血も筋肉も何もかも、秋刀魚と鰯になるくらい。
横須賀
大敗北
それが我々横須賀駐屯深海棲艦の現状だろう。
敵の空中戦艦を砲撃したところ、シールドに弾かれた。
高度30000フィートに届く砲撃は戦艦クラスしかいない。
よって重巡以下は戦力にならない。
空母、艦載機もそうだ。
空中にいる以上艦攻も艦爆と同じ扱いになる。
だが爆撃可能な高度に達するまでに、どれほどの航空機が生き残れる?
答えは零だ。
あの対空砲火を潜り抜けれた航空機は、いなかった。
雲に隠れ奇襲を掛けても、直ぐに撃墜された。
もうすぐ報復攻撃が来る。
そうしたら我々は全滅する。
せめてもの悪足搔き。全艦艇による一斉砲撃。
それも当然の如く、シールドに弾かれた。
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SoF
地上が良く見える展望デッキ。そこには整備局の幹部二名とロイがいた。
ジェームス「殲滅完了、付近に敵はいません」
ロイ「御苦労、御覧頂いたのが我々横七の総戦力の内のひとかけらです」
幹部「・・・、分かった。君達の要件を述べたまえ」
これ以上の傲慢な態度は良くないと悟り、発言権を相手に渡す。
それを待っていたと言わんばかりに、ロイは喋りだす。
ロイ「我々横七は、国家に近い武装集団です。国土は横七本島と北極の基地。
それ以外は全て他国の地の上にあります。
そして目標が一つ、それを邪魔しなければ、我々は危害も与えず、寧ろ守りましょう」
幹部「分かった、後でその要件を飲もう、私達はもう地上に戻る」
セリーナ「地上のフォージ軍曹から、通信が入ってます」
SoF搭載のAI、セリーナがフォージからの報告があることを伝える。
ロイ「どうだった、軍曹」
フォージ「地下水道にて局長を保護、大きい傷も無く、バイタルも大丈夫です」
ロイ「そうか。よくやった、軍曹。SoFは横須賀にて待機、
軍曹らを回収後、レ号作戦の準備をせよ」
ジェームス「了解です、提督」
フォージ「了解した、大佐」
局長を保護して安心している所にセリーナが水を差す。
セリーナ「喜んでいる所すみません、大佐」
ロイ「どうした?」
セリーナ「商船が一隻座礁し、沈没したようです」
ロイ「よくあることだが、お前が持って来るほどの案件だとまだ続きがあるな」
セリーナ「はい。救助に晴風が急行、救助をしていたところ深海棲艦と戦闘になりました」
ロイ「・・・」
セリーナ「船内には一名取り残されています。海兵隊は晴風の護衛で精一杯です」
ロイ「・・・、ヨーゼフでも、数時間はかかるな」
セリーナ「本艦でもワームホールの設定に時間が掛かります」
ロイ「悩んでもいられない、ワームホール展開準備を」
晴風乗員救助のため、直ぐに発艦準備をさせている所を、スパルタンが止める。
スパルタン「大佐、本艦には歩兵専用のワームホール転送装置があります」
ロイ「さっき軍曹らを送った奴か」
歩兵専用のワームホール転送装置、先行配備型を第一艦隊の帰還だからと配備されたもの。
人数は、一度で数百人が移動でき、危険は無い。ただ、帰ることができない。
ロイ「あれなら時間もそう掛からない。セリーナ、今すぐ準備を」
セリーナ「もうやっています。そちらこそ出撃の準備を」
スパルタン「我々スパルタンも同行します」
ジェームス「収容を急がせ、直ぐにSoFも向かいます」
――――
転送装置
ロイ「栄光の炎、ねぇ」
スパルタン「すみません、ですが、それ位しか今はありませんので」
ロイ「無いよりはいい」
セリーナ「ワームホール準備完了、転送まで3、2、1、GO」
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しんばし
真白「はぁはぁはぁ」
本当に付いてない。本当に付いてない。
やっぱりあの時に晴風に残るべきだった、救助隊の指揮はミーナさんに任せればよかった。
真白「うああ、右か!?」
じゃなきゃ海中であんな奴らから逃げなくて済んだのに、
ロイ兄さんに褒めて欲しくって志願したのが馬鹿だった!!。
戦艦水鬼「どこまで逃げても無駄なのに」
真白「もう後ろまで!!」
戦艦水鬼「さあ、泣き叫んでロイを呼びなさい」
さっきからそうだ。こいつらは私じゃなくてロイ兄さんを狙っている。
もしかしたら、逃げてるのではなく逃がされているのかもしれない。
真白「い、行き止まり!!」
多聞丸「ニャー」
戦艦水鬼「猫!!、気が変わった。直ぐに殺してやる!!」
彼奴から、何か砲塔のようなものが出た瞬間、
私と彼奴の間の空間が、急に渦を巻き始めた。
戦艦水鬼「なにこれ、撃てない!?」
真白「これは・・・」
前に一度、この前、見た。
前はもっと大きかった。夕暮れの空に現れた。
中からは・・・あの空中戦艦が現れた。
「伏せろ!!」
間違いなく、ロイ兄さんの声だ。
そう思ったのも束の間、渦から銃声と銃弾が飛んできた。
戦艦水鬼「くっ、ここは一度、退かせてもらうわ」
彼奴は逃げていった。渦からは凄い戦闘服を着ている3人と、ロイ兄さんが現れた。
――――
ロイ「ジェローム、ダグラス、アリス、それぞれ散開して深海棲艦を倒せ」
スパルタン,s「了解、行くぞ」
ロイ「真白、付いてこい」
真白「付いてこいって、脱出する方法があるんですか?」
ロイ「策も無しに突っ込む程馬鹿じゃないよ」
二人はその後、海面に近づくため上へ上へと昇って行ったが、
何度も深海棲艦の奇襲を受けていた。
ロイ「さて、ここ一番の問題がある」
真白「どうしたの?」
ロイ「酸素発生装置、どうやら破壊されたみたいだ・・・」
真白「ど、どうするの!?」
ロイ「少し待っていろ、直ぐに戻る。念の為、これを持っておけ」
そう言って渡したのは、双竜の彫刻が施されたハンドガン。
ロイは来た道を戻って行った。
――――
少しの時間が経った後、ロイ兄さんは帰ってきた。
血を流しながら、必死そうな顔で。
真白「大丈夫ですか、ロイ兄さん!!」
ロイ「逃げろ・・・早く・・・」
ダグラス「いたぞ!、近くに人もいる、急げ」
アリス「そいつから離れて!!」
真白「あんた達、ロイ兄さんの仲間じゃなかったのか!!」
ジェローム「違う!!、そいつは、大佐じゃない!!」
真白「えっ?」
ロイ?「信じてくれ・・・」
分からない。見た目に大きな差異が・・・差異が・・・差異が・・・ある。
ロイ兄さんは、傷を一瞬で完治することができる。
つまりこいつは、こいつは・・・深海棲艦・・・。
真白「当たれ!」
狙いもつけず、適当に撃った弾丸は、その偽物に当たる。
戦艦水鬼「GUAAAAAA!!、何すんのよ!!」
真白「ひぃっ」
私と彼奴は近い位置にいる、ハッキリと分かった。
殺される
そう思って前を見ると、彼奴は不自然な姿勢で固まっている。
戦艦水鬼「GUAA・・・こんな所で・・・死ぬなんて」
彼奴が倒れる。その後ろには、ロイ兄さんが口から血を流す・・・いや、嚙みついて出た、
彼奴の血が付いていながら、立っていた。
――――
ロイ「まだ中にいる。スパルタンは駆除を終えた後、上がってこい」
スパルタン,s「了解」
ロイ「行くぞ、しっかり掴まれ」
真白「えっ?」
ロイは真白の手を掴み、船底を突き破って海中に出た。
ロイ「目を開けるな、息を止めろ、多聞丸を離すな」
真白と何故か多聞丸は、その言葉を守った。
だが突然、ロイの動きが鈍くなった。
ロイ「早い、早いって、もう少しゆっくりでもいいじゃんか」
急に藻搔き出した。すると深海棲艦が集まってきた。
ロイ「ええぇい、もういい。一気に飛ばす、3、2の1GO!!」
ロイは真白達を上にぶん投げた。
晴風
明乃「待ってるって、こんなに辛いんだね・・・」
艦橋で呟く独り言。それを潰すかのように、報告が入る。
マチコ「水中から人が飛んできました、副長です!!」
明乃「シロちゃん!!」
秀子「空に、あの空中戦艦がいます」
明乃「裕兄まで来てる!!」
晴風では、最早勝利したという雰囲気が溢れていた。