ハイスクール・フリート   若き人魚と転生者   作:ロイ1世

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聴取は異次元

晴風 教室

 

世界のどの直教艦を探しても、今の晴風よりも奇妙な艦は無いだろう。

何しろここには戦艦含む艦隊に圧倒的勝利を刻み、

商店で重武装した上陸部隊を殲滅、

おまけに海を滑り謎の敵を撃破したロイがいる。

 

本来なら晴風乗員の居ない所で行われる筈の聴取だが、

ロイ本人の希望の元、晴風乗員も参加している。

 

平賀「単刀直入に聞きます、貴方とアベルの関係を教えてください」

ロイ「それを答えるには、少し長くなるぞ」

平賀「構いません、続けてください」

 

ロイが語るのは、常識人なら理解できないこと。

 

ロイ「・・・18年前、世界は深海棲艦という謎の化物と戦争していた」

幸子「待ってください!、最後の戦争は1914年の欧州大戦が最後です」

 

だが事実でもあるのだ。

 

ロイ「そうだ。これから先、私が話すのは所謂異世界の話だ。私が生きていた世界の話だ」

真白「異世界って、そんなものあるわけ・・・」

ロイ「これがその証拠だ」

 

ロイの話を信じきれない真白に、ロイは証拠を見せる。

 

 

キャアアアアアアアァー

 

自分の右手を切り離し、それを高速修復材で治す。

場がサーカスならマジックと言えば通用するが、

今回は艦船の聴取の最中、異世界の証拠になる。

 

ロイ「・・・これでいいな」

平賀「はい・・・」

 

流石のブルマーも困惑を隠せていない。

それでも話し続ける。

 

ロイ「そしてアベルは私が殺した。相討ちという形だから私も死んだがな」

平賀「じゃあ、今の貴方達は何なんですか」

ロイ「転生者だ、少なくとも私は陛下とその御友人に認められたが、

 アベルの方は知らんな」

平賀「・・・陛下とは何者ですか」

 

新しい人物の名が出たらその人物のことを聞く。

少なくともブルマーとしての練度からか困惑していても

聴取は問題無く出来ているようだ。

 

ロイ「未来の事を未確定だが分かって、深海棲艦を治めてるな」

平賀「・・・さっきから聞く深海棲艦はヲ級の様な人ということ?」

ロイ「人類と同じ感じですね。深海棲艦の中には魚の様なものもいます」

 

平賀「そういえば、アベルはルーウィという偽名を使っていたけれど、

 貴方も偽名を使っているの?」

ロイ「ああー、確かにそうだな。うん。ある意味偽名だな」

平賀「ある意味?」

ロイ「前世の名前がロイ・ヴィッフェ・ヒドルフだったからな。

 現世の家族には悪いが、新しい名前が自分じゃない気がしてな」

平賀「一応聞いてもいいかしら」

 

場が異常な程ざわつく。ある意味一番の気になることを聞いた平賀。

 

ロイ「はい。私のもう一つの名前は・・・」

 

現れてから永遠の謎だったロイの本名。

それはとてもあっさりと語られる

 

ロイ「知名 裕一。現武蔵艦長、知名 もえかの兄です」

 

この場にいる全ての人物が?を浮かべる中、一人だけがその名を知っていた。

 

明乃「裕・・・兄・・・」

 

岬明乃だけが、その名前を憶えていた。

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ヨーゼフ

 

ロイ「魚雷は一本しかないんだ。補給要請出しとけよ」

艦長妖精「既に出しています。

 スピリットオブファイアが横七に帰還し補給物資を運搬するようです」

ロイ「戦艦を態々持ち出すのか。それ程補給艦が足りてないのか」

艦長妖精「如何やら、予想以上の戦域の広さに兵站が参っているようです」

ロイ「輸送方法をカタパルト式にしてみれば幾分かマシにはなる」

艦長妖精「そう伝えておきます」

 

椅子に座って机にドガッと足を置き、眠り始めるロイ。

それはこれからの戦いをとても楽観視しているように見えた。

 

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晴風

 

明乃「裕兄・・・」

 

数時間前を振り返る。

死んだと思っていた親友の兄、いいや、血の繋がっていない兄が生きていた。

これはとても喜ぶべき事である。

だがそれを素直に喜ぶこともできない。

イオンモール四国沖店での出来事。先程の聴取。

幼少期の頃の兄の思い出が崩れていく。

 

明乃「裕兄・・・」

 

もう一度呟くその声は、太平洋の夜空に消えていった。

 

同時刻、晴風副長室

 

真白「ロイ兄さん・・・兄さんは一体・・・」

 

一年にも満たない付き合いだが、それでもある程度は理解していたつもりだった。

アベル、深海棲艦、18年前、異世界、戦争。

思考が出来ない。何処かにメモを取らなければ忘れてしまう、そんな感じもする。

数日前までのイメージが崩れ去る。姿は出てもどういう人物か分からない。

今考えても無駄だ。そんな気がしたから、私は目を瞑り、意識を手放した。




カタパルト式輸送

物資をカタパルトの様に投げて届ける。
イメージとしてはミサイルの方が近い。
実際にあるかは知らない。

戦艦 スピリットオブファイア

HALOWARSに登場する元移民船、現宇宙戦艦。
主は一度もプレイしたことは無いが、
ムービー中の映像は10年前とは思えないほどの物で、
動画で一度見ることを勧める。
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