ハイスクール・フリート   若き人魚と転生者   作:ロイ1世

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はだしのゲンもエースコンバットも余り知らないので、
何か間違ったこと書いてたらごめんなさい。



そんなこんなで本編をどうぞ。


横須賀に帰還したら懐かしい顔を見たよ

横須賀上空  飛行船にて

 

整備士「あの・・・本当に行くんですか?」

ロイ「ああ。入国許可とかも、もう貰っているから、態々基地に戻るのが怠い」

 

ドイツ演習を済ませて帰国したロイは、飛行船の中で話していた。

 

整備士「確かに問題は無いですが、

 基地には報道陣やらがもう「そんなの知ったことか」えぇ~・・・」

ロイ「報告書は艦長に渡したから、職務怠慢にもならない。じゃっ」

整備士「ああ・・・爆弾投下口から・・・」

 

ロイがドイツまで行った飛行船は、ヒンデンブルク号の改修型だった。

当時のドイツの飛行船技術を手に入れるため購入した軍用である。

武装は外されたが、そうゆう所に兵器だった頃の面影がある。

 

ロイ「たしか宗谷邸は・・・あれか。デカいから分かり易くていい」

 

爆弾投下口から落ちたロイ。その両手には、ドイツのお土産が沢山入った袋を持っていた。

 

 

 

真白「・・・落ち着かない」

 

こちらは数日前受験を受けてその結果が不安な人。

ロイがドイツに行った後、真冬が先生役になったが、

思い出話ばかりで一向に進まなかった、というのもありかなり不安だった。

 

真白「あれは・・・6年前に無くした髪飾り!!」

 

思い出の品を庭先に見つけ、駆け寄っていく真白。

すると突然暗くなり、何事かと空を見れば、

トレンチコートのロイがパラシュートなしで落ちてきた。

 

真白「うわあああぁぁぁ!!」

ロイ「お、真白か。受験どうだった?」

真白「ロイ・・・さん・・・」

ロイ「あとこれ。ドイツからのお土産だよ」

真白「あ・・・ありがとう」

 

空から人が降ってきて、その勢いがあるかの如く、袋を渡す。

そして渡された袋を見た真白は、驚いてしまう。

 

真白「こんなに・・・たくさん・・・皆の分だよね?」

ロイ「いいや。それは真白の分。この袋は真雪さんでこっちの袋が・・・どうした?」

 

説明をしている最中、真白が固まっているのに気付くロイ。

袋を見たまま固まっているので、恐る恐る聞く。

 

ロイ「ああ・・・どうした?、デカい虫か鳥が入っていたか?」

真白「あの・・・これ・・・」

ロイ「どうしたんだ、ハッキリ言ってみてくれ」

 

口籠っている真白に少し不思議な印象を持ちつつ聞く。

 

真白「こんなに沢山の服・・・本当に良いの?」

ロイ「ああ。どうせ給料はあんまし使わない人間だから、

 いつもお世話になってる人達に贈らないと存在を忘れちゃう」

真白「ウフフ・・・早速着替えてくるね」

ロイ「・・・やけに上機嫌だな。それほど受験が上手くいったか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図書館

 

ロイ「嘘だろ・・・マジで色々と無くなってる・・・」

 

彼は今、絶望している。彼が前世で愛読していた本が、幾つも無くなっていたからだ。

勿論歴史が違うので、無くなったり新しくできている物もある。

例を挙げるなら、はだしのゲンやエースコンバットの様に、

空想で考えても現実がそれを凌駕するものだろう。

前者は戦争が起きたと想定した物語は幾つもあるが、

空襲や原爆のような物が思いつかないのだ。

エースコンバットに至っては、ジェット機の様な物が浮くとは頭の隅にも無いのである。

そんな無い物を探して3時間。諦めて図書館を出て、潜水艦との合流地点に向かう。

 

 

 

 

商店街の道

 

「もかちゃん、この前の試験、大丈夫だった?」

「うん。それを言うなら、ミケちゃんだって同じでしょ」

「あはは・・・でもテスト前に勉強した所が出たから、合格はできた・・・はず!!」

「昔からミケちゃんは運が良いからね。それに私よりも頭が良いし」

「そんなことないよ、もかちゃんはいつも私より・・・」

 

商店街を二人の少女が歩いている。

彼女達も初めての受験で緊張していたのだろう。

そして結果がとても不安なのだろう。

 

「ねえねえ、君達可愛いよね。ちょっとお茶しない?」

「ホントだねえ。君達どこの学校?」

「お兄さんたちは、・・・ヒ・ミ・ツ」

 

あからさまにナンパを仕掛けてきたが、少し考えたまえ。

もし少女二人がそれに応じて交際に至ったとしても、一人余るぞ。

 

だが、そんなことは頭に無く、ナンパをする男達。

そしてそれを不安に感じた少女達。

 

「もかちゃん・・・」

「だ、大丈夫・・・すみませんけど、そこを退いてくれませんか・・・」

ナンパ男「嫌だよ。それよりも一緒にお茶どう?」

「だ、だから嫌です。そこを退いてください!!」

 

ツインテールの少女よりもその隣の少女の方が、勇気があるのだろう。

ナンパを仕掛けた男達に、退けと言っている。

だがそんな簡単には退いてくれず、泥沼になる。

 

「早くそこを退いてください!!」

ナンパ男「だからお茶をね」

「しませんから、早くそこを「人が優しくしてるからって、調子乗んなよ」・・・」

 

ついにキレた男が、折り畳みナイフを取り出す。

 

ナンパ男「分かったな」

ナンパ男「はいはい。近くにお薦めの店あるから、行きましょ」

ナンパ男「急いだ急いだ」

 

黙った少女を見て形勢が決まったと思った男達が手を掴もうとする。

だが、とうとう黙っていたツインテールの少女が声を出す。

 

「やめてください!!」

 

その声は、震えており、ちゃんと聞き取るのは少し難しいが、それでもちゃんと届いた。

 

ナンパ男「やめてください?、可愛いね~」

 

男達に。

 

「ホント、こんなしょうもないことやらずに、サッサと帰れや」

 

仮面を付け、黒のトレンチコートを着た男にも。

 

ナンパ男「うわ、なんだてめえ、斬られてえのか」

ロイ「・・・今なら見逃す。だが、もし襲ってくるなら・・・その右手の指にさよなら言ってから来るんだな」

ナンパ男「へっ、調子乗んなよ、このカッコつけたい奴が」

ロイ「まださよなら言ってないが、仕方ない・・・」

 

ナイフを突き出す右手にロイは左手で殴り掛かる。

そしてその手にナイフが刺さり・・・。

 

ナンパ男「ざまあみろってんだ。少しは立場わきまえろ」

ロイ「そうだな、だがそれはブーメラン、という奴だぜ」

ナンパ男「うおお!!」

 

ナイフの刺さった左手は、そのまま男の右手の骨を砕いた。

指が向いてはいけない方向に向いてしまっている。

 

ナンパ男「おい!!、大丈夫か」

ナンパ男「この野郎!!」

 

残りの二人もナイフを出した。

だがそれにロイは睨み、脅す。

 

ロイ「一歩こちらに近付いたらお前達全員腕にさよならをすることになる」

ナンパ男「くっ・・・憶えていやがれ!!」

ロイ「よくある捨て台詞をどうも」

 

ナンパ男達・・・いや、社会不適合者達は逃げていった。

そのままロイは後ろを振り向き少女達の方を見る。

 

ロイ「大丈夫か、君達」

「あ・・・あ・・・ああ・・・」

「お兄さん・・・手に・・・手にナイフが・・・」

ロイ「すまない。抜くのを忘れていたよ」

 

左手に刺さっていたナイフを抜き、畳んで、近くのリサイクルショップに向けて投げる。

 

ロイ「驚かせてしまってすまない。私は大丈夫だ」

「左手・・・大丈夫なんですか?」

ロイ「ああ。全く問題無い。昔の事故で、左腕が無くなってね。

 これは義手だから。痛くも痒くもないよ」

「そ、そうですか・・・それにしてもお兄さん、

前図書館でミケちゃんに本を渡した人じゃない?」

「ホントだ。あの人も同じ仮面付けてた」

ロイ「本当だ。君は図書館で背伸びしても欲しい本が取れなかった子か」

「むう・・・でもあの時は、走って逃げてごめんなさい」

 

ツインテールの少女はお礼こそしたが、その様子が不審者を見て逃げている様で失礼だと、隣の少女にこの話をした時に言われ、気にしていたのだ。

 

ロイ「大丈夫慣れてるから。知り合いの子には通報されかけたし・・・」

「あはは・・・大変ですね」

ロイ「それよりも君達も早く帰れよ。治安は良いが、さっきみたいなのもあるからな」

「ありがとうございます、私、知名もえかといいます」

「わ、私は岬明乃です。あなたは・・・」

ロイ「ロイ、ロイ・ヴィッフェ・ヒドルフ。また会えたから、よろしくね」

もえか「分かりました」

明乃「これからもよろしくお願いします!」

ロイ「はは。それじゃあね」

 

 

 

 

 

 

潜水艦

 

 

 

ロイ「さて、あいつらちゃんと、分かったのかね。

 もかは分かるかもしれないけど、ミケは察しが良い分、

 気づかない時は本当に気付かないからな」

妖精「大佐、横七から電文です。読み上げさせて頂きます」

 

 

帰還予定は四月の第二週からお願いします。

漸く計画していたことが動き始めました。

詳しくは帰還した際にお話しします。

それと以前から始まっていたことが完了しました。

後は主による微調整で終わります。

 

妖精「以上が電文の内容です」

ロイ「そうか、それだと始業式に当たるな・・・少し遅れると伝えろ」

妖精「了解しました」

 

 

 

 

ロイ「あの島に帰るのも大体5年ぶりか・・・」

 


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