ハイスクール・フリート   若き人魚と転生者   作:ロイ1世

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演習で沈む    昔を思い出す  

テア達と出会った日の夜

 

ロイはホテルの一室から昼頃電話を掛けてきた人物に電話をする。

 

エーリヒ『君が私に電話を掛けてくるとは、昼頃の無礼を忘れたのかな?』

ロイ『そんなことはどうでもいい。それよりも、明日と明後日の演習の話だが、

今回の演習で発生する全ての被害とその責任は全てドイツが請負う、ということでいいよな』

エーリヒ『ああ、構わないよ。だが急にどうした?。

もしかして、怖気づいたとか?』

ロイ『今回の通話は録音している。それではな』

 

こうしてロイは電話を切った。

その後、ロイは二日間の演習で使う物の整備をした。

 

翌日 ヴィルヘルムスハーフェンゲルマンマーメイド基地

 

ロイ『良い演習にしよう』

ブルマー『ああ。上が君のことをどう思っているかは知らないが、

少なくともスキッパー産業の関係者は君のことが好きだよ』

ロイ『たくさん注文してくれるからか』

 

ゲルマンマーメイドはジョークが大好きらしい。

そう感じたロイだった。

 

司会『それではこれより、サムライマーメイド所属、自由独立戦隊ナナヨコと、

ゲルマンマーメイド所属、ヴィルヘルムスハーフェン艦隊の演習を始めます』

 

なお、この試合はテレビを通して世界同時放送と、

現場での観戦が出来るようになっているが、

この時間、日本は夜で受験前。そのため真白はこのことを知らない。

 

 

ロイ視点

 

ロイ「戦艦4・・・巡洋艦12・・・駆逐31・・・潜水艦1、

エーリヒ、俺をどれだけ潰したいんだ・・・」

 

海賊退治と同じ感じでスキッパーで上陸してもいいが、

戦艦や巡洋艦が多いので、もしかしたら非難されるかもしれない。

あのエーリヒとかいう海軍司令は気に入らない。

だが真霜達に迷惑を掛けるわけにもいかない。

非難されないよう、スキッパーによる艦隊決戦を正攻法で行おう。

 

向こうが砲撃を開始してきた。対策を考えたのか、

砲撃を密集させてきている。

 

 

 

やべえ・・・当たる。

 

 

客席

 

テア『大丈夫だろうか・・・』

 

客席からはゲルマンマーメイドを応援する声のみが聞こえてくる。

 

ミーナ『・・・多過ぎる。何故一人にこれだけの戦力を』

テア『他の国の所属にも応援を出したのか?、

あれはクイーンマーメイド所属艦だ』

ミーナ『イギリスまで?、どうしてでしょう』

 

客席からもそのことに気付いたのか、疑問の声も聞こえてくる。

だがもう演習は始まってしまった。

ロイは中型スキッパーで連合艦隊に向かっていく。

そして砲撃の的になった。直撃しているかもしれない。大怪我では済まないかもしれない。

だが、ミーナはしっかりと見た。

砲撃が当たる数秒前に、スキッパーから黒煙が上がっていた。

 

客『やっぱり、化物のロイなんて日本の嘘だったんだ』

客『だがよ、あれはやり過ぎだと思うぜ』

客『良いんだって。こうでもしなきゃ反省しないだろ』

 

既にもう帰ろうとしている者もいる。

ミーナは隣に座っているテアを見る・・・いない。

 

テア『ロイは化物じゃない!!』

 

滅多に叫ばないテアが叫んでいる。

その方向を見れば昨日路地裏にいた少女達がいる。

 

少女『そうね。今じゃもうただの亡骸ね』

テア『ロイは生きている!!、まだ演習は終わっていない』

少女『でも実際・・・』

 

何かを言おうとしたとき、場が動いた。

戦艦が3隻、ほぼ同時に沈んだ。

 

 

 

在り得ない。使っているのは演習弾だ。

大破しても沈むことはないはず・・・。

それにロイの姿はまだ見えない。

 

テア『どこだ。ロイはどこだ』

ミーナ『戦艦の近く・・・あれは航跡?、だがスキッパーじゃない』

テア『魚雷か?、それならスキッパーに取り付けることができるかもしれない』

 

会場は軽いパニックが起きていた。

戦艦3隻が沈んだ。それはつまり、あの砲撃の中をロイが生き残り、

演習弾でも沈めれるほどの数の弾を誰にもバレずに叩き込んでいた。

それからというもの、次々と沈んでいく。

そして、全ての水上艦が沈んだ時、ロイが煙の中から現れた。

 

ミーナ『何をやっているんだ』

 

スキッパーの上で、棒立ちのロイ。

右手には中華包丁の刃を長くした刃物を持っている。

しばらくして、その刃物を海中に向け、発砲する。

すると潜水艦が浮上して、ハッチから人が溢れてくる。

全員が離艦し終わると潜水艦が爆発した。

 

 

 

 

ヴィルヘルムスハーフェン 海軍基地 エーリヒ・デーニット事務室

 

エーリヒ『申し訳ございません。次こそは必ず殺します』

『そこで何をしている・・・』

エーリヒ『!!』

 

電話を置いて、溜息を吐こうとしたが、固まる。

そして見る。仮面を付けて、黒が基調で所々緑の線が入ったコートをきた人を。

 

ロイ『今の電話は何だったんだ、エーリヒ提督』

エーリヒ『君こそ、晩餐会に行かなくていいのか』

ロイ『あんなもの、行く必要が無い』

 

一階の大広間では晩餐会が行われている。

ドイツの財界や政界の大物と俳優達がいる。

 

ロイ『本題に入ろう。明日の演習に参加する艦船が無い。

つまり演習ができない。提督閣下はどうなさるおつもり?』

エーリヒ『それについては、私の方でも考えていた。今回轟沈したのは48隻。

もうゲルマンマーメイドは壊滅しました。海軍とドルフィンで穴を埋めています』

ロイ『・・・それだと余計ダメなんじゃないのか』

 

溜息を吐くロイに、自信満々の表情で、言う。

 

エーリヒ『直教艦。あれを使いましょう』

ロイ『・・・あ゛?』

 

後日、顔を殴られ意識不明のエーリヒが発見された。

 

結局、ドイツ海軍との演習は中止された。

帰ろうか悩んだが、まだ一日あるので、ヴィルヘルムスハーフェン校で過ごすことになる。




タイトルの話、昔の艦これであったバグです。
ですが最近プレイしだした私はまだ出会ったことがありません。
けど出会いたくないな、心臓が停まる気がする。

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