仮面ライダーフォース   作:津上幻夢

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第4話 ♡A:孤狼、ホープ(新)

 

「…私のところに来ないか?」

 

それが、奴が俺にかけた偽善の言葉だった。俺はその甘い誘惑に乗ってしまい、結局自分の望みは果たされていない…

 

不満しかないこの立場、だがそれでも俺は耐える。『あの頃』に比べればマシだからだ。

 

俺の立場、それはハート部隊の隊長…つまり仮面ライダーである。しかし、ハート部隊は、救護班…戦闘の機会なんて殆どない…俺は悪をこの手で直接…滅ぼさなければならないのに…

 

 

今日は午前勤務で、後の時間はオフだ…。最近、やけに疲れっぽい…とっとと終わらせて帰ろう…そう思った時だった。

 

俺の目の前にいたのは、他の部隊の隊長達だった。

 

3人は揃って俺の方を見ている…

 

「金剛寺から聞いた。お前、先日の16号との戦いの時、持ち場を離れたそうじゃないか…」そう口を開いたのは劔橋だった。

 

「…そうだな」俺は否定はしない。常に強気でなくては…

 

「だが、俺が攻撃しなければ、火縄はロボットと一緒に毒に飲まれてただろ?それともあれか?お前が救護班に行った時に対応が遅れた事を根に持ってるのか?」

劔橋が救護班に駆け込んだ時、他の隊員の解毒を優先的に行っていた為彼女は後回しにされていた。

「違う、お前があの場にいればもっと的確な判断ができていたんじゃないのか?」

 

「まるでそれじゃあ、俺の『部下』が何もできない出来損ないみたいな言い方だな…?」俺は毎回彼女の「隊長がいれば…」発言は嫌いだ。

 

「…前回の戦いを助けてくれたことには礼を言う、だが、隊長が独断で持ち場を離れるのはおかしいんじゃないのか?」ようやく口を開いた金剛寺、だが話す言葉は殆ど劔橋と同じだ。

 

「劔橋、金剛寺。悪いが、お前達の部隊と俺の部隊では勝手が違うんだ。お前達のやり方はそうかもしれないが、俺は部下を信頼して任せている。」その発言で劔橋は、俺を睨む。

 

「だとしてもお前が陣頭指揮を取らないのはおかしいと私は言っている…!」

 

「その辺にしましょう…ここ、廊下ですし…。」ヒートアップする俺達を止めたのは黒羽だった。

落ち着いて周りを見渡すと、口論している俺達を眺める隊員達の姿が目に入った。

 

「…とにかく、俺は俺のやり方で戦う、覚えておけ。」そう言って俺はハート部隊の控室に向かって歩き、扉を開けて入った。

 

 

「相変わらず、気に入らん奴だ。」

彼がいなくなった後に劔橋は言い放った。

 

「…分かり合える気がしない。」

金剛寺も頭を抱えるように言った。

 

去っていく俺の様子を黒羽は不安げに見つめていたが、俺は気にも止めなかった。

 

 

 

 

 

「また、口論ですか?」部屋に入って俺にいきなりそう言ったのは、部下の1人、清野心だ。今の口論をドア越しに聞いていたようだ。

 

「…馬鹿みたいだよな…」

 

「…そんな事無いと思います。」俺に対する皮肉な発言を、彼は本気で庇った。

 

「…戦場は隊長が必ずしも指示を下すとは限らない、個々で考えて動くしか無い…そう言ったのは隊長です…僕は貴方の考えを支持します。」

コイツは、正直すぎる…正直すぎて、心配になってくる。

 

「…一つ覚えておけ。価値観を一つしか認めない感性は無くした方がいい…俺みたいに後に引けなくなる。」

そう…俺みたいに行き過ぎた考えが、正義で無くなるように…

 

「…だとしても、」

 

その時だった…

 

 

 

[緊急指令!17号が出現。クローバー、スペード部隊は出動して下さい!]

 

緊急招集の連絡が入った。また新しい敵が現れたか…

 

「いくぞ…」

 

「はい!」心達は一斉に専用の車両に乗り込み発車する。一方俺はバイクであるウォータスプラッシャーにまたがり、ここを出発する。もちろんベルトとブレスを装備して…。

 

 

 

 

現場に着いた頃、フォースとアーサーは既に戦闘を開始していた。相手している17号は、燕とカジキ…恐らく燕型旗魚種怪人…。鋭い翼と剣を持つその姿は、恐怖を相手に植え付けるような見た目だ。

 

その恐怖を増強するかのように、周りにはクローバーとスペードの隊員が倒れている。

 

「血城さん…早く助けないと!」後ろにいた心達が向かおうとする。

 

「危険だ、俺がアイツを移動させる。それからにしろ…」

俺はベルトを装着した。

「変身…」俺はそう言ってベルトにブレスをスキャンする。

[Check!][Change!rider HOPE!]

システム音声と共に俺の身体は、白銀の鎧に包まれていく。そして、水のように綺麗な青色が、鎧に着色され、頭部にもハートを模ったかのように現れる。最後に金色の複眼が姿を見せ変身を完了させる。波際の希望と称される仮面ライダーホープは今ここに降り立った。

「…いくぞ…!」俺は右手に弓を手にして走り出す。

 

フォースとアーサーは、17号のパワーに押し切られ後退した間に俺は入り込み、ゼロ距離で弓を引く。放たれた白銀の矢は奴の腹部に鋭い水圧を与え崖下へと吹き飛ばす。

 

「心、今だ!」

 

俺は心達に指示を出し、17号が落ちた崖下に飛び降りる。

 

「あの男…!」アーサーはそう呟き追いかける。

 

「あ!ちょっと!」フォースもその後を追いかけて崖下へ向かう。

 

 

 

 

崖下では、17号が右手の剣を構え俺に近づく。

「遅い!」それを既に予測していた俺は咄嗟に身体を右に寄せ回避、そして右脚で蹴りを入れる。

 

「はあっ!」そこへ大剣を17号に振り下ろすアーサーが現れた。

 

「コイツは貴様とは相性が悪い、下がっていろ!」アーサーはそう言って俺を押し倒そうと手を出したが、俺はそれを弾いた。

 

「それはどうかな?」

俺の声に合わせる様に17号は背中の翼を広げた。そして空へと飛び剣を突き出し俺とアーサーに向かって突く動作をとる。俺は再び回避したが、アーサーがそれを喰らって地面に膝をつく。

 

「空を飛ぶんなら、前みたいに…」そこへ遅れてフォースが参上、15号のようにはたき落とそうとジャンプする。しかし、17号はそれよりも高く飛びフォースを軽く蹴り飛ばし地面に打ち付ける。

 

「若い奴が無茶をしやがって…俺がやる」

 

俺は、そう言って武器である青弓ハートアローを構える。そして、その弦を放ち白銀の矢を放つ。それに17号は回避できず右翼に喰らう。

 

「これで終わりか?決めるぜ。」

そう言って俺はベルトに弓をスキャン、そして墜落している17号に目標を合わせる。

[Check!][Hurt Hard!]

 

白銀の帯の様に連なる俺の矢は17号に全て着弾、空中で大爆発を起こす。

 

 

「決まった…」

 

どうやら今回は力の暴走はないらしい…

 

 

俺がハート部隊の拠点に戻ると、心達がそれぞれ他部隊の隊員を治療している真っ最中だった。

 

「血城さん…とりあえず、負傷兵を全員救出、全員切られた傷などありますが命に別状はありません。」心が俺の側でそう報告した。

 

「…分かった。ご苦労だった。」俺はそう言って、変身を解いた。

そして、近くの治療待ちの兵の前に座り込み傷の手当てを始めた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また破られましたね…」

水澤は、あの研究室に謎の男と共にいた。

 

「…私の研究は順調だ。次を出そう…それとクラップスネークとフライングタイガーを復元させろ…」

 

「土野さん…今度は複数体で…ですか?」

 

土野と言われた男はそうだと言った。

 

 

 

 

 

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