 

 

「ふふふ、いいなぁ。愚かな負け犬の顔は! これだから賭け事は止められない! はははははは!!!」

 

 

 

「龍斗……ダメ…完全にアウトよ…。」

 

 

 

完全に諦めた様な声をあげるマオだが、龍斗から闘志は消えていなかった。

 

 

 

「大丈夫だ! 黙ってみてろ…。兄さんが、先生が教えてくれた。男の仕事の八割は決断だ…そこから先はおまけみたいな物だってな! どれだけ無謀でも、お前を守るって決めたんだ、どんな結果だって…悔いはない! お前は…先生から託された大切は相棒(パートナー)だ!」

 

 

 

「龍斗…そう言って貰えるのは嬉しいけど、この状況じゃあ…。」

 

 

 

「そんな事は無い…オレ達はW…オレ達は二人で一人の…探偵だろう!」

 

 

 

そう言ってマオだけに見える様にして見せてダブルドライバーを見て何を考えているのか理解し、微笑み返す。

 

 

 

「勝負だ!」

 

 

 

そう叫び手札の一枚、最後のAのカードを相手に見える様にしてテーブルの上に曝す。

 

 

 

「これでAを引けばオレの勝ち…ジョーカーを引けばお前の勝ち…シンプルでいいだろう。さあ、最後の勝負だ!」

 

 

 

「ふん、きっちり絶望させてやる!!!」

 

 

 

力強く宣言する龍斗にオーナーはカードを差し出してシャッフルする。そんな中マオは静かに目を閉じる。そして、龍斗はシャッフルするカードの中の一枚を右の人差し指で弾く。

 

 

 

弾かれたカードがオーナーの額に張り付き、

 

 

 

「うあっ!」

 

 

 

「残ったカードは要らない…ジョーカーは…オレ達自身だ!!!」

 

 

 

自分の手元に残ったカードを投げつけてガイアメモリとライフコインの山を手元に引き寄せると、ジョーカーメモリを見せつけながらそう宣言する。

 

 

 

そんな龍斗の姿はマオは軽く微笑みを浮かべる。

 

 

 

「ふふん、当然ね♪」

 

 

 

「な、何故だ!?」

 

 

 

「教えてやるよ。」

 

 

 

完全勝利の自身を打ち砕かれたオーナーに龍斗は腰に装着しているダブルドライバーを見せる。

 

 

 

「このダブルドライバーは装着しただけでオレとマオの意識が繋がる。オレの右手がカードを引いたのはオレじゃない、マオの意志だ。」

 

 

 

そう、ダブルドライバーは装着した瞬間から龍斗とマオの意識はリンクする。その為に右手をマオの意志で動かすことが出来る。態々カードを手放したのもその為だ。

 

 

 

龍斗は相手に完全に読まれている事を理解した時にこの作戦を思いつき…二人で一人と言う言葉とダブルドライバーを見せる事でマオに伝えたのだ。

 

 

 

「そう言う事♪ ふふん、龍斗の表情が完全に読まれているなら、私が龍斗の狙った方とは逆を引けばいいって言う訳よ。」

 

 

 

「よく気付いたな、相棒。」

 

 

 

「ふふん♪ この超天才美少女のマオちゃんを舐めないでね♪」

 

 

 

「ぬうう…。」

 

 

 

そして、二人はオーナーへと向き直り、勝利宣言をする。

 

 

 

「この勝負。」

 

 

 

「私達の勝ちね♪」

 

 

 

「グ…。」

 

 

 

 

 

『MONEY!』

 

 

 

 

 

オーナーがマネーメモリを取り出し、マネードーパントに変貌すると龍斗はサイクロン、ヒート、ルナの三つのガイアメモリをマオへと投げ渡す。

 

 

 

「やれやれ、往生際が悪いな。」

 

 

 

「でも、丁度良いんじゃない、どうせ…このカジノを潰す心算だったし♪」

 

 

 

マオの言葉と共にカジノの壁をぶち破ってリボルギャリーが飛び込んでくる。

 

 

 

「わ、私のコロッセオがぁ!?」

 

 

 

「言ったはずよ、潰してあげるってね♪」

 

 

 

「…よりにもよって、経済的じゃなくて……『物理的に』か?」

 

 

 

「そう言う事よ。あっ、壊すと勿体無いからルーレットのセットを一通りとかトランプとか貰ってく?」

 

 

 

「…泥棒どころか強盗だろ…それだと。」

 

 

 

マオの言葉に突っ込みを入れつつ龍斗はジョーカーメモリを、マオはサイクロンメモリのスイッチを入れる。

 

 

 

 

 

『CYCLON!』

『JOKOR!』

 

 

 

 

 

「「変身!!!」」

 

 

 

 

 

『CYCLON!/JOKER!』

 

 

 

 

 

マオの体が倒れ、龍斗は仮面ライダーW・サイクロンジョーカーに変身する。それを見た瞬間、マネードーパントは逃亡する。

 

 

 

「お、覚えてろ!!!」

 

 

 

「逃がすか!!!」

 

 

 

ダブルはマオの体と優子、回収したライフコインをハードボイルダーに乗せるとマネードーパントを追う為にハードボイルダーを走らせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結婚式場

 

 

 

式の進行が進み、最大の山場である誓いのキスの場面。

 

 

 

「では、誓いの口付けを。」

 

 

 

二人が誓いのキスをかわした瞬間、二人の姿がナスカドーパントとタブードーパントに変わるが式の参列者は誰一人気にした様子は無く、親族と参列者から盛大な拍手が巻き起こる。

 

 

 

そして、式が進行して新郎新婦がライスシャワーを浴びながら教会の外に出ると花嫁である冴子がブーケを投げる。

 

 

 

「はっ?」

 

 

 

思わず呆けた声をあげてしまう。狙ったかのように手の中に納まるブーケ、何故かそのブーケトスを受け取ったのは凍也だった。

 

 

 

「あ、あの…オレは男なんですけど…。若菜姉さん…要りますか?」

 

 

 

「折角だけど、要らないわ。」

 

 

 

「ハッハッハッ…。これは次は凍也の結婚の方が先と言う事かな。はははは…直に新しい家族に娘が一人増えるという訳か。」

 

 

 

流石に戸惑って姉の若菜に譲ろうとするが若菜はそれを拒否、父の琉兵衛は楽しそうに笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロッセオの外…

 

 

 

ハードボイルダーを駆ってコロッセオの外に飛び出したダブルは周囲の景色を目撃する。

 

 

 

(廃墟…廃都市って所か…。)

 

 

 

『公式的には住人の居ない土地を利用してカジノを建設した…そう言うわけね。』

 

 

 

更にダブルはハードボイルダーのスピードを上げて体当たりを仕掛け、それによってマネードーパントの体が吹き飛ぶと、そのまま住人の要る都市のエリアへと吹き飛ばされると、ドーパントの姿を見た住人達は悲鳴を上げる。

 

 

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 

 

そして、マネードーパントと対峙するとハードボイルダーから降り立ち、マネードーパントを指差しながら決め台詞を突きつける。

 

 

 

「『さあ、お前の罪を数えろ!!!』」

 

 

 

風の都を守る戦士は異界の都市でその言葉を叫ぶ。

 

 

 

「な、なにを!?」

 

 

 

ダブルはサイクロンのスピードを活かしてマネードーパントとの距離を一気に詰めてパンチとキックのラッシュを叩き込む。

 

 

 

「ぐはぁ!!!」

 

 

 

そして、力強く左手でマネードーパントを指差す。

 

 

 

「もうお前には切り札と呼べる物は無い!」

 

 

 

『ライフコインって言う盾が無い限り、私達が攻撃を躊躇する理由は無いわよ~。うふふ…好き勝手やってくれたお礼…たっぷりとしてあげるわ!』

 

 

 

そして、更に追撃を行うべくマネードーパントとの距離を詰める。

 

 

 

 

 

 

 

風都、結婚式場

 

 

 

全ての進行が終わり、教会前で一家の写真を撮影する所だった。園咲家の面々は若菜を除いて全員が笑顔だった。

 

 

 

「それでは行きまーす!」

 

 

 

撮影の準備が全て整うとカメラマンが言う。

 

 

 

フラッシュと共に撮影されるのは、仮面ライダーである凍也を除いたドーパントの姿となった園咲家。凍也だけは仮面ライダーイクスとして写真…それは、風都と言う街を牛耳る野望を持つ怪人達が一同に集った写真。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『LUNA!/JOKER!』

 

 

 

 

 

ルナジョーカーへと変身し、伸縮自在の右手でマネードーパントのコイン攻撃を叩き落す。コイン攻撃が無限で無い以上当然ながら止む瞬間は出来る。その一瞬の隙を突き、距離を詰め右足のキックを叩き込む。

 

 

 

「ふっ!」

 

『えい!』

 

 

 

強力なキックを食らわせ、更に左足で廻し蹴りを叩き込み、距離を取った所で新たにメタルメモリを取り出し、スイッチを押す。

 

 

 

 

 

『METAL!』

 

 

 

 

 

メタルメモリのガイアウェスパーが鳴り響くとジョーカーメモリを外し、メタルメモリと入れ替えてダブルドライバーを展開する。

 

 

 

 

 

『LUNA!/METAL!』

 

 

 

 

 

ダブルはルナジョーカーからルナメタルへとフォームチェンジすると背中のメタルシャフトを取り、鞭の様に変わったメタルシャフトを使い連続で攻撃を当てていく。

 

 

 

「まだまだだ!!!」

 

 

 

「ぐわぁ!? そうだ!」

 

 

 

メタルシャフトを鞭状にして引き寄せると元に戻して叩きつけようとする。

 

 

 

「こいつの家族…クズな家族の傷でも舐めてろ、小娘!」

 

 

 

「っ!? マオ!?」

 

 

 

マネードーパントはダブルLMのメタルシャフトを受け止めてまた家族の事を持ち出す。

 

 

 

『家族? ……家…族……。』

 

 

 

マオの中にある『My FAMILY』と書かれた本は一冊は未だに封印されたまま、もう一冊は破れたままだ。

 

 

 

だが、一瞬だけ龍斗の顔が映る。

 

 

 

ビギンズナイトの夜…自分を閉じ込めていた監獄から助けようとしてくれた龍斗…パートナーと言ってくれた…。自分と一緒に戦ってくれている人。

 

 

 

新たに破れていた『My FAMILY』と書かれた本に一枚白紙のページが加わり、龍斗と一緒に写った写真が追加される。

 

 

 

『それなら変わりがいる。…二人で一人の…大事なパートナーが!!!』

 

 

 

「もう大丈夫だな!」

 

 

 

『ハウ!? ええ!』

 

 

 

「そ、そんな!?」

 

 

 

完全に吹っ切れた事を喜び、マネードーパントをメタルサイドで蹴り飛ばし、ヒートメモリのスイッチを押す。

 

 

 

 

 

『HEAT!』

 

 

 

 

 

ルナからヒートへとメモリを取り替えてダブルドライバーを展開。

 

 

 

 

 

『HEAT!/METAL!』

 

 

 

 

 

「おりゃぁ!」

 

『ええぇい!』

 

 

 

ヒートメタルへと変わり、炎を纏ったメタルシャフトと炎を纏ったパンチを叩き込まれ、マネードーパントは吹き飛ばされる。

 

 

 

『じゃあ、潰れたカジノのコインを処分してあげましょうか!』

 

 

 

「作り直しやすいように熱く熱して、叩いてな!」

 

 

 

そして、ダブルHMはメタルシャフトのドライブスロットへとメタルメモリを差し込む。

 

 

 

 

 

『METAL MAXIMAM DRIVE!』

 

 

 

 

 

最大の破壊力を発揮するガイアウェスパーが響き渡ると同時にメタルシャフトの両端から炎が噴出す。

 

 

 

「『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!! メタルブランディング!!!』」

 

 

 

ダブルHMはメタルシャフトを回転させながらスピードの乗ったメタルシャフトを叩きつける必殺技『メタルブランディング』を叩きつける。それを受けたマネードーパントは爆散し、人間の姿に戻る。

 

 

 

「まだだ……次こそ私に……ツキが来る…。」

 

 

 

「もうお前にツキは無い。人を散々玩び、家族をクズ呼ばわりし、絆を崩壊させた…金じゃ無くてお前の壊した家族の絆を数えろ!」

 

 

 

『そ・れ・に、その台詞ってツキの無くなった人が落ちてく時の台詞よ。』

 

 

 

ダブルHMはそう言葉を告げて男の拾おうとするマネーメモリがブレイクする前に踏み砕く。

 

 

 

「あ…ああ! そ、そんな…私の…力が……。」

 

 

 

踏み砕かれたメモリを見ながら男は意識を手放す。

 

 

 

「さてと…管理局に会う前に逃げるかな…。」

 

 

 

『そうね。結構派手に暴れちゃったしね。』

 

 

 

そう言ってダブルHMがハードボイルダーに乗り込もうとした瞬間、

 

 

 

 

 

「時空管理局です、大人しくしてください!」

 

 

 

 

 

そんな言葉が響く。『面倒だ』と思いながら振り返るとダブル(龍斗)の表情が凍りつく。…次に湧き上って来た感情は怒りと憎悪。

 

 

 

「お前らは…。」

 

 

 

『ちょっと、どうしたのよ!?』

 

 

 

様子の変わったダブル(龍斗)の様子を不審に思いながらダブル(マオ)は慌てて止めようとする。

 

 

 

「高町なのは…フェイト・テスタロッサ…。」

 

 

 

『ちょっと待って! それはダメェ!!!』

 

 

 

青いトリガーメモリを取り出しそれを使おうとするダブル(龍斗)を慌てて止める。最も破壊力の大きいトリガーを…それも火力の最大になるヒートとの組み合わせで使おうものなら、流れ弾だけで被害はバカにならない。

 

 

 

「また会えるなんてな…兄さんを裏切って殺した…お前達に!!!」

 

 

 

『えぇ!?』

 

 

 

ダブル(マオ)ダブル(龍斗)の言葉に驚愕してしまう。

 

 

 

 

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