ハイスクール・フリート   若き人魚と転生者   作:ロイ1世

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ボスマスまで辿り着けない。夕雲型に高練度艦がいない。
沖波なんて子は存在しない。…HELP ME


ようこそ横七本島へ

晴風はロイの道案内のもと横七本島へ向かっていた。

 

ロイ「あの島だ。あれは内部が空洞になっている。そこの間を抜けろ」

鈴「分かりました」

幸子「あの島は一昨年発見された島ですね。

   羅針盤などの案内道具が正常に作動しないので辿り着けない幻の島です」

ロイ「そりゃそうよ。なんてったってこの島は横七の人工島だからね」

 

その発言を受けてより注意深く目の前の島を見る。

緑が多く鳥や魚を目を凝らせば発見できる。人工物には見えない。

内部に入りある程度進む。岩や天井には苔が多く生えている。

道としては真っ直ぐなので事故る理由が無い。

 

ロイ「取舵、方位70、今」

鈴「取舵、方位70、ヨっヨーソロー!」

真白「何を!!、岩にぶつかります。座礁する可能性も」

明乃「直進する道はまだ続いていますよ!!」

 

しかしそこで出される取舵70。先程も伝えたが真っ直ぐ、そして一本道である。

そこで曲がるというのは車で例えるなら高速道路の端にぶつかりに行くものである。

 

ロイ「ここは横七が造ったんだ。初心者にとやかく言われる筋合いはない」

真白「…分かりました」

 

焦っているのか、まともな問答をせずに意見を潰す。

するとその答えが分かった。

一本道の先で何か光ったと思ったらロケット弾が飛んできた。

 

ロイ「機関最大戦速、時間7秒」

麻侖「合点、最大戦速!!」

「「「「「はい!!」」」」」

 

ロケット弾は回避することに成功した。しかし今度は岩にぶつかる。

 

そう思ったとき、壁が透けて人工物が見えた。照明や埠頭が並ぶ。

 

明乃「これって…」

ロイ「漂流者や万一侵入者が現れた時の迎撃策の一つ。

   あのまま直進してれば本島より先にあの世行きだね」

真白「じょ、冗談じゃありませんよ…」

ロイ「☆K☆O☆R☆O☆S☆U☆つまりでやっているんだ」

芽依「それより、今の奴って噴進魚雷?、早く撃ちたい!!」

志摩「ういうい」

――

ロイ「機関停止、お疲れさまだな」

明乃「?、他の船が見えないよ」

 

機関を止めるということは、目的地に着いたと同じ事だ。

だが周りには相変わらず照明と埠頭しかない。

 

「ワームホール展開、転送まで10秒」

幸子「外を見てください!!」

真白「んっ?風景が…」

鈴「ど、どうなってるの!!」

 

アナウンスの後から外の様子がおかしい。

最初は一瞬、それこそサブリミナルメッセージのようだったが、

時間が経てば経つほど周りがドックであることが

わかるような映像が途切れ途切れに流れる。

 

「転送完了。後は自動で移動します。機関を止めてください

 …停止を確認しました。移送を開始します」

真白「何かに引っ張られて晴風が移動している」

幸子「あそこを見てください。戦艦がありますよ!!」

志摩「64」

芽依「64cm!!しかも三連装砲で一部だけだけだから武蔵よりも大きいよ!!」

 

トラクタービームで牽引されている最中に一隻の戦艦を見つける。

それは64cm三連装砲を数基配備しており主砲なら大和型に勝る。

 

ロイ「あれはSoFの主砲をどうするかで最終選考まで残った砲の実験艦だ。

   選考には敗れたが戦力外ではないのでこうして保管してある」

幸子「あんなのがあれば独立国家としてやっていけますよ」

ロイ「もうやってるんだよな~」

真白「しかもあれで最終選考落ち…」

芽依「教官!!、早くあの砲と魚雷を撃たせてください!!」

志摩「ううい!!」

ロイ「分かった、分かったから。騒がないでくれ」

 

そうこうしているうちに晴風はドックに入り停止した。

周りには同じ位の大きさの艦が並んでいた。

 

明乃「航洋艦がすっごいたくさんある…」

真白「だがどれもさっきの戦艦に比べたら古いな…」

ロイ「仕方ないよ、こいつらの建造は8年前の横七が出来て直ぐだから」

幸子「へぇー、そんな最初からこんな艦艇を建造していたんですか」

ロイ「まあね。横七の事がバレて攻撃されたときに備えて…」

芽依「だけど去年、あの手前から2つ目の奴見たよ」

ロイ「あー。まぁ海賊に扮して作戦を行うことがこの初期艦隊は多いしな、

   去年のブルーマーメイド本部砲撃事件*1は派手にやりすぎたと反省してる」

明乃「あれってやっぱ横七がやったんだ」

幸子「薄々そんな気はしていましたが」

 

しれっと自分達がとんでもないことをしたとカミングアウトする。

だが既に色々なことをやって驚かせていたので自然と耐性は少しついた。

 

ロイ「さあ全員降りろ。作業が終わるまで晴風には出入り禁止だ。

   必要なものは全てもってけ」

芽依「降りた後はどうするんです?」

ロイ「地上には宿泊施設がある。そこで寝泊まりしてもらう。さあ急げ」

――

ロイ「よーし、全員いるな。これから先の道案内人を紹介する。

   横七本部の設計主任代理、カーマンだ」

 

そう紹介されたのは7cmくらいの小人である。

 

カーマン「こんにちは、晴風の皆。僕はカーマン。この本部の地下設計主任の代理。よろしくね」

明乃「すごい、小人が喋ってる!!」

真白「かわいい…」

 

皆がカーマンを見て騒いでいるなか、疑問の声をあげる者もいた。

 

幸子「これも機械?」

ロイ「横七の多くは機械だが、それを作る奴もいるんだぞ」

カーマン「僕は機械じゃないよ。スパルタンや海兵隊とかは機械だけどね」

まゆみ「へぇー、海兵隊員の皆さんは機械だったんだー」

ロイ「まあそうだな。人的資源が貴重な横七だと特に」

 

そう言いながらロイは扉を開けて部屋の中に展開されていたワームホールの中に入る。

一部の者達がついていこうとしたが謎の壁にあたって進めなかった。

 

カーマン「提督は違う場所に行きますから。こっちです、付いて来てください」

明乃「あの、裕兄は何処に行くんですか?」

カーマン「さあ、よく知らないけど最下層の作戦会議室じゃないかな?

     決戦が近いから会議とか開いていると思うよ」

 

一行はその後違うワームホールに入り地上に出た。

――

幸子「さっきも思ったんですけどこの島って外から見たよりも大きいんですね」

芽依「確かに、大和型以上の戦艦だったり、駆逐艦が数隻並んでもまだ余裕のあるドック。

   あの外観からは想像も出来ないね」

カーマン「それもそのはずです。なんと言ってもあの島と本島は違いますから」

明乃「えっ?違うの」

カーマン「はい。あの島のワームホールで本島に移動する、謂わばあそこは受付です」

真白「じゃあこの島はどこにあるんだ?」

カーマン「えー正確な位置は言えませんが雲の上にあると覚えていただければ結構です」

真白「雲の…上…」

――

作戦会議室

 

少し偉そうな服を着ている妖精複数人が円を作るように椅子に座っている。

机の上には色々な資料がありこの妖精たちが司令室勤務だと分かる。

ロイはその中の空いている席に着く。そこは他よりも少し椅子が豪華だ。

ここでもやはりXCOMのように地球のホログラムが中心にあって回転している。

 

 

「各地で深海棲艦が攻勢を開始。現状の戦力で撃破可能ですが決戦の際、

 援軍が出せません」

「援軍を出すとなると現地の住民に被害が多く出ます」

ロイ「分かった。武蔵の方は?」

 

今まで回っていたホログラムが静止し西太平洋を拡大する。

 

「武蔵に偵察隊が張り付きました。このままの進路ならマニラ沖に行くかと」

「…既に現地では行方不明艦の発見報告が多々あります。

 決戦用の戦力をマニラへ送るべきかと」

「このままマニラ沖で決戦となれば、特段防衛施設がないので焦土化します」

「直ぐに工兵を送って要塞や陣地を建設すべきです。戦力も結集させましょう」

「提督のあの海に対する認識は分かっています。しかし相手も同じとは限りm…」

 

 

 

 

 

 

 

 

ロイ「お前達はわかっていない」

 

 

 

 

 

 

その場が凍り付く。マニラ決戦を主張していた妖精は冷や汗を流し始めた。

 

ロイ「お前達は『何処かが攻撃されたら必ず反撃する』という前提で動いている。

   しかしアベルとしては『必ずロイを殺さなければならない』と考えている。

   つまり俺が確実に出撃する場所を考えなければならない。

   そうすると候補は3つ。まずは横七本島。次は晴風。そして横須賀。

   このうち横七本島と晴風は不可能だとアベルは考える。

   前者の理由はこの島を探知することが不可能という事。

   深海棲艦の航空機はかるく宇宙に飛び出し掛けてるこの島を見つけれない。

   ワームホールのあの島が仮に発見されても

   陸戦になることが決定されている以上仕掛けれない。

   後者の方はまず様々な艦隊が挑戦したが不可能だったこと。例を挙げるなら

   猿島や伊号組、比叡、シュペー、スペード、あとあのババア*2

   次に俺が囮として利用する可能性を捨てきれないこと。

   幾ら乗員が身内やそれに近くても横七全体ではなんの被害も無いからな」

「それでは…やはり横須賀で起こるのですか?」

「うーむ。横須賀にいるのは駐屯海兵隊ぐらいだ」

「日本中の戦力を結集すればあるかもしれない」

 

3つのうち2つを否定して残りを否定しないとあらばそれは残りを選んだという事。

だが今現在横須賀にはあまり戦力がない。

元SoF所属のフォージ軍曹率いる海兵隊と航空隊のみである。

 

ロイ「戦力の問題だが、まずこの島にある戦力を全投入。

   次いで『横八艦隊』も動員する」

 

また動揺が広がる。『横八艦隊』とはアベルとの決戦時に主力とする艦隊である。

SoFを初めて建造したときに発案され決行、今に至る。

 

「横八まで…」「だがあの艦隊はまだ乗員の養成が完了していない」

「確かにな…精鋭集団は北極で大半が死んだ。

 あれより大人数を必要とする横八に使える兵はいない」

ロイ「それに関してだが、そこが一番の――な問題なんだ」

――

*1
去年の夏、ブルーマーメイド本部のあるニイハウ島が所属不明の駆逐艦と思われる艦艇に砲撃された事件。夜間で人が少なかったため死者は出ていない。横七がここを砲撃した理由は本部の対応を調べるため。尚、評価としては最低だったらしい

*2
太平洋棲姫

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