仮面ライダーフォース   作:津上幻夢

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最終回 ♣︎K:黎明の空

その男は、大群のホッパーを引き連れ、実験場の敷地を徐々に進行していく。車や草木を消し去り、道を黒く覆っていく。

 

 

そこへ、彼を狙うように弾丸が放たれる。

 

その先にいたのは、白夜総三と黒羽風香、塾屋ゴンだった。総三は銃を構えこちらを見ている。

 

「前に言ったよな。破壊が目的なら、他所でやれって。」

 

総三はそうオームに突きつける。

 

「ここの物をいくつか破壊したことは詫びよう。でも、更に抵抗を続けるなら、更なる制裁をかける。それを忘れないでもらいたい。」

 

 

そう言って彼はアナザーワードに変身した。

 

3人も続けて鎧を身に纏った。

 

アナザーワードは、右腕を上げた。矢を放つ、そう3人は身構えた。しかし、その手にはブランクウォッチが握られていた。

 

「これを押せば、完了だ。」

 

彼はスイッチを押し込み、ウォッチを起動させた。

 

「何で…まだライダーになってないはず…」

 

風香が、そう言った。

 

「口ではそうだ。でも、彼の頭の中では、既に仮面ライダーなんだよ。そのシステムは。」

 

アナザーワードの言葉が図星だったのか、プロトウォーズは動揺する。彼は言葉を続ける。

 

「お前達仮面ライダーと出会った事で、その戦闘システムを『仮面ライダー』と名づける事を決定付けた。」

 

アナザーワードはウォッチを見た。

 

「だが、生成に少し時間がかかりそうだ。時間を稼ぐぞ。」

 

そう言うと、ホッパー達が一斉にライダー達に襲いかかる。

 

フォースとプロトウォーズは、少しずつ薄れていく力を制御しながらホッパー達を次々と抑えていく。

 

そんな中、ワードは1人ホッパーの大群をかき分け、アナザーワードに迫る。

 

アナザーワードに矛を突き刺すように構え、一瞬にして喉元に迫る。

 

「そのウォッチを渡せ!!」

 

ワードは、今までの中で一番力強く叫び、アナザーワードを突き倒す。

 

「嫌だね!」

 

アナザーワードも盾でその攻撃を防ぎ、すぐさま刃に切り替え応戦する。

 

「何故こだわる…これを奪えば、あんたは普通の高校生になり、こんな命かける必要なんてなんだよ。」

 

そう戦意を削ぐような言い方をアナザーワードはする。

 

「確かに、その方が楽だし、命を危険に晒す必要はない。」

 

ワードは、アナザーワードを払い除けた。

 

「でも、仮面ライダーワードにならなかったら…俺は、沢山の人を犠牲にする事になる。その沢山の人を守る力を、俺は手放したくない!」

 

 

ワードは、アナザーワードの目を見た。

 

「その力だけじゃない…フォースも、総三さんの武装システムも人を守るためのものだ。それを己の欲望のためだけに使わせない!」

 

その時、アナザーワードからいくつもの粒子状の光が、ワードに向かって流れ始めた。そして、ワードが持っていた他の3種類のコアの力が光輝き蘇り始めた。

 

「何…力が、奪われている…」

 

アナザーワードは立ち上がりながら狼狽する。

 

「奪われているんじゃない…元に戻ろうとしているんだ!!」

 

ワードは、光芒コアを取り出し、モードチェンジし、ベルトに装填した。

 

「光・変身!」

 

その掛け声とともに、体色が紫から金に変化し始めた。

 

[光芒の如く輝くワード、光芒!]

 

 

光輝くその身体を持つ仮面ライダーワード、光芒の形だ。

 

「はあっ!!」

 

ワードは一瞬にしてアナザーワードと距離を詰め、腹部に連続パンチを繰り出す。

 

 

その攻撃に、アナザーワードが倒れる。

 

「仮面ライダーワードの力を思い知れ!」

 

ワードは、弓を構えた。そして、跳速コアを取り付ける。

 

[放つ!撃つ!捕らえる!][百烈掃射!]

 

無数の緑の矢が、アナザーワードに次々とヒットする。

 

更に、白夜総三に修復してもらった剣を取り出し、今度は剛力コアを装填する。

 

[刻む!喰らえ!滅多斬り!][一撃斬剣!]

 

剛力コアの力で巨大な剣に変化した刃を振り下ろす。

 

 

アナザーワードは猛攻をなんとか耐え凌ぎ、ふらふらになりながらも立ち上がった。そして、ワードがいた方向を見る。

 

しかし、彼がワードを見ようとしたときには、ワードは空中に飛び上がり、最後の必殺技を発動させていた。

 

[スパーキングダイナマイト!]

 

右脚に神々しい光を纏ったワードが、アナザーワード目掛け一直線で迫る。

 

アナザーワードは、盾を覆うように出すが、本物の光の前に無力化され、砕かれた。そして蹴りは、アナザーワードの深部を破壊、爆散させた。

 

その爆発に合わせ、他の2人もホッパー達を一掃し、敵を全て討ち果たした。

 

爆炎の中から、アナザーワードウォッチが転がっていった。しかし、それは瞬く間に砕け散った。それは彼に勝利したことを示していた。

 

 

「我が弟よ、惜しかったな。」

 

その時、爆炎の中から声が聞こえた。

 

その炎が消え去っていくと、中にオームの遺体を抱えるレックスの姿があった。

 

「目的は達成できなかったか…だがいい、目的を最終段階へ移行する。」

 

 

そう言うと、彼はワープホールを生成し、その中へと入っていく。

 

「待て!」

 

フォースとワードは彼を追いかけるようにワープホールに入ろうとする。

 

「2人とも!」

 

その2人に、総三は声をかけた。その声に2人は振り向く。

 

「未来を任せた。」

 

その言葉に、2人はうんと頷き、ワープホールの中へと入っていった。

 

 

その光景を、総三は、好奇心に満ちた瞳で見届けた。

 

「未来がどうなるか、楽しみだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て!!!!」

 

 

フォース達はレックスを追い、現代に帰還した。

 

2人がワープホールから脱出すると、ホールはすぐ何もなかったかのように消えてしまった。

 

 

2人が出た場所は、見覚えのない場所だった。教会のようなその室内にあるステンドグラスからは月光がひっそりとした光で中を照らしていた。

 

レックスは、祭壇にオームの亡骸を寝かしつけた。

 

そして、彼は右腕に何かを装着した。それは風香にとって見覚えのあるものだった。かつて土野…赤空が使っていたものと同じものだ。

 

「それを使って何をする気だ!」

 

フォースとワードはレックスを見る。

 

「…赤空直也。彼のECは、我らに夢を見せてくれた。」

 

レックスは、突然赤空直也の話を始めた。

 

「人間を進化させる。その考えに賛同した我らは実際に改造を受け、ECになった。」

 

EC、エクストリームクリーチャーの略、フォースの前に何度も立ち塞がった人を超越した生物。そして、レックスとオームもまたECであった。

 

「人間に未来をもたらす発明、しかし、それはお前たちのせいで消え失せた。だから決めたのだよ、この世界のライダーを全て消し去ると。」

 

レックスは、感情に任せた声で2人に話す。

 

そして、後ろからネガウォーズの変身者の男が現れた。

 

「我はある日協力を持ちかけた灰谷建世にウォッチと時空移動の方法を教わり、この計画を立て、実行した。」

 

灰谷は、フォースとワードの間を通り抜け、レックスの隣に立つ。

 

「あまりペラペラ喋ると、面倒な事になりますよ。」

 

そう灰谷はレックスを抑えた。

 

すると、レックスは始めようと言う言葉で、右腕の装着を起動させる。

 

「やめろ!」

 

ワードが止めようと前に出るが、ネガウォーズに変身した灰谷に押さえつけられる。

 

「…ECの力は、我々が受け継ぐ!」

 

「…変進…」

 

すると、レックスの身体に、意思を持ったかのように動き始めたオームの身体が覆い被さり、新たな『進化』を産み出した…

 

 

金と紫が、絡み合うように混ざり合い、それらが地層のように積み重なり、人型の異形の怪物へと姿を変える。

狼を思わせる双肩は、伝説の神獣、『オルトロス』を彷彿とさせるものだ。不気味に隆起する顔で、フォースを見つめている。

 

オルトロスEC、彼は、フォースに近づく。

 

「フォースよ…あの世へ行くといい!!」

 

右腕の5本の鉤爪をフォースに突き刺そうとしたその時、何かが彼の身体を突き抜ける。

 

「そのようなことはさせない。」

 

後ろには、アーサーが血振りをして立っていた。

 

その衝撃で、オルトロスECはアナザーフォースウォッチを空中に飛ばしてしまった。

 

それを火縄が放つ弾丸とホープが放つ矢が貫き、ウォッチを完膚なきまでに破壊した。

 

「なんだと…」

 

 

更に、ワードを押さえつけていたネガウォーズの後ろから、グレンとコンボがワードを助けるために押し倒した。

 

 

「雪菜さん、朔弥さん、心!」

 

「待たせた。」

 

風香の3人を呼ぶ声に朔弥が反応する。

 

「勝治、刹那!」

 

「大丈夫でしたか?」

 

倒れていたゴンに刹那が手を伸ばす。

 

「何故ここがわかった!」

 

オルトロスECは叫んだ。

 

「生憎、ジョーカーのライダーには全員GPSが付いている。だから、この時代なら、そいつが死んでない限り場所は必ず分かるんだよ。」

 

そう説明しながら入ってきたのは、康介だった。

 

「…貴様ら!!」

 

オルトロスECは、遠吠えのように叫び、戦闘態勢を取った。

 

「レックス、お前達の悪行、絶対に止める!!!!」

 

 

完全に力を取り戻したフォースはユナイトドライバーを構えた。

 

「ゴン、これを。」

 

刹那が渡したのは、天下コアと無双コアだった。

 

「ありがとう。」

 

康介達他のライダーも、強化アイテムを次々と装着する。

 

「天下「大変身!!!」」」

 

 

変身の掛け声と共に、ライダー達は次々と強化されていく。

 

アーサー2nd、火縄弐、守護の形、天下無双の形、ウォーズ・ノヴァ、フォースⅢ’。更にグレンとホープが彼らの隣に並び立つ。

 

 

今ここに、8人の仮面ライダーが集結した。

 

「こうなったら…!」

 

オルトロスECは、何かカプセルのような物を取り出し、それを地面にばら撒いた。すると、みるみると3体のECが生成される。イーグル、ライオン、ディアーの3体だ。

 

 

「全員ここで叩き潰す!!」

 

 

オルトロスECらは一斉にライダー達に迫る。ライダー達も武器を構え、攻め立てる。

 

 

 

 

 

 

崖のような場所に出た火縄とグレンは、ディアーECを炎の如き勇猛に襲いかかる。

 

火縄はライダーバスターとダイヤリボルバーの二丁をディアーの胸元に突きつけ、炎を連続発射する。

 

その炎で焼かれ、身動きが取れないディアーにグレンが斧の重い一撃を叩き込む。

 

「グレン、準備はいいか?」

 

「勿論だ、火縄!」

 

火縄は、ライダーバスターとダイヤリボルバーを合体させた。

 

[Buster!]dia direct!]

 

[バーニングアタックMAX!]

 

火縄は、炎の大砲をディアーに連続して放つ。そして、グレンはそこへ炎のライダーキックを叩き込む。

 

2人の必殺技で、ディアーは爆散した。 

 

 

 

 

 

一方、森へ出たイーグルとライオンは、アーサー、ホープ、コンボの猛撃に反撃すらできていない。

 

攻撃が止まった隙を見て、イーグルとライオンは2人の力を合わせた竜巻を起こす。

 

しかし、それはコンボの大盾で無力化される。更に、ホープが放つ矢に次々と射止められ、地面に倒れる。

 

「紛い物のECが…本物と戦った私達には勝てないのよ!」

 

アーサーは、ライダーバスターとスペードブレイドで、2体を連続で斬り裂いていく。

 

 

「これで終わりにしましょう。」

 

コンボは剣を構えた。

 

「連携していきましょう!」

 

ホープも弓を構える。

 

アーサーはライダーバスターとスペードブレイドを合体させる。

 

[hurt hard!]

 

ホープの矢の雨が、イーグル達に降り注ぐ。

 

[ガーディングストリームMAX!]

 

[Buster!]spade strike!]

 

コンボはライオン、アーサーはイーグルにそれぞれ、連続斬りをし、2体を爆散させた。

 

 

 

 

 

 

ネガウォーズは、ウォーズ・ノヴァと剣を交わらせていた。

 

「こんな所で、私は負けられない!」

 

ネガウォーズは剣を払い除けた。

 

「そんなこと、知ったこっちゃない!むしろ、今まで散々俺たちを利用してくれたな…灰谷、いや、財団X!」

 

ウォーズ・ノヴァは、ベルトのつまみを回転させた。

 

[NOVA reopen!][WAR-Z drop NOVA!]

 

「お前の運命は、俺の手の上だ!」

 

ウォーズ・ノヴァは、剣を振りかざそうとするネガウォーズに、カウンターキックを放つ。

 

ネガウォーズは大量のエネルギーによって内部から崩壊、爆散した。

 

「もう二度と、俺の前に現れるな。」

 

 

 

 

オルトロスECは、フォースとワードの攻撃を耐え抜きながら、次々と反撃する。

 

フォースとワードはその攻撃により、中々決め手となる攻撃ができない。

 

「我々が、あの人の意思を受け継ぐんだ!!」

 

オルトロスECは叫んだ。

 

「それは違う。」

 

風香は、それを否定した。

 

「彼は、道を誤った。でも、最期は私達を認めた。そのような方法もあると。今あんたがやってるのは、その意思に反している!」

 

「嘘だ…そんな話、あるわけない!!」

 

オルトロスECは、双肩の狼からエネルギー弾を出す。力を制御できないのか、半分自暴自棄になっている。

 

[大回転!][ブライティングスラッシュ!]

 

ワードは、剣を装備、必殺技を発動させ、オルトロスECの暴走を一瞬止めさせる。

 

「風香さん、決めましょう!!」

 

「ゴン、行こう!」

 

[グレイトライダーキック!]

 

[Utopia crush!]

 

2人のライダーキックは、オルトロスECの胸部に激突する。

 

「負けるのか…この力は、また…!!」

 

オルトロスECは、振り絞りながらそう呟いた。

 

 

「たとえまた蘇っても、私が…私達が絶対に倒す!!」

 

風香は、それに答える。

 

オルトロスECの叫び声は、教会中に響き渡る。

 

爆発、四散した彼は、跡形もなく消え去った。

 

 

 

 

「終わりましたね。風香さん。」

 

ゴンは変身を解き、風香を見た。

 

「そうね、ゴン君。」

 

しばらく、静寂が流れた。太陽が徐々に顔を出し、ステンドグラスを照らし始めた。

 

「あのさ、」「あの…」

 

その時、2人の言葉が重なった。

 

2人とも互いに譲り合っていたが、先に折れた風香が、「じゃあ…」と話し始めた。

 

「私ね、ゴン君に伝えれてないことがあるの。」

 

「それは…」

 

ゴンは聞く。

 

「…私、」

 

風香は力を振り絞り、覚悟を決めた。

 

「私、貴方のことが好きになってしまったの。私にあの時、他人なのに真正面から向き合ってくれた貴方が…」

 

風香は、ゴンの反応を待った。

 

ゴンは、少し気まずい顔をしてこう答えた。

 

「まさか、先を越されるなんて思ってなかったです…」

 

風香は、その答えが何を示すか、直ぐに分かった。

 

「俺も、風香さんのこと、好きです。」

 

そうゴンは言った。

 

「…ありがとう。」

 

風香は、今まで見せたことのない笑顔でその告白を受けた。

 

 

 

 

 

 

 

END

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さんが言っていた場所はここか…」

 

白夜総三の葬儀が終わってから数日、山田康介は、彼の遺言にあった場所に着いた。そこはジョーカーの運営するマンションだった。

 

その3階にある1番奥の部屋に彼は着いた。

 

表札には、「逢坂」と書かれていた。

 

彼は、チャイムを鳴らそうとボタンを押そうとした。

 

「あの、私に何か用事ですか?」

 

その時、後ろから高校生が声をかけた。

 

その声に、康介は振り向いた。

 

 

 

 

彼らはまだ知らなかった。世界の終わりを示す時刻が、徐々に頂点に達しようとしていることを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆さんこんにちは、津上幻夢です。

大変長らくお待たせして申し訳ないです。仮面ライダーフォース、最終回を無事、迎えることのできました。
この4話はフォースの最終章であると同時にワードの最終章でもあります。同じ時代に戦った彼女達が交わり、強大な敵を倒す。そして、最後に2人はそれぞれ想いを伝え合う。

そして、最後に康介が向かった場所、それは今並行して書いているあのライダーですね。彼女と康介はどのような関係があるのか。是非お楽しみに。

今回登場した仮面ライダーウォーズ、及びフォースの続編に当たる仮面伝説の終わりは来月以降、再び投稿再開します。

それでは皆さん、これからもよろしくお願いします。
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