お許しください。
晴風
ロイ「俺は・・・」
目を覚ます。広がる景色は、兎に角白い。
美波「起きたか、ロイ教官」
ロイ「美波養護教諭。ここは晴風の医務室か」
美波「そうだ。教官も長いこと面倒を見なければいけないのかと心配した」
話しかけてくる美波を見ながらも、あることに気付く。
ロイ「そうだ・・・ヲ級の奴は何処に行った?」
美波「彼女なら」
ヲ級「ここよ」
眠っていたヲ級を探そうとしたところに、ヲ級が帰ってくる。
ヲ級「お久しぶりね。随分と元気そうで良かったわ」
ロイ「そういうお前はなんか結構変わったな」
ロイの記憶の中にあるヲ級は、
口調がその、男っぽかった。
だが目の前にいるヲ級は、全然違った。
ヲ級「沢山の夢を見たから、ちょっと変わったのかな?」
ロイ「そ、そうか。それならよかった」
どういう夢か気になったが、聞いても理解できないと思って諦めた。
美波「・・・教官、寝ている間に色々検査させてもらった。
そしたらこんなものが出てきた。色々聞きたい」
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???
深い深い海の底の何処かで、アベル達深海棲艦の首領は会議をしていた。
アベル「取り敢えず、緒戦から劣勢なのね」
欧州棲姫「私達も力を貯めたけど、ロイはそれを上回っていた、ということよ」
南米棲姫「あの空中戦艦を沈めない限り、勝ち目は無いわ」
北米棲姫「それについては少し策があるの。近いうちに見せるわ」
大西洋棲姫「いづれにしろ、早く沈めないとね」
太平洋棲姫「こっちは奴らの本拠地である横七を探してるんだけど、
一向に見つからないのよね」
アベル「多分探しても無駄よ。探すなら横七にとっての重要地点を探しなさい」
するとそこへ、一匹のイ級が入ってくる。
イ級「こ、こちらを御覧下さい」
アベル「一体どうした」
イ級「ロイが、横七が、蜂起宣言をしてます!!」
ロイ「我々、横須賀第7鎮守府、通称横七は、ここに改めて蜂起を宣言する。
18年前、一時的な休戦となった深海戦争は、改めて開戦したことをここに告げる。
戦場は全世界の海。軍は横七と深海棲艦。被害者は諸君ら現地政府。
世界に散りし我が軍は、今月上旬から中旬にかけて戦闘状態に突入した。
世界で騒がれているUFO情報は、我が軍の航空隊である。
世界で騒がれている幽霊船は、我が軍の海軍である。
世界で噂されている、ロイ・ヴィッフェ・ヒドルフは、
横須賀第7鎮守府提督であり、私である。
横七の殲滅対象は深海棲艦、それに付随する諸国。
我々の防衛対象は、地上で生きる全ての生命。
我々は戦うことを放棄しない。我々は、生きることを放棄しない。
最後に改めて宣言する。
我々は深海棲艦とそれに追随する諸国と、戦闘状態に入った」
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SoF
ロイ「全く、派手にやってくれるよ」
ジョニー「映像製作班と宣伝省からの要望です」
実を言うと、先程のは全て作り物の映像だった。
ロイのやったことと言えば、アフレコをしたくらいである。
ジェームス「ですが提督も楽しんでおられませんでしたか?」
ロイ「ふふふ。分かったか」
艦橋で話し合うこと40分。
ロイは晴風に降り、SoFはレ号作戦の発動を受け、作戦行動を開始した。